最近は映画で、世界トップのバレエやオペラ、歌舞伎などの公演が観られるようになった。
それも、公演そのものだけでなく準備までの舞台裏の様子や、演じる役者さん達の心情など、制作過程を追ったドキュメンタリー部分もあって、より深く鑑賞することができる。
これはとってもとっても嬉しい!ありがたい!!
今回は、玉三郎が主役となるシネマ歌舞伎「壇浦兜軍記 阿古屋」が桜木町にある「横浜・ブルク13」で(!)、しかも、平日!しかも夕方!! 教室の指導が終わってからゆとりをもって行けるし、帰りは駅前からバス1本!!これを逃すテはない。
「阿古屋」は、琴、三味線、胡弓の三曲を,立て続けに演奏するのが見所の舞台。
傾城の阿古屋が恋人である平家の武将・景清の居所詮議で、代官・重忠から、琴・三味線・胡弓の三曲を演奏させる。
阿古屋が隠し事をしていれば、三曲の演奏に乱れが出る、というワケである。
玉三郎の品格ある佇まいや色気、景清を思う心情、それに絢爛豪華な衣装と、息を吞むほど美しい。。。
それに加えて演奏する三曲の力強さ。。!まるでライブを聴いているような迫力ある音なのであった。
『現在、この役を演じられるのは、板東玉三郎ただ一人』とあるように、琴、三味線、胡弓という調子も弾き方も特性も違う三つの楽器を弾き、しかも、阿古屋という傾城を演じるのだから、並大抵のことでないワケで。
稽古場や歌舞伎座での様子、裏を支えるスタッフなどの映像もあり、若い役者が途中で「これ,難しい〜〜。もう無理〜〜!!」と途中で投げ出す様子などもあり、面白い。。。
三味線や琴はもちろん、衣装もカツラも、細かいところまで念入りに丹念に調子を整えている様子や、本番の公演では舞台裏に三味線や琴などの専門家が楽器を持って控えている様子などもあり、これだけの大勢の裏方が自分の役割に専心し、全員が熱意を持って「阿古屋」という舞台を完璧に作りあげていることに感動!
シネマ歌舞伎のいいところは、また、劇場では遠目にしか見えない場面もアップで観ることができる。歌舞伎の台詞などもはっきりよく聞き取れて、歌舞伎を見慣れていない人にも分かりやすい!
この舞台では、玉三郎の美しさはもちろん、詮議する代官重忠を演じた尾上菊之助がお人形のように美しかったのにもハア〜、なのでありました。
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