もののはじめblog

コメント歓迎 ! 
必ずコメントに参ります by iina

閃光の遺産

2021年09月04日 | 雑感
例によって、図書館で何気なく手にした本が推理小説だった第2弾。 の一冊
手にした味気ない大活字本版題名と作家だけのの冊子。   前回が

原爆投下の暗部をえぐる悲劇をモチーフにした三好徹の推理小説。原爆投下から20年後、昭和40年の広島が舞台。

石川恭司氏の解説を要約。
新聞に「光夫さん どうか帰ってください 早苗」のたずねびと広告から物語ははじまる。
広告が出た朝は家にいた夫の光夫はその夜に蒸発した。妻の早苗はこの広告を出してない。誰が依頼したのか、何故そんなことをしたのか皆目わからない。
一方、原爆孤児の匿名の投書が新聞に載り、それを読んだ金持ちの実業家が、原爆で死んだと諦めていた息子のミツオかもしれぬと興信所に依頼する。
莫大な遺産相続人ミツオ捜しをきっかけにして起こるミステリアスな事件の数々……。

クライマックスで意外きわまる真相が暴露されていく。
これは、「広島の悲劇」を巧みに利用した良質の推理小説である。
遺産相続という手垢についたテーマを逆手にとって、誰も描かなかったユニークな動機の設定に成功している。
アリバイトリックや、犯人が容疑者に仕掛けた罠も考え抜かれていてアッといわされる。伏線は至るところに張りめぐらされている。
現実が、必ずしも目に見えるとおりのものと限らないと知らされる。

1977年にNHKが放送していた。
              

コメント    この記事についてブログを書く
« やー | トップ | わい危機 »

コメントを投稿

雑感」カテゴリの最新記事