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意の成り立ち

2024年12月17日 | ことば遊び
12月を師走と習った。
           
 今日の漢字の「意」は「音」と「心」を合わせた字。
 そんな風に「意」の文字を見てないもの。でも、そういう目で見てみると「意」の意味が深く迫ってくる。
前回紹介したの字は、神様への祝詞(のりと)を入れる器「口(サイ)」を置いて祈ると、暗闇の中で神様の訪れがあって、かすかな音としての神様の答えが示されること。その「音」が何を意味するのか、その「心」をおしはかるので「おしはかる」が「意」の意味。「音」は神の訪れなので、もともとは神様の意思、「神意」を「おしはかる」ことの意味だった。

 この「意」を含む文字もかなりある。「意」に、さらに(リッシンベン)に「心」を加えた「憶(おく)は示された神様の意思を心のうちに思いはかり、推測することで「思う」という意味がある。「記憶」「追憶」などの意味に使うのは後の用法。また、おそるおそる推測することを「臆(おく)という。

現在では数の単位名に使う「億」にも「意」をふくむ。やはりこの「億」も、もともとは神の訪れを示す音によって神の意思を推測する意味の字で、神意をおしはかることによって、心が安らぐ意味だった。おしはかる意味の熟語は「憶測」とも「臆測」とも書くが、さらに「億測」とも書く。
 この「億」は、古くから数の単位に使われているが、古くは「10万」の意味で用いられ、後に「万の万倍」を意味するようになった。

 「ああ」という感動詞の「噫(あい)も「意」をふくんだ字。
 これは神の訪れに感動する時の言葉。「噫乎(ああ)」は深く感心してほめる感嘆や嘆いてためいきをつく時の言葉。

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