izumishのBody & Soul

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陳鑫著「陳氏太極拳図解」その14〜搂膝拗步の続き

2020-09-06 15:43:41 | 太極拳

前回(7/14)搂膝拗步より続く 〜その14

 

上勢「白鶴亮翅」は両手を挙げ内勁が十分に行きわたるのを待って、そして両手を平らにして両側に下げる。右脚を正しく西に向かわせ、左足を左に二尺ほど大きく一歩開く。足指も正西方角へ向け、強く踏みしめる。手を平に下げるとき、右手は右膝をかすめて通り、下から右上に向かって右に大きく一回りさせて胸の前に落とし、手をひねり手首を左に向け、手の甲は右に向け、手指を揃え斜め上にもっていき鼻と付き合わせる。

左手は左膝をかすめて下へ持って行き、左上からまた下に向かい、後に向かって一回りさせる。この際、反背勁を用い、手は後背中位に落として腰と同じ高さの位置に止まり、右手も倒転一回りする。

右手と左手は一斉に運行を始め、同時に停止する。右手は胸の前に落とすが、左手は後身の中位に落とすので腹と背は丁度ひとつの輪を隔てる様で、右手が呼べば左手はそれに応え、前後の神情は自然かつ一貫し、右手が西正位にあるのは人の血気が水の様に流れるからで、水が流れ渡るのは絶え間がない。右手は前にあって前を顧み、左手は東にあって背後から突然侵されるのを防ぐ。東は「离」に属し离中は虚であり、拳者が左手を後に置くのは極虚極、何かを感ずればすぐじ、臨機応変の効を奏する。手ばかりではなく、背後全面これ皆であり、左手を後に置くのは決して無駄なことではない。左手を後に置いて指を揃えるのも他人が指をつかんで節を折ったりするのを防ぐためである。左肘が南を向くのは、南が乾の正位であるためで、乾は剛中に凜然の気があり、誰しも侵しがたい。右手は北にあるが、北は坤の正位で「順」である。即ち、順理順勢、以て万物に応ずる。易では美はその中にあり、四肢に流れ、業の完璧はここにあるという。右肘はこの意味で北に向かう。北方角には強敵があろうとも何を恐れることがあろうか。耳は敵が来る音を聞き出し、眼は敵が発する気象を見る。頭眼は前後の見境をつけ、左右の手はそれを助ける。これこそ乾を首に円をなすの気象で、足は左から、右から、敵を御し、前にも後にも一挙足一行動にも疾雷の如き力を発揮する。敵が我を侵す時、足は下体を守る。まさに「六封四閉」、上下四方とも封鎖され、敵は入る口さえ見つからない。閉じれば左右前後無縫で、間髪を入れない。敵が虚をつこうが、実に手向かおうが、側面なり正面なりから当たってこようとも、恐れることがないわけである。上勢の「白鶴亮翅」は体然たる開勁の本勢で、本勢の「膝拗步」は合勁である。上勢は即ち下勢の前半勢であり、下勢は上勢の後半勢に相当し、一開一合で一勢となす。

(訳註: 坎=真北  离=東に属する  灵=霊、靈、魂.精神)

 

以下続く。20209月6


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