10月4日 14:00~ 山形国際ホテルで、山形県医師会主催による、山形県医療情報に関する研修会が行われました。以前は、山形県医師会ITフェアーとして、日レセ(ORCA)の普及や県内の医療情報ネットワークの意見交換を目的に毎年行われていたものですが、今回は、「山形県医療情報に関する研修会」として久しぶりの開催となりました。背景には、山形県全域に医療情報ネットワークが普及しつつあるという状況があります。
基調講演 「医師資格証の現状と展望」
日本医師会総合政策研究機構 主任研究員
日本医師会電子認証センター システム開発研究部門長 矢野一博 氏
配布資料
基調講演としては、日医総研の矢野さんをお呼びして、「医師資格証の現状と展望」と題した講演を聴講しました。医療情報ネットワークを進めていくためには、(現在の紙システムを電子システムに置き換えていくためには)、安全性、信頼性を担保するしくみ必要ですが、それを担うのが「電子認証」といういう仕組みです。日本医師会では日本医師会電子認証センターを設置し、医師資格を証明する電子証明書を発行しています。それが医師資格証というICカードです。詳しくは以下のホームページをご覧下さい。
http://www.jmaca.med.or.jp/guide/qualification.html
この医師資格証をもらうには、医師免許書、住民票、身分証明書が必要で、さらに会員は5000円を納める必要があります。医師資格証の利用法として、オフラインとして、身分証、講習会などの出席管理など、オンラインでの活用として「署名」と「認証」が想定されていますが、実際に使える環境が整っておらず、まだ、まだ将来のことになります。
医師資格証のような電子証明書は、IT世界においては、将来的に必要になることは良く理解できますが、今の時点で、会員に積極的に進めるほどのインパクトがないように感じました。医師資格証が普及すれば、それを使うシステム(環境)が進展するという展望があれば勧めるメリットはあるのですが、今の時点では時期尚早と感じます。
次いで、山形県の情報ネットワークの状況が、各地区から報告され、フロアーとディスカッションを行いました。Net4Uは、他のシステムとは別次元のところにいることを再認識した会でもありました。
シンポジウム 「地域ネットワークの状況」
座長: 山形大学大学院医学系研究科 公衆衛生学准教授 成松 宏人 氏
○「OKI-net -地域包括情報ネットワーク基盤へー」
公立置賜総合病院副院長 山田 昌弘 氏
HISの一元化
置賜地域医療情報ネットワーク協議会の設置
置賜はひとつをスローガンに
置賜の25人に一人が登録されている
課題:画像の閲覧、重い
総合情報基盤として
・OKI-Net
・在宅医療システム: オキトピア
iPadを利用し、医師と訪問看護師との情報連携ツール
・おきねっとポータル http://okitamamed.jp/
医療と介護の情報の一元化と相互発信サイト
○「ちょうかいネット:地域で活用されるための要件」
日本海総合病院副院長 島貫 隆夫 氏
運用開始から3年半
登録、13700人、 月約400名、順調に推移している
連携の仕方で、参照情報に違いがある
本間病院、荘内病院、新庄病院など病院間連携に活用されている、
利用促進に向けた取り組む
診療録の全面開示
閲覧内容 、診療録 >> 画像
医療と介護 共有アセスメントシート
ヘルスクローバーによる診療予約、
○「医療と介護を繋ぐ ヘルスケア・ソーシャル・ネットワーク Net4U」
鶴岡地区医師会長 三原 一郎
動画を交え、おもに在宅医療(医療介護連携)におけるNet4Uの活用状況を報告
多職種間での信頼関係を築くための数多くの取り組みを行っている
○「べにばなネット運用開始と山形大学の取り組み」
山形大学大学院医学系研究科 生命環境医科学専攻医療政策学講座教授 村上 正泰 氏
村山地域の複数の病院が参加
ID-Link と Human Bridge とが混在するネットワークを構築する
医療情報データベースシステムも目指す
「県立新庄病院における地域医療情報ネットワークについて」
県立新庄病院副院長 板垣 孝知 氏
○最上医療情報ネットワーク (もがみネット)
公開病院:新庄病院
周産期医療情報システム
遠隔病理診断システム (バーチャルスライド)
遠隔画像診断
○「本県における医療情報連携について」
県地域医療対策課医務企画専門員 倉嶋 尚 氏
山形県の医療情報関連施策の過去と今後について説明