チェロ弾きの哲学ノート

徒然に日々想い浮かんだ断片を書きます。

概念アラカルト(その6)

2016-07-18 16:00:40 | 教育

  概念アラカルト(その6)

 21. 指数と対数 (exponet and logarithm)  音階と長さと振動数、チェロの場合

 1) チェロには、4本の弦が張られています。低い方から、C弦(ド)、G弦(ソ)、D弦(レ)、A弦(ラ)です。

 2) 弦の長さが半分になると振動数が2倍になり、1オクターブ音階が上がります。更に弦の長さが半分(1/4)になると、振動数は4倍になり、2オクターブ音階があがります。弦の長さが(1/8)になると、3オクターブ音階が上がり、振動数は8倍になります。

 すなわちオクターブは1づつ上がりますが、振動数は、2倍、4倍、8倍……、となり、弦の長さは、1/2、1/4、1/8……となります。

 3) 弦の長さ L と振動数 ν は、L = K/ν の関係になり、Kは、定数(弦と張力による)です。


 4) 1オクターブは、12個の半音で構成されています。長さが半分の位置(1オクターブ高い所)から、半音階づつ下がっていきます。すなわち、ある割合(R)で長くすることを、12回繰り返すと、1オクターブ下がります。

  (R)¹² = R×R×R×R…= 2 となる。実際に、12回掛け算で、何回か試行錯誤をすると、1.059が求められる。

 R = 2¹/¹² で解けるらしいのですが、なんとか展開ですので、興味のある方は、自分で研究してください。


 5) そこで、チェロの一番低いC弦で、平均律の半音階づつ上げた値と、弦の比の分数値と振動比を表示します。

   ハ調で    弦の長さ比  それを少数で   2¹/¹²を乗じた値 振動の比  振動数(ヘルツ)

   ド       1         1          0.9948      1        66

   レ       8/9      0.8888      0.8870      9/8       74.25        この間1音

   ミ       4/5       0.80        0.7909      5/4      82.5        この間1音

   ファ      3/4      0.75        0.7468      4/3       88         この間半音

   ソ       2/3      0.666       0.6659       3/2       99         この間1音

   ラ       3/5      0.600       0.5982       5/3      110        この間1音

   シ       8/15     0.5333      0.5295      15/8      123.75       この間1音

   ド       1/2        0.50         0.500        2        132        この間半音


 6) G弦(ソ)は、C弦(ハ)の2/3の位置のソに開放弦を合わせ、振動数は、1.5倍です。カッコ内は(弦の長さ、振動数)です。

    G弦(ソ)は、ソ(1、99)、ラ(8/9、110)、シ(4/5、123.75)、ド(3/4、132)、レ(2/3、148.5)、ミ(3/5、165)、ファ(4/7、176)、ソ(1/2、198)です。


 7) D弦(レ)は、G弦(ソ)の2/3の位置のレに開放弦を合わせ、振動数は、1.5倍で、C弦(ド)の2.25倍の振動数です。

    D弦(レ)は、レ(1、148.5)、ミ(8/9、165)、ファ(5/6、176)、ソ(3/4、198)、ラ(2/3、220)、シ(3/5、247.5)、ド(4/7、264)、レ(1/2、297)です。


 8) A弦(ラ)は、D弦(レ)の2/3の位置のラに開放弦を合わせ、振動数は、1.5倍で、C弦(ド)の3.375倍の振動数です。

    A弦(ラ)は、ラ(1、220)、シ(8/9、247.5)、ド(5/6、264)、レ(3/4、297)、ミ(2/3、330)、ファ(7/11、352)、ソ(4/7、396)、ラ(1/2、440)です。

 9) ここでの振動数は、A弦(ラ)の1/2の位置のラの振動数を440ヘルツ(1秒間の振動数)として、書いています。


10) 代表的な和音ドミソは、G弦で、弦の長さと振動数を表すと、ド(1、66)、ミ(4/5、82.5)、ソ(2/3、99)で倍音が共鳴します。

   さらに、和音ファラドは、ファ(3/4、88)、ラ(3/5、110)、ド(1/2、132)で倍音が共鳴します。


11) 私のチェロは、指板の右または左に、白いマジックで、印を付けています。まず弦の長さが1/2 の点です。ここは1オクターブの点ですから、重要で印が付いているので、目だけでポジショニングが可能です。

12) 次に重要な点は、3/4の点です。例えばG弦のド(3/4、132)は、隣のC弦の(1/2、132)と同じ高さで、C弦の開放弦のいオクターブの高さになり、共鳴します。この点は、開放弦から半音で5度上がった点でもあります。

13) つぎに重要な点は、2/3の点です。例えばC弦のソ(2/3、99)は、隣のG弦の解放弦の高さで、共鳴します。半音で7度上がった点でもあります。

14) さらに、A弦については、5/12の点は、ド(5/12、528)です。1/3の点は、ミ(1/3、660)です。1/4の点は、開放弦のラに対して、2オクターブ高いラ(1/4、880)です。 これらの点はチェロのハイポジションの点で、指板の左側に印を付けます。

  

    以上のことをチェロの指板上で、整理しますと、以下のようになります。〇印は間にある半音階の位置です。音階はハ調です。

              8/9  4/5    2/3  3/5  9/17 

          1    17/20 3/4    7/11 4/7  1/2   5/12      1/3         1/4            ← 弦の長さ

    A弦   ラ 〇 シ ド 〇 レ 〇 ミ ファ〇 ソ 〇 ラ 〇 シ ド 〇 レ 〇 ミ ファ〇 ソ 〇 ラ

    D弦   レ 〇 ミ ファ〇 ソ 〇 ラ 〇 シ ド 〇 レ

    G弦   ソ 〇 ラ 〇 シ ド 〇 レ 〇 ミ ファ〇 ソ                                 →  bridge

    C弦   ド 〇 レ 〇 ミ ファ〇 ソ 〇 ラ 〇 シ ド

                                         (第6回)