






在宅医療推進のための多職種研修会
日時:3月224日(日)13:00~16:30
場所:東京第一ホテル鶴岡 2F 鶴野間
◆講演

「かかりつけ医が楽に行う多職種連携・在宅医療」
岡田 晋吾 先生 (北美原クリニック 理事長)











医師4名体制のクリニックの理事長である岡田先生は外来診療の他、在宅医療にも力をいれている。
在宅医療の要点は、多職種連携だが、その前に院内連携が前提と力説する。
在宅医療を受けるかどうかの判断は、訪問看護師の判断に委ねる。要するに看護師が受けますと言ったら受けることにしている。
地域のさまざまな職種と仲良し関係になり、在宅医療を楽に、楽しく実践している好例と感じた。
また、患者さんのエンドステージに立ち会うことで、やりがいや学ぶことも多いという。

「長崎の在宅医療、病診連携の実践
~OPTIM後の変化から考える~」
白髭 豊 先生 (医療法人 白髭内科医院 院長)













白髭先生は、長崎市の在宅医療の先駆者的存在。
20年程前に長崎Dr.ネットを立ち上げ、在宅主治医・副主治医制という本邦初となる先駆的な取り組みを行ってきた。
現在、長崎在宅Dr.ネットの会員数は、200名を超えた。
一方で、病院から在宅への移行例は2014年をピークに減少傾向にあるという。
在宅医療においては、ACPの普及が課題であり、また重要でもある。

「地域を一つの”病院”に見立てる」
川越 正平 先生 (あおぞら診療所 院長)








川越先生は、在宅医療専門クリックで有名なあおぞら診療所の設立者であり院長である。
若手医師の教育にも熱心で初期研修だけでも10年間で300名を受け入れたきた。
最近の活動としては、松戸市在宅医療・介護連携支援センターを設立し、かなり踏み込んだ活動を行っている(以下に列記)。
○かかりつけ医の在宅医療スタートアップ支援、(在宅医掘り起し作戦)
在宅医療に取り組んでいない開業医10名へのインタビュー調査(飲み会)から、在宅医療へ踏み込まない理由を分析した。
その結果をもとに、かかりつけ医の在宅医療スタートアップ支援活動を実践
○二人主治医制(病院主治医とかかりつけ医)の推進
二人主治医制が推奨される病態像を検討、
複数科を受診している事例を整理
かかりつけ医がいない場合は、病院から積極的にかかりつけ医を紹介する
○困難事例に対する相談支援・アウトリーチ
地域サポート医が困難事例へアウトリーチする(医師が関わることが重要)
アウトリーチ件数:年々倍増、医師が関わることでの解決事例が増えている
○その他
・入院連携支援についての交流会
・医師と歯科医師による連携促進会議
・まちっこプロジェクト(医師会会員が学校へ出向いての出前講義)
◆ シンポジウム
「在宅医療を充実させるため私たちは何ができる?」

司会:土田 兼史 先生
シンポジスト:
岡田 晋吾 先生
白髭 豊 先生
川越 正平 先生
石橋 学 先生
シンポジストから、在宅医療の将来展望も含め、さまざまな視点から多くのコメントがあった。
私が興味深く感じたのは、現状の在宅医療のままという発想を変えるという発言。
例えば、オンライン診療の活用、看取りなどでの看護師への権限の付与、医師の仕事を医師でしかできないことに限定する
また、在宅専門クリニックは、機能として限定的という発言も新鮮でした。(終末期だけをみる医療はそもそも医療の本質ではない)