鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

医療と介護の連携研修会

2024-11-08 15:26:02 | 日記

医療と介護の連携研修会

136名(内訳は下記)の参加を得て、表記研修会を行いました。

主催者として冒頭以下の話をしました。

<研修会の歴史>

医療療と介護の連携研修会は荘内病院と介護との連携推進を目的に 2008年に鶴岡市が主催して始まった多職種研修会です。その後蛍が事務局を務めています。徐々に参加職種が増え、コロナ禍前には220名を超える程の参加者があり、グループワークの場所を確保するのも大変な会へと発展してきました。

コロナ禍でしばらく休会となっていましたが、昨年より参加職種を制限して再開しました。それでも前回は70名を超える多職種の皆さんに集まって頂き、「病院からの在宅~施設退院」をテーマに有意義なディスカッションが行われました。

さて、
<2025年問題から2040年問題> <地域包括ケアから地域共生社会へ>
これまで、団塊の世代が75歳の後期高齢者となる2025年に備え、「地域包括ケアシステム」の構築が推進され、在宅医療はその中心として重要な役割を果たしてきましたが、2025年度以降も85歳以上の人口は引き続き増加し、医療と介護の複合ニーズを持つ者が一層増加するとされ、看取りを含めた更なる取り組みが求められています。一方で、支え手である現役人口は大幅に減少し、厳しい人材不足に直面しています。この厳しい局面を乗り越えるためには確固としたビジョンと対策を作ることが望まれます。
 
<地域包括ケアから地域共生社会>
地域共生社会の理念とは、制度・分野の枠や、「支える側」「支えられる側」という従来の関係を超えて、人と人、人と社会がつながり、一人ひとりが生きがいや役割 をもち、助け合いながら暮らしていくことのできる、包摂的なコミュニティ、地域社会を創るという考え方。ACP(Advance Care Planning) から ALPへ(Advanced Life Planning)へ。
 
<参加者内訳>
 講師  医療:33  居宅・包括:67  訪問・入所・通所サービス:25  その他:10
 
<内容>
 
 
事例1
 80歳代、男性
 認知症、脳卒中の既往、左麻痺、要介護2、デイサービス週2回、
 自宅で転倒、立位困難、病院受診、第1腰椎破裂骨折
 ヘッドアップ30度まで、急性期でのリハ治療4W後に回復期病院へ転院
 見当識障害、記憶障害、誤嚥性肺炎発症、経鼻径管からの栄養注入
 胃瘻は拒否、経鼻径管栄養のまま自宅退院
 週2回のデイサービス、週1回の訪問看護、2Wに1回の訪問診療、1か月に7日のレスパイト入院
 
事例2
 76歳、男性、要介護3
 間質性肺炎、心不全、肺梗塞
 在宅酸素、
 日中ほとんど臥床
 R6年、6月頃から徐脈、浮腫、嘔吐頻回、飲み込み困難
 間質性肺炎、心不全悪化も入院拒否
 本人、家族の希望である在宅看取を行えた。
 
<グループワーク>
2事例の報告の後、10名程度のメンバーx14組でグループワークを行いました。
 
■認知症患者が食事をあまりとれなくなってきたらあなたはどうしますか
❶それぞれの職種の立場で、どのような支援を行うのか(行えるのか)
❷あなたが家族であった場合はどうしたいですか
❸あなたが本人であった場合(まだ意思表明ができる状況で)どうして欲しいですか
 
■自宅看取りにおけるチームケアの課題および要点について
❶それぞれの職種の立場で話あって下さい
❷家族(介護者)もチームの一員ですが、家族の立場としての意見も述べてください
(時間があれば)
❸介護家族がいない場合について、その課題やチームケアとしての対応をどのようにするのか話あって下さい。
 
活発な話し合いが行われ、最後に蘆野先生から「もしもの時に備える」と題したショートレクチャーを頂き、閉会となりました。
 
 

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NPO地域共生を支える医療・介護・市民全国ネットワーク 第3回全国の集い in 福岡 2024

2024-11-08 10:30:47 | 日記
「NPO地域共生を支える医療・介護・市民全国ネットワーク 第3回全国の集い in 福岡 2024」に参加してきました。
 
「NPO地域共生を支える医療・介護・市民全国ネットワーク」は、2022年に地域医療研究会とNPO在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワークという長年の歴史をもつ会が合併をして設立された団体です。安心をして最期まで暮らせる地域社会を作るため、市民を含む多職種が連携・協働して、地域共生社会を作ることを活動目的としています。
 
来年の全国大会は、瀬尾さん(瀬尾医療連携事務所代表取締役)が大会長を務め、鶴岡で開催することになっていますので、視察も兼ねて参加したという背景もあります。来年度の鶴岡大会の内容については今後検討予定のようですが、鶴岡の多岐にわたる連携の歴史を振り返る良い機会となるのではないかと期待しています。
 

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