ウ~ン、どうしよっか!ブログのタイトルにこんなに悩んだのは久しぶり。候補は二つあって、一つは「これこそ求めていたサウンドだ!」 、二つ目は 「これぞ求めていたサウンドか!」
ご覧のとおり、前者は完成形で後者は未完成形。前者にすると後々ブログが書きづらくなるので、結局後者にした。そんなに迷うほど今回取り組んだ音は非常に良かった!
経緯を振り返ってみよう。
去る25日(日)にオークションで落札したSPユニットのグッドマン「AXIOM110」(口径25センチ)が我が家に到着したのは28日(水)のことだった。落札した瞬間から胸をワクワクさせながら26~27日の2日間にわたってこのユニットを迎え入れる準備に余念がなかった。
まず、ウェストミンスター(タンノイ)の箱に容れるための補助バッフルづくりがポイント。
なるべくスピーカーの内部を傷つけたくないので寸法をきっちり測ってネジ穴4か所の位置をピタリと合わせる必要がある。あまり器用なたちではないが、「工作はいい音を得るための必須条件だ」と思っているし、何度も経験してきたので苦にはならない。
ドリルやヤスリなどの道具をいろいろ使うが、とりわけ「ジグソー」(木板を丸く切る道具)は必需品。これまで何度助けられたか分からないほど重宝している。
さて、ここで「そもそも論」を一言。
「そもそもSPユニットとエンクロージャーは一体化したものである。設計者の知恵に優るものはない。それを勝手に分離させるなんておかしい。いったいお前は何様か。ましてや権威あるタンノイのウェストミンスター様を弄くり回すなんてケシカラン!」との声が外野席から聞こえてくるのを十分承知している(笑)。
ハイハイ、たしかにスピーカーの王道とはそういうことです。よく分かります。しかし、あまりにも魅力的なバックロードホーンを持つ大型エンクロージャーを一つのユニットに閉じ込めておくのは非常に勿体ない気がして内部もそれなりに改造させてもらいました。
これまでに入れ替えたユニットを振り返ってみると、JBLの「D130」に始まってグッドマンの「AXIOM80」、「AXIOM301」そして現行の「フィリップス」(口径30センチ)。その都度新しい発見があって大いに楽しませてもらったが、やりかかった以上、オリジナル以上のいい音を出そうと今でも必死である。
以上、弁解(?)を済ませたところで、前述のように午前11時半ごろにユニットがいよいよ到着。クロネコさんから荷物を受け取って手に持ったときに「意外に軽いな」というのが第一印象。「低音も軽そうだな。あまり軽すぎても困るが・・。」と、一瞬不安感が脳裡をよぎった(笑)。
巷には「オーディオは重たければ重たいほど音がいい」という名言(迷言)があるのだ。
そこから、頭の中で次のような瞑想(迷走)が始まって沈思黙考することおよそ30分。「下手の考え休むに似たり」だが
(笑)。
「前の持ち主はどうしてこのユニットを手放したのだろう。オークションの解説文にはヴァイオリンの音はピカイチだとあったが、すべてに満足していれば手放さないはずなので何らかの不満があったのだろう。おそらくその原因は低音域の不足感ではあるまいか。
グッドマンのユニットはARU(背圧調整器)をつけてやらないと満足な低音は出てこない。ご本人は70ℓの容積の密閉箱で鳴らしていたそうだが、それではちょっと無理だろう。ただし、密閉箱だとユニットの振幅が抑制気味となって傷みが少ないはずなので当方にとっては好ましい材料だが。
この際、予備で持っているAXIOM301(口径30センチ)を使う手もある。コーン紙が重たいので音声信号に対する応答性はイマイチだが低音域は間違いなく重量感がある。以前に実験したときと違ってスーパーツィーターを追加しているので環境は変わったが・・。さあ、どっちを選択しようか。
ま、いろいろ考えてみても実際に鳴らしてみないと分からないのでこのユニットでとりあえず実験してみっかな・・・。ウェストミンスターのバックロードホーンと相性が悪かったらAXIOM301にすぐに取り替えよう。」
との腹積もりで、まず裸のままでアンプに繋いで音出しテストをしてみた。音が出なかったり、ハム音などのノイズが出たら大困りだが見事に合格。ただし低音への不安感はますます募る鳴り方だった(笑)。
すぐに本格的な作業に入って、途中経過だが1時間後には次のようになった。
ひと山越えてここからが正念場。フィリップスのユニット(口径30センチ)には大いに愛着があるのだが、相手がグッドマンのアルニコマグネット型ともなると一時撤退もやむを得ない。
大きな図体のウェストミンスターを動かして裏側に潜り込み、裏蓋(ネジが16本!)を外してフィリップスのユニットを取り外し、新たにAXIOM110を取りつける。ターミナルがネジ式になっているのでSPコードの芯剥きがたいへんだった。
4箇所のネジ穴の位置は正確に測ったようにピッタリだった。これで右チャンネルの作業は完了して左チャンネルの作業へと移行。
両チャンネルが完成したのは見込んだ通りきっかり16時半頃だった。結局、2日間の準備のおかげで3時間程度の作業で済んだ。
さあ、いよいよ緊張の音出しだ!出てきた音に耳を澄ましてみると・・・。
以下、続く。