鶴岡市で、来年度から始める予定の自立支援型地域ケア会議にオブザーバーとして参加してきました。
自立支援型地域ケア会議というのは、比較的介護度の低い人を対象に、「自立」を目標により適切で、実効性のあるケアプランを作成するための会議です。市がコーディネーターとなり、サービス提供側(ケアマネ、ヘルパー、介護用具の販売所など)からの事例報告に対し、薬剤師、理学療法士、言語聴覚士、歯科衛生士、管理栄養士などが専門家としての視点からさまざまなアドバイスを行い、より質の高いケアマネジメントを目指すという内容です。この会議の目的のひとつは介護給付の適正化にありますが、このような会議を通して、ケアマネを含むサービス提供側のスキルアップも期待されています。
この方式は和光市で始まったもので、和光方式とも呼ばれています。和光市では、要支援の人全てのケアプランをケア会議で検証し、自立支援型マネジメントを徹底することで、要介護認定率を10.2%に抑えています(全国平均17.4、鶴岡市は20%程度)。なるべく、要介護にならないようにすることは健康寿命を延ばすことに繋がりますので、自立支援型のケア会議は、介護給付の適正化という財政的な意義だけでなく、高齢者が生き生きと地域で暮らし続けるために有用な取り組みだと思います。
一方で、地域全体で要介護認定率を下げるためには、年間数例程度では問題になりません。全てとは言わないまでもかなりの事例を検討する必要があります。鶴岡市の本気度が試されているように思います。
ケアマネジメント質向上の取り組み
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鶴岡市自立支援型地域ケア会議
平成27年㋁11日13:30~15:30
鶴岡市役所 6F大会議室
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1、開会
2、あいさつ
26年4月高齢化率40%
要介護認定者 増加傾向
自立支援のケアプランになっているのか
専門家の意見が気づきの場になることを期待
3、自立支援型地域ケア会議について
山形県長寿安心支援室 地域包括ケア推進主査 石井克明氏
自立支援型地域ケア会議は、県内で10市町村目となる
DVD鑑賞、説明(東内さんの講演と和光市のケア会議の様子でビデオ鑑賞)
4、地域ケア会議
アドバイザー:
薬剤師、理学療法士、言語聴覚士、歯科衛生士、管理栄養士、
1)A事例
81歳、女性、独居、要支援2
パニック障害の既往あり、
不感感が強い、薬管理できない、筋力低下、短期間での体重減少(栄養?)、転倒が多い(筋力低下)
大腿骨骨折、歩行器で移動
ヘルパー:週2回、買い物、掃除、(ほとんど援助必要なし)、薬の確認(きちんと飲めていない)
以下、アドバイザーからの質問、コメント
・栄養 管理栄養士
食事内容は不明、パニック症候群との関係、
・通院医療機関は5箇所(精神、整形、内科など)
薬を飲めているのか → ほとんど飲めていない?
精神科の薬がふらつきの影響である可能性がある
・転倒の原因を検討すべき(薬、筋力低下、うつ症状?)
・嚥下機能の低下が懸念、補助栄養も検討の余地がある
・精神科の薬が、食に影響していないのか
・食の確認が必要
・デイサービスで、食のアセスメントができないか
個人的な感想
この事例の課題は、体重減少、薬の服薬管理などと分かっていながら、サービス提供側(とくにケアマネ)が、どのくらい食べているのか、薬の服用状況などを把握できていない。したがって、アドバイザー側からは質問が多くなり、今後どのように対応すべきかの提案にまでに至らなかった。
2)B事例
89歳、女性、独居、要支援2
左肩骨折、腰椎圧迫骨折など転倒が多く、骨折を繰り返している
趣味:畑仕事
痛み軽減、自立へ向けて回復傾向にある
ヘルパー、週1回、掃除に入る
手すりの設置
デイサービス:週1回、入浴(見守り)、交流、特別な機能訓練は行っていない
近所の知人(独居)との関係は?:毎日会っている関係、食事のアドバイスをしている
自立できるか? → (アドバイザー)できるのではないか
敢えて、デイサービスを利用しなくとも、社交的性格もあり、公民館などで活動してはどうか?一方で、転倒を未然に防ぐ手立ては必要
個人的感想
自立できそうな人を敢えて選んだのではないかと思った事例。でも、89歳の独居高齢者をあえて自立と認定する意義があるのか?むしろ、ある程度の介護サービスを使って、公的に支援していくべきではないか。
5、全体討議
6、講評
自立支援型地域ケア会議というのは、比較的介護度の低い人を対象に、「自立」を目標により適切で、実効性のあるケアプランを作成するための会議です。市がコーディネーターとなり、サービス提供側(ケアマネ、ヘルパー、介護用具の販売所など)からの事例報告に対し、薬剤師、理学療法士、言語聴覚士、歯科衛生士、管理栄養士などが専門家としての視点からさまざまなアドバイスを行い、より質の高いケアマネジメントを目指すという内容です。この会議の目的のひとつは介護給付の適正化にありますが、このような会議を通して、ケアマネを含むサービス提供側のスキルアップも期待されています。
この方式は和光市で始まったもので、和光方式とも呼ばれています。和光市では、要支援の人全てのケアプランをケア会議で検証し、自立支援型マネジメントを徹底することで、要介護認定率を10.2%に抑えています(全国平均17.4、鶴岡市は20%程度)。なるべく、要介護にならないようにすることは健康寿命を延ばすことに繋がりますので、自立支援型のケア会議は、介護給付の適正化という財政的な意義だけでなく、高齢者が生き生きと地域で暮らし続けるために有用な取り組みだと思います。
一方で、地域全体で要介護認定率を下げるためには、年間数例程度では問題になりません。全てとは言わないまでもかなりの事例を検討する必要があります。鶴岡市の本気度が試されているように思います。
ケアマネジメント質向上の取り組み
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鶴岡市自立支援型地域ケア会議
平成27年㋁11日13:30~15:30
鶴岡市役所 6F大会議室
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/3d/26/ec55588c3291b397e87236a3dc0da1d7_s.jpg)
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1、開会
2、あいさつ
26年4月高齢化率40%
要介護認定者 増加傾向
自立支援のケアプランになっているのか
専門家の意見が気づきの場になることを期待
3、自立支援型地域ケア会議について
山形県長寿安心支援室 地域包括ケア推進主査 石井克明氏
自立支援型地域ケア会議は、県内で10市町村目となる
DVD鑑賞、説明(東内さんの講演と和光市のケア会議の様子でビデオ鑑賞)
4、地域ケア会議
アドバイザー:
薬剤師、理学療法士、言語聴覚士、歯科衛生士、管理栄養士、
1)A事例
81歳、女性、独居、要支援2
パニック障害の既往あり、
不感感が強い、薬管理できない、筋力低下、短期間での体重減少(栄養?)、転倒が多い(筋力低下)
大腿骨骨折、歩行器で移動
ヘルパー:週2回、買い物、掃除、(ほとんど援助必要なし)、薬の確認(きちんと飲めていない)
以下、アドバイザーからの質問、コメント
・栄養 管理栄養士
食事内容は不明、パニック症候群との関係、
・通院医療機関は5箇所(精神、整形、内科など)
薬を飲めているのか → ほとんど飲めていない?
精神科の薬がふらつきの影響である可能性がある
・転倒の原因を検討すべき(薬、筋力低下、うつ症状?)
・嚥下機能の低下が懸念、補助栄養も検討の余地がある
・精神科の薬が、食に影響していないのか
・食の確認が必要
・デイサービスで、食のアセスメントができないか
個人的な感想
この事例の課題は、体重減少、薬の服薬管理などと分かっていながら、サービス提供側(とくにケアマネ)が、どのくらい食べているのか、薬の服用状況などを把握できていない。したがって、アドバイザー側からは質問が多くなり、今後どのように対応すべきかの提案にまでに至らなかった。
2)B事例
89歳、女性、独居、要支援2
左肩骨折、腰椎圧迫骨折など転倒が多く、骨折を繰り返している
趣味:畑仕事
痛み軽減、自立へ向けて回復傾向にある
ヘルパー、週1回、掃除に入る
手すりの設置
デイサービス:週1回、入浴(見守り)、交流、特別な機能訓練は行っていない
近所の知人(独居)との関係は?:毎日会っている関係、食事のアドバイスをしている
自立できるか? → (アドバイザー)できるのではないか
敢えて、デイサービスを利用しなくとも、社交的性格もあり、公民館などで活動してはどうか?一方で、転倒を未然に防ぐ手立ては必要
個人的感想
自立できそうな人を敢えて選んだのではないかと思った事例。でも、89歳の独居高齢者をあえて自立と認定する意義があるのか?むしろ、ある程度の介護サービスを使って、公的に支援していくべきではないか。
5、全体討議
6、講評