釣りが好きなのでNHKのBSハイビジョン「にっぽん釣り旅」(木曜日19:30~20:00)を毎週楽しみに観ている。この番組は、毎回違うゲストが日本各地の釣り場に訪れて、地元の”名人”に手ほどきを受けて釣りに挑戦するという趣向である。
一般的に釣りというものは実に気まぐれで、天候、潮流、水温などによって大きく左右され同じ場所、同じ時間帯でも昨日釣れても、今日はさっぱりといったことが珍しくない。
したがって、番組収録当日にいくら”名人”の手ほどきでも釣果が全然ダメといったことがよくあり、ゲストにはお気の毒ということがよくある。
しかし、三重県七里御浜の真夜中のコロダイ釣りは、ゲストの田尾安志氏にとっては納竿直前のドンぴしゃりのタイミングで大物が釣れて実に楽しかった。
どんな趣味でもそうだろうが、釣りのスタイルもその人の性格をよく表わしていて面白い。他人が釣れて、自分だけが釣れないときの対処の仕方などは、思わず人間の地が出る感じで実に興味深い。
元プロ野球選手の田尾氏の場合は長年勝負の世界に身を置いていただけに観ていてさわやかな感じを受けた。同行者中、一番最後にやっと釣れたのだが、くさらず、明るく、根気よく粘った結果最後に大物が微笑んで何だか爽快な気分を覚えた。
三重県七里御浜 57cmのコロダイ