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必ずコメントに参ります by iina

姥ケ池

2006年11月20日 | 東京エリア

姥ケ池(うばがいけ)の伝説は、浅草寺本堂に展示してある大きな絵馬の「一ツ家」にも描かれています。

武蔵野の東南端にある荒れ地で、茅が生い茂り、沼沢が散在し、付近にはわずかに浅草寺が一宇建っているのみの寂しい場所でした。
この大池の傍の浅茅ケ原の一軒家に、老女と若い娘が住んでいました。
道行く旅人を、家に泊めてはその頭を叩き殺していました。それを知った浅草観音は旅人に変身してその家に泊まり、老女は例によって旅人をしとめたのです。
それが、なんと殺したのはわが娘であったのです。なげき苦しんだ老女は仏眼を開き、大きな竜となって池の中へ消えました。

その池は花川戸公園辺りに位置し、明治24年に埋め立てられ、園内には人工の池が作られ、石碑がおかれています。



この話は、道興准后の『廻国雑記』という紀行文に初出します。
娘に春をひさがせ、それに引っかかった旅人を殺して金品を奪う父母がいたという話です。娘があまりのその非道、惨さに耐えかねて、自分がその引っかかった男の振りをして石に寝、両親がいつものことと心得て殺してみたらそれはわが娘。それで気付きを得た両親は発心して娘の菩提を弔い、娘が寝ていた石が石枕と呼ばれるようになったという浅草寺の辺りの土着伝説です。
道興は左大臣近衛房嗣の子息で、室町時代の文明18年(1486)に若狭から北陸、越後から関東、東北に足をのばしときの紀行といいます。

江戸時代になると、その数々の異文が皆な「姥」と「娘」の物語に変わったと伝わります。


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6 コメント

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はじめまして (乱鳥)
2006-11-20 18:37:00
トラバありがとうございました。

楽しいページですね。すごく充実さてているので、今日は何度も来てしまいました。また遊びにきま~~す。
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謝々 (言いたい放題)
2006-11-20 21:40:12
お久しぶりです。「言いたい放題」へコメントくださり、ありがとうございます。

小生は生来眼が弱く、なかなか人様のblogを見る余裕がありません。それで失礼することが多いと存じます。お許しください。
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トラックバックお礼 (小説の孵化場)
2006-11-21 05:43:57
TB有難うございます。このところ、妙なサイトへの勧誘をするTBがあったものですから、事前承認制にしておりました。失礼致しました。
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花川戸 (iina)
2006-11-21 17:34:10
(乱鳥)さん へ
助六なので傘の内側の色分けが六色というのは、面白いです。
その助六が花川戸なのは、清水の次郎長のように所在を頭にかぶせたのですね。
まいにち花川戸を通って会社に行っています。
助六を演じるご本家もご覧ください。
いまは団十郎ですが・・・。
他にも、わがブログを「市川団十郎」で検索すれば7件ほどヒットします。

(乱鳥)さん より
花川戸を通って会社、ですか?想像するだけでわくわくします。台詞などをつぶやいてしまいそうですね。
ブログを拝見させていただきました。
浅草は関西に比べて歌舞伎熱が高いのですね。うらやましいです。東京にいい演目が集中するのもわかるような気がしました…
団十郎さんが赤ちゃんを抱かれた姿に、なんだかほっこりといたしました。お元気そうでなによりです。
一月の松竹座で団十郎さんを拝見できることを楽しみしています。
またブログの方を楽しまさせていただきます。

(言いたい放題)さん へ
ひさしぶりです。
相変わらず面白い記事ををピックアップされています。
お金がちゃりんことなりますね。
子供のスリの意もあるのですか、単に{ちっちゃなガキ}としても使えそうですね。
時と場所によって、言葉は変わるようです。
"けったい"な話ですね。
けったいを変換したら、「結滞」とでました。
iinaのイメージでは、「怪態」なのですが・・・。

(小説の孵化場)さん へ
助六は、曽我五郎のことでしたか。
歌舞伎の世界では有名人です。
曽我兄弟の仇討ちも、歴史の妙を知るのも一興ですね。
忠臣蔵の考察も、筋は仇討ちですが、その背景を知るとなかなか面白いですね。
ことしも忠臣蔵の季節が近づきました。
次のURLは、去年のiinaの忠臣蔵です。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/d423729f151f4a9959464b683c1b3c49
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怖い話 (更家)
2015-10-09 09:22:53
浅草寺本堂の絵馬にある姥ケ池の伝説は、因果応報というか、怖い話ですね。
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(更家) さん へ (iina)
2015-10-09 10:28:52
一日1万歩を稼ぐために、地下街を延々と歩くとはこだわってますね。

姥ケ池の伝説は、わが娘を誤って殺して因果応報の罪に気づくのですから、いずれにしても酷い話です。
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/953ac744bf6adfe144b7323562adc876

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