さすが、直木賞作家。
文章が自然体でとてもお上手(!! などと、ド素人が言っていまい…あしからずですが…)なので、
安心して読めます。
ということで、今回は 美しい正統派でスラリスラリと読めてしまう 短編集 でした。
まぁ…
怪談ということなので、それぞれ“お出まし”…になりますが・・・
1番目の「岬へ」が、最も ゾーーーーーっとするでしょうか。
あとは、5番目の「カーディガン」。
これは、不思議な結末で終わっているので、本当のところの早苗さんの正体が知りたいような…
怖いもの見たさの欲求不満もありますが、真理子ワールド(読ませる筆力!)が最も光っているような気がします。
ほんと、情景とか シチュエーションが読みながら、自然と自分の中に入ってきて、怖いというよりは 庸子さんに
同化して気持ちが伝わってくる感じ~。
こういう読ませ方は、さすが コイケマリコさん! という安定感を感じさせられます。
あと、小池センセイのお住まい(=軽井沢)がら、リアルさが 随所に伝わってくるところが特徴的でしょうか。
読みながら、“さすがだなぁ~”と度々思いながら、これもごく自然と楽しめました。
特に、4番目の「同居人」。
これを読みながら ところどころで、“きっと、軽井沢の藤田&小池邸の生活感が反映されているんだろうなぁ~”
などと思ってしまいました。
やはり、安定の作家さんの作品というのは、純粋に 読書の時間を楽しめます。余裕があります♪