チェロ弾きの哲学ノート

徒然に日々想い浮かんだ断片を書きます。

概念アラカルト(その7)

2016-07-22 15:03:36 | 教育

 概念アラカルト(その7)

 22. 遺伝子(gene)

   遺伝子 : 生物の個々の遺伝形質を発現させるもの  (人生に必要な遺伝50 マーク・ヘンダーソン著より)


 1) DNA : デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid)

 DNAは、核酸の一種で、地球上の生物において、遺伝情報の継承と発現を担う高分子生体物質です。

 真核生物は、核を持ち、細胞分裂の際に染色体構造を生ずる生物。(真核生物ドメインの下に、菌界、植物界、動物界となります)

 2) 染色体(chromosome)

   DNAを束ねた状態。人には23対の染色体があり、22対の常染色体とXX及びXYの性染色体をもちます。

 3) ゲノム(genone)

  その生物が生きるために必要な染色体のセット。

 4) 染色体はどこにある?

  細胞の核の中に、染色体はあります。人の体には、約60億個の細胞があり、そのそれぞれに1個あります。


 5) 減数分裂と有糸分裂

  人体の細胞は各染色体が2本ずつある二倍体で、身体の成長や治癒の際に分裂する場合、有糸分裂というプロセスにより、それ自身のゲノムをすべて複製します。

  生殖細胞の場合、精子や卵子は別の方式の細胞分裂—―減数分裂――によってできます。減数分裂では、複製された二倍体を四つに振り分けます。男性に場合、この4つが精子になります。女性の場合、一個が卵子とまりますが、残り3個は「極体」となって捨てられます。

  受精によって、父方の精子から1つ、母方の卵子から1つを得て、この二つを交叉して、二つの染色体がDNAの断片を交換して、新しい構成の染色体をつくります。


 6) DNAの構造

  DNAは、4つの塩基アデニン(A)とチミン(T)とシトシン(C)とグアミン(G)の4つ構成され、二重螺旋をつくっています。

  DNAは、4つの塩基が同じ比で現れ、すなわちアデニン(A)とチミン(T)、シトシン(C)とグアミン(G)がそれぞれ等しいのです。そして、Aが必ずTと、CがGと結びつくのだと理解するにいたりました。二重螺旋というパズルの重要なピースがはまったのです。

  この二重螺旋構造は、遺伝情報のコードを二重に収めており、複製がとてもしやすくなっているのです。

 7) コドンの役割

  DNAの3文字の組み合わせ、つまり「トリプレット」つまり「コドン」を解読して、20種類のアミノ酸は合成されます。4種類の3文字の種類は、4の3乗=64種類ありますので、多くのアミノ酸は複数のコドンで指定されています。


 8) ドーキンスの「利己的な遺伝子」(THE  SELFISH  GENE)とは

  生命体は、遺伝子の乗り物である。生命体の命は尽きても、遺伝子は子へ、さらにその子へと、遺伝子は、種の中にある意味、永遠に、生き続ける。遺伝子は、種として自分の遺伝子を、より生き残らせるようにふるまう。

  ドーキンスは、単に進化論を遺伝子から見直したものであるが、生命体の様々な現象が、意外に説明しやすいものとなった。

  ウィルスは、ある意味において、裸の遺伝子であり、利己的に振舞う。


 9) メンデルの法則

  ダーウィンが、1859年「種の起源」で進化論をは発表し、1865年にメンデルが遺伝の法則を発表したが、1900年に再発見されるまで、還り見られることはなかった。

  生物学の二大セオリーである進化論もメンデルの法則も、遺伝子が発見されるほぼ一世紀以前である。

  メンデルの法則は、次の三つの法則で構成される。

 ① 優勢の法則

  雑種第一代には、優性形質だけが現れ、劣勢形質は潜在する。

 ② 分離の法則

  雑種第二代には、優性形質を現わすものと劣勢形質を現わすものが分離してくる。

 ③ 独立の法則

  それぞれの形質は無関係に独立して遺伝する。  (第7回)