前回に続き3回目。
昭和62年5月28日~30日、北京・燕翔飯店での講習記録(横尾さんの筆記による)を元に読みやすく書き直したものである。内気と外気、動作と気の関係、気はどこを流れるか、などが述べられている。
~~~~~~~~~~~~・~~~~~~~~~~~~~~~
気は経絡の中を活動する
“気”は、私の観点からいうと、外気と内気に大きく分けられる。
内気とは、身体内部の気である。その気は大多数が経絡の中を活動し、その他の身体の気は、筋肉、あるいは皮膚、皮膚から少し離れた所の部分にも及んでいく。この経絡の中の気、あるいは皮膚、筋肉、皮膚の外の気を合わせてすべて内気という。
では外気というのはどういうものかというと、身体の気の皮膚から離れた部分(それを“易”というが)、その“易”も含めてその外側の自然の気、宇宙の気、外界の気を総括して外気という。
“気”の概念はいろいろあり、流派によっていろいろな練習法があり、いろいろな考え方がある。
ある人は外気から考えていくし、ある人は内気から考えていく。またある人は外気と内気の結合するところから入っていく。
ここで、内気を重視する流派が行うのは身体の一部に意識を集中する、いわゆる”意を丹田に守る”というやり方で内気を増幅させる??内気を強めるやり方で入るのが内気を重視する流派である。私自身もこの方法で意識を身体の一部分に集中して、身体の気をそこに凝縮させる練習から入った。しかし、こういう練習は往々にしてエネルギーを消耗し、時間がかかり、効果が非常に少ない。そして偏差が非常に起こりやすいという問題がある。
そこで起こった考えが、意識を内気に向けずにまず外気に向けることである。ここで根拠になるのが中国の哲学である天・地・神の考え方だ。
身体の内気は必ず天の気、地の気と相応しなくてはならない。それが乱れるといろいろ問題が起こるため、それが非常に大きな原則になる。まず身体の表面の“易”を鍛えて強め、次に外気と結合させて、最後に身体の内気と結合する、という練習過程をとる。
具体的には、立った姿勢で脊柱を上下に伸ばす、あるいは、手を前後に伸ばす、引き伸す、平拉抜長という考え方で身体を引き伸して気を増強させる方法。その後に、自然界の外気を自分の増強された“易”とを合わせるという過程に入る。
「站椿功」のやり方は、まず手に球を握ったような形をつくり、その球の気が充実した状態になれば少しずつ自然に手に浮力が起こって上がってくる。もしも気が不足して上がらない場合には、太極の理論を用いて身体を少し沈めることによって上がっていくというやり方を使う。いわゆる「肩を沈める」ことによって手を上げるというやり方である。そのあといろいろな動作を使って、外界の気と自分の気を混入する過程に入っていく。開合であったり昇降であったり。その充実してきたツボ、経絡を使って身体の中に取り入れていくのだ。
昭和62年5月28日~30日、北京・燕翔飯店での講習記録(横尾さんの筆記による)を元に読みやすく書き直したものである。内気と外気、動作と気の関係、気はどこを流れるか、などが述べられている。
~~~~~~~~~~~~・~~~~~~~~~~~~~~~
気は経絡の中を活動する
“気”は、私の観点からいうと、外気と内気に大きく分けられる。
内気とは、身体内部の気である。その気は大多数が経絡の中を活動し、その他の身体の気は、筋肉、あるいは皮膚、皮膚から少し離れた所の部分にも及んでいく。この経絡の中の気、あるいは皮膚、筋肉、皮膚の外の気を合わせてすべて内気という。
では外気というのはどういうものかというと、身体の気の皮膚から離れた部分(それを“易”というが)、その“易”も含めてその外側の自然の気、宇宙の気、外界の気を総括して外気という。
“気”の概念はいろいろあり、流派によっていろいろな練習法があり、いろいろな考え方がある。
ある人は外気から考えていくし、ある人は内気から考えていく。またある人は外気と内気の結合するところから入っていく。
ここで、内気を重視する流派が行うのは身体の一部に意識を集中する、いわゆる”意を丹田に守る”というやり方で内気を増幅させる??内気を強めるやり方で入るのが内気を重視する流派である。私自身もこの方法で意識を身体の一部分に集中して、身体の気をそこに凝縮させる練習から入った。しかし、こういう練習は往々にしてエネルギーを消耗し、時間がかかり、効果が非常に少ない。そして偏差が非常に起こりやすいという問題がある。
そこで起こった考えが、意識を内気に向けずにまず外気に向けることである。ここで根拠になるのが中国の哲学である天・地・神の考え方だ。
身体の内気は必ず天の気、地の気と相応しなくてはならない。それが乱れるといろいろ問題が起こるため、それが非常に大きな原則になる。まず身体の表面の“易”を鍛えて強め、次に外気と結合させて、最後に身体の内気と結合する、という練習過程をとる。
具体的には、立った姿勢で脊柱を上下に伸ばす、あるいは、手を前後に伸ばす、引き伸す、平拉抜長という考え方で身体を引き伸して気を増強させる方法。その後に、自然界の外気を自分の増強された“易”とを合わせるという過程に入る。
「站椿功」のやり方は、まず手に球を握ったような形をつくり、その球の気が充実した状態になれば少しずつ自然に手に浮力が起こって上がってくる。もしも気が不足して上がらない場合には、太極の理論を用いて身体を少し沈めることによって上がっていくというやり方を使う。いわゆる「肩を沈める」ことによって手を上げるというやり方である。そのあといろいろな動作を使って、外界の気と自分の気を混入する過程に入っていく。開合であったり昇降であったり。その充実してきたツボ、経絡を使って身体の中に取り入れていくのだ。