izumishのBody & Soul

~アータマばっかりでも、カーラダばっかりでも、ダ・メ・ヨ ね!~

半田也寸志新刊写真集”Iron Stills”に観る、圧倒的な富と活力の遺構

2013-05-01 14:46:06 | アート・文化
東日本大震災直後の現実を迫力ある写真で撮り続けた写真家・半田也寸志さんが、アメリカの鉄の遺構を撮り始めてから5年。
これは、”2007年のリーマンショック、そして2009年の米国ベスレヘム製鉄所の取り壊しがきっかけで始まった「狂乱のアメリカ、そしてその前後の時代」に造られた「鉄の遺構」たちのコレクション”である。


かつてアメリカの経済を支えた圧倒的な鉄の生産力と発明、物作りの精神。。。。
だが、その後、自らの空爆によって破壊しつくした日本やドイツの戦後復興から産み出される安い鉄鋼や物作りに太刀打ちが出来なくなり、ベスレヘム製鉄所は閉鎖に追い込まれる。。。。


鉄と共にあったアメリカの発展の歴史と、ベスレヘム製鉄所の閉鎖が象徴するアメリカ社会の変貌を、超高感度カメラを通して切り取ったディテールと迫力ある画像は、それが巨大なだけに一層物悲しさを際立たせている。

写真を通じてあぶり出されるアメリカがこれまで歩んで来た歴史と、現代社会の様々な歪み。
日本も同じ道を追っているのではないだろうか?


半田さんが撮る写真は、空間や光の捉え方に独特の個性がある。
現実にどこまでも容赦なく迫る強靭な意思と、その傍ら、どこまでも優しく受容する眼差しをも感じるのだ。


今、日本の若者の中に「廃墟」がブームになっているという。
アメリカの廃墟、ともいえるこれらの遺構は、気持ちの奥深い所に強烈に訴えてくる「何か」があるように思える。


■半田也寸志写真展「IRON STILLSーアメリカ、鉄の遺構」
開催期間:2013年5月10日(金)~6月2日(日)11:00-19:00
会場:@btf 4A/4B tel.03-5144-0330
http://www.shopbtf.com/
休館日:毎週月曜、火曜、祝日

写真展と同時に写真集「IRON STILLSーアメリカ、鉄の遺構」が発売される。
写真・文:半田也寸志
ブックデザイン:葛西薫
定価:12,000円+税



Photo


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 呉式講習会で、基本の日々を... | トップ | 植木啓示(G)さんから、5月の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

アート・文化」カテゴリの最新記事