めへへ 書感

本好きなヤギ似のワタシが 勝手な感想を綴った備忘録 (時々、他)♪

太陽のパスタ、豆のスープ (宮下 奈都)

2011-03-06 22:18:59 | 本(まあまあ) ま・や・ら・わ行の作者

今回の作品は、なかなか良かったです。
主人公のあすわちゃんが、結婚目前にして、恋人から突然の婚約破棄をされ、ドン底に・・・
そこから、立ち直っていくまでの過程を描いたストーリーです。

あすわちゃんは、ごくごくフツーのOLさんで、
結構どこにでもいるよーな環境に置かれているのですが、
“実は、このこと自体が いちばん恵まれているんだよ!”
ということに気付かされるまでが、ごくごく日常起こりうるエピソードとして綴られています。

それだけに、背伸びしないで、ごくごく自然に進展するというか、
読み手側も、等身大の気合い(?)で読めるので、
読み終えてみると、ミョーに心地良いという感じでしょうか ・ ・。

宮下奈都さん、
たまたま過去に読んだ こちらあちら が、イマイチだっただけに、
全く期待をしていなかったのですが、良い意味で裏切られました。

ただ・・・
最後に ひとこと 言わせてもらっていいですか…?!
この表紙の すごい味のある絵は、ちょっと… (汗)
一体全体、どーゆー意図で…?! (汗)
申し訳ないが、これは ちょっと ないんでない…??!(泣)
やっぱり、特に表紙の絵はねぇ ・ ・
い、イメージが… (ブツブツ…)
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あたり[魚信](山本 甲士)

2011-03-05 21:00:59 | 本(よかった!) ま・や・ら・わ行の作者

やっぱり、好きです!
山本甲士さん。
今年のワタシの読書10大ニュース(暦は、まだ3月なんですけど…(汗))では、
山本甲士さんという作家さんを知ったことが、間違いなくランキングに入ることでしょう。

いやーーー~
ほーんと、こーゆーほのぼの調の小説を読むと、
ちまちました嫌な事なんか、吹っ飛んじゃいますね!

魚の名にちなんだ6つの短編から構成されていますが、
それぞれの登場人物は、ほんと、どこにでもいるよーな方々なので フツーのごく平凡な日常が題材に取り上げられています。

でも、でも、山本先生のストーリーの中だと、やくざさんも ちょっとコワめのおにいちゃんも
みんないい人に思えちゃうんですよね~。
情景も浮かんできて、短編同士、ちょっとずつ関連性もあるので、
読んでいると どんどん次が読みたくなってしまいます。

最後の「まぶな」に出てくる基一が、実は 全体の重要な鍵を握っているのですが 。 。 。
基一が、過去の人々に遭遇する場面では、
「くぅぅ~~~(泣)、
 こう来たか・・・ やられた!」と内心、山本先生の展開ワザに感服しながら、
思わず涙が出そうになっちゃいました。

ほんと、山本先生という作家さんに出会えたことに、感謝 ♪
コメント (1)
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ジークフリートの剣(深水 黎一郎)

2011-03-04 21:10:34 | 本(うーん…) た・な・は行の作者

うーーーん・・・

日本に芸術ミステリの新旗手あらわる!
「幸せの絶頂で命を落とす」という予言どおりに事故で死んだ婚約者。
悲嘆に暮れる世界的テノール・和行を事件が襲う!
「本格ミステリ」界を席巻する著者の野心作。
2010年度「本格ミステリ大賞」候補作家の渾身作。

ね?
ね…??
この宣伝文句、すごーーーーーく  そ・そ・ら・れ・る でしょ?!

ところが・・・
すっとこ どっこい。
なーーんか、ご立派な設定のワリに、主人公は 限りなく嫌な奴だし、
婚約者の死後に現れた 婚約者の親友・・・
てのも、な~んか 取って付けたような展開だし…
で、ワタシは、かなり がっかりでした。

好きな音楽ものの設定だけに、より 裏切られた感が強く、
がっくりきちゃいました… (涙)。
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女中譚(中島 京子)

2011-03-02 21:44:05 | 本(まあまあ) た・な・は行の作者

ワタシ、やっぱり 中島京子さん、好きです。
中島さんこそ、「小説家」さんだと、つくづく思います。

何て言えばよいのか…
日本文学の根本的な良さを 味わせてくれる作家さんです。
これって、滅多にできることじゃないですよ!
ほんとに。

今回の作品、直木賞を受賞された あの作品(←大のお気に入り!) と同じ雰囲気のお話しです。
が、
今回は、全体が昔にさかのぼる設定ではなく、秋葉原メイドカフェの常連おばぁちゃん
(御歳90歳のすみさん)
が、自分の昔の体験を語るという作りになっています。

しかも、
中島先生は、ナント、
林芙美子の「女中の手紙」,吉屋信子「たまの話」,永井荷風「女中のはなし」
それぞれのトリビュートに挑まれ、短編集として仕立て上げたのです(驚)。

残念ながら、ワタシは いずれの元本も読んだことがなのですが、
こーゆーワザって、プロの作家さんと言えど なかなか難しいのではないでしょうか。

昔の作品が 形を変えて、よみがえるというのは いいものですね。
映画の世界では、リバイバルは珍しいことではないですが、
文学の世界では、言葉や文体を “今風” にすることで、元の作品の良さが
失われてしまうのではないかという懸念が、否めません…。

まー、
そこが、本の良さなんですけど 。 。 。
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