今回の は、いきなりの文庫になっております。
雑誌「小学5年生」に連載されたものが、文庫版での発売となったとのこと、
なるほど… まぁ、確かに小学生高学年向けの小説でした。
ただ、中学生以上~大人が読むのに不適切か…?! というと、
いえいえ、 全くそんなことはないのが さすがの直木賞作家作品です。
現に、ワタシ自身も たまにこのような道徳作品に接すると、
ニッポン人の良さを再認識しますし、大人という立場に胡坐をかいて ないがしろにいた部分に
ハッとさせられたり...(汗)
とっても大事な機会だと思います。
まぁ… 小学生向けなので あっという間に読み終わってしまうのですが、
この薄い1冊の中にも、今回は 小6というちょっぴり思春期への階段を上り始めた
年代ならではの 悩みや、交友関係などなど、
純粋な“小学生”という枠に囲みかねる、結構深い内容となっております。
交通事故死した 小2の女の子を巡って、時を越えて関わり合うことになった縁とか、
本当は 自身に抱えているコンプレックスが、級友へのいじめという形で発散されていたとか、
いろいろな要素が盛り込まれて、最後には うま~く納めてしまうあたり、
大人が読んでも しっくりきてしまう重松先生のご力量は、やっぱりさすが!ですね。