昨年結成された地域一体型NST"南庄内食べるを支援し隊"の記念すべき第1回目となると研修会が開催されました。講師には公立能登総合病院歯科口腔外科の長谷先生をお呼びしましたが、素晴らし過ぎるトークと内容の濃さに感動しまくりでした。事例報告では、様々な専門職が関わることで、多角的な視点での支援が出来ることを学びました。始まったばかりの活動ですが、発展継続できるよう今後とも後方支援していきたいと思います。
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南庄内・たべるを支援し隊 研修会
山形県在宅医療推進事業
日時:平成31年3月16日:13:00~16:30
場所:にこふる
講演
「認知症高齢者の食を導く考え方」
~食べる力の見える化と職種間連携のヒント~
公立能登総合病院(歯科口腔外科) 「食力の会」代表 長谷 剛志(はせ たかし) 先生
○
食事観察サポートソフト 「いーとみる」 3万円
食べる力を回復させたいという思いから
2000名の情報をデータベース化
25項目から対応策、改善策が提案される
食べる力の見える化
○食事での窒息死 4000人/年 以上
4歳未満も増えおり、食育にも問題となっている
提訴される事例が増えている
棄却されることも多いが、有罪なると比較的高額となる
なすべきことができていないと罪を問われる場合がある
なすべきこととは
食材、観察、連携、記録
死に至った誤嚥物のベスト10
おかゆ、もち、ごはん、肉、野菜・果物、パン、
入れ歯、寿司(海苔巻き)、包み・袋、
薬
○認知症の誤食行動 入れ歯を食べることもある
○口腔機能の低下が「フレイル」のスイッチ?
口腔機能低下は(噛む回数が少ないことで)若年から始まっていることもある!
○噛むことで誤嚥性肺炎のリスクは下がる
かむかむチェックシート(食材と噛むそれを噛む回数の平均値を表にしたもの)
○認知症と食事形態、認知症は食行動異常を伴うことがある
嗜好、食欲の変化、見当識障害や実行機能の障害(食事を開始しない、集中しない、食器の使い方が分からない・・)、
○認知症の分類
認知症は病名ではない。アルツハイマー病、レビー小体・・、血管性、前頭側頭葉
を区別して対応する、
○薬剤による摂食嚥下機能への影響
○食行動を妨げる代表薬剤
○義歯は、入れた方が良いわけではない
○食支援
情熱だけではだめ
誰の満足のためなのか
摂食嚥下チームの見解を優先する
ブレない
○ミールラウンド(食事観察)
目にみえない 洞察力が必要
洞察力とは、目に見えない洞察力を読みぬく力、
「OODA」ループ
O:観察、O:洞察、D:決定、A:行動
○口から食べることの意義
生きる から 活きる へ
○かにやしろえび(カニや白エビ)を使ってのアセスメント
か(環境)
に(認知症)
や(薬剤)
し(心理)
ろ(老化)
え(栄養)
び(病気)
①環境
病院から補助栄養食品やトロミ剤が必要と判断された高齢者がいたとしても、購入にかける費用(経済力)には個人差がある。さらに、買い物に行く手段やお店が居住場所の近くにない(買い物弱者)、調理(食事準備)ができないなど個人の生活環境に配慮して支援計画を練らないと、いくら理想を語っても絵に描いた餅である。また、孤食の問題からくる食の偏在や食形態、食事介助の協力など高齢者を取り巻く環境を知らなければいけない。
②認知機能
食物認知機能が低下すると、円滑な食事が困難となる。食べ物を認識できず、低栄養の原因ともなる。また、認知症の中核症状と食環境に齟齬があると異食・盗食・過食・拒食といった食行動異常が出現することもある。
③薬剤
内服薬の影響により「薬剤性嚥下障害」をきたすことがある。特に不穏・譫妄・うつ症状・不眠などに対して処方される非定型抗精神病薬・抗うつ薬・抗不安薬は、時に重篤な摂食嚥下障害を引き起こす。その他、口腔乾燥や味覚異常などをきたす 薬剤も多く、多剤服薬している場合は処方薬の整理が必要だ。また、処方された薬がしっかり飲めているか服薬支援に目を向けることも忘れてはいけない。
④心理
神経因性食欲不振症など摂食障害の他、うつ病(老人性うつ)など心因的問題で食欲は減退する。また、普段何気に食事している人でも精神的悩みやストレスにより突然の食思不振を招くことがある。一方、食品の盛り付けや彩りが心理的に影響し、食に対する過去の記憶や嗜好が刺激され、食欲向上につながることがある。
⑤老化
加齢に伴い筋肉量が減少すると消費エネルギー量が少なくなるため、食欲減退傾向にある。また、消化液(胃液・膵液)の分泌量が減少し、腸の働き(蠕動運動)が低下することも食欲を減退させる要因となる。さらに、歯の喪失や唾液分泌量、舌圧の低下など口腔の老化現象により食塊形成が困難となり誤嚥や窒息のリスクが高くなる。
⑥栄養
低栄養になると免疫力の低下を招き、誤嚥性肺炎のリスクが高くなる。また、水分やビタミン・ミネラルの不足により口腔粘膜炎や味覚異常、意識レベルの低下をきたすこともある。そして、低栄養によって筋力低下(サルコペニア)が生じると、さらなる摂食嚥下障害をきたす可能性がある。
⑦病気
脳血管疾患や神経変性疾患(筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病など)を原疾患として摂食嚥下障害をきたすことが多い。一方、先天的な口蓋裂や顎の形成不全に伴う場合や、口腔がん・咽頭がんなど口腔・咽頭の構造に起因する摂食嚥下障害もある。原疾患が何であるかによって食支援のプランニングや方向性が異なる。
以下、SNSの投稿から
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3月16日(土)の午後13時から16時半にこふるで勉強しました‼️
地域NSTとして活動している庄内食べるを支援し隊の皆さんの企画です🙆
講演は能登公立病院歯科口腔外科医で、地域に訪問して食べる喜びを届けてくださっている
長谷 剛志先生🍀
笑いあり、涙ありの楽しいお話でした。あまりに楽しくて、ご講演中の先生の写真を忘れてしまいました。いきなり懇親会の写真からですみません😉
65才以上の誤嚥、窒息の原因第一位はなんでしょう?第7位は薬で、私達は日頃、本当に内服できているかを確認できていないのかもしれません。
4年間外さなかった義歯の写真は衝撃Σ(-∀-;)
食事のようすを観察するとき、何を見ていますか?洞察力が必要です。そこがプロの目なんですね。在宅で食を支援することと、病院との視点の違いもよくわかりました。生かされている生から、いきいきと活きる生活へ、食から支援するんですね。
食べる力をアセスメントする指標として、能登の名産品にちなんで、カニやしろえび😁環境、認知 薬剤 心理 老化 栄養 病気を総合してアセスメントすることが必要😁なるほどです。摂食、嚥下だけをみるのではないのですね。これは認知症や精神疾患、慢性的な疾患にも共通するところです。
長谷先生が開発された『いーと みる』というソフトは興味津々です。カードを使った実例でのグループワークは、鶴岡でも是非やってみたいと思いました。
後半のシンポジウムでは、事例を通して、食を支援し隊の皆様の活動の様子がわかりました。食を支援し隊が鶴岡にあリ、在宅の方たちを支えて下さることは、本当に心強いことです。これがボランティアではなく、地元に根付くようなシステム構築が望まれます。在宅でこその食支援を、多職種で情報共有しながら、ぶれずにやっていくためにも、Net4U は大切なツールだと実感しました。
元気のもとは食から‼️😋🍴💕
元気になる土曜日の午後でした~✌️
ありがとうございました~\(^-^)/😋
読んで勉強になりました😊
私も先日、高齢者の食事摂取の様子を、特養で観察させていただいたばかりです。何かできること…を社内で検討中。視点は違いますが、何か絡めそうな気がします❣️
歯科口腔外科の先生でも、在宅まで出て、食支援を頑張っている先生がいらっしゃるという事が私の中では、ビックリです。
そういえば、山形県では病院歯科の先生方も一生懸命だったと思い出してきましたが、この5年間は、そういう口腔外科の先生とはお会い出来ておらず、専門外と追い出される事が多かったです😞
アップ有難うございます♪
とても素晴らしいご講演でしたねぇ!
第二弾行いましょう!
ご報告ありがとうございます。イッチー先生の謝辞でもお話がありましたとおり、長谷先生の講演がとてもとても素晴らしいかったです。聞く人の理解の深まるプレゼンテーションの手法がとても勉強になりました。ただ、あまりにもレベルが高くマネはできませんが・・・。