06年11月18日 日産スタジアム
J1第31節 横浜2-3清水 2万258人
バクスタSB席ややホーム寄りで観戦
| 勝利に沸くアウエーゴール裏。遠征してきたサポにとっては嬉しかったろうね・・・ |
静かな静かなハーフタイムだった。
後半開始前に選手たちがピッチに現れても、コールも拍手も起きない。
「さあ、選手たちがピッチに戻ってきましたぁ!!!」。そうアナウンスされても、拍手がパラパラと起きるだけ。マリノスの前半の出来がそれだけ悪かったということだった。
ゴール裏はコール辞めちゃうのかな。そんな予感もあったが、センターサークル付近で円陣を組んだあたりでようやく「エッフッ マリノス!」とコールが始まった。
3試合続けての4バック。前の試合と変わったのは、山瀬兄がボランチに下がり、右のウイングに隼磨が入ったこと。出場停止のマルケスの代役は坂田だった。上野、那須はベンチにもいなかった。
立ち上がりは左サイドの吉田が、積極的にサイドライン際を走る姿が見られた。他の選手もここ数試合よりは運動量もあがっているようにみえた。しかし、それも立ち上がりだけ。綺麗なパスミスを繰り返してはピンチを招き、攻撃では中盤でキープしている選手に対してのサポートもない。だからパス出しも遅れる。DFを引き連れてのムダ走りもない。張っているだけの前線は孤立し、だからといって戻ってボールをもらうという動きもない。出しどころがなく、最終ラインから中盤を通り越して前線へのロングボールが繰り返し出されるだけ。勇蔵の上がりもなく、ドゥトラひとりの頑張りが目についた。
失点は綺麗に崩された結果だった。藤本に中央へフリーで切れ込まれてのミドルが1失点目。さらにその藤本のスルーパスが、DFの裏へ走り込こんだ矢島へつながり2失点目。特に2点目はスルーパスが出された瞬間に「やられた」と諦めた。
そして迎えた後半。松田がもう前縁に顔を出している。「前へ行け!」。ハーフタイムでの水沼監督のゲキにこたえるように、トリコロールは前へ前へと攻撃を始めた。
前半は目立たなかった隼磨にボールが回るようになり、積極的に突破をはかる。中央にもポジションを自在にとり攻撃の幅が広がった。坂田も戻ってボールを受けるようになってきた。
攻撃の主体は後方からのロングボールだが、前線に松田がいることで清水のDFが少し混乱したのだろうか。次々とチャンスが生まれてきた。しかし、この日は西部が大当たり。何度も何度もはね返された。
「どーして入らないんだよ、こんなに攻めてるのに」。そんな焦りを坂田がようやく沈めてくれた。後半9分、ゴール前で粘ってキープして押し込んだ。
その後も一方的に攻め続けるマリノス。後半開始から吉田に代わって狩野が投入されていたが、それほど機能しない。山瀬兄も消えている。中盤を省略しているから仕方ないか。とにかく中央から、あるいは両サイドからどんどん前線に放り込み、大島、松田に当てて坂田が狙う。しかし、相変わらずの西部のカベにはね返される。
そして迎えた後半22分。左サイドのCKを狩野が蹴る。ファーサイドで待っていた中沢がDFの間からひときわ高く飛び出して思い切り叩きつける。ボールはゴールライン上でワンバウンドしてネットを揺らす。同点だ!
よし、もう1点。
直後、坂田がヘディングシュート。しかし、ああ、またしても西部。好セーブにはね返される。
スタンドはようやく盛り上がってきた。2点差追いついたぞ。
圧倒的な攻勢のなか、松田が自陣ゴールエリア前でつまらないファウルを犯す。後半28分のこと。相手のキッカーは藤本。左足で放たれたキックは低い弾道でカベの横をすりぬけ、思いきり横に飛んだ哲也の指先をかすめてワンバウンドしてゴールネットに突き刺さる。
哲也は起きあがれない。ヒザを抱えたままだ。トリコロールはだれもボールを取りに行かない。しばらくしてようやく隼磨がボールを持ってセンターサークルへ走る。
清水の後半のシュートらしいシュートはこの1本。それを決められた。ここでトリコロールの闘志は一気にしぼんでいった。まだ20分ほど時間はあるというのに。
大島に代わり久保が投入された。さらに勇蔵に代わり山瀬弟も投入された。この時点では中沢、隼磨、ドゥトラの3バック。前線目がけてロングボールが何度も放り込まれるが、もうチャンスは巡ってこなかった。残り15分間でのシュートは久保の1本。それも力のないものだった。
今は我慢のときだ。リーグ戦も終盤にきて試されている勇蔵を右サイドとした4バック。この日は隼磨が右ウイング、山瀬兄がボランチ(前めだが)として試された。勇蔵の上がりはまだまだだが、本来のセンターバックの意識を捨ててひと皮むけて欲しいし、また少し伸び悩んでいた隼磨が、これでさらなる成長も遂げて欲しい。
あとは、中盤でのフォローとスペースへのパス出しが課題だろうか。要するに、「もっと走れ」ってこと。足元へのパスをカットされるケースや、河合、ドゥトラが出しどころなく孤立したシーンがこの日も目についたし、全体的に運動量も後半の猛攻の時間帯をのぞけば少なかった。
ともかく、リーグ戦での結果は目をつぶるよ。せめて天皇杯決勝までには、この4バックを完成させてくれ(無理かな)。
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