izumishのBody & Soul

~アータマばっかりでも、カーラダばっかりでも、ダ・メ・ヨ ね!~

「三代一美先生お別れの会」が終わって

2017-12-17 13:10:12 | 日記・エッセイ・コラム

昨日、私の太極拳の師であった三代一美先生のお別れの会があった。。。

一美先生に師事して以来、もう40年近くなる。私の太極拳の歩みの常に先を歩き、先導してくれた存在でもあった。

 

一美先生に誘われて初めて陳式太極拳の学習のために、中国に行った時のことを時々思い出す。

1986年当時の中国は、まだまだインフラの整備が整っていなくて、陳式太極拳の聖地・陳家溝に行くには、上海から鄭州という街まで、夜行列車に17時間(!)の旅であった。

列車はコンパートメントの4人席(&ベッド)なのだが、何故か私達女性3人の中に中国人の男性が一人混じってしまって(!?)、そのオジサンのビックリしたような顔は今でも覚えている。

 

列車のトイレは、まあ〜、汚れ放題(!)で、何だか分からないが食べ物の残飯やら紙くずやらのゴミが、見るのもオソロシイといった感じで足の踏み場もないくらいに落ちている。

イヤだの、汚い、だの言っててもトイレは使わないワケにいかない。。ゴミはなるべく見ないようにして、そそくさと用を済ませる。

食堂は、テーブルに白い布がかけられ、窓にはレースのカーテン。。。と聞けばお洒落なイメージを思い浮かべるが、洗濯済みは分かるけど、なんとなく色合いがくすんでいて、パリッとした感じではない。

日射しが降り注ぐテーブルにはビールが並んでいて、食堂車の従業員がそのビールの栓を抜いてくれる。

ここではビールは冷えていないのが常識なのでありました。

夜と朝の食事は、中華料理だから油を使ったものが多いが、(当時は)油もお醤油も調味料全体が素朴で(つまりは匂いが強い)、繊細な舌には合わない(私は気にせず、それなりにいただきました)。

 

17時間の列車の旅は長い。景色を眺めていても、広い中国であるから、ほとんど変化がない。地平線の向こうまでも畑が続いてると思うと、今度はゴツゴツした岩山のような風景が延々。。。

同室になった中国人のオジサンと、片言の中国語でお喋りした。

「どこまで行くのですか?」

「会議で成都まで」

「どのくらい時間がかかりますか?」

・・・この辺りまでは、中国語会話の見本のような流れだが、「列車で2泊3日」と聞いてギャッ〜!! 

「2泊3日〜〜ッ!!?? 会議にぃ〜〜ッ!!どうして飛行機で行かないの〜??」

「飛行機は落ちたら危ない」

ヒエ〜ッ!!!! 一気に日本語中国語入り乱れてのビックリ会話になったものでありました。

オジサンは、なんでそんなに驚いて大騒ぎするのか、理解出来ない。。。という顔してた。

 

この時以前に中国にはツァーで来ていたのだが、ただ旅行で通り過ぎるのと、目的があって滞在するのとでは、その国にたいする理解度がまるで違う。

出てくる料理も違えば、2週間近く滞在するホテルでの毎日も違う。

食事のたびにワーワーギャーギャー、いちいち反応して大騒ぎの大笑いのしていたワタクシではありましたが、太極拳の練習を終えると、その日に言われたことを忘れないようにアタマを押さえるように部屋に戻り、細かく細かくメモ書きしたそのメモは、今となっては貴重な記録だ。

 

大分後になって、この時習った王西安老師が「いづみさんが一番気を通そうとしてる、って褒めてたよ」と伝えてくれたのは一美先生。その言葉に気を良くして、乗せられて、ルンルン気分でここまで歩いて来た、その道に導いてくれたのが三代一美先生であった。

 

2年半前くらいに兆候があったものの、元気に指導に駆け回っていたのが、今年の夏頃から急に体調を崩して、9月に横浜市内の緩和ケア病棟に緊急入院。

それから10月11日深夜に息を引き取るまで、短時間ではあったけれども毎週一度病院に通い少しずつ病状が悪化していく様子を見届けたことで、事実を受け入れる心の準備は出来ていたが、やはり、教室に来られないけど”いる”というのと、”もういない”というのとでは大きな違い。

これから、少しずつ少しずつ、この喪失感を埋めていかなくてはならない。

昨日の『お別れの会』で、簡単なスピーチをしたが、一美先生から教わったこと、伝えたかったことを肝に銘じ、これから陳式太極拳を自分のものとしてさらに深めていこうと思う。

 

それにしても、去年から今年と、大好きな人達が先に旅立っていった。

これは、やっぱり寂しいことだ。長生きすると、こういう悲しみもあるのだね。

 

ぶっつけ本番にしては一瞬揃った!単鞭。

 

モニターに映る一美先生(画像右側)。挨拶するワタクシ

 

 

 

 


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