使えぬドル

北朝鮮は、凍結解除された2500万ドルを未だ手に入れずにいる。預金を引き出すのに必要な書類が揃わない。
金融取引上、当然のことだから北も「凍結は解除された」と受け入れざるを得ない。揃えられないのは、借名口座だからだ。これまで盛大に名義借りをやっていた口座だからマネーロンダリングに使わせていたと摘発されたのだ。52口座中過半数が不明だ。

マカオのバンコ・デルタ銀行の金は、動かせない。
バンコ・デルタは、ドル市場から締め出されている。そんな銀行の発行するドルの小切手もドルの為替も受け取ってくれる銀行はない。朋友中国の中国銀行でさえも受け入れを拒否した。

死に金にしたのは、米中ではなく、国際金融市場だ。
米中は、「凍結を解除しろというから解除した」。それで約束は果たした。
解除後は、北の問題だ。現金でも、引き出してでも持ち帰ってかまわない。

つまり銀行間の送金は不可能だ。
であれば、ドル現金で引き出すしかない。ドル札を北に持ち帰っても、ドルはドル市場でしか使えない。北内では、ただの紙切れに過ぎない。しかも、正規の手続きを取るという条件付だ。
強いて使うとすれば、何かの取引の支払いにドル札を使うしかない。
物々交換だが、金を受け取る方は、ドル札が偽札でないことをいちいち確かめなくてはならない。

「北の措置は中国に任せてくれということだったが、六者協議の合意実行はまたしても不可能になった。アメリカはいつまでも待つことはできない。中国、どうする。」といえばいい。

中国も、もうこれ以上北をかばう余地はない。
金正日は、核施設封鎖を実行するか、拒否するかの二者択一を迫られている。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［ＫＨ週間レポートより］

きょうは、浅草側の隅田公園内で『やぶさめ』があります。
1時から2時ごろに、東武鉄橋辺りから言問橋の間です。