去る19日、オーディオ仲間のSさん(福岡)から次のようなメールが入った。
「不要なキャビネットに入ってますがAXIOM80がヤフオクに出てますね。マグネットカバーのお尻の部分がR形状で丸くなっている事といいコーン紙の色とエッジの折り返しといい、フレームが塗装されていない事といい、間違いなく希少な最初期のユニットです。
写真が片方分しかUPされていないのが気になります。少し前にペアで出品されていた80は、左右でマグネットカバーの形状が異なっており世代違いでした。あれでは左右の特性が揃いません。もし今回の物が左右ユニット最初期バージョンで揃っているなら、20万円台前半までなら買いでしょう!もう当分出てこないかも知れません。
〇〇さんは先般、運良くオリジナルのキャビネットを手に入れられた訳ですから、ここはやはりユニットもオリジナルに拘ってみても面白いのではないでしょうか。単なるオリジナル崇拝という事ではなく〇〇さんには、“これぞ最高のAXIOM80の音だ!”というものを実現してみせて貰いたいと思っています。」
「メール拝読しました。オリジナルのユニットぜひ欲しいですね。問題はどこまで価格が上がるかです。注視します。大切な情報提供ありがとうございました。」と、返信してからさっそくお目当てのオークションを覗いた。
ウ~ン、これが最初期バージョンなのか!自分が持っている復刻版とはたしかに違う。
開始日時は11月19日で、終了は26日(火)の21時16分、個人ではなくストアからの出品で価格はおとなしく1000円スタート。
さあ、どうしようか。Sさんが仰るように20万円台前半なら買いかなあ。しかし、それにしても懐が少々淋しい(笑)。
以後、とにかく毎日追いかけることにしたがオークションの出品者への質問欄に「ボックスは除いてユニットだけの購入は可能ですか?」との、ごもっともな問い合わせに対して「可能です」との回答があったりしてますます意欲が嵩じてくる~。
しかも値段が5万円程度で4~5日間ずっと推移しながら価格がなかなか上がらないのも好材料。これはひょっとして気が付かない人が多いのかもしれないと淡い期待を抱かせたが、これはとんでもなく甘い誤算だった。
さあ、いよいよ最終日の夕方になって晩酌でほろ酔い加減になったままパソコンの前に張り付いたところ、何と価格が19万円前後に跳ね上がっている!「こりゃ、あかん」と、酔いがいっきに吹き飛んでしまった(笑)。
こうなるとオークション終了間際の土壇場になっての「叩き合い」はもう目に見えている。これまで、何度競り負けて涙を呑んだことか。「つい我を忘れそう」なのも怖いし、この時点で潔く入札参加を断念!
はたして結果は予想どおりというか、入札件数128件、落札額は281,008円だった。何と終了間際の30分ほどで10万円ほどの値上がり!
端数の8円はご愛嬌だが自分も経験があるがこの“読み”としては、「28万円とキリよく入札する人が多いだろうから、わずかでもと1000円上げて281,000円で入札する」心理は実によく分かる。そこで、最終的にこのわずか8円のアップがものをいったということだろう。
いずれにしても28万円はこのユニットの状態ではちょっと考えさせられるが、これがオークションという“のるかそるか”の博打なのだろう。
結局、またしてもオリジナルユニットとは縁がなかった。Sさんの期待に応えることが出来なかったのは残念。ま、そのうちもっと程度のいいものが見つかることでしょう。
一方では、「な~に、復刻版からでもオリジナルに負けない音を出してSさんをビックリさせてやろう」とかえって意欲が湧いたのも事実。ま、こういうのを「引かれ者の小唄」というのかな(笑)。
さて、落札者の方には余計なお世話だが、「AXIOM80」をうまく鳴らそうと思ったらこれから少なくとも3年ほどは覚悟せねばなるまい。汗を流せば流すほどそれにきちんと応えてくれるのが「AXIOM80」。
ぜひ相性のいいアンプやアクセサリーを根気よく探して欲しいし、そして一番大切なのがエンクロージャー。現在のバスレフタイプを試してみるのももちろんいいが、まだ相当工夫の余地があるように思う。
新たなエンクロージャーを作ってSPユニットの背圧を巧妙に調整する「ARU」の取付も楽しみのひとつ。ガラリと音が変わりますよ~。