「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

微妙な差に拘ることで人生の「質」を高めよう

2025年02月28日 | 音楽談義

それほど好きな作家というわけでもないが、いつも気になるのが「村上春樹」さん。

なぜかと言えば、作家にも拘らずたいへんな「音楽通」だから。

ちなみに、村上さんのほかに作家と音楽通の二束の草鞋(わらじ)を履いた方といえば・・、筆者が知っている範囲で「五味康佑」氏、「小林秀雄」氏、「百田尚樹」氏、「大岡昇平」氏、「石田 依良」氏、「新井 満」氏。

何しろプロなので表現力が半端じゃないです。



本書の中に次のような一節があります。(72頁)

「文章の書き方みたいなものは誰にも教わらなかったし、特に勉強もしていない。で、何から書き方を学んだかというと音楽から学んだんです。それで、いちばん何が大事かっていうとリズムですよね。文章にリズムがないと、そんなもの誰も読まないんです」

村上さんの本がなぜ読者を惹きつけるのか、その秘密の一端に触れる思いがしました。

けっして表面に出てくることがない「リズム感」は人間同士の「以心伝心」を始めとして社会のあらゆる場面に潜在しており、理屈では説明できない「サムシング」(雰囲気など)の要となっているのではなかろうか、なんて思ってしまいます。

その村上さんの本に、「雑文集」というのがあります。


            

膨大な作品群があって、とても”ひと括り”には出来ない作家ですが、タイトルに「雑文集」とストレートに銘打つところがいかにも”偉ぶらない、もったいぶらない”村上さんらしい気がします。

周知のとおり、村上さんは作家デビュー前にジャズ喫茶を経営していたほどの音楽好きでその「音楽論」には心惹かれるものがあります。

たとえば、いつぞやのブログで「指揮者小澤征爾との対談集」を題材にしたことがありますが、ジャズのみならずクラシックにも造詣が深いことが伺えます。


ただし、オーディオマニアではないのが残念(笑)。

日常聴かれているのは「レコード」が主体で、それはそれで十分頷けるのだがシステムのほうがアキュフェーズのアンプとJBLの古い3ウェイのSPというずっと不動のラインアップ。

「この音が善くも悪くも自分のメルクマールになっている。そりゃあ、いい音で聴くのに越したことはないがオーディオに手間と時間をかける気にはなれない」とのことで、いっさいシステムを変えようとされない。

たしかに一理あるが、
第三者からすると実に惜しい!

作家だけあってものすごく筆は立つし、前述のように音楽への造詣は深いし、カリスマ性もあるし、もし村上さんがオーディオマニアだったら、前述の「五味康祐」(故人、作家)さんの後継になれたのにと思います。

もしそうなると読者の一部がオーディオに興味を持ったりして日本のオーディオ界も少しは潤い、元気が出たかもしれないですね。

往時の盛況と比べると転落の一途を辿る「オーディオ界」ですが、近年では「You Tube」の可能性に微かな光明を見る思いがしています。


さて、話は戻ってこの「雑文集」の中に「余白のある音楽は聴き飽きない」の標題のもと、以下のような文章がありました。

「僕にとって音楽というものの最大の素晴らしさは何か?

それは、いいものと悪いものの差がはっきり分かる、というところじゃないかな。大きな差もわかるし、中くらいの差もわかるし、場合によってはものすごく微妙な小さな差も識別できる。

もちろんそれは自分にとってのいいもの、悪いもの、ということであって、ただの個人的な基準に過ぎないわけだけど、その差がわかるのとわからないのとでは、人生の質みたいなのは大きく違ってきますよね。

価値判断の絶え間ない堆積が僕らの人生をつくっていく。

それは人によって絵画であったり、ワインであったり、料理であったりするわけだけど、僕の場合は音楽です。

それだけに本当にいい音楽に巡り合ったときの喜びというのは、文句なく素晴らしいです。極端な話、生きてて良かったなあと思います。」

以上のとおりですが、以下、文中の音楽という言葉を勝手に「再生音」に変換させてもらうことにしましょう。

長いことオーディオに熱中し、常にいいの悪いのと価値判断を続けていると、時折り自虐的になることがあります。

いったい何をやってんだろう、こんなに手間と時間を費やしている割りには目立った効果がいきなり上がるわけでもないし、むしろ、一歩前進、二歩後退のときだってあります。

このブログの読者だって「少しばかりの音の差にこだわっていつも騒々しいが、どうもこの人の心理状態がよく分からん。」と、きっと眉を顰める向きがあることでしょう(笑)。

そういう多勢に無勢のときに、村上さんから「微妙な小さな差を識別できることで”人生の質”が違ってくるし、価値判断の絶え間ない堆積が人生を作っていく」なんて言葉を聞かされると、まるで「百万の味方」を得たようにうれしくなります。

ここで村上さんが言う「人生の質」とは人それぞれの受け止め方になるのでしょうが、少なくとも「お金持ち」になることや社会的に「成功する」ことで得られるものでないことはおよそ想像がつきますよね。

で、具体的にどう形容すればいいんでしょう・・、あえて言えば各自が持っている「アンテナ」(社会的受容体)の感度の違いに喩えるのはいかがでしょうか。

たとえば、アンテナの感度の違いによって、「気が付かない」まま過ぎる、あるいは「気が付いているけど知らないふり」をする、この違いは人生の質に大きく関わってくると思いませんか。


ほんのささやかな「音楽&オーディオ」というフィールドですが
、これからも「微妙な差」にこだわりながら「ボケ防止」も兼ねて「アンテナの感度」を高めていくとしましょうかね、ただし・・、ずっとビンボーだったし、偉くもなれなかったので、「はらいせ」や「負け惜しみ」と受けとられると心外です~(笑)。



クリックをお願いね →      


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「一陣の涼風がすっと吹き抜けていく」ようなスピーカー

2025年02月27日 | オーディオ談義

相変わらず、ああでもないこうでもないと楽しんでいる我が家のオーディオ。

たとえば、この1週間でも・・、

  

左側から右側へと、およそ2~3日おきに変遷しています。それぞれ自己採点で行くと、80点、83点、85点といったところですかね~。

悪くはないんだけど・・、今一つ喰い足りないといったところ。

ちなみに、我が家の合格点は比較的高くて90点に設定しています(笑)。

で、たまにはその合格点が欲しくなって次の通り改変。



久しぶりに「AXIOM80」(復刻版)の出番です。バッフルを全面「厚さ5.5mm」の薄板に統一したところ、一気に音のグレードが向上しましたよ~。

この音をいったいなんと形容したらいいいのでしょう・・、水辺のほとりに佇んでいると「一陣の涼風がすっと吹き抜けていく」感じがするといえばいいのでしょうか。

素晴らしいです! 音色の艶といい、透明感といい、スピード感といい「93点」は上げたいですね。

これまで、オーディオフェアや他家で目の玉の飛び出るようなお値段のスピーカーを幾つも聴いてきましたが、所詮は「普通の音」の延長にしか過ぎないです。

ところが、「AXIOM80」ときたら別次元で・・、こういう清涼感を味わえるのはこれだけです。ただし、このスピーカーは箱の仕様や駆動するアンプで様変わりしますから要注意です。

こういう音を聴かされると、もう他のスピーカーは要らないという気になります・・、しかし、そのうち段々と飽きてきて「違う音」が聴きたくなってきます。まあ「脳はマンネリを嫌う」といったところでしょうか(笑)。

で、プリアンプの真空管を「12AU7」(RCA:クリアトップ)から、STCの「CV4068」(13D3)に代えて初めての試聴でしたけど、瑞々しさが一段と向上した印象です。

やはり、真空管の選択は「プリ」、「パワー」アンプともにまったく手を抜けないですね~。

そういえば、前々回のオーディオ・ブログ「真似をしたのはどっちだ?」の中でこんな横着なことを記載していました。

「通常の音楽愛好家とは違って「オーディオ愛好家」を自認する方で、「中高音域」にTRアンプを使っている方がいるとしたら、どんなに偉そうなことを宣おうと、筆者はその人の「耳」をいっさい信用しないことにしています。」

すると、さっそくメル友の「H」さんからご指摘がありました。

「今ではTRアンプよりもデジタルアンプを使う方の方が多いですよ」

エ~ッ、そうですか! まったく時代遅れの認識でした(笑)。

デジタル・アンプねえ・・。「チャットGPT」さん教えて~。

デジタルアンプ(デジタルパワーアンプ)とは、デジタル信号処理を活用して音声信号を増幅するアンプのことです。従来のアナログアンプとは異なり、信号をデジタルのまま処理し、高効率で増幅できるのが特徴です。以下、詳細に解説します。(省略)

「一度、試してみたいですね」と、返信すると次のようなコメントをいただきました。

「デジタルアンプは
負荷インピーダンスで特性の変化が大きいので抵抗でマッチングをした方が正当な評価になります。

 
出力インピーダンス6Ω程度が現代のスピーカーの標準ですがデジタルアンプもこのインピーダンスに合わせて時定数が設定してあり(周波数の共振を利用しているので、インピーダンスマッチングは必須)
 
80などでは15Ωなので15Ωの抵抗パラで7.5Ω、10Ωパラで丁度6Ω、従って古いインピーダンスの15Ωとかは、10Ωなりパラでの使用が好ましいです。

2点目は、デジタルアンプは出力が増すに連れて歪率が下がる、つまり、無駄飯(抵抗パラ)を食わせると音も良くなります。

電力効率が、80%近くで
真空管のヒーターなどに比べれば抵抗パラの無駄飯でもお釣りが来ます(笑)。

先日からの80の音は
パーマロイコア付きデジタルアンプの音です。
 
最近はまた良いのも有る様ですがデジタルアンプはインピーダンスのマッチング抜きで評価してはなりません。
 
なので、デジタルアンプ使用には10Ω程度のメタルクラッド(125Wくらい)を用意されたが良いです。(スピーカー保護にもなります)。

ハイ、ありがとうございました。

どうやら使いこなしのノウハウが半端じゃなさそうなので馴れ親しんだ「真空管アンプ」一筋で参りたいと思います(笑)。



クリックをお願いね → 
   


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

音楽が脳にもたらす驚異的な効果

2025年02月26日 | 音楽談義

その昔、キャンディーズという女の子3人のグループがいました。



「春一番」というヒット曲があり、歌詞の中で「もうすぐ春(は~る)ですね ちょっと気取ってみませんか」

今朝の起床時の室内は24℃、いつもは20℃前後です。今日から週末にかけて暖かくなるそうです。いよいよ待望の春がやってきました、ちょっと気取ってみましょうよ(笑)。

さて、人間はどうやら己(おのれ)にとって都合の良い情報だけ切り取る傾向にあるらしいです。もちろんブログ主もその例に漏れません(笑)。


            


東北大学の教授が書かれた「生涯健康脳」は、「生涯にわたって脳を健康に保つ」ためのノウハウを分かりやすく説いた本でした。

この種の書籍は巷に氾濫しているので、ワン オブ ゼムのつもりで読んでみましたが、さして目新しいことはなかったものの、それでも気になる事柄があったので列挙しておきましょう。


☆ 脳の最高の栄養素は知的好奇心


脳の健康維持のために欠かせないのが毎日の30分以上の有酸素運動とともに、知的好奇心が挙げられています。

たとえば探究心、冒険心、追求心などワクワク、ドキドキが脳の中の神経伝達物質であるドーパミンを活性化させて脳全体をとても元気にするそうです。

したがって知的好奇心を大いに刺激する趣味を持つことは脳にとって素晴らしい効果をもたらすというわけで、筆者なんか暇さえあればオーディオを弄りまくりながら冒険心に火を点けてワクワクしています。

しかし、オーディオが知的かどうかは論議を呼ぶところでしょうね、中には自分のような「お〇〇」さんもいるようだし~(笑)。


☆ 音楽は脳の報酬系を刺激する


以下、引用。

「音楽を聴くととても良い気持ちになります。ここでもまた脳の中では凄いことが起きているのです。脳はご褒美をもらったような状態になっているのです。音楽を聴くと脳の<報酬系>と呼ばれる領域が活発になることがカナダの大学の研究で分かっています。


報酬系というのは詳しくお話しすると、欲求が満たされたときに心地よいという感覚を与える神経伝達物質を放出する神経系のことです。

会社で給料が上がるなどの良いニュースを聞くととても良い気持ちになってヤル気が出たりしますが、欲求が満たされると予測することでも脳は活性化するのです。


報酬系の領域が活性化されると、灰白質の体積が増えるという報告もあります。よく褒めて伸ばすという事例がありますが、まさにそれに当たります。

つまり、音楽を聴くと欲求が満たされたり、褒められたりしたときと同じような心地よい気持ちに自然となるのです。

また音楽を聴くと一部の領域だけでなく多くの領域の働きが活発になることが分かっています。音楽を聴くだけでも脳にとっても良いのです。

したがって、脳にとって音楽は<百利あって一害なし>なのです。」


とまあ、そういうわけで日頃から音楽を聴くことは認知症予防のためにとってもいいことが分かりました。

したがって、これからも「音楽&オーディオ」をひときわ熱心に続けていこうと固く心に誓った次第です(笑)。

折りしも先日の「サイエンスZERO」(NHK Eテレ23:30~)では「音楽が脳にもたらすうれしい効果」を放映していました。

アメリカの上院議員(女性)が演説中に拳銃で脳を狙撃され幸い命はとりとめたものの失語症になってしまったが、音楽療法で発声方法を試みたところ劇的に回復した実例が紹介されていた。

音楽式の発声療法によって「右脳」(音楽などを司る脳)と「左脳」(論理的な脳)との連携がうまくいったからだそうだ。

またハードロック好き、クラシック好き、ジャズ好きの3人の治験者を例に5曲を聴かせてそのうち部分的に脳が好反応を示した小節をもとに「AI」で好きな音楽を創造して聴かせたところ「好きな音楽」が必ずしも「脳が心地よいと感じる音楽」と一致しないことが判明しました。

この興味深い事実から音楽愛好家は「好きな音楽」に限らずあらゆるジャンルに亘って幅広く聴くことが脳のためにいいことが導き出されます。

ブログ主はいつもクラシックを中心にジャズ、ポピュラー、歌謡曲などジャンルを問わない聴き方をしていますが非常に理に適っていたことになりますね。

たとえば、歌謡曲では「セシル」「な
ごり雪」「異邦人」「また君に恋してる」「白い色は恋人の色」ほかにも島田祐子さんが歌う「芭蕉布」「花の街」・・、いかにも古いですねえ(笑)。「You Tube」の恩恵をたっぷりと受け取っています!

以上ですが、まあ自分の都合のいい情報だけを切り取ったことは争えないので、あまり信用してもらえないかもしれないと危惧しています(笑)。



クリックをお願いね →    


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真似をしたのはどっちだ?

2025年02月25日 | オーディオ談義

のっけから、いきなり「乱暴な言い方」になりますが・・、

通常の音楽愛好家とは違って「オーディオ愛好家」を自認する方で、「中高音域」にTRアンプを使っている方がいるとしたら、どんなに偉そうなことを宣おうと、筆者はその人の「耳」をいっさい信用しないことにしています。

とはいえ、「お前ごときに信用されなくても痛くも痒くもない!」と言われるのがオチですけどね~(笑)。

で、「TRアンプ」と一口にいっても「ピンからキリまであるぞ!」という反論があるでしょうが、実は真空管アンプもピンからキリなんです。

そこで、こういう論理が成り立ちます。

「中途半端な真空管アンプよりも、十全なTRアンプの方がいい・・」、これは「中途半端なレコードシステムよりも十全なCDシステムの方がいい・・」と似てますね(笑)。

ところが・・、いかなる十全なTRアンプでも真空管アンプには太刀打ち出来ません。これは、高級機が居並ぶ「オーディオフェア」で確認済みです。もちろん、クラシック向きのスピーカーを鳴らす限りにおいてはという条件付きの話ですから念のため。アンプとスピーカーは運命共同体ですからね。

で、我が家では現実に真空管アンプが10台ありますが、お値段も様々だけどそれなりの長所があっていずれも「断捨離」からは程遠いものばかりです(笑)。

さて、そういう中でもベストの真空管アンプを求めて長年彷徨してきましたが、この程ようやく満足すべきアンプに辿り着きました、とはいえ何しろ50年以上かかったんですよ・・、50年と一口に言っても、とても気の遠くなるような年月です! 

で、人一倍「血(お金)と汗(手間)と涙(失敗)」を流した積りなので、それなりの「一家言(いっかげん)」の有資格者だと思ってますが、何ごとにも「上には上」があるもんです!

たとえば、出力管の王様とされる古典管「WE300A」。



なにしろペアで「160万1千円」(オークション)という金額には誰もが目を剥(む)くでしょう。たかが真空管ごときに~(笑)。

もちろん、値段が高けりゃ性能もいいというわけでもないでしょうが、多額の金額の裏打ちとなるそれだけの「熱意と研究心」には敬服するばかりで一つの推測材料にはなりますね。

古典管(出力管)の王者は「WE300A」(アメリカ)で決まりだ!

ところが、どっこい・・。

英国にも「負けず劣らず」の立派な代物があるんですよねえ(笑)。

8年前の記事をご記憶だろうか。

「幻の超銘球P.A.40(DA30系)」がそれ。

その内容だが「北国の真空管博士」が希少管とされる「V503(英国)」をなぜ手放されたのか、伺ってみると次のような理由だった。

「V503は今や幻の銘球ですから通常は出品しないのですが、実は幸運にも数年前V503より100倍入手が難しいといわれる上位球P.A.40を所有するに至りましたので出品した次第です。

これが英Ediswan社のP.A.40です。
 
 
この写真(不鮮明なので省略)を見てV.503そのまんまじゃん!と思った人も多いと思います。私も初めて見た時はV.503のセレクトチューブなのでは?と思いました。仔細に現物を観察してそうではないことを確認し、いったいこれは何なのだ!と唸ってしまいました。
 
写真では判りませんが、ステムを見るとPA40bと書かれており、組み立て前にPA40専用のステムがあった事がわかります。V.503とはプレート損失、同一条件のPP時の出力以外の規格、定数、電極とバルブのサイズに至るまで全く同じです。

GECにはPX25Aに対してDA30がありますがそれと同じ関係のようです。DA30属の中では最大のプレート損失40Wを誇り、WE300Aにも匹敵する球です。目視ですがWE300Aとはプレートの縦、横、厚さのサイズが殆ど同じです。
 
WE300Aと動作例を比較してみよう。
 
   WE300A   P.A.40
Ef  5.0V      4.0V
If   1.2A      2.0A
Ep  400V      400V
Eg  -89V     -85V
Ip   50mA     50mA
 
EpMax 450V    450V
Pd    40W     40W
 
殆ど誤差の範囲といって良いくらいの動作例である!

最大定格も同じですから興味は尽きませんが、P.A.40の発表年に関する資料を発見できずどちらが先に発表されたか特定できませんでした。」

ちなみに、これが姿かたちがそっくりの「V503」(エジソン・マツダ)です。



はたして銘管「WE300A」(アメリカ)と「P.A.40」(英国)のどちらが先に作られたのか?

言い換えると「真似をしたのはどっちだ?」(笑)。

ことはアメリカ管と欧州管の技術力の差にまで及んできます。

ちなみに、その筋の専門家の間では後者の方が「一枚上」とされているようです。個人的には長い歴史と伝統に裏打ちされたクラシックと歴史の浅いジャズのそれぞれの鍛えられた環境の違いが物語っているような気がします。

ちなみにヨーロッパはアメリカと違って第二次世界大戦の主戦場になったので度重なる爆撃などの破壊が繰り返され随分貴重な真空管が失われてしまったのは周知のとおり。

その点、アメリカ球は「WE300B刻印」(1940年代)をはじめとして、今でも往時の銘管がまっさらの新品で出てくることがあるから戦禍を直接蒙らなかった国のメリットは計り知れない。

真空管アンプにも夢が必要だとすると、さしずめ「P.A.40」あたりは「WE300A」と並んで代表的な「手に入りにくい」真空管として有力な候補にあたるのは間違いない。

それにしても、もしオークションに出品されたらどのくらいの落札価格になることか・・。それよりも、いったいどういう音がするんだろう?

一度でいいから「WE300A」と「P.A.40」の音を聴いてひっそりと比較してみたい・・、「You Tube」の仰々しいスピーカー比べからすると繊細さにおいて雲泥の差ですね。

オーディオは微妙極まる「音」の差をひそやかに楽しむ趣味じゃなかったのかな~(笑)。



クリックをお願いね →      

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

上質のミステリー「爆弾」ほか~読書コーナー~

2025年02月24日 | 読書コーナー

毎週3か所の図書館巡りが非常に楽しいです。どんな本に出会えるかなあ~。

で、大分県立図書館と別府市図書館の
2か所は同じ方向なので一緒に回ることが多く、お隣の日出町(ひじまち)の方は方向が正反対なので1か所だけ行くことが多い。鄙びた隣町になぜわざわざ行くのかといえば、人口が少ないのでベストセラー本に出会る確率が非常に高いからです(笑)。

今回もそうでした。

22日(土)のこと、家人の買い物に付き合わされて足を向けたところ返却された本のコーナーで、ふと目に付いたのが「爆弾」。



アレっ、
記憶があるタイトルだった。たしか、「このミステリーが面白い!23年版」(年間誌)で1位じゃなかったかなあ~。

しめしめ・・、急いで借りました!(笑)

読み始めるとつい引き込まれてしまい、いつもは音楽を聴きながらの読書が多いんだけど、ほんとうに面白い本は「ながら読みを許してくれない」・・、これは新しい発見でしたね。

夢中になって1日で読破しました。読後感想は読者レヴュー(ネット)から引用させてもらいましょう。

「このミステリーがすごい!2023年国内編第1位作品。些細な傷害事件で逮捕された自称スズキタゴサクが、霊感と称して秋葉原の爆発事件を的中させる。

このいかにもド底辺のオッサンは、爆発事件の犯人なのか?連続爆発事件の真相に近づくにつれて、その背景に警察署員が忘れたい名刑事の存在があることに気付いていく。


事件現場で〇〇行為を止められない性癖を持つ名刑事の苦悩と哀愁を描ききっており、絶対に地上波ドラマではお目にかかれない作品である。読書家の方々としか感想を共有できないのが残念だが、本当に手に汗握る展開でした!」

自称「犯人」と「刑事」との取り調べのやり取りが興味深い。その内容は深く人生哲学にまで及び、日常的に虐げられた人間の社会への怨念がこれでもかというほど赤裸々に描きだされる。

途中から、この並々ならぬ筆力といい作者は只者(ただもの)ではないと直感しましたねえ。

「呉 勝浩」(ご かつひろ)氏(青森県八戸市在住、44歳)



新しい才能を発掘したと悦に入っていたら、何とこの方はあのミステリー作家の登竜門「江戸川乱歩賞」(「道徳の時間」)を受賞された方だった。

道理で~(笑)。

機会があれば、ぜひご一読をお薦めしたいミステリー作品です。

✰ 「歴史を変えた10の薬」


中高年で薬のお世話になっていない人はまずいないでしょう。かくいう筆者もその例に漏れず、血液がサラサラになる薬、血糖値を下げる薬など毎朝4種類ほどの薬を服用しています。

とりわけ、サラサラになる薬は「1週間服用しないと貴方は死にますよ」と医者から脅されています(笑)。

まあ、薬というのは日頃意識することはあまりないですが、身近で生死にかかわる問題だけにいくら知識があってもそれほど邪魔にはならないだろうと、新刊を見かけたらまず借りることにしています。

本書のプロローグに次のような文章があったのでご紹介しましょう。

「本書全体にわたって、あなたに伝えたい教訓は次のことだ。

ひたすら いい薬 などというものはない。とにかく 悪い薬 というものもない。


どの薬もいいところと悪いところがある。別の言い方をすれば効果が高い薬はどれも例外なく危険を及ぼしうる副作用がある。

けれども、この(厳粛な)事実は新しい薬が市販され、熱狂的に迎えられたりすると簡単に忘れ去られてしまう。

大規模な広告キャンペーンに後押しされ、また熱心なマスコミのニュースやレポートで期待が増幅された、市販されたばかりの話題沸騰の新薬はサイゲサイクル(人名に由来)と呼ばれるものに突入する。それは(これまで)幾度も繰り返されている。

つまり、画期的な薬が市販されると、熱烈に迎えられ広く受け入れられる(これが第一段階)。

蜜月期間のあと、数年間、この新たな売り出し中の薬の危険性について数多くのネガティブなニュース記事が続く(第二段階)。昨日まで驚くべき薬だったものが今日は危険だと警告を与えられるのだ。

そして、この段階も過ぎると第三段階に突入する。その薬がほんとうにどういうものなのか、人々は冷静に理解し、バランスの取れた態度を取るようになり、薬は適度な売れ行きになり、薬の神殿の適切な位置に納まる。

そして・・・。(性懲りもなく)製薬会社がつぎの魔法の薬を発売し、前述のサイクルが再び最初から繰り返される。」

とまあ、本書は薬に対して随分醒めた見方をしているが妙に説得力のある話でもあります。薬のほんとうの効果は長期間、それも数えきれないほどの人体実験をしないと判明しづらいというわけですね。

これに因んで、つい先日のこと、3軒隣の方と世間話をする機会があったが、ご家族全員が「コロナ」の予防接種を一度も受けていないと仰るので驚いた。ブログ主は5回も受けたのに~。

その理由ですけど、長期的な視野からのワクチンの副作用に対する疑問が解けなかったからで、男の子3人が適齢期なのにまだ未婚なので結婚後の胎児への影響も心配だしと仰るので、それで期間中はコロナに罹りませんでしたか?とお訊ねすると、一度罹りましたが軽症で済みましたよ。

へ~っ!

これから、どんな画期的な薬が発売されるにしろ、以上の点を頭の片隅に置いておくことも必要な気がしてきました。

薬は人間と同じで「取扱注意」の品物のようです!(笑)


クリックをお願いね →       


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

早すぎる! ブログの投稿時刻

2025年02月23日 | 独り言

このブログの投稿時刻は、恒常的な読者ならご存じのとおり毎日ほぼ4時から6時までの間になっています。

昨日(22日)のこと、この3連休を利用して、福岡に住んでいる甥っ子(姉の二男)が遊びにやってきました。ドライブがてら、別府市内の「地獄めぐり」をするとのこと。

久しぶりに顔を合わせましたが、このブログを2~3日に1度は目を通しているそうで、身内なのでいろいろと遠慮せずに意見を言ってくれる貴重な読者の一人ですが、兄(姉の長男)との会話を通じて、別府のおじちゃんは朝早く4時過ぎからあんなにテンションを上げて長文のブログを投稿しているが、精神構造は一体どうなっているんだろうと噂しているそうです。

何しろ夜の8時頃までには就寝するので早起きは苦にならないです(笑)

で、よく聞いてみると、ブログとは日記のようなものでその場で思い浮かぶままに文章を考え、そのまま投稿してしまう人が大多数で、そういえばかなり熱い宝塚ファンの娘もブログにヅカ関連の記事を投稿するときはこのスタイルであまりこだわらずに思いつくままの文章を投稿しているそうだ。

自分の場合、残念なことにそういうタイプではない。

あまりヒラメキがいい方ではないので適切な表現の文章がすぐに思い浮かばず、事前に原稿を作成し推敲するのが常である。通常で3日ぐらい前から「記事一覧」に草稿状態で留め置いて、ああでもない、こうでもないと考えながら折をみて文章をいじり回している。

ときどき面倒くさくなって「一発勝負」のときもあるがかなり稀なこと、それに事前に頭の中で構想を練っていることが多いので実質的には3日前後というのが当たっている。

まあ、どうせ載せるのであれば、少しでも満足のいくものにというのが理由のひとつだが、それに加えて別に推敲が苦になるわけでもなく、むしろ小文とはいえ階段を一段ずつ登っていくように完成に近づけていく楽しみもある。

もちろん、仕上がり具合は いまひとつ で、所詮、自己満足の世界に過ぎないのはいうまでもない。何せ一介の素人なんですから~(笑)。

そういうわけで、朝早く投稿するときには既に前日までに推敲が終わった草稿をさらにもう一度ざっと目を通して機械的にパソコンを操作してエイヤっとクリックするだけです。

ものの5分とはかからない作業であり、決して早朝からテンションを上げているわけではない。また、一晩寝た後にふっ切れて投稿するのがクセになっているので昼間以降の投稿はまず考えられない。

こういう自分のような、どちらかといえば粘着気質で推敲好きの人間は実生活ではかなり損をするタイプ。

つまり、時間をかけてゆっくりと考えればよい文章とは違って、日常生活の中で大部分を占める他人とのコミュニケーション、会話という一発勝負の中では、なかなか最適な言葉がすぐに浮かばず、後になってああ言えばよかった、とか相手のあの言葉はこういう意味だったのかといろいろ考えることが多い。

したがって結構、過去の事件を思い出して悔やむことがありどうも精神衛生上よろしくない。世の中、しゃべるのがうまくて、文章も上手というのが理想だろうが、今も昔もしゃべりがうまい人のほうが有利で重宝されるようだ。本当にうらやましい。

しかし、ずっと以前に仕事がらみで好きな作家の城山三郎(故人)さんの講演を聴いたことがあるが、正直言ってあまりトークの方はお上手でなかったので、あの城山さんでさえそうなので「天は二物を与えない」ものだと妙な安心感を覚えた記憶がある。

いずれにしても、こういうクセは生まれつきのもので直せる性質のものではなさそうで、歳(とし)も歳だし、無駄なエネルギーは使わないに越したことはないです。

ちなみに、この原稿の据え置き期間は2日間でした(笑)。

最後に、この1週間(2月16日(日)~22日(土)にかけての記事ごとのランキング結果をお知らせしましょう。

第1位 「音と音の間の沈黙を聴く」(カテゴリー:音楽)
    「グーブログ」参加320万人のうち150位

第2位 「南海トラフ巨大地震」と「ネコ学」(読書)全体165位

第3位 「豹変する音」・・、たったこれだけのことで(オーディオ)全体228位

第4位 ピアニスト「内田光子」さん(音楽) 全体252位

第5位 「絶好調の波に乗るオーディオの原因」(オーディオ)全体253位

第6位 「虎穴に入らずんば虎児を得ず」(独り言)全体307位

第7位 「満足している現状から一歩踏み出す勇気」(オーディオ)全体311位

ちなみに、全体の週間順位は「233位」でした。

こうして眺めてみると、1位と2位の記事で全体を底上げした感じですが、200番台なら御の字で極めて上出来と思える1週間でした!(笑)。

文中に引用させていただいた方々には紙面を借りて厚くお礼申し上げます。



クリックをお願いね →       


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ピアニスト「内田光子」さん

2025年02月22日 | 音楽談義

つい先日のブログ「音と音の間の沈黙を聴く」は近年にない大ヒット(アクセス)でした。匿名の方からも次のようなメールをいただきました。(抜粋)

「昨日まで家内と 東北方面(秋田、岩手)へ旅行でした。新潟岐阜地域は大雪でしたが 行ったところはそれほどの降雪は無く旅もスムーズに終わりました。

角館武家屋敷の大雪に囲まれた異次元の世界を楽しみにしていましたが 降雪の中、樹齢3-400年の樹々は雪化粧少なくすこし残念でしたが 途中の山々でみた全ての物を内に隠しての単調な樹々たちの モノクロの素朴な世界。

帰ってから読んだブロブ主のサティの世界と相通じるものを感じました。

曲では やはり ジムノペディア1番の世界が 私は好きです。夜 寝る前によく聞きます。」

メールありがとうございます。ほんとうのクラシック通によく見られる「音と音の間の沈黙を聴く」仲間がいらっしゃるのは心強いですね。

で、ブログの中で取り上げていたモーツァルトの「ピアノソナタ全集」。

      

ピリスの演奏にゾッコンでしたが、同じくらい素敵だと思ったのが「内田光子」さん(上段の右端)でした。

今や、日本が生んだ世界的なピアニストですね。

クラシックの場合、ピアノとヴァイオリンが楽器の双璧となりますが、
前者の場合表現力が多彩なのでたった1台でオーケストラの代役だって務まるのが凄いところです。

ちなみに、表現できる周波数の範囲はピアノがおよそ「40ヘルツ~6000ヘルツ」、ヴァイオリンがおよそ「170ヘルツ~1万ヘルツ以上」となっています。40ヘルツまで出るなんて、ちょっと驚きますがあの図体からすると さもありなんです(笑)。

さて、ハイライトは内田光子さんです。彼女の世界にちょっと分け入ってみましょう。


聞くところによると彼女が弾いている愛器「スタンウェイ」(一説によると4千万円で購入?)は特別につくりがよくて抜群の響きだそうだし、しかもフェリップス・レーベルでCDを輩出しているので録音もいいとなると、まさに芸術家としての資質と周辺のテクノロジーが両立した近年稀にみる演奏家だといえそうです。

何といっても彼女のCD盤はまずハズレが無い。あのとびっきり難しいベートーヴェンのピアノ・ソナタ32番だってバックハウスに迫る勢いだし、録音がいいだけにむしろ総合力では上かもしれませんね。

さらには、演奏家としての活動のほかにいろんな人たち、たとえば音楽評論家などとの対談が非常に多く、これらを通じて音楽への造詣がことのほか深いのに驚かされました。

それでは、まずネット情報から。

1948年静岡県生まれとあります。ということは当年とって77歳前後。ずっとロンドン住まいで2001年、英国エリザベス女王より「サー」に続くCBE勲章(大英帝国勲章)を授与されています。

また、音楽評論家濱田滋郎氏との対談「内田光子の指揮者論」によるといろんな音楽を相当深く聴きこんでおり特に指揮者フルトヴェングラーへの傾倒が目を引いた。これだけでも音楽への接し方におよそ見当がつこうというものです。

次に、文献として次の本から。

「ピアノとピアノ音楽」(2008年7月10日、音楽之友社刊) → 

著者の藤田晴子さんは1918年生まれ、昭和13年に日本音楽コンクールピアノ部門の第一位。昭和21年に東京大学法学部の女子第一期生として入学した才媛。

本書の268頁~275頁にかけて、内田光子さんに関する詳しい記述があったので箇条書き風に引用させてもらいました。

 ドイツやオーストリアの大使を務めた外交官「内田藤雄」氏のご息女であり、12歳で渡欧、ウィーン音大を最優秀で卒業し、1970年ショパン国際コンクールの第二位という今でも日本人としては最高位の入賞を果たした。

 佐々木喜久氏によると内田光子さんが一気に「世界的」となった契機は1982年6月のロンドンのウィグモア・ホールにおけるモーツァルト・ピアノ・ソナタ全曲演奏だった。このときはリサイタルを5回に分けて火曜日ごとに開き「ウチダの火曜日」(ファイナンシャル・タイムズ)という今や伝説的にさえなった名コピーが生まれたほどの鮮烈なデヴューを果たした。

このときの演奏がもとで、メジャー・レーベル、フィリップスによりモーツァルのソナタと協奏曲の全曲録音という大事業に結びついた。

内田さんも後日、対談で「いろんな試行錯誤を繰り返して、完全に抜け切れたのは、やはり、モーツァルトのソナタを全曲演奏で弾いたとき(’82年)。突然、自分の音楽の形がスパッと見えちゃったんです。」

 次にアメリカでの好評。同じく佐々木氏によるとモーツァルト没後200年に湧くアメリカでの「内田のニューヨーク初のモーツァルト・ソナタ・シリーズは注目の演奏会だった。高名な音楽評論家が、内田さんの初日演奏のあと「モーツァルトを愛する人は、是非ウチダの演奏を聴きに行くべきだ」と批評の中に思わず書かずにいられなかった。」という。

 「この40年はロンドンでひとり住まい」に対して「私がつくっている西洋音楽の世界というものは、私程度の才能では日本に住んだら死んでしまいます。私が勉強したウィーンには伝統の良さと悪さの両方があってモーツァルトはこういうものというような押しつけがましい規則にあふれていました。英国の方が自由な空気があるはずだと本能的に思ったんです。実際にそうでした。ロンドンが私の家。ああ、帰ったなとほっとします。」これで彼女のロンドン好きの謎が解ける。

 先年の来日記念会見で内田さんは「1000回生まれ変わったら998回はピアニストに」と言っておられる。あと2回はヴァイオリニストにというのも面白い。

 今後「20世紀のものをどんどん取り上げたいですね。シェーンベルクとヴェーベルンを中心に、これを広げて「ウィーン派と新ウィーン派とその友人たち」とするとモーツァルトもシューベルトも入ればベートーヴェンもブラームスもバッハも入る。面白いプログラムをつくってみたいな、と。

それと乗りかかった船でベートーヴェンの協奏曲集。シューベルトとシューマンとかドイツ語の世界にも気を引かれます。だから、もう人生短くて、短くて、アホなことやってられない」


※この「アホ」なことに因んで次のような言葉がある。「私は口紅1本持っていません。そんな時間が勿体ないから」 アハハ・・、(笑)。

最後になりますが、「少なくとも80歳まではピアノを弾き続ける」といわれる内田さん、今年も日本公演が行われるようですね。

日本と西洋の「文化と価値観」が合体しているといわれる独自の「内田節」が今後さらに完成度を高めて、歴史に名を刻むピアニストとして人々の記憶にきっと長く刻み込まれることでしょう。

 

冒頭の話に登場した角館の武家屋敷「つらら」の写真です(ご提供)。

クリックをお願いね →
   


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

絶好調の波に乗るオーディオの原因

2025年02月21日 | オーディオ談義

今年に入ってから絶好調・・、まさに波に乗っている感がある我が家のオーディオシステム。もちろん「持ち主」の勝手な思い込みですから、他人からすると「?」かもしれませんけどね(笑)。

ただし、唯一の読者の反応を示すアクセスの方もこれまた絶好調です! オーディオ記事は日頃低調なのにね・・、珍事です。

まあ、自分さえ満足していればそれでいい世界ですから、別に大向こうを唸らせる必要はないんでしょうけど。

あっ、そういえばときどき「You Tube」で「豪華なシステム」を散見しますが、ご努力と財力には大いに敬意を表しますものの、個人的にはいつも長所(音のスケール感)と短所(音のスピード感)が裏腹になっている印象を受けます。言い換えると、シンプルな小型システムにはそれなりの良さがあり、それは音にスピード感があるところ。

経験上から言って「大掛かりなシステムになればなるほど上手く鳴らすのが難しい」のではないでしょうか。

それに、こういう番組に登場する人って表面上だけで判断するのは危険ですが「音と音の間の沈黙を聴く」タイプが少ないような気がします。もちろん、それが良いのか悪いのかは別問題ですよ~(笑)。

おっと、つい話が横道に逸れてしまいましたので戻ります。

現在、新装なった「JBL」の変則3ウェイシステムで聴いてますが、今のところ何ら欠点が見当たりません。

来し方を振り返って、JBLってこんなに良かったかな?と怪訝な気持ちですが、アンプが良くなればなるほど実力を発揮するタイプかもしれないです・・、真空管アンプに限った話ですけどね(笑)。



そして、珍しく絶好調の波が来ているとくれば「時の運」が味方しているわけですからこういうときこそ一気呵成に攻め立てるに限ります。麻雀のツキと一緒みたいなものですから逃がさないことが肝心~(笑)。

JBLシステムに後ろ髪を引かれる思いですけど、その気になればいつでも復活できるのが強みなので、新たにチャレンジすることにしました。

<攻め立て事例>



先日のテストで好印象だった「スーパー10」をウェストミンスターの上に乗っけました。これをフルレンジで鳴らし、ウェストミンスターを100ヘルツ以下のサブウーファーとして使う目論見です。

病み付きになった超高音域を受け持たせるツィーターには、デッカのリボンツィーターを持ってきました。

ワクワクしながら聴いてみると、どうしても直前に聴いていたJBLと比べてしまいますよねえ。JBLが味付けのやや薄目の料理だとすると、こちらの方は濃厚な味付けに聴こえます。

これはこれで悪くはないんですけど、長時間聴くのには味付けの薄い方がいいなあ~という気がしてきました(笑)。それに、「D123」(JBL:口径30cm)のスカッと爽やかで小気味よく弾んでくる低音の魅力といったらちょっと忘れ難いですね。

JBLといえば以前に「D130」(口径38cm)も使ったことがありますが、どうしても上手く鳴らせなくて手放しました。我が家のサウンドに「口径38cm」は合わないようです。

そして、しばし沈思黙考のすえ思い切って次のように変えました。



英国ワーフェデールと米国JBLの混成旅団です。そしてここから予想だにしない大迷走が始まりました(笑)。

クロスオ―ヴァ―の設定とアンプの選択が難しくて・・、

1 「D123」を100ヘルツでローカットしてサブウーファーにして、「スーパー10」をフルレンジで鳴らしてみたところ

サブウーファーとフルレンジの相性が最悪でした。バランスがうまく取れないです。

2 仕方なく方向転換して、クロスオーヴァーを従来通り「700ヘルツに設定したところ、これでようやく一段落してひとまず聴けるようになりました。つまり、「D123」の低音の質の方が「スーパー10」を上回ったということになります。

3 最後の仕上げはアンプの起用方法です。これも迷走しましたが、「スーパー10」には「STCの出力管アンプ」を、「D123」には「6AR6」(三極管接続)を充てこんでようやく結着をみました。

結局、右往左往して行き着いた姿となると、単純に「175ドライバー」を「スーパー10」に代えただけという形になりました、あ~、バカらしかった!(笑)。

管楽器はともかく、弦楽器にかけては当然のことながら「スーパー10」に軍配が上がりますから、しばらくこれで聴いてみましょう。

それにしても、今回のドタバタ劇で終始「影の主役」を果たした感があるのは、STCの出力管アンプ(モノ×2台)でした。

どんなスピーカーに起用しようとも見事に魂を吹き込むんですよねえ・・、冴えない音が見事に豹変するんです!

結局、一連の「絶好調の波」の原因はこのアンプだったことがわかりました・・、な~んだ、「時の運」(ツキ)じゃ無かったのか!(笑)。



クリックをお願いね →   


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「南海トラフ巨大地震」と「ネコ学」~読書コーナー~

2025年02月20日 | 読書コーナー

☆ 知っておきたい地球科学



この種の本で知りたいのは率直に言って「南海トラフ巨大地震がいつ頃起きるんだろう?」に尽きます。すると、181頁にこう書いてありました。

「2030年代に南海トラフ巨大地震」

今回の巨大地震は「東海」(静岡県)「東南海」(名古屋~和歌山)南海」(和歌山~四国)の三か所が連動して起こると予測されている。

起きる順番も過去の事例から決まっているようで最初に「東南海」、次に「東海」、そして最後が四国沖の「南海」地域となる。

南海トラフ巨大地震は発生時期が科学的に予測できる殆んど唯一の地震である。この虎の子の情報を活用し、激甚災害を迎え撃たなければならない。

過去の経験やシミュレーションの結果から述べると、南海トラフ地震が起きるおおよその時期は、地震学者たちは2030年代には起きると予測している。筆者も2040年代までにはほぼ確実に起きると考えている。

政府の地震調査委員会は地震の発生確率を公表しており、南海トラフについては30年以内に発生する確率を「70~80%」にしている。

実はここに大きな問題がある。こうした確率で示したのでは緊急性が伝わらない・・、そこで筆者は具体的に「2035年 ± 5年」と予想している。

そして、その災害規模は東日本大震災よりも確実に一桁大きい。津波はおよそ34mの巨大なものになる。(要旨)

以上のとおりです。

なるべくなら2020年代に人生を終えたいものですね、アレッ、もうすぐだ(笑)。

☆ ネコ学



貴方は「猫派」ですか「犬派」ですか?

と、問われたらどう答えますか。ブログ主の場合は玉虫色の「両派」です(笑)。

本書によると(178頁)、テキサス大学がオンラインで行ったアンケート調査では、回答者の半分近くは犬派であると答え、約1/4の人が犬も猫も両方好きだと答えたが、猫派であると答えたのは12%に過ぎなかった。

どうも猫派の方が分が悪そうですね。印象的にもそのようです。

アメリカでは「猫好き」というのは冷笑の的になったり意地の悪い言われ方をすることが多い。たとえば、犬が嫌いな人は信用できないとか、猫を複数飼っている女性が「猫好きおばさん」と揶揄されたりする。

ちなみに、現在の副大統領「ヴァンス」氏が、かって女性のハリス副大統領(当時)を指して「子供のいない猫好きの女性たちにアメリカが運営されている」と、攻撃したところ猛烈なバッシングが起きたのは記憶に新しいところ。

男性らしさを表すテストストロン(男性ホルモン)の分泌量と猫嫌いが比例しているような印象を受けるのは筆者だけでしょうかね。

現実にも、ご近所の例だけど「猫好きなんだけど主人が嫌うので犬を飼ってます」という奥さんたちがいます。

そして、ウォーキングでときどきお会いする、年の頃80歳ぐらいの仲良しのお婆ちゃんは、昨年春にご主人を亡くされたそうで、その後に3匹の猫を飼われ
「もう可愛くてねえ・・、この子たちを残して死ぬわけにはいかないから歩いているのよ」と、目を細めながら大きな生きがいになっているご様子。

筆者は、前述どおり玉虫色ですが、猫の気紛れなところが気に入ってます。パタ~ンが決まっていないので意外性が散見される・・、そう、これはオーディオと似てますね(笑)。

猫については、さらに面白い記述がありました。


「左団扇(うちわ)の生活は幸せか?」(96頁)

以下、転記します。

仕事柄、連日ネズミの行動を観察します。通常、エサは皿に入れられいつでも食べられる状態ですが、レバーを押すとエサが出てくる仕掛けに変えると、すぐに学習し上手にレバーを押すようになります。

このネズミに二つのエサを同時に与えてみましょう。一つは皿に入ったエサ、もう一つはレバー押しで出るエサ。得られるエサはどちらも同じです。さて、ネズミはどちらのエサを選ぶでしょうか。

試せばすぐにわかります。レバー押しを選ぶ率が高いのです。苦労せずに得られる皿のエサよりもタスクを通じて得るエサの方が価値が高いというのです。

これは「コントラフリーローディング効果」と呼ばれ、犬やサルはもちろん、鳥類や魚類に至るまで動物界に普遍的にみられる現象です。ヒトも例外ではありません。

こうした実験データを眺めると、労働の価値について考えさせられます。「左団扇の生活」には誰もが憧れますが、仮にそんな夢のような生活が手に入ったとして、ほんとうに幸せでしょうか。

ちなみに、コントラフリーローディング効果が観察できない唯一知られた動物がネコです。ネコは徹底的な現実主義です。レバー押しに精を出すことはありません。

以上のとおりです。

結局「ネコ学」の極まるところ、このエピソードが象徴しているとは思いませんかね(笑)。


クリックをお願いね →   


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

音と音の間の沈黙を聴く!

2025年02月19日 | 音楽談義

昨日(18日)のこと、オーディオ仲間のNさん(大分市)からお電話がありました。

「例のプリアンプの真空管「12AU7」を「CV4068」に代えた件だけど、プレート電圧は一緒だけど、電流値が違うので抵抗を変える必要があるよ。ついでのときに持ってきてくれないかな」

「えーっ、そうでしたか! 今でも十分上手く鳴ってますよ」

「いや、ちゃんとした規定値に納めておかないとどうも目覚めが悪くてね」

「ハイ、わかりました、今からお伺いします」

プリアンプはパワーアンプと違って小振りだし軽いので助かります。クルマを40分ほど走らせました。

抵抗値を決める細かな計算に想像以上の時間がかかって、作業に1時間半ほどかかりました。

無事終了して、その帰り道に久しぶりに「本屋さん」に立ち寄ったところ、
さりげなく店内に流れていたBGMがモーツァルトのピアノソナタでした。

「ああ、いいなあ!」と、思わずウットリして立ち尽くしてしまいました。

このところまったくご無沙汰だったピアノソナタ(全20曲)ですが

「一生の間、間断なく固執して作曲したジャンルに作曲家の本質が顕現している。モーツァルトのピアノソナタは湧き出る欲求の赴くままに、何らの報酬の当てもなく作られた故か不思議な光芒を放って深夜の空に浮かんでいる」(石堂淑朗氏)

のとおり、モーツァルトの作品の中では非常に地味な存在だが聴けば聴くほどにモーツァルトの素顔が顕わになる音楽であり、一度はまってしまうと病み付きになる音楽でもあります(笑)。


急いで自宅に戻ると関連のCDを引っ張り出しました。「プリアンプ」の改造のせいか、以前よりも何だか音が艶めいてきましたよ(笑)。

      

感受性が豊かだった30代の頃は聴きながらたびたび感涙に咽んだものだが、この年齢になるとスレッカラシになってしまい涙の一滴も出てこないが(笑)、それでもやはり相性がいいのだろうか、相変わらず琴線に触れるものがある。

グールドに始まって、ピリス、内田光子、アラウ、ギーゼキング、シフと聴いてみたがこの年齢になると自然体の演奏が一番ピッタリくるので、その点グールドはあまりに個性が際立っていてちょっと押しつけがましい気がしてきた。

当時はグールドでなければ夜も昼も明けなかったのに、年代によって好みが変わってくる典型的な例ですね。


その一方、ピリスはまことに中庸を得ていて、普段着のままの気取ったところが無いし何よりも「音楽心」があってたいへん好ましい。

「音楽は普段の生活の中で味わうものです。何も着飾ってコンサートに行く必要はありません。」が、彼女のモットーだが、この演奏も等身大そのままの音楽を聴かせてくれる。

このソナタを久しぶりに堪能させてもらったおかげで、このところオーディオに傾いていたマインドが振り子のように音楽に戻っていくのはメデタシ、メデタシ。

これが「音楽とオーディオ」の本来あるべき姿なんだから(笑)。


そして、ふとこの「音楽の押しつけがましさ」で連想したのが「生きている。ただそれだけでありがたい。」(新井 満著:1988年芥川賞)
の中の一節。

                     

この中でなかなか興味深いことが書いてありました。(61頁)

著者が娘に対して「自分のお葬式の時にはサティのグノシェンヌ第5番をBGMでかけてくれ」と依頼しながらこう続く。

「それにしても、何故私はサティなんかを好きになってしまったのか。サティの作品はどれも似たような曲調だし、盛り上がりにも欠けている。淡々と始まり、淡々と終わり、魂を震わすような感動がない。バッハやマーラーを聴く時とは大違いだ。

だが、心地よい。限りなく心地よい。その心地よさの原因はサティが声高に聴け!と叫ばない音楽表現をしているせいだろう。サティの作品には驚くほど音符が少ない。スカスカだ。音を聴くというよりはむしろ、音と音の間に横たわる沈黙を聴かされているようでもある。

沈黙とは譜面上、空白として表される。つまり白い音楽だ。サティを聴くということは、白い静寂と沈黙の音楽に身をまかせて、時空の海をゆらりゆらりと漂い流れてゆくということ。

毎晩疲れ果てて帰宅し、ステレオの再生ボタンを押す。サティが流れてくる。昼間の喧騒を消しゴムで拭き消すように。静寂の空気があたりに満ちる。この白い壁の中には誰も侵入することができない。白い壁の中でたゆたう白い音楽。」

以上、これこそプロの作家が音楽について語る、まるでお手本のような筆致の文章だとは思いませんか! 自分のような素人がとても及ぶところではありません(涙)。

サティの押しつけがましさのない音楽の素晴らしさが充分に伝わってきますが、実は、文中にある「音と音の間に横たわる沈黙」については思い当たる節があります。

以前、クラシック音楽の大先達だった五味康祐さんが生涯に亘って愛好された曲目をベスト10として掲げてあるのをネットで拝見したが、第1位の「魔笛」に続いて第2位にランクされていたのがオペラ「ペレアスとメリザンド」(ドビュッシー)。

五味さんほどの方が愛好される音楽だからさっそく聴いてみようと指揮者の違うCDを2セット(ハイティンクとアンセルメ)を購入して聴いたところ、これがあまりピンときませんでした。
           

気の遠くなるような長い静寂の中を登場人物がぼそぼそと囁くようにつぶやく、まことに冴えないオペラで、メロディらしいものもなく盛り上がりにももちろん欠ける。五味さんほどの方がこんな曲の何処が気に入ったんだろうと正直言ってガッカリしました。

しかし、今となってみるとこれはサティの音楽とそっくりで、五味さんはもしかすると「音と音の間の沈黙」を聴かれていたのかもしれないと思えてきました。

この沈黙を聴きとるためには、聴く側にも心の準備として自己の内面と秘かに向き合う「静謐感」が必要であることは、クラシック音楽ファンならきっと思い当たるに違いありません。

とはいえ、「音楽は音と音の間に横たわる沈黙を聴きとることで昇華できる」なんてことを偉そうに書くと、すぐに馬脚が現れそうなのでこの辺でお終いにしておくのが無難でしょうよ(笑)。

 

クリックをお願いね →       


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「豹変する音」・・、たったこれだけのことで!

2025年02月18日 | オーディオ談義

オーディオ歴50年余といってもあまり自慢にはならないですね~。

なぜなら、50年もやっておきながら「この程度の音か!」と言われそうな気がするので・・(笑)。

しかし、オーディオはやればやるほど謎が深まるばかりのような気がします、まあ、謎というか「意外性」に富んでいるのが飽きがこない原因ですかね~。

刺激に乏しい日常生活に潤いをもたらしてくれる貴重な存在です。

手前勝手な話になりますけど、つい先日も「意外性」を2件経験しましたのでご紹介しましょう。

<第一事例>

我が家では、このところ「STC」(英国)真空管の起用で大いに沸いています、そして従来のスピーカー群が悲鳴を上げています(笑)。

何しろアンプはスピーカーに魂を吹き込んで精神的に一人前にする大切な役割を担っていますからね・・、影響大です。

その結果、二軍の選手が一軍に昇格したり、その一方、一軍に安住してきた選手が、持ち駒が豊富になったため、トレード(オークション)を通告されたり、悲喜こもごもです(笑)。

そして、豹変した事例がこれです。

   

グッドマンの「TRIAXIOM 」(同軸3ウェイ)が上手くいったので、味をしめてトライしたのがワーフェデールの「スーパー3」(口径25cm)でしたが、どうも音に違和感が つきまとい ます。

右側の画像のように立派な赤帯マグネットの持ち主なんだから、こんなはずではない・・、ひとえに、音に思考力が感じられないんですよねえ~(笑)。

そこで、思い切ってより大きな「植木鉢」に、そのまま容れてみました。



見事に「豹変」したんですよねえ・・、赤帯マグネットの持ち主に相応しい「音の佇まい」になりました! 

原因を素人なりに推測すると、これまで後ろ側に出た「逆相」の音が前方に回り込んで「正相」の音を邪魔してたんでしょう。なにしろ音の速さは「秒速340m」ですから、メチャ早いです~。

そして、こういうホーンタイプにすると「逆相の音」の回り込みが邪魔されて正常な音に近づいたのではないでしょうか。

それにしても、たったこれだけのことで見事に結果オーライですから、オーディオの闇の深さをつくづく思い知らされました(笑)。

<第2事例>

「You Tube」で、たまたま観た「エレキ・ギター」の街頭演奏。



まず、エレキギターのメチャ素敵な音色に惚れこみました。そして、そのリズム感・・、思わず身体を揺り動かしたくなるような躍動感があります。こういうタイプの音楽は欧米人の独壇場でしょうか。惚れ惚れしながら観ていたら、観客の中から中年の男女が躍り出てきました。お見事です!

そのうち、この音を無性に「JBLシステム」で聴いてみたくなりました。思い立ったが吉日、急いで番組を保存してシステム構成に取り掛かりました。

な~に、ものの20分もあれば完成です。

ほら・・、



低音域には自作の箱に「D123」(口径30cm)を、中高音域には「175ドライバー」を配置し、クロスオーバーは「ムンドルフ」(ドイツ)のコイルと、ウェスタンのオイルコンデンサーを使っておよそ700ヘルツに設定しました。

駆動するアンプは、「D123」をSTCの出力管アンプ、「175」には「71Aシングル」を起用しました。

実にスッキリ爽やかで開放的なサウンドです。やはり英国系のユニットとは正反対ですね~。これはこれでたまにはいいです(笑)。

いちばんの魅力は小気味よく弾んでくるスピード感に溢れた低音ですね。 エレキギターにとてもマッチしていて、これには心の底から参りました!

その一方、「175」となるとエレキギターには無難ですけど、「ヴァイオリン」の「濡れたような響き」(AXIOM80)となると、ちょっと及びもつかないですねえ。贅沢をいうとキリがないのですが・・(笑)。

仲間の「Y」さんが「ホーン」型システムを毛嫌いされているのも、その辺に理由がありそうで、何しろあの「TRIAXIOM」のほんの小さなホーンでさえ、「ホーン臭いです!」と、にべもなく拒否されるほどですからね。

そこで、ちょっと「ひとひねり」して、「175」に「075」を付け加えて超高音域を受け持たせたところ「豹変」しました。

音響空間にヴァイオリンの音色が漂うような浮遊感が出てきたんですよねえ~。

これはたまらん・・(笑)。

「175」には「71Aアンプ」(画像右側)を、「075」には「LS7アンプ」を充てました。



これで当分の間、楽しめそうです(笑)。

以上、ほんのちょっとした思い付きで上手くいった事例を2例紹介しましたが、成功談ばかりではなく失敗談もと思ってますがなかなか難しいですね。

「賭け事師」が儲けたときしか話さないのと一緒ですね、これは~(笑)。



クリックをお願いね → 
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

虚穴に入らずんば虎児を得ず

2025年02月17日 | 独り言

毎回のように「音楽&オーディオ」について、あれこれ記載しているものの、実は一番基本的なことがあります。

それは「体調管理」です。 心身ともに健康じゃないと趣味は楽しめません!

そこで、「歩かないと死ぬ」といわんばかりに肝に銘じて毎日せっせとウォーキングに励んでいるのもそのためなんで~す(笑)。

そして、ささやかな問題だけど「睡眠不足」も無視できませんね。

これが不足すると、まったくヤル気が起こらなくなります。日常のウォーキングでさえ億劫になるほどで、とりわけ脳を使う「音楽&オーディオ」となると全く身が入らなくなるのは皆様もご経験済みでしょう。

で、その「睡眠不足」を解消する方法ですが、これがまったく思い通りには行きません。前日ぐっすり眠れたかと思うと次の日は早朝覚醒して後はうつらうつらなどで寝覚めが悪かったりします。

家人ともども、睡眠ばかりはコントロール不能だなあとこぼしている毎日ですが、とりわけ男性の高齢者にとってその原因のひとつになっているのが夜中のトイレの回数ですね。

筆者の場合は、夜中に必ず一度は起きて小用に立つし、ひどいときは二度立つことがあります。

かかりつけの医師に頼んで「前立腺肥大」を抑止する錠剤を処方してもらっていますが、あまり効き目はないです・・(笑)。

もう仕方がないか・・、と諦めていたところ、ある月刊誌にこういう記事が載っていました。

タイトルは「夜中に何度も目が覚めて・・」

「歳とともに増えてしまうのがトイレの回数。夜中に何度も目が覚めるものだから当然、朝の目覚めは悪く日中もボンヤリ。昼食後についウトウトと気付いたら午睡を貪る、なんてことが増えてくる。

そして外出してもサービスエリアのなが~い行列でイライラ、せっかくの旅行もヒヤヒヤ・・。このような日常が続くとQOL(生活の質)も次第に低下してしまう。しかし、これが夜中のトイレの回数のせいだとしたら何とか対策を立てたいものだ。

「1日にひと粒飲むだけでしっかり実感できる」。その謳い文句に半信半疑ながらも小さなサプリをひとつ口に放り込む。するとその晩、一度もトイレに起きることなく朝を迎えスッキリ。

「何コレいったいどういうこと!?」さっそく販売元の〇〇を取材した。
「トイレの悩みといえばノコギリヤシやペポカボチャが定番ですが、実感するまでに長い時間がかかるという不満の声がありました」と語るのは商品開発部のFさん。

「ところが近年の研究で神秘の森・屋久島にひっそりと自生する○○という薬草がトイレの悩みに直接はたらきかけるとことが明らかになりました」

一日たったのひと粒で驚くほど早い実感が得られ、女性・男性問わず変化を感じられるためご夫婦で飲まれる方が急増しているのだとか。

「試しに飲み始めた方が数日後に追加で3袋のリピート注文、ということも多く私たちもあまりの反響の大きさに驚いています。しかし、原料が希少なため正直、大量生産には向きません」とFさん。

ほかにも、「回数が減った」「漏らさなくなった」「1回で出し切れるようになった」などの喜びの声が毎日のようにと届いているという。神秘の島にひっそりと自生する野草〇〇、その実力には驚くばかりである。

不思議な野草を飲み始めて1か月、ああ、駆けこまないってこんなにシアワセなことだったのね! 夜中に目覚めることもなく、朝までスッキリ。寝る前にコップ1杯の水を飲んでも大丈夫。一日中トイレのことを考えてしまうというあなた、歳だからと諦める前に試してみては?」

という、記事でした!

で、物見高い性格なのでさっそく飛び付きました(笑)。昨日(16日)の夕方、サプリが届いたのでひと粒飲んで2時間後に就寝。

さて、結果のほどは・・、通常は就寝後3時間ぐらいで小用に立っていたのが6時間ほど持ちました。 これって、かなりいいです! 速効性もあるみたいです。

明日、明後日と続けて試してみるつもりですが、人間には「耐性」というものがあるので、徐々に効果が薄れる可能性も無視できないところです。

それに、民間の健康食品といえば、まだ記憶に新しい「小林製薬」の「紅麹食品」があります。ずさんな製造工程の途中で「カビ」が混入して、沢山の服用者に被害が出ています。

このサプリ製造会社にとっても「他山の石」となっているはずですが、長期にわたる服用となると何らかの副作用も気になるところです。

そういうハンディを承知したうえで、一度飲んでみようかという方は、メールをください。

「虎穴に入らずんば虎児を得ず」といったところでしょうか。

こっそり、サプリ名と注文先を教えて差し上げますが、あくまでも自己責任ということで~(笑)。


クリックをお願いね →  


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

満足している現状から一歩踏み出す勇気

2025年02月16日 | オーディオ談義

古来、人間は保守的な生き物だと思っています。つまり、なるべくなら現状を変えたくない・・、その根源的な理由を「チャットGPT」に訊いてみました。

①  生物学的観点

人間は生物として安定を好む傾向があります。急激な環境変化は生存のリスクを高めるため、脳は既存の習慣やパターンを維持しようとします。例えば、恐怖や不安を感じると変化を避けるのは本能的な反応です。

②  心理学的観点

心理学では、「現状維持バイアス」という概念があります。これは、人が今の状態を変えることを避ける傾向を指します。たとえば、新しい技術や考え方が登場しても、それを受け入れるのに時間がかかるのは、このバイアスの影響が大きいです。

③  社会学的観点

社会は伝統や規範によって成り立っています。文化や価値観は世代を超えて受け継がれるため、多くの人は「これまでのやり方」を尊重し、急激な変化を警戒します。例えば、政治や宗教では特に保守的な傾向が強く見られます。

④  歴史的観点

歴史を振り返ると、人類は時に急激な変化(革命や技術革新)を受け入れてきましたが、それは一般的に段階的な適応の結果です。例えば、産業革命やインターネットの普及も、一部の先駆者が推進し、多くの人々がゆっくりと順応していきました。

⑤  個人差と環境要因

ただし、すべての人が同じように保守的とは限りません。性格、教育、経験によって変化を受け入れる度合いは異なります。また、**不安定な状況(戦争、経済危機など)**では、安定を求める傾向がより強まることが多いです。

結論:人間は基本的に保守的だが、変化を受け入れる柔軟性も持つ

人間には安定を求める保守的な本能がある一方で、適応力や革新性も備えています。変化が段階的であれば、受け入れやすくなり、逆に急激な変化は拒否されやすいのです。そのため、人間は「基本的には保守的だが、状況によって変化を受け入れる存在」と言えるでしょう。

なぜこういう話を冒頭に持ってきたかというと・・、やはり「オーディオ絡みの話です(笑)。

一言でいえば、オーディオには「保守的な体質」と「革新的な体質」の二つの要素があり、どうしても前者が強い傾向にあるのは否めない・・、しかし、あえてそこから脱却する勇気もときには必要だという趣旨で、ブログ主の強い反省から成り立った話です。

以下、抽象論ではわかりにくいので実例を挙げて述べてみましょう。

先日のブログで、スピーカー「PL100」で十分満足しているのに、あまり気が進まないながらも「TRIAXIOM」(グッドマン)に代えたところ、優るとも劣らない効果を得ることができたことを紹介しました。

そのときに、オーディオは現状の満足に安住することなく、あえて「一歩踏み出す勇気」が必要なんだと痛切に思いましたね。もちろん失敗することもあるでしょうが、その経験も糧になる・・。

おっと・・、しがない田舎のオーディオ愛好家に偉そうに言える資格は無いですね
、上から目線の物言いだと思われたとしたらゴメンナサイね(笑)。

あっ、そうそう、重ねて書きます。このブログを読んで少しでも不快に思われる方はそもそも最初から読まないようにしてください! 別に読んでくれと頼んだ覚えはないのに勝手に読んで勝手に立腹して騒ぎ立てる・・、こちらこそいい迷惑ですよ~。「GET OUT!」


それはさておき、実は「一歩踏み出す勇気」について実際に「柳の下に二匹目のどじょう」が居たんですよねえ(笑)。

まあ、聞いてみてください!

現在、英国の真空管の名門で、アメリカの「ウェスタン」に優るとも劣らない技術力を持つ「STC」の出力管を使ったパワーアンプで、「我が世の春」を謳歌していますが、ふと、そのパワーアンプを駆動している「プリアンプ」に目が留まりました。

使っている真空管はミニチュア管の「12AU7×2本」(アメリカ:RCA)です。管の上部にゲッターが無く透明なところから「クリアトップ」と呼ばれ、音もいいと評判が高いし、実際にその通りなので愛用しています。

これを変えようなんてサラサラ思わず、むしろ寿命の方を心配していたくらいで、オークションで見つけたら「スペアを買っておこうかな」というほどの惚れ込みようです。

しかし、今回の「TRIAXIOM」の事例に強力に後押しされて「一歩踏み出す勇気」が出てきました。

パワーアンプの出力管が「STC」なら、プリアンプの真空管も「STC」に代えたら、もっと相性がいいんじゃないかなあ~。つまり英国籍と銘柄のダブル合わせですね!

ジャズ主体のアメリカとクラシック主体のイギリスとでは、真空管の個性にも微妙な肌合いの違いがあってもちっとも不思議ではないですよね。

結局、現状と変革の凌ぎあいになり後ろ髪を引かれる思いですが、後者がわずかに優りました。

そこで、さっそくプリアンプの製作者「N」さん(大分市)にお伺いを立てました。「あなたに作っていただいたプリアンプを愛用していますが、現在RCAの12AU7を挿しています。これをSTCのCV4068に代えても差し支えないでしょうかね?」

「ああ、同じプレート電圧12Vですからいいと思いますよ。STCの方が少しゲインが高くなってむしろいい効果が出るんじゃないかな・・、興味があるのでぜひ結果を教えてね~」



左側がこれまで使ってきたRCAのクリアトップ、そして右側はSTC(BRIMAR)のCV4068(13D3)です。CV記号が付いてますので軍用ですね。人の命ひいては国の運命がかかっていますので厳密な性能検査が行われているはずです。

そして、無事に交換を終えて恐る恐る耳を澄ましたところ・・、まさに驚天動地とはこのことですぞ!

まずは、音が屈託なく元気溌溂だし、楽器の音色がくっきり浮かび上がってくるし、そして心がウキウキしてくるような鳴りっぷりに椅子から転げ落ちそうになりました。慌ててプリアンプのボリュームを絞りに行きました!

そして、エンヤの「カリヴィアン・ブルー」の冒頭の強力な一撃が、これまでになく自然な雰囲気で再生されていることに小躍りしました。ああ・・、従来のやや歪みっぽい音はプリアンプの責任だったのか!

急いで「N」さんにご注進・・、「とても元気が良くてクリアな再生です。CV4068はやはり期待通りでした。プリアンプの真空管って、オーディオ全体を支配しますね。改めて驚きました!」

「ああ、そうだろうね~、そのうち聴かせてもらうからね。とにかく良かった、良かった!」

「ぜひお越しくださいね~」

とまあ、以上のような顛末でした。全体的に、少し「竜頭蛇尾」だったかな・・?

えっ、「いつも手前味噌の話ばかりで面白くない、たまには失敗談を書け!」ですって・・、考えておきま~す(笑)。



クリックをお願いね → 
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ソプラノ歌手「エディット・マチス」の訃報

2025年02月15日 | ウマさん便り

南スコットランド在住の「ウマさん」からメールが届きました。

「オペラ歌手エディット・マティス(ドイツ)死去の一報がありました。
86歳だったそうです。

中学に入った頃、確か「音楽の友」だったと思う。
巻頭のグラビアでその白黒写真を見た僕は
「うわーっ、可愛いい人だなあ!」と、その写真を切り、取り机の前の壁に飾りました。
マリア・カラスやシュワルツコップを知るはるか以前のことです。

悲しい一報ですが、まだ生きておられたことにも驚きましたね。

ご冥福を…」

情報提供、ありがとうございました。

実はブログ主も彼女の大ファンでした! 



とにかくすごい美人なんです! それに知性も兼ね備えているので(何といってもオペラ歌手ですからね!)「鬼に金棒」です。声も抜群です。オペラ「魔笛」(DVD)の王女役「パミーナ」(ソプラノ)の役どころで、存分に魅力を発揮していました。



日本公演でオペラ「フィガロの結婚」に出演し、その美貌に驚愕してファンになった方が沢山いたと聞いたことがあります。

享年、86歳・・、ほぼ日本女性の平均寿命ですね。合掌。

追加して、ウマさんから「ジネット・ヌヴー」に関するメールをいただきましたので、掲載させていただきます。

ヌヴーについては、先日のブログ「シベリウスのヴァイオリン協奏曲を聴く」で、取り上げて以来「私もファンです!」という方々が全国各地で次々に手を上げられて反響をよんでいます。

飛行機事故で没後、およそ70年余・・、彼女の力強くて「神聖な炎」
まだ完全に燃え尽きてはいないようです!

それでは、ウマさんからのメールを・・、タイトルは「向田邦子とジネット・ヌヴー」です。

テレビドラマなどで、教訓めいたセリフを書く脚本家はあまり好きじゃない。なんか上から目線を感じるんやね。もっとも、僕がひねくれているせいかもしれないけど…。だから、教訓めいたセリフの少ない向田邦子の脚本には共感を覚えていたし、ハッピーエンドでさえ、ふと考えさせる何かがあったようにも思う。 

先月だったか、YouTubeで、向田邦子のドキュメンタリー「没後20年、向田邦子が秘めたもの」を観た。驚くべき内容だった。

数々のドラマを書いてきた彼女だけど、彼女自身が誰にも明かさなかった秘めた恋こそがドラマではないか?と思ったね。いつもそばにいた彼女の妹さえ知らなかった秘めた恋…

向田邦子の恋文5通が、亡くなった相手の遺族によって発見され、彼女に返却された。その手紙を向田邦子はタンスに秘蔵していた。後年、亡き姉の部屋を片付けていて、その手紙を見つけた妹は、とても驚いたという。 

妹の判断で、20年後に公開されたその恋文を読むと、向田邦子が、病に伏せる彼に、献身の心遣いを見せていたのがよくわかる。が、妻ある人への恋は、彼女の作品にどのような影響を与えたのか?

あれだけ多くのドラマを書いてきた向田邦子だけど、自身に秘めたストーリーだけは書けなかったんでしょうね。 

向田邦子は、書くドラマがことごとく高視聴率を記録し、さらには、様々な人間模様を描いた「思い出トランプ」が直木賞に輝いた。そんな絶頂期の彼女が、台湾での航空機事後で還らぬ人となって久しい。 

絶頂期の突然の死…で思い出すフランス人がいる。

ジネット・ヌヴー … 

今から80年以上前に彼女が弾いたヴァイオリンは、今に至るも、ぼくにとって日常の癒しとなっている。

小学校一年の頃だったと思う。家にあったソノシート(これ懐かしい人は歳がわかるよ)で、ヴァイオリンの巨匠、ロシアのダヴィッド・オイストラフを知った。

どういうわけか、そのチャイコフスキーのヴァイオリン・コンチェルトに痛く惹かれたんやね。ませとったんかいな? ま、それがクラシック音楽に親しむきっかけとなった。

時が流れ、高校時代やったと思う。たまたま、そのダヴィッド・オイストラフの伝記みたいな文章を読んだ時、27歳の彼が国際コンクールで二位になった時の話が僕の興味を惹いた。

一位になったのが若干15歳、フランスはパリ産まれの女の子だという。僕は、あのダヴィッド・オイストラフを超える15歳ってどんな娘や? さらに、二位の27歳オイストラフに「彼女の一位は当然だ」と言わしめた、その15歳のフランス娘に、僕が興味を持たないわけがない。 

さっそく、心斎橋の日本楽器のレコード売り場へ行って、そのフランス娘のレコードを探したら…あった! ジャケット写真を見ると、めちゃ可愛い娘やないか。嬉しくなってニコニコしながら地下鉄に乗った。

ところがや、えらいこっちゃ。家に帰って解説を読むと、ジネット・ヌヴーは、30歳の絶頂期に、アメリカへ演奏に行く途中の飛行機事故で亡くなってる。もうこの世にいないんや。ショック!

7歳でオーケストラと共演、天才少女と絶賛され、成長とともにその人気はうなぎのぼりに高まり、ヨーロッパ各地での演奏はもちろん世界中で演奏し、アメリカへも毎年のように演奏旅行をするようになる。

初レコーディングが1938年で19歳の時、今から80年前、もちろん、はるか戦前のことです。 

クラシック音楽に造詣の深い芥川賞作家の五味康祐さんの本を読んで嬉しかったのは、世界的演奏家や高名な評論家でさえ容赦無く切って捨てる辛辣な彼が、ジネット・ヌヴーを絶賛していることです。

…彼女の早い夭折が惜しまれてならない…と。 

当時、ぼくが集めた彼女のレコードは、今の時点で言うと、どれも70年から80年前の録音で、音は決して良いとは言えなかった。ところがCDの時代になってリマスタリングの技術が向上したせいか、音が格段に向上した。

今、彼女のCDは全部持ってるけど、彼女のヴァイオリンの音色を、現代の録音と比べても遜色ない良い音で聴けるのはとても嬉しく思っている。

彼女の残したレコーディングはどれも素晴らしいけど、特に1948年3月に録音された「ブラームス・ヴィオリン協奏曲」には、もう言葉もない。 

さて、今宵は、人生の絶頂期に飛行機事故で亡くなったお二人のご冥福を祈りつつ、YouTubeでこのお二人を偲びたい。おのおの方も是非一緒にご覧下さい。

エッ? おいらの絶頂期? あんたなあ、あたしゃ、まだまだこれからでっせー! エッ? なんやて? すでにもうろくしてる? ほ、ほっといてんか!

向田邦子…1981年8月22日 51歳没

ジネット・ヌヴー…1949年10月28日 30歳没 (ぼくが産まれた4ヶ月後) 

YouTube →「没後20年、向田邦子が秘めたもの」

YouTube →「ジネット・ヌヴー /ショパン夜想曲第20番」

ショパン夜想曲第20番…

映画「戦場のピアニスト」で、廃墟に隠れていた主人公がナチの将校に見つかり、ピアノを弾くように命令されて弾くのがこの曲。元はピアノ曲です。多くのヴァイオリニストがこの曲を引くけど、亡くなる3年前のジネット・ヌヴーのこの演奏を聴くと、目が潤んできて、もう…」



クリックをお願いね →
 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

無意味だったスピーカーの「三番手候補」 探し

2025年02月14日 | オーディオ談義

やたらに物事に「ランキング」という順位を付けたがるのはアメリカ人の特徴だと聞いたことがあります。

いったい順位を付けるというのは、どういう意味があるんでしょうかね?

そこで「チャットGPT」の出番です。

1  評価・比較の指標になる

順位を付けることで、個人や物事の相対的な位置が明確になり、客観的な評価がしやすくなります。たとえば、テストの順位があれば学力の目安になり、売上ランキングがあれば人気の商品が分かります。

2  競争を促し、成長を促進する

競争によってモチベーションが高まり、より良い結果を目指すきっかけになります。スポーツやビジネスなどでは、順位を意識することで努力を続ける動機になりやすいです。

3  資源の配分を決める

成績上位者に奨学金を与えたり、人気商品を優先的に仕入れたりするなど、限られた資源を効率よく分配するための基準になります。

4  社会的な価値やトレンドを示す

音楽チャートや映画ランキングなどは、世の中の関心を反映し、人々が何に注目しているかを示します。これにより、新たな流行が生まれることもあります。

5  選択の助けになる

消費者が商品を選ぶ際、ランキングを参考にすることで、より良い選択がしやすくなります。レビューサイトや売れ筋ランキングなどがその例です。

どうやら、「競争させる」ことにいちばん大きな意味があるような気がします。アメリカならではの活力のある社会の基本なんでしょうが、敗者への思いやりとなるとイマイチかな・・。

で、我が家のスピーカーの順番付けです。

芸術に順位を付けるのは無意味だけど、「音」となると許されるのではないかな。順位を付けるのは、選択をすることと同じだし、選択という行為は己に主体性を持つということにほかなりません。

オーディオは微妙な音の差を嗅ぎ分ける究極の選択的な趣味ですから、当然のごとく順位付けは必要でしょう。

というわけで、少々強引な理屈を振りかざして(笑)、我が家のスピーカーの順位付けを行っています。

もちろん、持ち主の少々風変わりな感性が織り交じった所産ですから、他の方が聴くと「?」もありでしょうね(笑)。

1位 「AXIOM80+サブウーファー(100ヘルツ以下)+超高音域用ツィーター」

極めてデリケートな再生力を誇り、とりわけヴァイオリンの濡れたような音色の再生にかけては右に出るユニットは極めて少ないと思います。それにスピーカーからの音離れはピカ一でしょう!



2位 「PL100」(英国:モニターオーディオ)

小型スピーカーならではの自然な音像定位は特筆ものです。極めて完成度の高いスピーカーで、まったく弄っていないのはこれだけです。



で、この「PL100」について、読者から「低音域と高音域」(クロスオーヴァー2800へルツ)の接続はどうなっているんですか?」というお問い合わせがありました。

百聞は一見に如かず・・、背面は次のとおりです。



SPコードは単線が好きなので、高音域(HF)は「銀線」、低音域(LF)は「ウェスタン」製を使ってます。

ちなみに、このスピーカーは間違っても低音域と高音域を繋ぐ付属のジャンパーを使って(低音と高音を一緒に)鳴らしてはいけません。解像度がパッとしない並みのスピーカーに成り下がってしまいます。

そして、高音域は「真空管アンプ」で鳴らすのがベストです。倍音成分の響きが「TRアンプ」とは雲泥の差ですからね。

で、このところ「PL100」ばかり聴いてますが、「もうこれで十分だよなあ~」と、いつも口ずさんでいます(笑)。

これら「二つ」があればもう「鬼に金棒」で
「三番手」のスピーカーなんてはたして要るのだろうか・・、疑問に思うところですが、そろそろ「断捨離」の段階にきているのでダメならダメでオークション行きにでもしようかな・・(笑)。

というわけでスピーカーの「三番手候補 探し」をやってみました。

ユニットにとっては「生死を分ける」テストになるわけですが、最初に「まな板の上の鯉」になったのは「TRIAXIOM」(グッドマン)です。

口径30cmの同軸3ウェイユニットです。「点音源」のメリットを活かしながら「周波数レンジ」と「ハーモニー」にも配慮したユニットです。経験上、オークションには10年に1度出るか出ないかぐらいの珍品でしょう。

新たな出力管「STC」で鳴らすのは初めてなので、その辺も大いに興味があります。



これに、「サブウーファー(100ヘルツ以下)」(ウェストミンスター)を加え、「075」(JBL)に超高音域を持たせています。

そして、この2日間、じっくりと聴かせてもらいました。

その結果は・・、さすがにグッドマンです。口幅ったい言い方になりますが、「音」ではなくて「音楽」を奏でてくれます。

押しつけがましいところが無くて控えめですが、何よりも琴線に触れてくる抒情性がありますね。それに噛めば噛むほど味が出てくるタイプで、まるで「いぶし銀」のような光沢を感じさせます。

グッドマン社の音の「ポリシー」となると、「品のいい英国紳士たれ」と勝手に思っていますがそれを強く感じさせてくれますよ。

それに、スピーカーの存在を忘れて、音楽の方に引きずり込む魅力があります。「島田祐子」さんの唄を聴いていると「母親の胎内で羊水に浸っている」ような暖かい感覚を覚えました。

いやあ、参りました・・、幸せだなあ~(笑)。

幸福感に包まれながら思うことに、「PL100」と比べて、どちらが「2位」とか「3位」とか・・、それぞれに持ち味があって順位付けはもう無意味な気がしてきました。これが正常な感覚なのかもしれないですね。

我が家のスピーカーに順位付けなんていっさい必要なし!

もちろん、オークションに出そうなんて滅相もないです!(笑)



クリックをお願いね → 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする