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国の宝

2014年10月15日 | 雑感
東山御物の美

 「東山御物ひがしやまごもつの美」展(10月4日~11月24日)を、三井記念美術館で鑑賞した。
 足利義満以降の足利将軍家が所蔵した絵画・工芸収集されたコレクションで、当時の中国的な感性を代表したのみならず、その後の日本的な美意識の規範となった室町文化。多くは国宝・重要文化財などの指定品。




見終えてからは、
柳家小三治が上野の鈴本演芸場に出演するというので、人間国宝になってからはじめて聴いてきた。3列目に座れたので、3メートルほどの近さだった。
噺の枕は、奇しくもノーベル賞に日本人が3人も選ばれた日で、その話題を国宝さんからはじめて耳にしたというしだい。

演目は、「お化け長屋」。
長屋に一軒だけ空き家ができた。そこを長屋の連中の物置に使おうと、古くから住んでいる古狸の杢兵衛もくべえさんが一計を案じる。
借り手が訪ねてきたら、家主は遠方に住んでいるからと長屋の差配を任されたことにして杢兵衛の家へ来させて、借り手を脅して追い返す算段。
最初に現れた気の弱そうな男に、杢兵衛は怪談じみた話を始める。
3年程前に空き家に住んでた美人の後家さんのところへ泥棒が入り、あいくちで刺され後家さんは殺された。空き家はすぐに借り手がつくが、皆すぐに出て行ってしまう。後家さんの幽霊が出るというのだ。
「三日目の晩、草木も眠る丑三つ時、独りでに仏前の鈴がチーン、縁側の障子がツツーと開いて、髪をおどろに振り乱した女がゲタゲタゲタっと笑い、冷たい手で顔をサッ」と雑巾で顔を撫でると、悲鳴をあげて逃げ出した。そのうえ、がま口を忘れていったので思わぬ拾い物だった。

次に来たのが威勢のいい男。
こんどの男は一向に怖がらず、濡れ雑巾で男の顔をひと撫でしようとすると、雑巾をぶん取られ、逆に顔中を叩かれこすられてしまう。
すぐに引越して来るから掃除をしておけと言い残して帰ってしまう。

そこへ長屋の住人が様子を聞きに来る。
いきさつを話すと、「不首尾なら仕方ないが、がま口なんか置いて行かなかったか」といわれて探すと、
「さっきのがま口持って行っちゃった、あの野郎」 

鈴本は昼夜入替制だが、たっぷり聴かせるので落ち着いて楽しめた。小三治は予定より10分長い50分ほど演じた。
この日は、緞帳を修理に出していたため、小三治がお先にどうぞと手振りで退席を促す珍しい光景に出逢う。
7日のこの日は、上のような首尾で宝三昧の一日だった。
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13 コメント

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足利将軍家の美術品 (らいちゃん)
2014-10-15 09:06:07
流石、足利将軍家ですね。
所蔵していた絵画・工芸品は素晴らしいものばかりです。
北山文化を開花した3代義満や8代義政の東山文化が示すように、贅を尽くして中国から収集したのでしょうね。

柳家小三治が人間国宝になられたのですか?
知りませんでした。
師匠の若い頃の落語は聴いたことがありますが、最近は名前も聞くことがない、と言うか、落語や漫才の番組を全く観ていない現状から当然なのかもせれませんが。
ニュースは注視しなければいけませんね。
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Unknown (焼酎学生)
2014-10-15 09:08:53
御物の展覧会と人間国宝の落語会。うらやましい一日を過ごされたのですね。
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小三治はいいですね (ヒライワ)
2014-10-15 09:30:53
トラックバックを頂きありがとうございます。
まくらがノーベル賞、演目はお化け屋敷でしたか!
80歳近くにして時事ネタを即座にマクラに仕上げる小三治師匠のフレキシビリティには脱帽です。
ちなみに初日も緞帳は修理中でした(当たり前か)。
緞帳の修理代代わりにしばらく鈴本に通って席料を落としてこようかと思っています。
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2コメントに φ(..) (iina)
2014-10-15 09:36:06
(らいちゃん)  へ
大阪城も難波宮も、上町台地の突端に造ったのを思うと難波とか浪速の地名を理解できる気がします。

東山御物の美は、くすんだ黒い色彩や伝○○でも国宝でしたから、どんな基準で選別したのかと思いもしました。

噺家では、いままで桂 米朝と柳家小さんのふたりが人間国宝でしたが、ことしに小三治が選ばれました。人間国宝に
なってはじめて聴きましたが、いつもは日本一とか名人の掛け声がかかるのがなかったです。
恐れ多いとおもったか、老舗の鈴本演芸場のスタイル化もわかりません。




(焼酎学生)さん へ
いつもはみない映画を2本とは、どなたかの刺激でしようか。 (^^ゞ

好い映画を観ると、気も晴れ渡ります。 きのうは、台風一過の快晴でした。

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落語 (すけつね)
2014-10-15 10:12:02
最後のがまぐちを盗られたところが面白い。
鈴本へは、6・7年行っていない。行きたいなあ。
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本文とは関係ありませんが・・・ (Yuusuke320)
2014-10-15 10:39:38
11月8日の東洋大学・井上ホールでの文化講座に行かれますか? 行くならお会いしたいですが・・・
オイラブログFC2はシークレットコメント機能がありますので連絡いただけると幸いです。

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2コメントに m(_ _)m (iina)
2014-10-16 08:12:30
(すけつね) さん へ
「スバル360」と「ミゼット」を撮りにお出かけでしたか。
ミゼットは、大村昆がCMでやたらとミゼットを連発してました。
江戸東京博物館にも、展示してました。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/8fb55a046b494c61a4bf43ea4720923f

鈴本には、はじめて入りました。




(Yuusuke320) さん へ
道成寺には、南紀を旅した大昔に寄ったことがあります。
なかなか趣のある伝説のお寺でした。

「安珍・清姫伝説」文化講座は、面白そうですね。まだ、決めてませんが出かけるときは、連絡させていただきます。

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横浜の演芸場 (更家)
2014-10-19 00:42:12
落語、いいですねえ!
久しぶりに、落語を聞きに行きたくなりました。
横浜の演芸場はまだ行ったことがないので、今度、行ってみようかな。
でも、小三治みたいな人は、横浜の演芸場には出ないんでしょうね。
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(更家) さん へ (iina)
2014-10-20 09:31:06
木曽義仲は、義経ほど人気はありませんが、似た性格なのか戰上手であり、政治力が劣っていたため末路は悲劇的です。
倶利伽羅峠を戰場にしたにしては狭すぎるため、血塗られたことを連想し生々しさを感じました。

小三治は、地方にも噺をしに出かけてますから、横浜でも話すと思います。

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TB (酔生夢死浪人) さん へ (iina)
2014-10-21 10:23:45
美術品を鑑賞した後に、寄席でリラックスという流れがおなじでした。
そうでした、前に「人間国宝展」を見ていました。ジャンルがバラバラだったため焦点がぼやけたせいで疲れたものと
思えます。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/11ed2b2c014f3dc887ab08579d64c2d4

地球を開拓し尽くしつつある過程に、未開発地を開拓することによって未発見のウィルスや細菌がエボラ出血熱
やエイズ等々であるらしいです。人類繁栄前から居る単細胞です。

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