06年11月23日 味の素スタジアム
J1第32節 横浜2-1東京 2万3553人
バクスタ上層アウエー寄り(U席)で観戦
| ガラガラですが、U席アウエー側の端っこにいたほとんどの人が立ち上がってガッツポーズ! |
「入ったぁーーーーーーーー!!!!!!!!」。
「那須だぁーーーーーーーーーー!!!!!」。
「勝ったぞぉ!!!!!」。
こんな雄叫びを挙げたのはいつ以来だろう。
この逆は今季、何度も経験してきた。
ロスタイムで勝つ。この心地良さ。それもアウエーで。優勝したときの勝負強さがようやく戻ってきた。
その瞬間、私が座っているU席のアウエー側の端っこにいたほとんどの人が立ち上がって、それぞれに喜びを表した。なんだ。みんな青いからどっちか分からなかったが、同志だったんだ。みんな仲間だったんだ。負けたというのに、ハイライトを放映してくれる東京というチームに感謝しながら(日産スタジアムでは負けたときにはハイライトの放映はない)、那須の決勝ゴールにもう一度酔いしれた。
中沢のケガで回ってきたスタメンの座だった。前節はベンチ入りを外れたが、水沼監督は、「努力家でコンディションを戻すように常日頃から頑張っていたので、起用することに不安はなかった」と、那須を信頼してセンターバックを任せた。
しかし、失点にはいたらなかったが、決定的なパスミスを犯した後、エリア内でルーカスと競り合ってバランスを崩し、ハンド気味にボールに触り、その後ルーカスの足を手で払った(ように見えた)。故意かバランスを崩した結果なのか分からない。ただ、ちょうど目の前で起こった出来事だったので、その行為ははっきりと見えた。レッドが出ても仕方ないと覚悟した。
ルーカスにPKをあっさり決められる。あ~ぁ、またかよ。また負けるのかよ・・・。
最近の試合ぶりからすると、逆転はもう望めない。まだ前半の19分だというのに。
ところが、この日のマリノスの動きはいつもと違っていた。いや、これが本来の動きなのだろうか。山瀬はねばり強くキープし、相手ボールは体をうまく入れ替えながら奪っていく。坂田もよく走っている。ドゥトラは持ち前の運動量を活かして攻守に貢献している。チームとしてもうまく中盤でパスがつながり、前半の終盤には猛攻も仕掛けた。
そして哲也。PKは仕方ないとして、石川の強烈なシュートもはね返し、1失点のまましのいでいる。
前半を0-1で終了し、交代もなく後半に入るが、いつもと違って期待のもてる後半だった。
この試合のウオーミングアップの前に、マリノスは選手だけでミーティングを行っている。隼磨に言わせると「プロに入って初めて」らしい。ということは、連覇したときも昨年も行われていないということになる。
このミーティングでスタメンの選手もベンチの選手も、残り3試合と天皇杯へ向けて一丸になった。
1点ビハインドのまま迎えた18分、隼磨に代わって奥が投入された。ポジションは同じ。だが、2階から見ていると、奥の運動量に驚かされた。引いた自陣でパスを出してそのまま駆け上がる。そしてスペースを探して大きく円を描いて走る。パスが来ないと見るや、再び自陣まで引き、またパスを受ける。隼磨がサイドラインを駆け上がるだけじゃなく、こんな大きな動きも出来るようになったら、ひと皮むけるんだけどな。
奥の投入で中盤での組み立てが良くなり、さらに後半30分に狩野に代わって投入されたマルケスによりペースは完全にマリノスのものとなった。東京は中盤がまったくつくれず、仕掛けもない。PKの1点だけで逃げ切るつもりなのだろうか。ルーカスを抑えれば、あとは怖いのは裏を取られたときの石川だけという状況だった。
マルケス投入の直後のことだ。山瀬が相手DFを背にしてキープし、左サイドのドゥトラへパス。ドゥトラはフリーでクロス。そこに大島の頭。しかし土肥がはじく。ボールはルーズに。「誰か決めろ!」。押し込んだのは奥だった。さすがにきっちりと詰めていた。
後半21分に同点に追いついたマリノスは、なおも左サイドから東京ゴールに迫る。山瀬が左サイドでキープし、マルケスへ渡す。さらに後ろからドゥトラが絡む。詰まったと思えば、中央に奥がフリーでいるという状況で、何度もチャンスをつくり出した。
しかし、これは4バックがなじんできたというより、マルケス、ドゥトラの個人のスキルに頼る部分が大きい。マルケスが入ってからは攻撃はほとんど左サイドからとなった。右サイドの勇蔵も何度か上がりを見せたが、物足りない。左サイドに人が集まってきたときに、サイドチェンジから勇蔵が攻撃参加ーーなんてシーンがもっとなければ。
石川の「スペインリーグ入りを決めた西沢ばりのボレーシュート」にヒヤッとしたが、哲也がこれもはじき出した。平山も投入した東京だが、引き分けでもいいやみたいなムードを感じた。
同点以降も猛攻を続けるマリノス。そしてロスタイム。入りそうで入らない。もう少しなのに。
ロスタイムが何分あったか気がつかなかった。それほどピッチに熱中していた。
右サイドからのコーナーキックを得た。これが最後のチャンスか。マイクがベンチにいるのに、水沼監督が最後に切ったカードは吉田(坂田と交代)。これが吉とでるか凶と出るか。
マルケスがキックする。「あ、大きいよ」。早いニアへのボールではなく、ファーへの少し緩いボール。ナイスボールではなかった。しかし、ファーにはトリコロールがフリーで2人いた(確か)。同時に飛ぶ。当たったのは外側の那須の頭。後ろへ反り返りながらなので勢いはない。「だめか」。しかし、「(再び)ファーへ折り返した」(那須)つもりのボールはゆるやかな弧を描いて、土肥が精一杯伸ばした手の先を越えていく。
「入る? 入るの? えっ? 入ったぁーーーーーーーーー」。
| ゴールを挙げた那須を祝福する横浜イレブン(円内)。写真では小さくて、なんだかよく分かりませんが、我々マリサポにとっては感激の瞬間です |
前半の失点の原因となったファウルを帳消しにする決勝弾。そして那須にとってはこれが今季の初ゴールだった。アテネ五輪アジア最終予選のUAE戦で決めたような、得意の弾丸ヘッドではなかったが、那須の勝利への執念がゴールネットを揺らした。
これで吹っ切れて、アテネ五輪以前の状態まで戻ってくれれば。そう願っている。
試合終了の笛がこんなに待ち遠しかったのも久しぶりだった。奥、マルケスと投入した水沼采配がズバリと決まった試合だが、本音を言えば、若い選手たちで何とかして欲しかったのも事実だ。
さて、次戦はホーム最終戦。ところが、河合とドゥトラが出場停止。河合の代わりは上野だろうが、ドゥトラの代わりは誰だろう。田中裕介かな。どうせなら、ボランチに天野も使って欲しい気がする。
なんて考えながら各地の結果を見ていたら、浦和が王手らしい。浦和は日曜に味スタで東京と対戦する。こりゃ、この日と違って大変な騒ぎになるだろうな。浦和の前回のステージ優勝は、マリノスがガンバに勝ったため、負けたのに決まった。今度こそ勝って決めるのかな。それとも・・・。どっちにしろ、私には関係ない話ですね。
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