「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

相性探し

2015年11月26日 | オーディオ談義

オーディオの愉しみ方は人それぞれで、いろいろあるだろうが自分の場合、機器ごとの「相性探し」が一番の楽しみ。

現在、プリアンプ系統では真空管式が2台、トランジスタ式が1台、トランス式アッテネーターが1台、そして真空管式パワーアンプ系統では8台ある。

            

「そんなに持っててどうする?」と言われそうだが、これらを様々に組み合わせて聴いていると、1日の時間の経つのがものすごく速い(笑)。

それほどの高級品ばかりではないので機器個別の性能の限界はそれぞれにあるのだが、組み合わせ次第でダメアンプが見事に息を吹き返す場合があるのでこたえられない。

その手順を述べおくと、まずプリアンプを固定して次々にパワーアンプを入れ替える。すると自ずから次の2系統に分類される。

「あっ、これはアカン!」とたちどころに排斥される組み合わせと、「これは面白い。しばらく聴いてみよう。」と意欲を掻き立てられる組み合わせ。

後者の場合、1週間ほど聴いてからさらに2系統に絞る。「いいことはいいが、何だか胸を打つものがないなあ」とあっさり予備役へ編入組、そして「いつ聴いてもホンマにええ音やなあ!」と、感心しながらレギュラーに残ってもらう組。

このレギュラー組には更なる試練が待っている。今度は、別のプリアンプとの相性の確認、さらにはもっと
細部に立ち入って出力管やドライバー管、そして整流管との相性探し。これらに無事合格して、晴れて我が家のスターとなってもらう仕組み(笑)。

こういうことを飽きもせず年がら年中やっているが、現在のところ「AXIOM80」と組み合わせている「71Aプッシュプル・アンプ」がドンピシャリとこれに該当する。

            

9月初旬にオークションで信じられないほどの安値で落札したアンプだが、これぞまさしくお買い得品。2か月ほど前のブログにも掲載したが改めて、オークションの説明を紹介しておこう。

「自作真空管アンプ 71Appです。回路構成は27-27-トランス結合-71Appです。整流管は5Y3。インターステージトランスはUSA製。真空管もセットです。トランスは、電源 タンゴ ST-220、チョーク ノグチ 2010H出力 Peerless 16166X(新さんの製作記事に使用例あり)。シャーシはアルミ、底板は鉄板です。 

必要であれば回路図や測定結果も付けます。歪5%での出力2.3Wです。71Appとして音も出ますが、配線や流用シャーシの見た目がかなりひどいことになっているので、このまま使うのではなく、部品として考えてください。シャーシ上面にも高圧端子が露出しているので、初心者はご遠慮ください。

メーカー品ではありませんので、音や特性、外観に神経質な方はご遠慮ください。少なくとも真空管アンプに接したことのある方を希望します。動作は確認していますが、サポートを含めてノークレーム、ノーリターンでお願いします。」

随分と控え目な解説で、これを読んでおいそれと手を挙げる方も少なかろうと思うが、まさに「虎穴に入らずんば、虎児を得ず」。大当たりだった。

やや神経質な「AXIOM80」を適度にマイルドにし、ウィークポイントである腰高の音をものの見事にバランス良くしてくれる。先日の(22日)Kさん宅での試聴会のようにパワー感もぜひ欲しいところだが、「二兎を追うもの一兎を得ず」で我が家ではこれぐらいがいい塩梅だろう。

ただし、念のため出力管のST管を同じ71Aのナス管に取り換えてみた。これは以前にもトライしてみたのだが、惜しいことにハム音が微かに出てアウトだった。しかし、そのときは真空管プリの出力管は12AU7だったので、今度はE80CC(ヴァルボ)、相性が変わるかもと一縷の望みを抱いて試聴してみたところ、驚くほどの変貌ぶり。

                

ハム音はまったく出ないし、音の艶といい、柔らかさといい、品の良さといい、まったく言うことなし!やっぱりナス管はいい。

これで、我が家で予定されている「AXIOM80愛好家の集い」の12月開催はもう乗り切ったも同然(笑)。
 

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「AXIOM80」愛好家の集い~第7回~

2015年11月24日 | オーディオ談義

「隣の芝生は青い」という言葉がある。「何でも他人のものは良さそうに見える。」という意味だが、これを敷衍(ふえん)すると「ないものねだり」という言葉もある。「自分にも折角いいものがあるのに、それに気付かずやたらに他人のものを欲しがる」という意味だが、一昨日の22日(日)の試聴会の結果を簡単に括れば、この両者を合せたようなことになってしまった。

経緯を説明しよう。

「AXIOM80」愛好家三人組(Kさん、Sさん、自分)の集いも早いもので第7回目を迎えた。5月に開始して月1回のペースによる持ち回りだが、今回はKさん宅(福岡)での開催となった。

システムから出てくる音の評価は人それぞれなのであえて言及しないが、少なくとも音楽とオーディオにかける情熱にかけては人後に落ちない三人組、しかもそれぞれに異なる持ち味があって個性豊かときているので「今回はどういう音に巡り会えるんだろうか」といつも胸がワクワクする。

ちょっと気になるのが睡眠不足。ご存知のとおり音楽鑑賞には大敵の存在だが、今回は前夜の就寝前に入念にストレッチをしたところ、珍しくぶっ続けに7時間眠れてハッピー。これで万全の態勢で臨めると大張り切り(笑)。

お天気の方も晩秋にふさわしく暑すぎず、寒すぎず、遠出にはもってこいの日だった。

「スピードを出さないようにね。危ないからあまり暗くならないうちに帰るのよ!」と誰かさんの言葉をウン、ウンと軽く受け流して、丁度9時に出発。

3連休の真ん中にもかかわらず閑散とした高速道をひた走り、順調に10時20分ごろにKさん宅に到着。距離にして120km、かかった時間は80分、一般道に費やした時間を差し引くとおよそ時速〇〇〇kmで高速道を走破した計算になる。年甲斐もなくかなりの飛ばし屋である(笑)。

この3人組の共通点となると、オーディオ歴が40年前後、SPユニット「AXIOM80」の愛好者であり、使っているアンプはすべて真空管アンプということになるが、ここで改めて今回のホスト役に当たるKさんのシステムを紹介しておこう。

         

使用中のレコードプレイヤーは3台。こだわりは「ワンポイント・オイルダンプ・アーム」と「アイドラードライブ」にあり、カートリッジはデンオンの「DL102」(モノラル用)と「DL103」(ステレオ用)。昇圧トランスはタムラでLCRイコライザーアンプは真空管式。

特筆すべきはパワーアンプの方で真空管アンプを10台以上と数えきれないくらい沢山お持ち!

71A真空管のシングルとプッシュプル各1台、45シングル、50シングル、2A3シングル、KT77シングル、VT25Aシングル、VT52シングル、WE349Aシングルとプッシュプルなど枚挙にいとまがない。

加えて名管の宝庫と言っていいくらい稀少管を多数所有しておられる。マニアなら涎が滴るレイセオンのエンボス・マーク入り真空管、2A3の一枚プレートもの(3ペア)などはほんの序の口だ(笑)。

スピーカーは前述したように「AXIOM80」とラウザーの「PM6」(角形フレーム)の2系統。

このほどCDからレコードへ方向転換されたが、これまで集めたクラシックレコードが1500枚、ジャズが500枚とあってソースに不自由はない。

本日はこの中からKさん一押しの「2A3シングル」アンプを聴かせてもらった。

今のところ「AXIOM80」との相性が一番いいとのことでもちろん一枚プレートもの。自分も2A3アンプを1台持っており、一枚プレートものが欲しいことは欲しいがちょっと高価すぎて手が出ない。通常の二枚プレートの2A3は定評のあるRCAブランドでも1ペアで2~3万円程度だが、一枚プレートものはオークションでも15万円前後するので別格扱いである。

真空管「2A3」の発祥の地はアメリカだが、当時の名管「PX4」(イギリス)やウェスタンの「300A」(アメリカ)と堂々と渡り合い、むしろ駆逐したほどの逸品だから音の方も段違いで、さすがはと唸らせるものがある。

まずは「新世界より」を3種類聴かせてもらった。

     

左からターリッヒ指揮のチェコフィル、ケルテス指揮のウィーンフィル、アンチェル指揮のチェコフィルの順番。

演奏を聴くのならターリッヒ指揮、音を聴くのならケルテス指揮の「スーパー・アナログ・プレス」とのことだったが、この盤からは信じられないほどのスケール感豊かな音が迸り出た。

同席したSさん(福岡)と異口同音に「いやあ、驚きました。とてもAXIOM80から出てくる音とは思えませんよ!」。

「精緻な佇まい」が売りのSPユニットなのに、こんな雄大な音を出されるとこれまでの「AXIOM80」観がすっかり変わってしまう。鳴らすのがとても難しいユニットで音の重心をいかに下げるかがポイントだが、改めて測り知れない能力を秘めていることに気付かされた。我が家もまだまだ工夫の余地がある!

Kさん曰く「AXIOM80は低音に音色があるところが好きです。」「低音に音色」とは実に言い得て妙で、この意味が分かる人はオーディオに随分と四苦八苦された方であることは間違いなし(笑)。

ちなみに、このケルテス盤は往年のデッカ(イギリス)のアナログ優秀録音で、エソテリックから次々にSACD化されているシリーズの1枚にあたる。現在オークションに出品されているSACD盤の価格は10万円!

これ以外にも本日はCDをいっさい聴かず「レコード三昧」だった。

   

不思議なことにレコードの場合、ステレオ盤よりもモノラル盤の音の方の力強さに強く魅かれた。「カートリッジ部分で音を左右に分けると音のエネルギー感が失われます。」とのKさんの言葉に心から納得。周波数レンジにも似たところがあって、広げ過ぎるとやや薄味になることは否めない。

楽しくてたまらないときはあっという間に時間が過ぎる。あまり遅くなると夜の高速道がちょっぴり不安なので後ろ髪を引かれる思いで16時ごろに辞去した。

帰りもスイスイで、自宅に着いたのは丁度17時20分。しかし、「秋の日はつるべ落とし」で、もう既に暗闇状態になりつつあった。道中、スピード違反で覆面パトに捕まった車を尻目に「おいおい、追い越すときは運転席と助手席に男が乗ってるかどうかチラッとでも確認しろよ。」とつぶやきながら、同時に覆面パトの車種と車体の色を後日のためにチェック(笑)。

そういえば、自分が乗ってるクルマは2代前の白のゼロ・クラウンだが、以前、覆面パトに同車種が使われていたことがあり、今でも他のクルマが自分を追い越すときは“ためらいがち”になるのをはっきりと認識している。

翌日(23日)は朝から大忙し。

ケルテス指揮の同じ「新世界より」のCD盤を持っているので、我が家のシステムからKさん宅のような力強い音が出るかどうかのテストにとりかかった。

他流試合をすると、こういうところが実にいい。刺激を受けるし「井の中の蛙」にならずに済む(笑)。

プリアンプ2台とパワーアンプを3台とっかえひっかえして試聴したが、肉薄するものの残念なことに「ウェストミンスター」からでさえも、あれほどの雄大で力強い音が出ないのには少々ガッカリした。

Kさんに電話して昨日の謝辞とともに、「我が家のシステムからはああいう音は出ませんがね!」と嘆いたところ、逆にKさんからは「いえ、いえ、我が家のシステムでは〇〇さん宅(自分のこと)のSACDのように音響空間における空気感のようなものが出ませんのが残念です。」とのご返答。

あれ、あれ、どうやらお互い様のようで「隣の芝生は青い」「ないものねだり」かもねえ(笑)~。
 


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脳は「ハイレゾ音源」で快感に包まれる

2015年11月22日 | オーディオ談義

常日頃、情報提供をしてくれるオーディオ仲間のMさん(奈良県)から耳よりのニュースが飛び込んできたのでご紹介しよう。本題に入る前に、前置きとして「ハイレゾ音源とは?」を確認しておくと、

CDスペック(44.1kHz/16bit)を上回る高音質オーディオのことを指し、空気感や臨場感、ニュアンス、音の厚みといった感覚的な部分の再現性に優れており、CDでは聴くことのできない音楽の楽しみを感じることが可能。

ちなみにハイレゾ音源の音域は4Hz~80,000Hzとされ、人の可聴帯域(耳で聴こえる音の範囲)である20~20,000Hzを大きく上回る。そのためこれまでハイレゾ音源は人の耳では聴きとりきれず、スピーカーを使って身体全体で聴くことで、音の良さ、快さを感じられるとされてきた。ところが・・・。

以下、本題へ。

株式会社電通サイエンスジャム(東京都港区)は、鼓膜では聞き取れないとされる高周波を含む“ハイレゾ音源”をヘッドホンで聴いた場合、「(圧縮音源に比べて)脳が快感を感じる」という実験結果を、国立大学法人長岡技術科学大学(新潟県長岡市)と共同でまとめた。

<ハイレゾで脳は快感を約1.2倍、安心感を約3倍強く感じ、さらに不快感を約4割、不安感を約3割減少させる>

今回実施したのは、長岡技術科学大学の中川匡弘教授と電通サイエンスジャムによる「ハイレゾ音源と従来の圧縮音源それぞれを聴いたときの“脳活動の変化”を明らかにし、誘発される感性を計測する」共同研究である。

ソニーマーケティング株式会社から実験機材をご提供してもらい、厳格な条件のもとに音源の聴き比べを行ったところ、「ハイレゾ音源は従来の圧縮音源と比較して、脳に強い快感及び安心感を与え、不快及び不安を減少させる」という、大変興味深い結論が導きだされた。

この共同研究では、10 名の性、年代など様々な音楽好きの被験者を集め、どちらの音を聴いているのか伝えない状態で「ハイレゾ音源」「CD レベルの圧縮音源」それぞれをヘッドホンで聴いてもらい、脳で感じる「快感」「不快感」「安心感」「不安感」などの感性変化の度合いを測定した。

その結果、CD レベルの圧縮音源を聴いたときと比較して、ハイレゾ音源を聴いたときの方が、脳は「快感」を約1.2 倍、「安心感」を約3 倍強く感じ、さらに「不快感」を約4 割、「不安感」を約3 割減少させる、ということが明らかとなった。

つまり、ハイレゾ音源は耳だけでなく、脳でしっかりと感じ取っている、心に届いていることが判明し、かつ同じ音楽を聴く場合であっても、「気持ちいい、心地よい」などのポジティブな感情をハイレゾ音源の方が“本能的に強く感じてしまう”ということが判明した。

最近、音楽の世界でよく耳にする“ハイレゾ音源”だが、その臨場感あふれる音は既に数年前から音楽コアファンの心を掴んできた。

それがこの半年でハイレゾ音源対応の楽曲数は前年の2 倍に、また昨年ソニーから発売されたハイレゾ音源に対応したウォークマン®「ZX1」は7 万円を超える価格にも関わらず予約が殺到し品切れになる等、一般の人々からの需要も高まり、音楽市場を活性化させる技術として期待が高まっている。

このような盛り上がりをみせるハイレゾ音源だが、実は人間の耳の可聴帯域を越える周波数も含む音源でもある。そのため、「人はハイレゾ音源と従来の音源を聴き比べても、その良さや違いを明確に認識できないのではないか」という声もあった。

しかし聴取の感想として「確かに音が良い」と感じる人も多く存在していることも事実であり、このハイレゾ音源が求められる要因は、単なるブームなのか、「それ以上の何か」が秘められているのかが、ハイレゾ音源の人気を語る上で注目の論点となっていた。

今回の共同研究の結果は、その「何か」に対するひとつの解答になったのではないだろうか。今後も注目を集めるであろう、このハイレゾ音源は、人の抗えない本能を刺激するものであることから、さらに人気を集め、求められ、音楽の新たな豊かさ、その価値を提供してくれるのかもしれない。

今回の研究では、普段から音楽に親しみのある20~40 代男女10 名を被験者として設定し、ソニーマーケティング株式会社よりご提供いただいたハイレゾ音源対応ウォークマン®、ハイレゾ音源には未対応のウォークマン®、ハイレゾ音源対応ヘッドホンを使用。

それぞれの再生機(ウォークマン®)に同じ楽曲のハイレゾ音源とCD レベルの圧縮音源を入れて、どちらの音源を聴いているかわからない状態で音源を聴いた際の脳活動の変化を測定し、誘発される感性(快・不快・安心・不安)を測定した。

その結果、圧縮音源と比べてハイレゾ音源の方が、平均して「快」の感性を23.0%増加(1.23 倍)させ、「安心」の感性を194.6%増加(=2.946 倍)させることがわかった。

一方、「快」と相反する感性「不快」を42.2%減少(約4 割減少)させ、「安心」と相反する感性「不安」を29.2%減少(約3 割減少)させることも明らかとなり、総じて、「ハイレゾ音源は従来の圧縮音源と比較して、ヘッドホンで聴いた場合であっても脳に強い快感及び安心感を与え、不快及び不安を減少させる」ということが研究結果として結論づけられた。

近年の研究では、ハイレゾ音源の“耳では聞こえていないはず”の超高周波音は、スピーカーによる「全身(聴覚と身体)での聴取」で、脳に快さを与えるとされてきた。つまり、ヘッドホンによる「聴覚だけでの聴取」では効果がうすい、とされてきたのだ。

しかし今回の研究では、ハイレゾ対応のヘッドホンを使って脳活動を調べる、という手法を取った。そしてその結果、通常の圧縮音源と比較してほとんどの被験者で「脳が快さを示す」という反応がみられ、また同時に、ハイレゾ音源の方が「不快と不安を減少させる」という傾向も見て取れた。

これはつまり、「“耳では聞こえていないはず”のハイレゾ音源を耳だけで聴取しても、脳はポジティブな反応を示す」という従来の定説を覆すほどの結論であり、脳機能・感性の研究者として、久々に身震いするほどの驚きの研究結果となった。

とまあ、以上のような内容だった。

これまで、巷間囁かれてきたことだったが、改めて実証実験でハイレゾの優位性が確認されたというわけ。自分もつい最近になってSACDを導入してこれを実体験したので素直に頷ける。このところ、大量のCDが二束三文のお値段でオークションに出品されているのも分かるような気がする。

ちなみに、SACDの高域方向への可聴帯域は公称10万Hzとなっており、レコードだって低域はともかく高域はそれくらい伸びているだろうから立派なハイレゾ音源だと思っている。

「音楽」の芸術的快感と「音」の物理的快感、この両者が相俟って音楽から受ける感動はさらに倍加する。少なくとも音楽を十全に鑑賞しようと思えばオーディオ・スピリットは不可欠だと思っている。

現状のCDの音にけっして満足することなく、レコード、SACD、PCオーデイオと手を広げればきっと幸福度が満開となることだろう。

エッ、「要らん世話」ですって!

そうかもねえ(笑)。
 


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釣り紀行~深まる秋~

2015年11月21日 | 釣り紀行

前回(11月6日)の釣りでは4時間ほどで70匹を越え、我が釣り人生の中でも指折りの釣果だった。ただし、いいことと悪いことは裏表の関係にある。使い過ぎたせいか竿を握る方の利き腕となる右腕の筋を痛めてしまい、しばらく「釣り」は中止~。

歳は取りたくないものだねえ(笑)。

2週間ほど経ってようやく回復したので、昨日(20日)に釣行の運びとなった。潮は長潮であまり良くないし、秋も深まり段々と海水温が下がっているので前回ほどの釣果は望むべくもないが、まあそこそこは釣れるだろうとの淡い期待のもとに、お目当ての釣り座を確保するために早朝の6時半に出発。

     

静寂そのものの美しい水をたたえた海に向かって無心に竿を振っていると、大自然と対話している気持ちがしてきていつも心が洗われる思いがする。釣果なんて副産物だと考えたいところだが、こういう余裕は始めだけでまったく釣れないと気持ちが次第に荒んでくるから人間は哀れなもの。

1時間ほど後から来たイカ狙いの釣り師がそうだった。「やあ、釣れますか」と気軽に声を交わし合い、感じのいい若者だと気を許していたところ、離れた場所で3時間ほど釣っていたが、まったく釣れずにとうとうしびれを切らしたのか、「ちょっと、いいですか」と、問答無用とばかりズケズケと我が釣り座に割り込んできた。いくら釣れないといっても限度があるだろう!

邪魔になって仕方がない。はじめに甘い顔をするとこれなんだから~。大自然に比べると、ほんとうに人間相手は難しい(笑)。

タイミングよくと言うべきか、まったく釣れなくなったので10時半ごろに潔く納竿。傷めた右腕も気になるし、まあ、丁度いい潮時か。

帰宅して例によってご開帳。

              

「物差し」として左上に長さ11センチの携帯を置いている。全部で24匹、うち足の裏サイズが10匹ほどと型がだんだん良くなってきている。食味の方も秋の深まりに応じて向上しているようで、調理した家内によると脂の乗り方が2週間前と比較してまったく違うそう。たしかに刺身もお吸い物も美味かった。

「良し、それなら」と22日(日)に開催するオーディオ仲間との試聴会(福岡)にお土産として持参することにした(笑)。

最後に、前回の釣りでなぜ右腕を傷めたのかと冷静に反省したところ、思い当たるのが竿の“しなり具合”。弾力性とでもいうべきか。

この竿の“しなり具合”によって、かかった魚を海中から引っ張り上げる時の手間がまったく違う。釣り針にかかると必死で海中の奥深く逃げ込もうとする魚だが、弾力性のある竿だと有無をいわさず一気に引っ張り上げられるのだから凄く楽ちんである。

そういうわけで今回はとても大切にしている我が家のエース(愛竿)
をようやく登場させた。

          

釣竿に関しては他の追随を許さない老舗「がまかつ」の銘竿「がま磯 プレシード:0.8号、長さ6.3メートル」。お値段のことを持ち出すのは無粋だが、ちょっとした高級真空管アンプが買えまっせえ~(笑)。

さすがに「がま磯」だけあって、凄く楽ちんで竿のしなり具合を十分堪能させてもらった。右腕もまったく異常なし。「よし、これからはこの竿で行こう」と決意を新たにしたが、ふと、竿というのは手持ちの真空管と似たような存在であることに気付いた。

沢山持っている竿だが、お値段から性能までピンからキリまである。同様に沢山持っている真空管もピンからキリ。日頃は勿体ない思いで、お値段の安い真空管からなるべく使うようにしているが、「な~に、限りある命だ、高価な真空管から先に使おうかなあ」(笑)。
 


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とても面白い「下町ロケット」

2015年11月19日 | 独り言

テレビ番組の「下町ロケット」(TBS系)がとても面白い。去る15日(日)の放映が第5回目だったが、無事ロケットが打ち上がってめでたく大団円。6回目からは「医療関係」の話に移るようで、これもまた愉しみ。

この「下町ロケット」の原作だが、このブログでもおよそ4年前に「濫読」(2011.1.23)と題して取り上げている。「先見の明」を誇るわけではないが(笑)、折角なので再掲させてもらおう。以下のとおり。

「ここ10日間ほど入退院をはさんで生活環境が激変。こういうときに「何時でも」「どこでも」「手軽に」対応できる趣味は何といっても「読書」に尽きる。

この機会にと図書館から借りてきて、そのままにしておいた本を読み漁った。ザッと挙げてみると次のとおり。

 「下町ロケット」(新刊:池井戸 潤)  「再会」(横関 大)  「訣別の森」(末浦 広海)  「ミステリーの書き方〔新刊)」  「エッジ(上下巻)」(鈴木 光司)  「ポーツマスの贋作」〔新刊:井上 尚登)  「闇の底」(薬丸 岳)  「島田 荘司全集Ⅲ」  「民宿雪国」(新刊:樋口 毅宏)

やっぱりというかミステリー系が多い中で一番面白かったのは「下町ロケット」。

            

本書のあらすじだが「宇宙科学開発機構」に勤める主人公の「佃 航平」はロケット開発の優秀な技術者だったが、打ち上げの失敗とともに責任を負って退職する羽目となり、父親の後を継いで今では”しがない”下町の工場経営者に転身。

それでもロケット打ち上げの思いは断ちがたく地道に研究を続けて、技術開発の生命線ともいえる「バルブ」の特許を取得。その特許をめぐって大手メーカーと競合しながらあの手この手で宇宙ロケットの夢の実現にまい進していくというスト-リー。

とにかく中小企業と大企業と取引銀行との虚虚実実の駆け引きが面白く、最後は中小企業が勝つというのが痛快で、読後感がことのほか爽やかで心地よい。

著者の「池井戸 潤」氏は慶応大を卒業後、大手銀行に就職するも途中から作家に転身という経歴を持つ。

平成10年に、銀行の内幕を描いた「果つる底なき」〔この作品もとても面白い!)で「江戸川乱歩賞」を受賞している。この賞は「賞金1千万円」の魅力とともに推理作家の登竜門として有名。
過去にも井沢元彦、高橋克彦、東野圭吾といった錚々たる作家たちを輩出している。

池井戸氏はたしか一昨年だったと思うが「直木賞」受賞の最短距離に恵まれたが直前になって選考委員の一人「渡辺淳一」氏が「この作品に賞を与えるなら自分は選考委員を辞退する」と猛反対したため受賞ができなかったというたいへんお気の毒な経緯がある。

実力がある作家なのでそのうち必ず陽の目をみることだろう。」

まあ、以上のとおりだったが見事に我が予想が当った。池井戸氏は後になって、この「下町ロケット」で「直木賞」を受賞されたのはまだ記憶に新しいところ。

そのときは選考委員ではなかった渡辺淳一氏(故人:「失楽園」の著者)が当時なぜ猛烈に反対したのか定かではないが、例によってご当人お得意の過激な描写が池井戸さんの作品には皆無だったことに物足りなさを感じたのかな?(笑)

池井戸さんの作品には絶対といっていいほど男女の絡みのシーンが無いのが特徴で、いい悪いは別にして読後感がいつも健康的で明るくスッキリ爽やかである。

同じ池井戸さんの作品で「半沢直樹シリーズ」も昨年テレビ化され、「やられたらやり返す、倍返しだ!」のフレーズとともに大人気を博したが、そのときの裏方さんたちが今回の「下町ロケット」も手掛けたそうで、たしかに共通点がある。

一番に気付くのはドラマの中の山場のシーンに物凄い効果音が入っていることで、スピーカー(ウェストミンスター)から「ドド~ン」という低音が迸り出るのがとても心地いい。

つい最近のブログで「低音も高音もそこそこ出ていればヨロシ。ポイントは録音現場のプレゼンスで、それが再現できていればいい」と、記載していたところ、このブログの読者の方(千葉県のMさん)から「我が意を得たり」とご賛同のメールをいただき、大変心強い思いをしたところだが、無欲の勝利とでも言うべきか、こういう心境になった途端に凄い低音が出るのだから我がオーディオ人生は何ともはや「パラドックス」に彩られていると言うべきか(笑)。

なぜ、我が家のシステムからこういう低音が出だしたのか、実は思い当たることが一つある。これを書くと長くなるのでいずれ稿を改めて記載することにしよう。


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人気が出てきた真空管アンプ

2015年11月17日 | オーディオ談義

一昨日の日曜日(15日)に朝刊(地元紙)をめくっていたら、一面いっぱいの広告が目に飛び込んできた。

                   

フ~ン、どうやら真空管アンプの良さが見直されてきたようだ。そうじゃないとこれほどの大々的な広告はしないはず。

「なぜ今、真空管アンプなのか?」の小見出しでは、「真空管アンプは高音の澄み切った音を表現することに適している、音量を大きくしてもキンキンした感じにならず柔らかい音になる、長時間聴いても疲れない」などが羅列してあった。

これでも昔は一時期トランジスタアンプをせっせと買い替えて使っていたことがあるので、両者の酸いも甘いも噛み分けてきた積もりだが、どうやらこれらの表現は概ね当たっていそうに思う。


お値段はと見ると、一括払いのときでおよそ10万円。お買い得かどうかは購入した人の判断次第なので他人がとやかく言う資格はないが、「10万円の範囲内で、もし、お前だったらどうする?」と問われたら、次のように配分する。ちなみに、すべてオークションを利用することが前提。

SACD・CDプレイヤーに4万円、ボリューム付きの真空管アンプに2万円、SPユニット(ペア)に2万5千円、エンクロージャー(ペア)に1万5千円。

まず、音の入り口に一番カネをかける。それから2万円も出したらそこそこの真空管アンプが手に入る。SPユニットは三菱のP610A(口径16センチ)やフィリップス(口径20センチ)で十分お釣りがくる。このユニットはメチャいい音が出まっせえ!(笑)。そして、そのうち音に変化を求めたくなったらアンプを買い替えるといい。ま、こんなとこかな。

さて、なぜ音の入り口に一番カネをかけるのかと、疑問に思う方もいるかと思うが、某老舗の真空管アンプメーカーのネットに「正しい音とは」に関して次のような記述があった。

「マニアの皆様方は、日々、音質改善に努めている事と思います。パーツ、機器等を取り換えて音が変わること、変わったことで、満足を得ていると思います。しかし、音が変わっても本当に良い方向に変わったのか、自信を持った判断が出来なく迷った上、再度パーツ、機器を取り換えることが多くありませんか? 

又、機器、アクセサリーを取換えた際に、逆に音が悪くなったと判断したときに注意しなければならない事は、心理的に、取換えたものは、いわゆる侵略者で悪い物とされます。しかし、取換えた物に癖(癖は歪です。)がなかったら、他の機器、アクセサリーの癖が目立ち、取換えた機器が悪いと間違った判断をしてしまいます。

この失敗を防ぐ為には、音の入り口より手掛ける事で、反対に出口より手掛けると、前段の機器の癖が目立ち、音が悪くなった様に感じる事があります。極端な事を言えば、悪いソフトは良い音で鳴らないということです。」

ちょっと回りくどい表現なので、端的に言うと「音の入り口がお粗末だと後段のアンプやスピーカーにどんなにいい物を使ってもその良さが発揮できない」というわけ。

「音の入り口にはどれだけお金をかけても“かけ過ぎ”ということはない」というのが、これまでの長~いオーディオ経験で得た数少ない哲学のひとつである。

つい最近も、新たなDAコンバーターの導入によって息を吹き返したオーディオ機器があって、それはプリアンプの「PAM5」(クレル)と「真空管2A3(刻印入り)シングルアンプ」だが、紙数が足りないので後日紹介することにしよう。

ちなみに、このメーカーが言う、「原音=正しい音」を再生装置で出す場合には次のようになるそうだ。

「音量を大きくしてもうるさくありません。会話が楽に出来ます。音は前に出ず、左右後方に広がり余韻が綺麗です。
音像定位は平面的でなく、左右後方に定位します。スピーカーの存在感はなく、スピーカーの近くでも、離れても音質、音圧の変化を感じさせないで良く聞き取れます。」

ジャズ好きの方にはどうかと思うが、クラシックファンにはいちいち思い当たることが多いと思う。

冒頭の真空管アンプの話から発展して、ややとりとめのない話になってしまった。

最後に、オーディオマニアにもいろんなタイプがあって、自ずから力点の置き方によって「前段機器派」、「アンプ派」、「スピーカー派」に色分けされるようだ。

前段機器派を細分すると「レコード」「SACD」「PCオーディオ」となり、アンプ派となると「真空管」と「トランジスタ」に区分され、スピーカー派では「フルレンジ指向」と「3ウェイ指向」などに分かれる。

まさに百花繚乱、この中からいろいろと選択して組み合わせながら自分の個性を発揮しようというのだから、改めてオーディオはたいへん。

釣りをやるとボケないというが、オーディオも是非そうであって欲しい~(笑)。


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オペラ「魔笛」は最良のテスト盤

2015年11月13日 | オーディオ談義

大好きなオペラ「魔笛」(モーツァルト)に関して、新たな情報提供が二つあったので忘れないうちにメモしておこう。

☆ ショルティ指揮の魔笛(デッカ:1969年10月録音)

先日のブログでアナログ時代のデッカ・レーベル(イギリス)の録音があまりにも優秀なため、それらの原盤が次々にSACD化されていることを述べたが、その最たるものがショルティが指揮した「魔笛」(CD3枚組)。

当初のCD盤とSACD盤との試聴比較を記載していたところ、オーディオ仲間のMさん(奈良県)から次のCDを試聴してみてくださいと送付されてきたのが同じくショルティ指揮の「魔笛」。

ちなみにMさんはバッハ通で「マタイ受難曲」という大物が大好きな方だが、同時に「魔笛」を愛されるという稀有な方である。

さて、送付されてきたCDについて「どこがどう違うの?」というわけだが、明確な差異があった。

     

上段の左が普通のCD(以下「A」)、右側が今回Mさんから送付していただいたCD(リマスター版、96KZ、24-bit、以下「B」)、そして下段がSACD(以下、「C」)の3種類。

3セットとも演奏はまったく一緒だがそれぞれデジタル処理方式が違っているので、これらを“音質的に”聴き比べて欲しいとのご要望である。

昨日(12日)の午前中、これら3セットをみっちり試聴させてもらった。これほどの名曲を前にして、デジタル処理による音の差なんて音楽から受ける感動に比べるとまったく取るに足らぬ話だが、オーディオマニアだと自称する以上、降りかかる火の粉は払わねばなるまい(笑)。

さて、このところSACDを導入したことで音の良し悪しの判断基準が以前と比べてすっかり変わってしまった。

低音も高音もそこそこ出ていればヨロシ。ポイントは両脇のスピーカーから醸し出される音響空間の大きさや、雰囲気の実在感、そして歌手や楽器の前後の位置関係がきちんと分かるかどうかにある。

そういう点からすると「魔笛」は舞台上の音響空間の佇まいや演じる歌手たちの位置などがとても分かりやすくてテスト盤にはもってこいである。

たとえば第二幕に当たるCDの2枚目の4トラックの4分経過した辺りで登場人物が舞台上を走りながら遠ざかって行くシーンがあるが、そのときの足音の聞こえ方が実に面白い。

シ~ンと静まりかえった空間の中で足音の反響音が、時間的に、そして距離的にどこまで明瞭に聴こえるか、はたしてそれは自然な音なのか、といったところに注目すると、CD盤の録音状態のみならずオーディオ・システム全体のあらゆる良否がモロに問われてくる。

ジャズなんかのソースでは音の勢いで誤魔化せてもオペラでのこういうSN比がモノをいうシーンではどんなテスト盤を持ってきてもとても太刀打ちできそうにない。

つい、ぐだぐだと調子に乗って言ってしまったが(笑)、試聴の結果、Cが一番良かった。歌手の声や足音の響き方などがとても自然で広大な音響空間が実に良く再現されていた。その次に良かったのがAで、残念なことに最後がB。

Bはちょっと音像のエッジが際立ち過ぎるように思った。登場人物の声もややかん高くてちょっと聴き疲れする印象を受けたが、むしろ鮮明過ぎる不自然さといった印象でリマスタリングも良し悪し、デッカレーベルあたりだと、むしろ中途半端にいじらない方がいいのかもしれない。

ただし、これは我が家のシステム環境ではという条件付き。折角、送っていただいたのにご期待に添えなくてMさん、ゴメン!

次にもうひとつ。

☆ 「魔笛」を高音質で聴く方法

これまで幾多のクラシックファンに接してきたが正直言って最強だと折り紙つきなのがY・Kさん。ご本人のクラシック評論のホームページがとても充実していて、上記のMさん(奈良県)に教えてあげたところ「凄いですね!」の一言だった。下手な音楽評論家なんぞはとても足元にも及ぶまいと思わせる(笑)。

そのY・Kさんから次のようなメールが届いた。

「またひとつお知らせしたいことがあってメールいたしました。それは「魔笛」を高音質で聴く方法です。何を聴くかというと、ブルーレイ・ディスクです。

私の手元には以下の7点があります。1.コリン・デイヴィス指揮、ロイヤルオペラ(2003) 2.リッカルド・ムーティ指揮、ウィーンフィル、ザルツブルク音楽祭(2006) 3.ローラント・ベーア指揮、ミラノ・スカラ座(2011) 4.ニコラウス・アーノンクール指揮、ウィーン・コンツェルトゥス・ムジクス、ザルツブルク音楽祭(2012) 5.サイモン・ラトル指揮、ベルリンフィル、バーデン・バーデン復活音楽祭(2013) 6.パトリック・サマーズ指揮、ウィーン響、ブレゲンツ音楽祭(2013) 7.マルク・アルブレヒト指揮、ネーデルランド室内管、ネーデルランド・オペラ(2014)

これらの7点とも、PCM音声のフォーマットは48kHz/24bit PCM、つまりハイレゾです。なので、CDよりも遥かに高音質なのです。

これを聴く方法ですが,同軸デジタル出力を備えたブルーレイ・プレーヤーで再生します。1~3万円程度で購入できます。この場合に注意すべきことは、同軸デジタル出力から48kHz/24bit PCMが出力できることです。

ブルーレイ・プレーヤーの同軸出力は仕様上の制限で,48kHz/24bitPCMよりも上位のフォーマット、例えば96kHz/24bitを再生したときには48kHz/24bit PCMにダウンコンバートされて出力されてしまうのですが、今回の「魔笛」の場合は幸いにもジャストフィットでダウンコンバートが生じません。

ブルーレイ・プレーヤーで再生する際には、DTSサラウンドではなくPCMを再生し、同軸出力から,エルガーの同軸デジタル入力に接続して聴くだけです。

「魔笛」に関して私が〇〇さまに申し上げられることもあまりありませんが、この7点のうち比較的音質が良いのムーティ、アーノンクール、アルブレヒトでしょうか。

特に,ハイレゾで聴くアーノンクール指揮のウィーン・コンツェルトゥス・ムジクスのオーケストラサウンドは、涙が出るほど素晴らしく、序曲を聴くだけでゾクゾクします。

また、ラトル指揮のものは2013年5月27日(月)【26日(日)深夜】午前0時20分~午前4時40分にプレミアムシアターでも放映されていますが、これもハイレゾで聴くと別次元です。パパゲーノの笛がピアニカなのには驚きましたが、最近の「魔笛」はとんでもない演出が多い中にあって、演出も歌手も含めてあまり違和感がありませんでした。

ブルーレイの再生について補足すると、ブルーレイ・ディスクに96kHz/24bit PCMといった音声が入っている場合、これをフルスペックで再生する方法はHDMI出力からDACに接続するしかないのですが、これに対応しているDACはLINNの製品がある程度で、全く普及していません。実際には、高級なブルーレイ・プレーヤーのアナログ出力で聴くことの方が多いのですが、それでも今回ご紹介する「安価なブルーレイ・プレーヤーの同軸出力+エルガー」の音質には及ばないと思われます。」

成る程、そういう手がありましたか!

ブルーレイレコーダーなら比較的安価に手に入るし、同軸端子や光端子があったら、「エルガー プラス」に繋いで本格的な再生ができる。それにUSB入力が備わっていれば言うことなし!ディスクの方も4000円程度なのでビンボー人にはちょっと痛いがオークションを節約すれば何とかいけそう。

ひとつ真剣に検討してみっかな(笑)。
 


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オーディオ二題

2015年11月11日 | オーディオ談義

オーディオ関連で、このところ2点ほど気付いたことがあったので忘れないようにメモしておこう。まずは、

☆ インターステージトランスの効用

         

今から90年前というと気の遠くなるような年数だが、1920年代に製造された71A真空管は出力は1ワットにも満たないものの、音の素直さに非常に見るべきものがあって日頃から愛用している。

左側のアンプが最初に購入した「71Aシングルアンプ」で、キット価格では178千円の定価のところをオークションで半値ほどで購入した。初めての71Aアンプだったが、大いに気に入ったのでいつものように予備が欲しくなりまたまたオークションで同じタイプのアンプがあったので落札。仮に前者をAタイプ、後者をBタイプとしておこう。

ところが、Bタイプが1年もしないうちに故障したのでやむなく馴染みのGさんに修理を依頼。その際、Aタイプと同じでは面白くないのでいろいろと変更してもらうことにした。

まず信号回路の途中でコンデンサーを使うかわりに、名門「UTC」のインターシテージトランスを挿入してもらい、同時にドライバー管を「6SN7GT」(アメリカ)から「MHL4」(イギリス)に変更。これをB2タイプとしよう。

日頃はB2タイプを愛用しているのだが、1週間ほど前に久しぶりにAタイプを引っ張り出してテレビの音を聴いてみたところ、伸び伸びとした音で明らかにトランスを挿入していないことによる「おおらかさ」があるように感じられた。これに比べるとB2タイプは例えて言えば枠の中に閉じ込められた中で管理されているような音の印象を受ける。

「インターステージトランス」を挿入するのも良し悪しかなあと、半信半疑ながら今度は本格的にSACDを聴いてみたところ、Aタイプはたちどころに馬脚を露わした。音の元気はいいものの、奥行き感、たとえば歌手の声や楽器の前後の位置関係がまるで平面的に聴こえる。

比較して初めて分かるレベルだが「こりゃ、アカン」(笑)。

インターステージトランスの効用を改めて見直したが、ただし、これは我が家だけのシステム環境における現象かもしれない。この世にアンプの達人は数知れず、門外漢が口を挟むのは現象面だけに留めておくことにしよう。

☆ 真空管「E180CC」

先日、何気なく真空管のオークションを覗いていたら「E180CC」が出品されていた。たしか、我が家にもあるはずだがと探してみたらフィリップス製(1ペア)とフランス製の「7062」(3ペア)が出てきた。

特性を調べるために、「E180CC」でググってみると、なんと、我がブログ(21014.12.20付け)の記事が先頭に出ていた。実力の割には随分出世したものだ(笑)。

以下、その記事をかいつまんで紹介してみると、

E180CC PHILIPS MINIWATT 2本組 真空管(落札日:2014.12.7)

             

たまたまオークションで見かけた「E180CC」という真空管。

「オランダ フィリップス」ブランドに大いに魅かれるものがあったので、真空管の薀蓄(うんちく)にかけてはおそらく右に出る人はいないKさん(福岡)とGさん(福岡)に訊ねてみた。

「オランダ フィリップスのE180CCという真空管がオークションに出品されてますが、使ったことがありますか?」

お二方とも口を揃えて「いいえ~、これまで使ったことがありません。E80CCなら名管として知ってますが。」

さっそくネットで調べてみるとE180CCは「μ(ミュー)=46」だった。μとはその真空管の持つ特性のうちでも非常に大切な「増幅率」のことである。

たとえば、
「電圧増幅管」として代表的なものは「12AX7」「12AU7」といったところだが、そのμを例示してみると次のとおり。

12AX7(μ=100)、12AT7(60) 12AZ7(60) 12AY7(44) 12AV7(41) 12AU7(17) 12BH7(16.5)といったところで、最も汎用されている「12AU7」のμはかなり低い。

これらの真空管を思い切ってほかの真空管に差し換えることで音質が随分良くなることがあるのでこのところズッポリ嵌っている。一番重宝しているのが「E80CC」(μ=28)で我が家のアンプに使っている「12AU7」はすべて差し換えている。ただし、我が家のシステム環境ではという条件付きなので他家では当然ハズレもあるだろう。その辺は保証の限りではない(笑)。

ちなみに、この真空管の「増幅率」(μ)の違いによりアンプの音色が激変する。しかも出力管と違ってミニチュア管なので価格の方も比較的安価に済むので非常にありがたい。

とはいえ、真空管の基本特性の諸元はいろいろあって、単なる「μ」だけで使用判断するのは危険なのは分かっている。

「差し換えてノイズさえ出なければ良し」という具合だから随分荒っぽい話ではある。出力管も含めて他の部品に与える影響を無視しているのだから専門家の観点からはきっとタブーに違いない。ま「虎穴に入らずんば虎児を得ず」というところで許してもらおう。
 

さて、話は戻って「E180CC」だが、「μ=46」という値はそれほど大きくもなく小さくもなく随分使いやすそうである。まあ、「冒険してみるか」というわけで落札。入札は我が1件だけだった。誰にとってもあまり馴染みのない未知の球なのだろう。

すぐに丁寧に梱包されたE180CCが我が家に到着した。ピンの根元辺りをじっくり拝見したが、あまり変色しておらず中古には違いないが程度は良さそうである。以下、~省略~

まあ、こういった調子。

さっそく昨日(10日)、その「180CC」をプリアンプに使ってみた。

         

このほど、終段にマッチングトランス(UTC)を挿入してもらって、飛躍的に音が良くなったプリアンプだが、これまで挿し込んでいた「E80CC」(ヴァルボ)を外して、「E180CC」を挿し込んだ。

好き好きかなあ~。音の密度では「E80CC」に軍配が上がり、周波数レンジの広さでは「E180CC」の方が上。むしろ、出力管71Aアンプの非力なパワーをカバーするうえでは、増幅率が高い「E180CC」の方が適しているのかもしれない。

いずれにしても、「E80CC」の代役が充分勤まることが分かってひと安心。無駄な買い物ではなかった(笑)。
 


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釣り紀行~またまた大漁だ!~

2015年11月08日 | 釣り紀行

1週間前の金曜日(10月30日)に釣りに行ったばかりなので、その気はまったくなかったのだが急に娘が帰省するというものだから「新鮮な魚を食べさせてやりたい」という親心で、急遽11月6日(金)の釣行となった。

もはや5回目となり釣り場のクセを完全に呑み込んだので、釣果ゼロは絶対ありえないと自信満々で出発。潮の具合をみたうえで干潮時の11時からスタートすることにした。

    

この潮汐表をご覧になったらお分かりのとおり、24時間のうち二つの山があったら大きい山の方の上り下りの時間帯が狙い目。「グレ(メジナ)は汐を釣れ」という名言がある。

唯一の心配は時間が誰もが活動するお昼時なので釣り場に先客が居るかどうかということだけだったが、誰もいなくてホット一息。

今回は前回の時の反省を込めて、最初から竿を2本用意した。ウキ下1m前後の仕掛け(Aタイプ)と、3m前後の仕掛け(Bタイプ)の2系統。

オーディオに限らず、いつも予備が必要な男ではある(笑)。          

まずはAタイプの出番で始めから前回と同様に入れ食い状態となった。しかもサイズが一段と大きくなっている。寒の時期に備えて体力をつけておこうと魚が荒食いしているのだろう。2時間ほど釣れまくったが、さすがに魚もさるもので仕掛けのクセを見破ったようで以後、パタリと食いが止まる。

そこで、釣り糸に付けたガン玉(おもり)を外したり、位置をずらしたり、そしていよいよBタイプの出番。大きめのサイズの魚は警戒して深みに潜り込むのでそれが狙い。すると立て続けに足の裏サイズが3匹ほどきて、狙いが見事に当たった。

こうして、あの手この手で変化をつけてやるとまた喰いだす。釣りというのは人間と魚との化かし合いの繰り返しである。

「強いものが生き残るとは限らない、賢いものが生き残るとは限らない、ただ変化するものだけが生き残る」(ダーウィン:進化論)を、文字どおり地でいっている(笑)。

納竿は15時20分だったので、結局4時間ほどの釣行となった。前回が6時間だったので段々と効率が良くなっている。

帰宅してから例によって御開帳。一番左上にサイズの目安として長さ11センチの携帯(白色)を置いている。

          

足の裏サイズが15匹前後、写真に写っていない魚を入れると70匹前後となり、サイズも数もこれまでで一番の大漁となった。結局3~4分に1匹釣れた勘定でかなりのハイペース。

いつものように、ご近所や家内の友人たちに配ったが、約束していたオーディオ仲間(福岡)にも、クール宅急便で送付しようと、娘の迎えの到着時間(20時35分)に合わせてクロネコさんに立ち寄ったところ、惜しいことに受付締切時刻が18時50分までとなっていてアウト。てっきり24時間営業と思っていたので残念。改めて翌朝(7日)になって送付した。

夕餉に刺身と焼き魚にして食べたが、9月頃に比べると随分脂が乗ってきて美味だった。「やっぱり帰ってきてよかった。」と、娘が破顔一笑。

クロ(メジナ)の旬は「寒グロ」といって海藻類が主食となる冬の時期が一番おいしいとされているが、残念なことにこれから段々と深場に移ってしまうので釣るのが難しくなる。

せいぜい今の時期に精を出すことが肝心。

家内から「ブログなんて一文の得にもならない」と、いつも揶揄されてきたが、このところの実益のせいか実にご機嫌がいい。

ようやく、我が輩の面目躍如といったところで、いっそのこと漁師に転向しようかなあ(笑)。


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お客さんラッシュ

2015年11月06日 | オーディオ談義

どうやら、いいことにしても悪いことにしても連続して発生するのがこの世の倣いのようだ。

10月に入ってからおよそ1か月近く、オーディオ仲間との交流が途絶えていたのに、31日(土)の福岡での「試聴会」を皮切りに、このところお客さんラッシュが続いている。

1日(日)はクルマで10分ほどの近所にお住いのYさんがお見えになり、4日(水)は福岡からGさんが、そして昨日(5日)は同じく福岡からKさんと、3人のお客さんが次々にご来訪。

オーディオマニアにもいろんなタイプがあって、絶対自分の感覚が正しいという「自信派」からなるべく人の意見に素直に耳を傾ける「謙虚派」までさまざまである。それぞれにメリットがあり、どちらがいいとも悪いともいえないが、自分は後者に属しており、お客さんが見えるたびに勉強させてもらおうという心積もりでいるのでお客さん大歓迎(笑)。

真空管アンプが8台、スピーカーが3系統あるので、いろいろ相性を考えて組み替えながらお客さんの(試聴結果の)ご意見をお伺いすると、「なるほど、ごもっとも!」と思うことが多く、自薦、他薦のもとに自ずからスピーカーと真空管アンプの組み合わせが絞られてきた。

たとえば、

1 スピーカー「フィリップス口径30センチ・ダブルコーン」(ウェストミンスターの箱入り)に相性のいいアンプは2台あって、一つは「WE300Bシングルアンプ」(モノ×2台)と、残る一つは「PP5/400シングルアンプ」

スピーカーの箱が大きいので、容積内の空気(背圧)を押し出すのにはそこそこのパワーが必要のようだ。

2 スピーカー「AXIOM80」に組み合わせるアンプは小出力の「71Aプッシュプル・アンプ」、「71Aシングル・アンプ」が良好。

と、いった具合。いずれにしろ、最近DAコンバーターの「エルガー プラス」(dCS)を導入してから、我が家の音は明らかに一皮むけたようである(笑)。

前置きはこのくらいにして、後日のため忘れないように各人との試聴結果の特徴的な事柄を記しておこう。

☆ 1日(日)のYさん

「いやあ、AXIOM80からこんな低音を聴かせてもらったのは初めてです。」と、絶賛してもらったのが「71Aプッシュプルアンプ」。いつぞやのブログに登載したとおり、オークションで手に入れたアンプだが、想像以上の出来栄えに今のところ愛情度100%(笑)。

電圧増幅管には手間もコストも安上がりで済む双極の真空管を使うのが一般的だが、このアンプは一極の「27」真空管(1920年代)をドライバー管に4本使ってあるところがミソだと秘かに睨んでいる。オークションで落札した動機もこれが主で、もう一つ、出力トランスに「ピアレス」が使ってあるということだけである。

               


それと、YさんはWE300Bのオリジナルと中国製の300Bを比較試聴され、その違いにも驚かれていた。「中国製は楽器だけを再生している感じですが、オリジナルのWEともなると全体の雰囲気まで克明に再現しますね。これほど違うのなら、どんなに高くてもWEが欲しくなる気持ちがよく分かります。」

「そうでしょう!オリジナルに優る300Bはこの世には存在しないんですから~。」(笑)

☆ 4日(水)のGさん

Gさんは真空管アンプ製作のベテランで我が家のアンプのうち半分に当たる4台の製作・改造に当たってもらった方。所要があって、湯布院にお見えになったついでに我が家(別府)まで足を延ばしてもらった。         

例によって寡黙、そして辛口で滅多にOKサインを出さないGさんだが、Yさんと同様に「AXIOM80+71Aプッシュプルアンプ」には、ご満足されたご様子でまずはひと安心。

たいへん耳のいい方で、とりわけ位相の管理にはとてもシビヤ。我が家の場合もSPコードのプラス、マイナスをいろいろ繋ぎかえて試していただいた。それこそ、我が家では半年ほど前にオールJBLのユニットで3ウェイを組んでいたのだが、位相の調整がうまくいかなくてとうとうフルレンジにした経緯がある。

位相がおかしい場合、聴いていて音像が右に左にフラフラ動く。あまりいい耳の持ち主ではない自分にはやはり調整が不要なフルレンジが向いている。

それと、Gさんは我がブログを常に読んでおられるようだが「釣の獲物が毎回すごいですね。釣果の画像を毎回同じものを使い回しているのかと、詳細に見比べたらやっぱり違うみたいですね。」

考えることは誰しも同じようで~。何といってもこのブログの取り柄といえば「リアリティとオネスティ」だけなんだから、画像の使い回しなんかすると一気に信用度がガタ落ちしそう(笑)。

☆ 5日(木)のKさん

昨日の11時から16時過ぎまで5時間にわたってみっちり試聴されたKさん。悪いときは悪いとハッキリ言われるので我が家の音の羅針盤としてたいへん貴重な存在だが、この日は2系統のシステムともべた褒めだった。

はじめに、名盤の誉れ高いシェリー・マンの「マイ・フェア・レディ」(ジャズ:1956年)を聴いていただいたところ「これまでいろんなところで聴いてきたシェリー・マンの中ではこの音がベストです。この箱にフィリップスを容れて鳴らしているのは世界でもここだけでしょうが、ピタリとハマってます。私には口径30センチのユニットがギリギリのサイズです。これ以上になるとどうしても低音のスピードが遅れがちになりますから、タンノイのユニットを入れ替えて大正解ですよ。」

          

ここでシステムを紹介しておくと、CDトランスポート「ヴェルディ・ラ・スカラ」(dCS) → DAコンバーター「エルガー プラス」(dCS) → プリアンプ「真空管式」 → パワーアンプ「WE300Bシングル」(モノ×2) → 「フィリップス口径30センチのダブルコーン」(ウェストミンスターの箱入り)

この際とばかり、シェリー・マンについて面白い実験を試みた。

1 オリジナルのCD盤 

2 パソコン用の外付けCDドライブ「プレクスター」を使って「CD-R」盤に焼き直し 

3 CD盤をパソコン「メディア・プレイヤー」にいったん取り込んで、これを「USBメモリ」に収録

にわか仕立てだが、この3種類のソースを聴き比べてみようという算段である。コスト的に一番安上がりで済む「USBメモリ」が健闘してくれれば言うことなし(笑)。ちなみに、この3つのソースともすべて「エルガー プラス」を経由させている。

いやあ、面白かった!Kさんの寸評によると「1と2はほとんど聴き分けがききません。3は1にくらべて音像のエッジがやや丸くなった感じで長時間聴くには最適です。私なら常日頃は3を聴きます。たとえて言うと、1はマイクロフォンから収録した直接音で、3は客席で聴いてる音ですね。」

「USBメモリ、侮るべからず」で大健闘である。ま、CDトランスポートが故障しても、これで何とか“当座しのぎ”はできそうかな(笑)。

次に、チョン・キョンファのヴァイオリンでバッハの「パルティータ」を試聴した。デッカの優秀録音である。

           

「へ~、チョン・キョンファがお好きなんですか?」と、微妙な口調で申し上げた。

「藝術に国境はありませんよ。バッハのパルティータはシゲティとシェリングが東西の両横綱ですが、キョンファはなんといってもシゲティの直弟子ですからね。」

「坊主憎けりゃ袈裟(けさ)まで憎し」をチョッピリ反省(笑)。

さて、ヴァイオリンの響きとなると「AXIOM80」の独壇場である。あれほどうまく鳴っていたフィリップスが急に色褪せて聴こえるから不思議。

「この71Aプッシュプル・アンプはとてもお買い得でしたね!5倍以上の値段がついてもおかしくないほどです。71A真空管に限ってはプッシュプルでもシングルに比べて音色に遜色はないとずっと思ってきましたが、ここで改めて確認できました。このアンプ群の中では、AXIOM80にベストマッチです。」

今回も実り多き試聴会だった。どうやら、これでようやく我がシステムも落ち着いたかなあ~。

しかし、とても一筋縄ではいかないのがオーディオだ。なにしろ日によって(オーディオ機器の)ご機嫌がクルクル変わるんだから、もうたまらん!(笑)
 


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「AXIOM80」愛好家の集い~第6回~

2015年11月03日 | オーディオ談義

SPユニット「AXIOM80」を愛好する3人組(Kさん、Sさん、自分)が集まって、持ち回りで1か月に1回のペースで開催している試聴会も早いもので6回目を迎えた。同じSPを使っているとはいえ、三者三様の個性豊かな音なので開催の都度新しい発見があっていつも胸がワクワクする。

3か月ごとに順番が回ってくるが、今回は10月31日(土)にSさん宅(福岡)での開催となった。

ご存知の方も多いと思うが「男子三日会わざれば刮目してみよ」(出典:「三国誌」)という言葉がある。

「男の子は三日も会わないでいると驚くほど成長しているものだということで、しばらく会わなかった場合は注意深く見て接するべきだ」という意味。

それからすると三か月にも及ぶ期間なので、Sさんの熱心さと相俟ってシステムの方も前回(7月)よりも相当前進しているだろうと踏んでいたのだが、想像以上に激変していた!

              

何とレコード・プレイヤーの「930ST」(EMT)が鎮座していたのである。性能も飛びっきりだが、お値段の方も飛びっきりで有名(笑)。

もちろんCDプレイヤーの「LHH2000」(フィリップス)と併行しての活用となるが、「なぜ、今さらレコード?」と思う向きもあるだろうが実際に音を聴かせていただくと納得の一言だった。

昔、レコードに親しんで育った人間には、まるで故郷に戻ったような懐かしくて肌触りのいい音。それかといってけっして懐古趣味に終わることなく、
歌手や楽器の実在感がリアルに伝わってくるのには驚いた。それに細かい音を実によく拾う。

これまで「930ST」とカートリッジの「TSD15」に持っていたイメージとしては、生産国のドイツのイメージと重なり合って「どちらかといえば杓子定規で周波数レンジがやや狭めだが骨太で重量感のある音」だったが、よく調整された930STともなるとまったく様相が違っていた。

メインアンプは従来どおり真空管「PP5/400」シングル・アンプ、スピーカーの方は、以前と同じでタンノイの「シルヴァー」が入ったコーナーヨーク、そして言わずと知れた「AXIOM80」(最初期版)。

          

ここで、ふと思ったのだがCDが登場してからおよそ35年あまり、どうやら音の入り口段階はその間に三極分化の様相を呈しつつあるように思っている。

一つはレコード回帰派、もう一つはCD発展型のSACD派、そして残る一つはPCオーディオ派である。それぞれにいいところがあって、たとえばレコードは歌手や楽器の細部のリアル感に富み、SACDは全体の音響空間を俯瞰しつつ音像のフォーカスのシャープさに定評があり、そしてPCオーディオは回転系を必要としない開放感とストレートさがきっとあるに違いない。

その点、CDは中途半端でちょっと持ち味に乏しい~。ただし、これはあくまでも個人的な感想である。

そういえば、現在交流のあるオーディオ仲間たちはすべて「レコード+CD」派になっている。自分はといえば、もうレコードはすべて処分してしまったので、今や「SACD+CD+USBメモリ」の混在派となっている(笑)。

3人組の仲間の一人、Kさんだってこのところレコード派に転向されており4台ものプレイヤーが活躍中でアイドラー・ドライブ、オイルダンプ・アームに拘っておられる。何しろ1500枚にも及ぶクラシックレコードと500枚ほどのジャズの輸入盤がズラリと並んでいるから壮観。

「よくもまあレコードを売り払わなくて良かったですねえ」と、言うと「ええ、どうもCDの音が食い足りなくて、いつか出番がやってくるかもしれないとレコードを処分する気にはなりませんでした。」

今回の試聴会ではKさんが選りすぐりのレコードを持参されていた。超重量盤の「アルペジオ・ソナタ」(シューベルト)や「ヴィオッティのヴァイオリン協奏曲22番」(ボベスコ)、そしてケルテス指揮の「新世界より」など。このケルテス盤のSACD仕様は現在オークションで「10万円」ほどの高値を呼んでいるほどの名盤。録音はデッカである。

アナログ時代のデッカの録音は現代になって「魔笛」(ショルティ指揮)など次々にSACD化されて蘇っているが、現在のデジタル録音とまったく遜色がないのだから、いかに当時の録音が優秀だったかが分かる。

一同、ケルテス盤を聴きながら「やっぱりデッカの録音は別格ですねえ。とにかくイギリス人は音楽を知ってますよ。グラモフォン(ドイツ)、フィリップス(オランダ)、エラート(フランス)など、一流レーベルにはそれぞれ録音にお国柄が出てます。ヨーロッパは経済的に衰えたりとはいえ、いまだに由緒ある伝統はとても侮れないですね。」

ちょっと話が逸れるが、その由緒ある大英帝国が何ともみっともないことをしてくれた。

こともあろうに、言論の自由がない、人権無視の中国と原発などの大規模投資をしてもらうために手を組んだのである。かって外務官僚だった宮家氏がテレビに出演してイギリスのことを「貧すれば鈍する」と洩らされていたが、まったくその通り(苦笑)。

中国も中国だ。かっての「阿片戦争」(1840年)で当時の英国がどういうことをやったのか忘れてしまったらしい。日頃から歴史認識を声高に叫んでいる国が手の平を返したような対応をするのだから驚く。

以上、「物言わぬは腹ふくるるわざなり」(徒然草)。ああ、胸がスッとした(笑)。

さて、Sさん宅での試聴は結局3時間に及びクラシックを十分堪能させてもらった。帰宅後に次のメールを送った。

「18時丁度に帰宅しました。本日はいい音を聴かせていただきありがとうございました。やはりアナログはいいですね。SACDでは出せない音ですよ!感心しました。これからいろんなレコードを聴くのが楽しみですね。我が家ももう一度ひと踏ん張りせねばとファイトがわきました(笑)。それでは」

すると次のような返信メールが届いた。

「こちらこそ、そう言って頂けると、〇〇邸のSACDの音に触発され、あの音を越えたいとばかりにアナログを再開した甲斐があります。EMTも世間一般に言われる評価と実際に自分でシステムに組み込んでみるのとでは随分と違うものでした。CDもADもそれぞれに良さがありますから、どちらも追求してゆかなければなりませんね。」

次回の11月はKさん宅(福岡)で開催、そして我が家での開催は12月となる。

それまでに、どうにか工夫してもっといい音を出さねば・・・・(笑)。
 


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釣り紀行~大漁だ!~

2015年11月01日 | 釣り紀行

今回の釣行「2015.10.30」は釣りを楽しむというよりも獲物優先のためいつもと違って準備の段階から気合が入っていた。

というのは、

翌31日(土)は福岡でオーディオ仲間による試聴会、そして翌々日の11月1日(日)は家内の実家(日田市)で姉夫婦(福岡)と合流しての法要となると、その手土産に「釣った魚」を持って行こうという算段が自然に働いたというわけ。

クロ(メジナ)は取り立てておいしい魚でもないが、風光明媚でとても水のきれいな豊後水道で捕れたものだし、それに何といっても新鮮なのが取り柄なので、この機会に賞味してもらう絶好のチャンス!

          


大張り切りというわけだが、
こういう釣行の場合、これまでの経験からすると釣り糸を通じて魚に殺気が伝わるのだろうか、あまりいい結果を得た験しがないが、我が人格も年齢とともに枯れてきたのでギラギラした気配を見せない自信はある(笑)。

当日は潮の動向から考えて早朝の6時20分に出発。ようやく夜が白みかけたころである。家内も姉夫婦のお土産になるのが計算に入っているのか、いそいそと早起きして朝食の支度などえらい協力的だった(笑)。

いつもの釣り場に着いたのは6時35分ぐらいで、かなり肌寒い中、さっそく仕掛けを作る途中にマキエをバラバラと2~3回投入。

                

上記の潮汐表のとおり、丁度、釣りの開始時刻が「上げ三分」ということもあって最初から入れ食い状態となった。それにこれまでよりも随分、型がいい。当初の1時間ほどで「こりゃ軽く目的達成だな」と、およその目途がついてひと安心。プレッシャーからようやく解放された。

2時間ほど経つと釣果の蓄えも十分になって、本来の釣りを愉しむ境地になったが、まるでそれと呼応するかのようにパタッと釣れなくなった。魚がエサを咥えて「浮き」を引き込むのだが、すぐに放すので呼吸が合わず空振りばかり。

魚が釣り針を咥えたときに何かしらの違和感を感じてすぐに放すわけだが、その原因はいろいろあって、釣り針の大きさや軸の太さなども挙げられるが、何といっても「浮き」の不適切な浮力と抵抗感にあることが一番多い。

潮の具合が盛りを過ぎて食い気が一段落し、そして魚の学習能力もあってか、どうやら「浮き」のクセが見破られたようだ。魚だって命がかかっているので必死だ(笑)。

それでも、先ほどはあんなに釣れたんだから夢よもう一度とばかり、仕掛けをなかなか変えたがらないのが釣り師の習性であり、保守性でもある。しかし1時間ほど続けたがまったく状況に変化がないので、ようやく重い御輿を挙げて仕掛けの交換に移った。

これまでの「立て浮き」(下図の左)からより一段と水中での抵抗感が少ない「ドングリ浮き」に交換。

           

今度は浮きを海中に沈めながら釣るわけだが、魚がエサを咥えたときの抵抗感を減らすにはこの方法しかない。それに「浮き」が海上に顔を出さないので風にあおられて釣り糸が動かない利点もある。

そして、狙いが当たって見事に復活。これこそベテラン釣師の腕の見せ所だ~(笑)。

マキエが切れた12時半ごろになってようやく納竿。この日は「やや曇り」とあって、潮の動きにあまり影響を受けない絶好の釣り日和となった。天候が味方してくれたようだ。

自宅に戻って、例によって御開帳。

          

足の裏~手の平クラスまで、この釣り場では一番の54匹の大漁だった。型もまあまあで、これなら人に差し上げても恥ずかしくないギリギリのサイズだろうと自分に都合のいい解釈に浸った(笑)。秋口に入ると魚が心なしか太ってきたように思える。

しかし、今回も「浮きの見切り時」など、いろいろ課題を残した釣行だった。


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