鶴岡地区医師会だより

三原一郎目線で鶴岡地区医師会の活動を配信しています。

山形県在宅医療提供体制強化モデル事業による在宅医療推進のための多職種研修会

2019-02-07 10:43:34 | 日記
山形県在宅医療提供体制強化モデル事業

在宅医療推進のための多職種研修会
主催:鶴岡地区医師会、共催:南庄内在宅医療を考える会

日時:平成31年2月5日 18:45~20:45
会場:鶴岡地区医師会館 講堂

1、開会(石橋 学)

2、あいさつ(三原一郎)

山形県の事業である。
目的は、在宅医療への参入、医師を含む関係職種の積極的な関りを期待
一方で、研修会などへの医師の参加者は少ない、関心が低いのが現状、

県医師会のアンケート調査によれば、
在宅医療を実施している診療所は、内科系:71%、非内科系:22%
8%は機会があれば、今後取り組むと回答。
なお、研修会に参加しても良いと回答したのは77%

対策として、今後取り組みたいと考えている数%の医療機関への参入を促す取り組みと共に、
現在、在宅医療に取り組んでいる医療機関が、より負担なく、多くの在宅たーみなる医療を行える
環境づくりが重要と考える。そのために、必要なのは、訪問看護師、ケアマネジャー、
薬剤師、歯科などとの多職種協働のしくみづくりであり、ITの活用も考慮すべきである。

今日は、訪問看護師、歯科医師、薬剤師から在宅医療への取り組みについて講演して頂く、


3、講義

1、訪問看護師からみた庄内地区の在宅医療の現状について
  訪問看護STにこ 管理者 川俣 沙織 氏

  訪問看護ステーション
   県内 66か所
   庄内 16か所
    16か所は、いずれも24時間365日対応

  営利法人:50%
  従業員5名以下のステーションが60%以上を占めている 
  訪問件数は増加傾向 医療保険で前年度比18%増加 医療依存度の高い患者が増加している
  ターミナル加算・療養費算定率は、医療保険で高い
  医療的ケア児の受け入れ状況
   全国:18000
   山形県:105
  庄内地域で医療的ケア児を受け入れているのは2か所(3名)
  訪問診療で、訪問看護ステーションとの連携しているのは32%
  
  庄内地区の在宅医療の現状と課題
   小規模の施設が多く、十分に対応できていない
   訪問診療を行っている診療所の30%が訪問看護ステーションを利用しているが、さらなる連携強化が必要
   歯科、リハ、薬剤師との連携はあまり進んでいない

  訪問看護活用ガイドについて解説
   
  訪問看護指示書の記載の説明、注意点

  他職種との連携に関する訪問看護ステーションへのアンケート調査

 
2、在宅訪問歯科診療について
  鶴岡地区歯科医師会 清野 肇 氏

  フレイルは、口から
  歯の数と認知症は相関
  8020 50%達成、 一方で、う歯、歯周病が増加   
  高齢者にみられるトラブル
  ほたるを介せず直接歯科医へ依頼する例が増えている
  訪問診療で遭遇する口腔内として事例紹介
   う歯が多くみられる、
   歯が抜けたままになっている
   合わない入れ歯を使用している
   入れ歯が汚れている
   粘膜調整剤の劣化
  訪問歯科診療でできること
   義歯の修理、適合具合の改善、新たな作製
   う蝕処置
   口腔ケア
   歯周治療
   抜歯(主治医との情報交換を行ったうえで)
  高齢者の歯科治療のリスク
   血圧が高い
   抗凝固剤
   骨粗鬆症薬:顎骨壊死
   認知症:治療の拒否
   抜歯など外科的処置に耐えられない(体力)
   病態の急変
  訪問歯科診療を行う上での問題点
   器具、機材を必要とするもの
   開口できない
   誤嚥の可能性
   1回で治療が終了しない
   観血的処置
  事例報告
   認知症患者の義歯調整を在宅で行った事例
 
3、訪問服薬指導について
  篠田訪問薬局 篠田 太朗

  国は、薬局の機能分化を進めている
  在宅医療での薬剤師の役割もそのひとつとして求められている
  薬剤師の在宅訪問の割合は2%(調剤報酬ベース)
  鶴岡地区の薬剤師の2018年度の在宅訪問件数は
  患者数ベースで206(前年度116)、訪問件数ベースで2739(前年度1610)と大きく増加した
   一方で、全国平均よりは少ない
  患者内訳:認知機能低下37%、がん37%、精神疾患15%、神経難病11%
  事例紹介:ガン末期から看取りまで薬剤師が連携した事例
 
質疑

・訪問看護のタイミングはどうなっているのか?
  医療保険では、医師と同じタイミングで訪問することが多い
  Net4Uも活用している

おわりに

次回は3月24日(日曜日)、あおぞら診療所の川越先生、長崎の白髭先生、函館から岡田先生をお呼びしての豪華の講演会、シンポジウムを予定している。詳細な内容はこれから検討するが、多くの皆さんの参加を期待したい。
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