「ブラームスの午後」と銘打った演奏会へ出かけました。JR総武線本八幡駅の南口を出て、10分ほど歩くと市川文化会館があります。市川交響楽団は何度か聴きに行きました。以前「ブラームスはお好き?」というタイトルで演奏会をやっていました。
今回もまたブラームスづくしのプログラムです。 悲劇的序曲 ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 交響曲第2番
こんな素敵なプログラムはないですね。家から1時間ほどかかりましたが、ワクワクしながら出掛けました。 期待は裏切られなかったです。「悲劇的序曲」は勢いのある弦合奏の出だしで、もう悲劇的というよりは感動的な始まりでした。私はこの曲を生で聴くのは初めてでした。「大学祝典序曲」と対照的で対のようにいわれる曲だそうですが、エネルギッシュでダイナミックで素敵だと私は思いました。「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲」はCDなどでは何度も聴いたことのある曲でメロディーも印象的なものが多く、素晴らしい曲です。でも実際演奏会で聴くとそれは全く別物でした。VnとVcの二重奏部分はオケの伴奏なしか、管のロングトーンと弦のピッチカートで、VnとVcのソロがくっきり浮き上がり、それが終わるとオーケストラ全体のシンフォニックな響きのフレーズが続き、またVnとVcのソロの絡みがありという感じに曲が構成されているのです。CDなどで聴いただけではこんなにはっきりわかりませんでした。
VnもVcも素晴らしい演奏で、1楽章が終わると思わず拍手をしてしまうほどでした。前から感じていたことですが、楽章の終わりで拍手をするのはマナー違反と思われがちですが、心から感動して拍手をするのはむしろ自然なことではないでしょうか。今日の演奏会でも1楽章の終わりに拍手がありました。 二人のソリストはにこやかに軽く会釈をして2楽章へと入っていきました。2楽章は雰囲気が変わり、VcとVnがそれぞれ重音で重厚なメロディーを奏でます。聴衆は固唾を飲んで耳を傾けます。そして3楽章の有名な旋律をチェロが弾き始めると、もう今日はこれが聴けたから満足という感じでした。感動して涙が出てきてしまうくらいです。もっとも、年をとって涙腺が緩んでいるせいかもしれません。
ソリストはヴァイオリンが倉富亮太、チェロが山澤慧という芸大出身の若い男の子です。テクニックはもちろんですが、音質も情感も素晴らしく、二人ともなかなかのイケメンでおばさんとしては見惚れてしまいます。若い男の子なので弾き方がバイタリティにあふれ、時には乱暴に、時には甘美に響かせ申し分のない演奏でした。
もう大満足でしたので帰ってもよかったのですが、せっかくですから「交響曲第2番」も聴きました。交響曲第2番はこの2、3ケ月の間に偶然3回聴く機会に恵まれました。本当にオーケストラや指揮者によって曲の印象が違うものなのですね。今日の演奏が私は一番好きです。 なにより弦合奏が力強くキビキビしていて良かったです。出だしのホルンもバッチリ決まっていました。3楽章のオーボエの旋律は女性の方が吹いていましたが、とても優しい丸みのある暖かい音でした。
「ブラームスの午後」という演奏会は大満足の演奏会でした。しかも入場無料ですからすごく得した気分です。
hiroko
おなじみのhirokoさんの音楽会鑑賞記です。ポスター(クリックで拡大)には、hirokoさんがうっとりと見惚れた2人のイケメンの男の子、ヴァイオリンが倉富亮太さん、チェロが山澤慧さん、若手のソリストが見えます。市川交響楽団は、 市川混声合唱団、 行徳混声合唱団、 市川交響吹奏楽団、市響ジュニアオーケストラ、からなる市川交響楽団協会の中核をなす歴史の長いハイレベルのアマオケで、このコンサートは第383回コンサートです。市川交響楽団協会は市原市の楽友協会との対比では交響吹奏楽団とジュニアオーケストラを有する分大規模な音楽複合体です。 KenM