女を捨てず・女に甘えず・らしさを活かす

女性スタッフがビジネス社会で実際に体験したことを中心に「見たこと」「聞いたこと」「感じたこと」をありのままお伝えします。

店の品格

2013-03-21 | インポート

中村です。

「人前で話すことが仕事」になって以来、私の勝負スーツは黒のパンツスーツ。

もちろん

グレーやベージュのスーツも着るし、スカートもはく。

でも「いざ」「ここぞ」というとき頼りになるのは
黒のパンツスーツ

自宅のクローゼットにはいつも黒のパンツスーツがスタンバイし、「ここ一番」の
出番を待っている。

勝負スーツなので、少々値段が高くても着心地がよくて体のラインがきれいに見
える品質のいいものを身につけたい。


と言うことで、ここ数年、いや10年ぐらい前から(以前にこのブログでも取り上げた
が)黒のパンツスーツはtheory(というブランド)で買う!と決めていた。

その理由は、

流行に左右されにくい、シンプルで定番デザインが多い
②「着心地が良くてパンツのラインが自分好み」

に加えて、

③袖を折り返した時に見える裏地がストライプのシャツ柄

この③の理由が結構ウエイト高い。
冬であっても「腕まくりが定番」の私にとっては、真っ黒で地味~な印象になりが
ちな黒のパンツスーツのアクセントとして「お気に入りポイント」だった。


しか~し


theoryのスーツがデザイン変更に伴い、袖の折り返しのストライプがなくなり、
普通の裏地になってしまった(しょんぼり・・・

そんなことぐらい・・・と思われるかもしれないが、結構重要。
もしセオリーの関係者の人、このブログ見ていたら、


裏地ストライプをぜひとも復活していただきたい!!



関係ない方向に話がズレたので戻します。

先日

最近まで着ていた勝負スーツが、そろそろヨレヨレになってきたので買い替えよう
と思って、梅田に出た。
今までだったら真っ先にセオリーに行くが、今回はセオリーにこだわる必要はない。
阪急百貨店でウロウロしながら「ええのんないかなぁ・・・」と物色していたら、きれい
なラインのスーツが目にとまった。

BEIGE,

というブランド。

「よくストレッチきいてるな・・・。」⇒「動きやすそうやし」⇒「なかなかいいかも」

と思いながら見ていると、スタッフがさりげなく笑顔で声をかけてきた。
試着してみようとフィッティングで着替えてみると、


着心地=OK、サイズ=ぴったり、ライン=好み


よ~し!次の勝負スーツはこれだと決めて購入した。




おしまい


ではない。「中村の買物日記」なんて誰も興味ない(はず)。

言いたいことはここから。

その日、別の要件があった私は、
要件を済ませて立ち寄るから、それまでにパンツのお直しを仕上げて、立ち寄っ
た際すぐに持って帰れるように(包装)しておいてほしい旨、スタッフに伝えて一旦
百貨店を後にした。


要件を済ませ、百貨店で商品を受け取って自宅に戻った私は、スーツをハンガー
にかけようとした。

その時

ジャケットの後側に、小さな引っかけキズがあるのが目についた


「あれっ、こんなんついてたっけ?」
「どっかに引っかけたんかな・・・」
「私がつけたんかなぁ・・・」
「ちょっと糸がでてるだけやから、自分でなんとか直せるかな・・・」
「せっかく明日着て行こうと思ったのに明日は無理か・・・しょんぼり



最初はこう思ったが、よくよく考えてみると


◇新品なのに(たとえ小さくても)キズがついているんだから、当然新しいもの
 と交換してもらうべき

◇(じっくり見ないとわからないような引っかけキズだったので)自分でわからな
 いように対処できるかもしれないけど、気分的にすっきりしない


まして、勝負スーツであり、それなりの投資と引き換えに手に入れたもの・・・。




「明日着ようと思って楽しみにしていたけど、仕方ないな・・・。できるだけ早く交換
してもらおう」




思い直して電話をかけた。

中村「今日、黒のパンツスーツをいただいた中村です。自宅で開けてみたら
    ジャケットの後ろ側に小さな引っかけキズがあるのを見つけたんですが、
    新しいものを替えていただけますか・・・」

対応に出たのは店長。私のことばに、即座にこう答えた。

「中村様、申し訳ございません。取り換え、もちろんです」。

さらには一旦電話を切ったのちすぐにコールバックがあって、
「在庫を確認したところ店内に同じ商品があったこと」「点検したところキズはな
いのですぐに交換できること」を伝えてくれた。

丁重かつテキパキとした対応だった。

が、ここまでは当たり前。

ここからの対応にBEIGEというブランド、阪急百貨店BEIGEショップ、島田店長
の品格を感じた。


コールバックの際、島田店長からこんな提案があった。


「中村様、もしよろしければ今から新しい商品をそちらにお持ちしたいのですが、
よろしいでしょうか・・・」

時間は20時を少し回った頃。日曜祝日の営業は20:00まで。電話をした時点で
すでに営業時間を過ぎている。

中村「そんなことしてもらえるんですか?」



思いがけない申し出に思わず声のトーンが上がった

「もちろんです。明日お召しになるご予定ですよね?私どもの不手際でせっかく
の機会を・・・・・(略)今すぐ出まして30分ほどかかるかもしれませんがよろしい
ですか?ご住所ですが・・・(略)」

店長は持ってくる気満々



キズを発見した時点で次の日にスーツを着るのはすでに諦め、店内に在庫が
あったからスムーズに交換できるということにホッとしていた。そんな私の気
持ちをいい意味で裏切った店長の行動だった。

かくして、その30分後私は店長から新しいジャケットを受け取り、無事に次の日
そのスーツを来て仕事をこなした。

スーツを購入した際、接客してくれたスタッフと
「お~、ぴったりやね!明日着て行きたいな・・・。」
「今日中にお直しできる?」という会話はした。でも、それは店長とではない。
そもそもその時店に店長はいなかった(はず)。
しかも、そのショップで服を買ったのは初めてで常連客ではない。


にも関わらず、まるでスタッフとの会話を聞いていたかのように、私の状況や気持ち
を理解し、的確かつスピーディーな対応。ショップ全体の対応力(情報共有、ホスピ
タリティなど)の高さを感じた。


1人ひとりのスタッフの対応が、店全体の、ブランド全体の、
会社全体の品格につながる。


引っかけキズのある商品を販売した。という事実を考えれば、明らかに売った側が
悪い。クレームになってもしかたがない案件。


でも、その後の対処がよかったので、「腹が立つ」「嫌な気持ちになる」どころか、
逆に店長、スタッフに好感が持てた。



おそらく、いや間違いなく私は再度阪急百貨店の売り場に顔を出す。


ネット通販全盛の現在。品格のあるショップにファンができる。品格のあるショップ
は1人1人のスタッフの自覚と自覚に基づく行動で成り立っている。


を実感できる出来事だった。


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