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律の成り立ち

2023年09月09日 | ことば遊び
 昔の国のあり方に律令国家がある。この「律」は犯罪と刑罰を決めた法律・刑法のこと、「令」は行政関係などの法律のことで、国家統一のための基本的な法を表す言葉。律令は中国では隋や唐のころに完成し、日本でも7世紀半ばから始まり、平安初期まで続いた。

 その律令のは筆の元の形である「聿(いつ)」をふくむ字。
 古代中国では都の配置を定める際に、儀式を行う庭に「聿」(筆)を立て、方位や地層を占って決めた。「建」の「廴(いん)」はその儀式を行う中庭の周囲の壁。そうやって都の位置を決め、建物を建てるのが「建国」だった。
 この「聿」を立てて建物の位置を定めるように、掟などを一律に公布する字が「律」。そこから「のり」「おきて」の意味にもなった。

 「聿」に関係する字はほかにもある。「尽(じん)がそれ。「尽」の旧字「盡」は「聿」と「皿」と水滴の形を合わせた文字。
 これは筆のような細い棒を手に持って水を入れた皿の中を洗う形の字。古代文字を見ると、よく分かりやすい。
 「洗い尽(つ)くす」ので「つくす、ことごとく」の意味になった。

 日本語の「わがまま」を漢字で書けば「我儘」。「ことごとく、自分のほしいままにすること」そのまゝが「儘」の字になった。

 もう一つ、「聿」との関係があると思われる字に「昼」がある。
 「昼」の旧字「晝」は「聿」と「日」を合わせた形。「日」(太陽)に異変があった際に、その異変を「聿」(筆)でお祓(はら)いしている文字とも推測される。
 しかし、古い文献に「ひる」の意味に用いた例がないので、その成り立ちをしっかり説明できない文字といわれる。

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3 コメント

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文字の成り立ち (らいちゃん)
2023-09-09 09:20:16
「律」の文字と、この文字に関係する字の成りたちがよく分かりました。
私を含めた多くの人達が漢字をそのまま覚えていると思いますが、文字の成り立ちから覚えると忘れることはないでしょうね。

昔、小林旭が歌った歌にノーチヨサン節がありました。
歌詞は「戀」という字を分析すれば、糸しい糸しいと言う心、でしたが、この歌が発売されたのが昭和35年で、63年経った今でもよく覚えています。
漢字を分解してこじつけた歌詞ですが、このように覚えるといつまで経っても忘れないものですね。

>九州生まれのiina家は、父が自家製の柚子胡椒を作ってました。
ハイ、汁ものや刺身、おでん、豆腐などの和風料理の薬味に用いてました。
九州では自家製の柚子胡椒を作っているのですね。
我が家では市販のものを使用しています。
スパイスが効いて料理が引き締まりますよね。
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(らいちゃん) へ (iina)
2023-09-09 09:50:07
> 「不入山」と書いて「いらずやま」と読みます。
平家の落人の埋蔵金伝説には。ロマンがありますね。

「不死山」から富士山になったのも、竹取物語につながっています。
四万十川でスズタケの120年に一度だけ花を咲かせる竹に出遭うのも吉田類の「類い稀(たぐいまれ)」な幸運でした。


> 小林旭が歌った歌にノーチヨサン節がありました。歌詞は「戀」という字を分析すれば、糸しい糸しいと言う心、でした
漢字は、よく出来ています。

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Unknown (よたろう)
2023-09-09 20:02:36
法律は、国が決めたことを筆で書きますものね。
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