「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

長寿の謎を解く

2019年09月21日 | 健康コーナー

つい先日のことランキングのバックナンバーを見ていたら12年前に投稿した「長寿の謎を解く」が上位に入っていた。

内容については投稿した本人がすっかり忘れていたくらいだから、読者におかれてはもう言わずもがなでしょう(笑)。

「健康で長生き」はどなたにとっても興味のあるテーマでしょうからご参考になれば幸いだとばかり、ちょっと今風に改変してみました。

それでは以下のとおり。

ときどき「人間の頭の良さっていったい何だろう」と思うことがある。

それは、学校の成績が良くて有名な大学に入ることなのか、一流企業に就職することなのか、お金持ちになることなのか・・・。

ところが、そんなことは別にして究極の頭の良さというのは、「健康で幸せに生きていく能力をいう」と書いてあるのを何かの本で見たことがある。

とても分かりやすくてシンプルですね!

いろんな考え方のワン・オブ・ゼムなのだろうが妙に納得させるものがある。

なぜなら、俗にいう「頭のいい人」たちが必ずしも健康で幸せな人生を送っているとは限らないことを私たちは経験的に知っていますからね。

ずっと以前のブログで「僧侶が長生きするワケ」を搭載したことがある。

ある大学が発表した職業別寿命一覧表によると「僧侶が長寿の第1位」になっている。その理由を芥川賞作家で僧侶の「玄侑宗久氏」は次のとおりに分析されている。

 僧侶の主な仕事であるお経、座禅、念仏などの効果によるもの

中公新書「ゾウの時間 ネズミの時間」によるとあらゆる動物は5億回の呼吸を終えると大体死ぬそうだが、僧侶の大事な日課であるお経、座禅などは呼吸数が非常に少なくてすむ。

 「動く仕事」と『動かない仕事」のバランスが良く取れている

 ストレスを引きずらない

怒り」「悲しみ」「憂い」「思い」、こうした感情を数多くの葬儀に出ることや座禅、瞑想体験等によって引きずらない能力に長けている。

 「楽しさ」「リラックス」を目指す思考法


これら4つの項目に「健康で幸せ」の概念がすべて集約されているように思うが、さらに健康については客観的な指標があって、それは「元気で長生き」することに尽きる。

企業や組織で働く、あるいは自営業でもいいが、一生懸命働いて偉くなって沢山のお金を貯めたとしても健康を損ねて早死にしては元も子もないと、自分なんぞはいつも思ってしまう。

つまり、名誉やお金よりも「健康」が一番大切。

結局、「健康対策に優るものはなし」と言いたいわけだが、その大切さはよく認識されているようで、テレビでも健康情報番組がよく放映されている。

先日NHK12チャンネルで放映された「長寿の謎を解く」は京都大学の家森名誉教授が食生活の視点から健康に及ぼす影響を実際に住民の検診結果によって証明していたので説得力があった。

対象地域は南米アンデス山脈のビルカバンバで’80年代は世界的な長寿村として有名だったが、2000年には総じて10年ほど短命となり長寿村が崩壊してしまった。

長寿で有名となったため、アメリカを中心に各国から移住者が殺到し、道路整備とともに観光地となって文明化したことが背景となっている。

1986年と2000年の住民の検診結果を比較すると血圧、肥満値、コレステロールが軒並み上昇しており、主食が「ユッカ(いも)+とうもろこし+チーズ」から「ラード(豚脂)+パン、外米」などへと多様化したこと、それと文明化に伴い農作業が減ったことを主因として上げられていた。

そのほか、アフリカのマサイ族、オーストラリアのアボリジニーなどの検診結果を踏まえて、結論として、人間の長寿とは案外もろく崩れ去るもので、長寿の謎とは「民族の遺伝子に合った食生活習慣」と締めくくっておられた。

生活習慣病とはよくいったもので、悪い生活習慣の積み重ねが病を引き起こすのだが、この番組から分ることは食生活の習慣が病気予防の鍵を握っていることだった。

ただし、良い食生活習慣を築くためには食欲の抑制(過食、偏食)、嗜好品であるタバコ、アルコールなどの適正摂取など日常生活を通じて常に強固な意志を伴うものが多い。

結局、最後は自分との闘いに尽きるようだが、総じていえることは「己の体質に合った生活習慣」が長寿の鍵を握っているといえそうだ。

ほんとに「食いしん坊と飲みしん坊」の自分にとっては身につまされる話です(笑)。

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「木曜日の運動ジム」での話題

2018年11月03日 | 健康コーナー

日頃から通っている運動ジム(市営)は毎週水曜日が休館日になっている。

プロの演奏家ともなると1日でも練習を休むと落ち着かないといわれているが、それに習って素人ながら(笑)翌日の木曜日は出来るだけ運動ジムに行くことにしている。

そこで顔馴染みさん達と必ずと言っていいほど話題になるのがNHK の健康番組「ためしてガッテン!」(水曜日の夜放映)。

運動ジムに通うほどだからどなたにとっても健康対策は大きな関心事だが、この番組の翌日ともなるとまだ記憶が新しいせいか誰かが必ずと言っていいほど放送内容を持ち出す。

1日(木)がそうだった。

「昨日(31日)は免疫の話でしたね。免疫力を高めるための対策が上がっていましたけど音楽鑑賞が上位に入ってましたよ。」と話しかけられた。

当方が音楽好きであることをちゃんと覚えていただいており、たいへんありがたいことである。もちろんブログを書いてることはいろいろ差し障りがあるので秘密にしている(笑)。

「ええ、そうでしたね。5位になってましたので意を強くしました。免疫力の低下は風邪や病気ひいてはガンの罹患にも影響があるようで無視できないようです。緊張(ストレス)とリラックスの程よい生活リズムが大切のようですね。まあ、現役引退後はリラックスばかりですがね。」

おっと、オーディオ機器が思うように鳴ってくれないときはストレスの塊りになることを忘れてはいけない(笑)。

ちなみに、番組を見られた方も多いと思うが参考までに免疫力の向上に効果があった対策ベスト20を挙げておこう。それほど科学的根拠も無いようなので、あくまでも参考程度ということで。

20位 お笑い・・・笑うことは健康効果がありますが、爆笑することによってかえって交感神経が活性化してしまう可能性があります。

19位 温冷浴 18位 にんにく 17位 コーヒー 16位 タッチケア 15位 ストレッチ

14位 寒風摩擦 13位 体操 12位 入浴 11位 筋トレ 10位 人に優しく 9位 マッサージ

8位 首にねぎを巻く・・・理由は不明だそうです笑 7位 首にマフラー・・・首を温めることで全身の血行がよくなり、リラックスできたのではないかということです。

6位 緑茶・・・温かい緑茶は器からぬくもりを感じたこととお茶を飲む行為自体安心感でリラックス効果があるようです。

5位 音楽鑑賞 4位 瞑想 3位 足湯・・・血管を広げて熱を逃がそうと交感神経が緩んだと考えられます。ただし熱すぎるとかえって活性化してしまうので要注意です。

2位 ウォーキング・・・軽度の運動はリラックス効果があります。

1位 昼寝・・・横になること自体が交感神経を緩めます。午後1時~3時の間に30分以内がおすすめです。

以上のとおりだが、音楽鑑賞といっても好きなジャンル、作曲家、演奏家、曲目によってもリラックス度が随分左右されそうなので、「これこそベスト」と思うものを日頃から見つけおくといいような気がする。今のところ我が家では「島田祐子」さんの歌声がリラックス度No.1である。

あっ、そうそう、先日(11月28日)お見えになったYさんは老人介護施設の理事長さんだが、以前話題にした木村好夫さんのムードギター「5枚組CD」を貸してあげたところ、施設のご老人たちが大喜びで聴いているとのこと。

島田祐子さんの抒情歌(5枚組セット)も非常に気に入られたご様子で「大ヒット間違いなし」とのお墨付きなので貸してあげることにした。ちょっぴり社会に貢献できたかな~(笑)。

最後に、自分の体験上これまで試してきた健康対策のうち効果があったもののうちの一つを紹介しておこう。

ただし、日本人の感覚として「むやみな長生き志向」はあまり好まれないようだ。

たとえば、細川ガラシャ(戦国時代)の辞世の句「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」(散り時を心得てこそ花も人も美しいという意味)とあるし、健康オタクがばれてしまうのも何だか気恥ずかしいが、一日でも長く「音楽&オーディオ」を楽しみたいのでどうか許していただきたい(笑)。

それでは、ここ3か月ほど毎日実行している「根昆布健康法」を紹介しよう。日常生活のあらゆる面で効果があったことを申し添えておこう。ただし個人差もあるので鵜呑みは禁物。

          

根昆布を数片に分けてマグカップに入れ、ポットの熱湯を注いで蓋をしてしばらく待つ。同時に鉄分補給を併せて行うために「鉄玉子」(南部鉄)を入れる。そして、三食ごとに食前あるいは食事中に2~3片を食するというもの。

しかし、この話を運動ジムの仲間に話したところさっそく実行された方があったが、しばらくして「胃が悪くなりました!」。

「それは申し訳ない。しかし熱湯を注ぎましたか?」「いいえ、ネットにお湯はダメだと書いてありましたので水にしました。」

「それはダメですよ~。硬いまま食べたら不消化物ですからそりゃあ胃が悪くなるにきまってますよ。」

黒酢にしろ、黒ニンニクにしろ健康食品とされているものに胃が悪くなる患者がものすごく多いと、かかりつけのお医者さんが言っていた。この種の食品は胃に負担がかからないことが一番。

理論と実際は違うので言ったとおりにしてもらわないとほんとに困りますよねえ(笑)。

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健康コーナー~「世界で一番売れている薬」~

2010年12月23日 | 健康コーナー

11月中旬の頃のことだった。

市役所からいきなり受診券(「メタボ検診」)が送られてきたので、重い腰を上げて罹りつけの医療機関で血液検査をしたところ、HDL(善玉)は無事パスしたものの「LDLコレステロール」〔悪玉)が基準値をかなりオーバー。

日頃からこまめに「食事」と「運動」に気を配っているものの、医師に言わせるとどうやら「本人の体質」によるものらしい。

すぐにコレステロールを下げる「クレストール」という薬を4週間分処方してくれた。

薬は副作用があるのでなるべく使わないようにしているが仕方なく毎日1錠服用しだしてからおよそ1ヶ月、以前と比べて随分と体が軽くなったような気がする。

それに真夜中に目が覚めてブログを投稿してからまた眠るという不健全な習慣がずっと続いていたが、これがピタリと止んで、一気に8時間ほどぶっ通しで眠れるようになった。

「この薬は相性がよさそう」と思う中、薬が失くなってきたので昨日(22日)受診してきた。

医師に「クレストールはなかなかいいですね。これはずっと飲み続けなければいけない薬ですか?」と訊いてみた。

「これはストロング・スタチンと呼ばれています。長期間の服用は想定していません。血液検査の様子を見ながら服用したり,止めたりということになるでしょう。人によっては肝臓障害という副作用がありますからね」

どんな薬も「両刃の剣」で副作用がつきものだが、クレストールも例外ではないようだ。

それはともかく久しぶりに「スタチン」という言葉を耳にした。

たしか以前にもブログに取り上げていたはずとアーカイブを調べてみたら「世界で一番売れている薬」のタイトルで掲載していた。

著者は山内喜美子さん。

この本は、スタチンという薬の誕生のドラマから新薬開発の現場、医学会が直面した様々な問題を浮き彫りにしている興味深い本だった。

                

以下、重複するが「スタチン」について。

「スタチン」とはそもそも高脂血症治療薬のことである。体内のコレステロール合成に重要な役割を持つ「HMG-CoA還元酵素」を特異的に疎外して血液中のコレステロール濃度を下げる薬。

スタチンはアメリカのファイザーやメルクをはじめとする世界の主要な製薬メーカーが競合し、現在欧米で7種類、日本で6種類が医家向け医薬品として販売されている。

2005年の全スタチン製剤市場は日本円にして約2兆8千億円で他の薬を大きく上回る最大の市場となっている。

コレステロールは周知のとおり人間が生きていくうえで不可欠だが、血液中の濃度が高すぎると動脈硬化を引き起こす。血管が詰まって心筋梗塞や脳梗塞の原因となって命を危険にさらす。

日本の高脂血症患者のうち約600万人が治療を受けており、そのうち8割がスタチンを使用している。世界では推定3千万人が使用し、心臓疾患、脳卒中の発症率を25~30%低下させた。安全性も高く「世紀の薬」「奇跡の薬」と呼ばれている。

このスタチンは実は1973年日本人の研究者によって発見された。当時三共(現・第一三共)の研究所に勤めていた遠藤章農学博士が青カビから発見した「ML-236B」が世界で最初に生まれたスタチンである。

しかし、「ML-236B」は臨床試験にまでこぎつけながら医薬として世に出ることはなかった。

遠藤博士のスタチン発見から30余年が経ったが、世紀の薬となったスタチンの元祖である「MLー236B」はどのようにして生まれ、いかなる運命をたどったのか、そしてなぜ、この薬は日本で最初に製品化されなかったのか。ひいては、なぜ遠藤博士はこの画期的な発見によりノーベル賞を受賞できなかったのだろうか?


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読書コーナー~「宰相と怪妻・猛妻・女傑の戦後史」~

2010年10月08日 | 健康コーナー

小学生との問答でもないが「日本で一番偉い人は?」という問いに対して返ってくる答えはおそらく「内閣総理大臣」だろう。

「実力」とか「運」とかがどの程度交錯するかは定かではないが間違いなく限られた人間しか就くことの出来ない最高のポスト。

本人の努力(?)ももちろんさることながら、その伴侶たるやどういう方が多いのだろうか。

たとえば現首相の管さんの妻「伸子さん」は学歴も良くて〔津田塾卒~早稲田卒)頭もよさそうだし、弁もたつようで著書の売れ行きも絶好調、どうやら近年になく出色の方のようである。

                       

さてそこで、歴代の総理大臣の伴侶とはどういう方が多いのだろうか。

「宰相と怪妻・猛妻・女傑の戦後史」~政治の裏に女の力あり~(2007年7月15日、著者:小林吉弥、大和書房刊)


                        

本書は、戦後の宰相「吉田茂」氏からつい3年前に辞職した「安倍晋三」氏まで21名の宰相の妻の”出自、人間性”などに焦点を当てながら、夫を政界の頂点にに押し上げたファーストレディたちの
「内助の功」
を記載したユニークな本でたいへん面白く読ませてもらった。

彼女たちは賢妻、怪妻、快妻、猛女、女傑、女帝などいろんなタイプに分けられるが、読者の独自の視点で判断できるように著者の約40年にわたって永田町を取材した経験をもとに微に入り細に亘って書かれているのが本書の特色。

ざっと紹介すると次のとおり。

吉田茂 「ワンマン宰相と二人妻」

鳩山一郎 「名門宰相と才色兼備夫人」 

岸信介 「昭和の妖怪首相と亭主操縦型女房」

池田勇人 「高度成長宰相とド根性姉御妻」

佐藤栄作 「最長不倒宰相と自由闊達妻」 

田中角栄 「今太閤宰相と八歳年上妻」

三木武夫 「バルカン宰相と女丈夫妻」

福田赳夫 「王道宰相とハラのすわりピカ一女房」

大平正芳 「哲人宰相と貞淑妻」

鈴木善幸 「大穴宰相と台所女房」

中曽根康弘 「風見鶏宰相と忍耐妻」

竹下登 「したたか宰相と度胸一番女房」

海部俊樹 「レンタル宰相とコウセイ夫人」

宮沢喜一 「秀才宰相と才媛妻」

細川護ひろ 「殿様宰相と活発妻」

村山富一 「歴史的宰相と糟糠の妻」

橋本竜太郎 「美男宰相と聞き流し名人妻」

小渕恵三 「凡人宰相とおおらか妻」

森喜朗 「密室選出宰相と気丈妻」

小泉純一郎 「独裁宰相とお嬢さん妻」

安倍晋三 「二人三脚宰相とセレブ妻」

共通しているのは

 激しい恋愛婚というのは少ない

 意外にも名門、財閥系出身が少ない

 気丈で度胸がすわった姉御肌が多い

ということで特に最後の「姉御肌
はほとんど当てはまる」そうだ。

「旦那が女房に似てきたのか」、あるいは「女房が旦那に似たのか」、それとも「そもそも似た者同士が一緒になった」のだろうか。
 


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健康コーナー~「寿命の予測」~

2010年05月20日 | 健康コーナー

プロ野球の交流戦(2010.5.18~19)で巨人が日本ハムにあえなく2連敗。初戦などは5失策と散々。

大の巨人ファンのカミサンなどは「最下位のチームに負けるなんて」とカンカンに怒っているが、ちょっと”したり顔”してその理由を教えてやった。

「札幌には選手たちの贔屓スジが沢山いてススキノ界隈を夜遅くまで遊んで回るから体調不良が原因さ」。「ナールホド」と珍しく頷いてくれた。

調子に乗って「ほら、北国の女性は色白でもち肌というからな」と口が滑ったところ、すごい目つきで睨まれてしまった。

閑話休題。(ソレはさておき)

ひところは「ガン」と聞いただけで「もうお終いか~」というイメージがあったものだが、今では沢山の方が適切な治療で無事生還を果たしているのはまことに喜ばしい限り。身近にそういう事例を数多く体験する。

先日の午後、運動ジムで久しぶりに出会ったご夫婦。

「やあ、お珍しい。どうされてましたか?」

「それが、まあ、二人ともガンに罹ってしまって~。私は胃ガン、主人は肺ガンです。ようやく直って3年ぶりに運動しに来ました。」

昔なら、ガンともなるとヒソヒソ声で話したものだが、このご夫婦はこだわりなく大きな声で話されるものだから周囲も興味深そうに見ている。

いまやガンに対する感覚もそういう時代になった。

さて、健康の話になると何といっても気になるのが自分の
「寿命の予測」。

「一体、いくつまで生きられるんだろう?」

イギリスの権威ある科学専門誌「ネイチャー」に出ていた寿命の算出法の日本語訳を掲載してみた。引用先は次の本。

 「ボケるボケないは生き方できまる」(2007年3月5日、大和書房刊)  

著者は東京大学教授の石浦章一氏。

あなたの寿命は現在の状態で何歳ぐらいになるだろうか。興味のある方は次により試算を。

基本は76歳、次の質問に回答して合計した数字に76を加えた数字があなたの寿命。+は寿命増加要因、-は減少要因。該当しない場合は0。

 
あなたは今何歳ですか。30~50歳なら+2、51~70歳なら+4。

 
男性なら-3、女性なら+4。

 
200万人以上の都会に住んでいるなら-2、1万人以下の町なら+4。

 
自分の祖父母の一人が85歳を超えていたなら+2、二人とも80歳を超えていたなら+6。

 
両親のどちらかが50歳以前に心臓疾患で亡くなっているなら-4。

 
兄弟姉妹や両親が50歳以下で、がん、心疾患、糖尿病になっているなら-3。

 
年収1000万円以上を稼いでいる人は-2。

 
大学卒は+1、大学院卒は+2。

 
65歳以上で今働いているなら+3。

10 
連れ合いがいるなら+5。

11 
現在独身は-3、25歳から数えて独身時代が10年以上続いているなら、10年ごとに-3。

12 
現在の仕事が机上の仕事は-3、身体的運動が必要な仕事は+3。

13 
週5回、30分以上の運動を続けているなら+4、週2~4回なら+2。

14 1日に10時間以上寝る人は-4。

15 性格として、リラックスタイプは+3、緊張タイプは-3、幸せと思うなら+1、不幸せと思うなら-2。

16 
この1年間に制限速度オーバーでつかまったことがあるなら-1。

17
 1日に1合以上の酒を飲む人は-1。

18 
1日にタバコ2箱以上吸う人は-8、1~2箱なら-6、半分から1箱なら-3。

19 
標準体重より20Kg以上肥満なら-8、
     〃     10Kg~20Kg肥満なら-4、
     〃      5Kg~10kg肥満なら-2、
※自分の標準体重=23.5×自分の身長m×自分の身長m

20 
あなたが40歳を超えた女性で毎年婦人科医に診察を受けているなら+2。

と、以上のとおりだが日本人の平均寿命は2009年7月16日時点で男性79.29歳、女性86.05歳。

因みに自分の場合を計算してみたら予想外の長生きで83歳。ただし、15の設問で「緊張タイプ」に分類したが、もし「リラックスタイプ」にすると何と89歳になる!

さて、この寿命テストからいろんな健康対策が浮かび上がってくる。とにかくプラス項目を大きく伸ばし、マイナス項目を減少することに尽きる。

マイナス要因が極めて大きい(最大-8)のは18のタバコと19の超肥満。タバコの害はもう周知の事実で言わずもがな。

肥満の害は最高水準の医療技術と経済力を誇るアメリカ人の平均寿命が世界ランキング10位外という結果が物語っている。(あのハリケーン・カトリーナの被害地ニューオーリンズでの被害者たちの超肥満のテレビ映像がいまだに目に焼きついている!)

7の項目の年収が高いのにマイナス要因とは意外だが、それだけストレスの影響を考慮したもの。14の寝すぎは逆にストレスが少なすぎる点が考慮。3の都会暮らしは空気や水の汚染とストレス。10と11の結婚と独身問題もストレス、外食と栄養のバランス、規則的な生活などが考慮。

7、8、12については職業によって寿命の違いがあることをうかがわせる。
16のスピード違反はどう考えたらいいのだろうか?「遵法精神」「せっかち、気ぜわしさ」といった気持ちの”ゆとり”との関連なのか、もしかするとその人の持つ「運」の良し悪しだったりして~。

それともう一つ。連れ合いとの相性について設問が無いのは重大ミスではなかろうか?

なお、レイ・カーツワイル著の「ポスト・ヒューマン誕生」(2007.1.25刊)の417頁に古代からの平均寿命が記載されていたので参考までに記載。
     

クロマニヨン人の時代   18歳
古代エジプト         25歳
1400年ヨーロッパ     30歳
1800年ヨーロッパ     37歳
1900年アメリカ       48歳
2002年アメリカ       78歳

1900年までの遅々とした寿命の延びに比べて、1900年からたった100年の間に30歳も伸びたことに注目。

私たちは実に恵まれた時代に生きている!

 


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健康コーナー~「疲労医学」の研究~

2009年09月30日 | 健康コーナー

暦のうえでは初秋ともいえるのに、いまだに蒸し暑い日が続いている。

今年の夏はことさら暑かったという記憶があるが夏バテの影響か、はたまた寄る年波のせいなのか、以前は毎日のようにトレーニングジムに通っても全然疲労を覚えなかったのに、最近では3~4日に1回ほどは何となく気が進まない日があって、そういうときは用心をとって休んでいる。

しかし、自覚症状だけに頼っている自分の体調が果たして客観的に見て「いいのか、悪いのか」いまいち判然としないのがどうも納得できないところ。

つまり、現状が果たして「トレーニングのやり過ぎなのか、逆にやり足りないのか、あるいはこれを乗り越えるともっと体力が増強できるのか?」という適切な選択肢がどうもよく分からない。

こういうときに自分の現在の「疲労度」がピタリと何らかの数値で示されれば十分納得して休養を摂るか、あるいは運動をするのかその辺の按配がうまくいくのにと思う方は意外に多いのでは。

その点、人間に比べて金属材料の「疲労度の測定」は十分に調査研究が行われている


もちろん致命的な箇所における金属疲労によって飛行機が墜落したり架橋が崩落したりして多数の人命が一度に失われる危険性があるので”ゆめゆめ”放置できない分野である。

金属の疲労とは、破壊力以下の微小応力が繰り返し負荷されることによって機械的強さが低下し、破壊する現象。

いささか専門的な領域になるが次の技術用語によってきちんと分類されている。もちろん本の受け売りだが題名は忘れてしまった。

1 疲労強度
一定回数の周期的応力を負荷した場合に破壊に抗する最大応力

 
疲労寿命
疲労破壊にいたるまでの応力負荷の繰り返し数

 
疲労限度
無限に繰り返し負荷しても疲労破壊を起こさない応力振幅の最大値

この指標によって現在、多くの材料の綿密な研究がなされたうえで膨大なデータが蓄積され構造物の建造や機器の生産における安全設計にきちんと反映されている。

ところが、残念なことに私たち人間の身体にとってこれらのような「疲労強度」、「疲労寿命」、「疲労限度」に当たるような指数が何一つ分かっていないのが実状。

「人間さまよりも金属の方がそんなに大事なのか?」なんて思いたくなるほど。

もっとも、
人間にとっての疲労は肉体的疲労のみならず精神的疲労も加わるために
物理的な測定が難しいし、個々の人間によって耐ストレス強度も違うので万人共通のスタンダードが設定されていないのもよく分かる。

もし人間の疲労メカニズムが深く解明されて各人ごとに簡単な検査で疲労度の数値が客観的なデータとして把握できるようになれば過労死などの疲労に関わる悲劇は起こらなくなるし、もっと安心できる平和な世の中になるに違いない。

関連して、以前のブログで
「オーバートレーニング症候群」
について紹介したことがある。

これは、スポーツ医学の見地から、トレーニングのしすぎによる一種の慢性疲労の状態を指したもので、主な症状は次のとおり。

基 本 症 状  
疲労感+パフォーマンス低下

その他の症状  
たちくらみ、動悸、息切れ、体重減少

重症になると   
不眠、意欲低下、うつ状態

これらの症状を客観的に見分ける方法として
「朝起きたときに脈拍をとる習慣を身につけると良い、疲労はまず脈拍に表れ、1分間に5~10拍以上増えていればトレーニングを控えたり抑える」。

これは朝日新聞の日曜版に掲載されていた記事だったが、そうはいっても脈拍を毎朝とるのも面倒だし、ときには心配事や家族との”いさかい”の名残で血圧とともに異常に高くなっている場合だってある。

それにヤル気満々の頑張り屋さんにとってはいろんなマイナスの自覚症状を、むしろ怠惰な自分自身を許すまじとして叱咤激励の発奮材料に使う場合だってあり得る。

というわけで、たとえばの素人考えだが血液検査には実にいろんな検査項目があり「好中球」「リンパ球」などの免疫指数があるので、これらを動員させて総合的に疲労度を判定できる指標があると現在の自分がどういう状態か即座に分かるし、今後の健康維持にとっても大いに役にたつ。

いわば、「予防医学」の範疇に入るのだろうが
疲労医学」
をもっと掘り下げて調査研究してもらえると病気の予防にも効果があってが医療費の抑制にもつながると思うのだが。

ただし、むやみに長生きを願望し「大きな塊が年金を食いつぶす」と評判の悪い”団塊の世代”以降は「世の中に役に立っている就労者」を除いて保険適用外が妥当だろう。自分なんかはもちろん適用外である。

              


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健康コーナー~「長寿遺伝子を鍛える」~

2008年11月29日 | 健康コーナー

今回の話題は「健康の話」なので、日頃から元気がよくて興味のない方はどうか素通りを。

「医師は社会的な常識がかなり欠落している人が多い」「不摂生の人の分まで(健康維持に努力している人が医療費を)なぜ払う」などといった話を連発しているのが最近の麻生首相。

いずれも身近な健康にまつわる話だが、前者の場合看護師さんなど医師の身近にいる医療従事者などからは「ホントにそのとおり」なんて声もチラホラ聞こえてくるが差し障りがあるので深入りは禁物、後者の場合には不特定多数が対象なので誰はばかることなく「そうかもしれないなあ~」と一理あるような気もする。

受け売りだが
「健康は何らかの投資をしなければ維持できない。若さはもっと投資しなければ維持できない。若返りとなるとより大きな投資が必要となる。」といわれているので、ある程度の年齢になれば皆等しく健康維持に努力するというのがまあ常識だろう。

自分の場合に例をとると「食べ過ぎない」「適度な運動」を2本の柱にして日々心がけているつもりだが、「適度な運動」は何とか時間を確保しているものの「食べ過ぎない」については三度三度の食事ごとに「食欲に負けない強い意志」が常時試されるとあってホントに難しいものだと痛感している。

しかし、健康維持にとっては「食べ過ぎない」ことの方が「適度な運動」よりも遥かに比重が大きいことが次の本を読んでよく分かった。

「長寿遺伝子を鍛える」~カロリーリストリクション~ →  

リストリクションとはご存知のとおり”制限”という意味。刊行が2008年10月15日(新潮社)だからつい最近の本なので内容も最新の研究成果に裏打ちされているのは容易に想像がつく。

著者は慶應義塾大学医学部教授で「日本抗加齢医学会副理事長」の坪田一男氏。雑誌「アンチエイジング医学」編集長をはじめ「老けるな」(幻冬舎)など著書多数。

本書の構成はつぎのとおり

第 1章 氷河期を生き延びた遺伝子
第 2章 進化する長寿研究
第 3章 ”長寿遺伝子”の発見
第 4章 メタボに学べ
第 5章 カロリーリストリクション戦略
第 6章 長寿の鍵を握るミトコンドリア
第 7章 カロリスで老化を防ぐ
第 8章 老化は運命か
第 9章 長寿遺伝子のスイッチの入れ方
第10章 長寿を選択する

以上のとおり、かなり盛り沢山の内容なのにそれぞれが深く掘り下げてあって(と思うが)「健康で長生きしたい」という切実な願望の持ち主は一読しておいても損はあるまいと思う。

本書の趣旨の論拠は「カロリー制限」と「長生き」とが1本の赤い糸でしっかりと結ばれていて、それを科学的に証明したのが
長寿遺伝子「サーチュイン」の発見で老化や寿命にかかわる反応経路をコントロールしているこの遺伝子のスイッチが「カロリー制限」で「オン」に出来ることが証明されたという点。

「少食派は長生きできる」というのは実にためになる話で、この不景気の時代に食費を節約できて一石二鳥とニンマリする方もいると思うが、ここでいう「カロリー制限」とはあくまでもタンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルといった栄養のバランスはしっかり保ちつつ、総摂取カロリーだけを通常の70%程度に減らすことで、さらに月に一度くらいのペースで24時間断食をするといいという。

しかし、なんといっても人生それも晩年に至っては
「最大の楽しみは食べること」なので「分かっちゃいるけど実行が難しい」といったところ。

だがご親切にも日本人にあった「カロリー制限」の実践編を次の9点に絞って提言してあるので要約して紹介しておこう。

1 低GI食品を選ぶ
GIとは「血糖値上昇指数」のことで、たとえば白米より玄米、うどんより蕎麦というように色が濃いもの、皮や繊維を多く含むもの、あまり精製されていないものが該当する。血糖値の急激な上昇を抑えることが主眼。因みに統計上、長寿者の大多数が血糖値が正常だという。

2 たくさんの色のものを食べる
「さまざまな栄養素をバランスよく食べる」ためにできるだけ沢山の色の食品を少しずつ食べる。自然と野菜の摂取量が増えて低GIな食事になっていく。

3 食事を楽しむ
カロリー制限は長期的には失敗に陥ることが多いので、「ガマン」はほどほどに「食事を楽しむ」ことが大切で食べ過ぎたと思えば運動量を増やして帳尻を合わせることも必要。

4 食欲を騙す(ティーズ・フードを利用する)
アーモンドやピーナッツなどのナッツ類、ブルーベリーやりんごなどの糖度の低いフルーツ類は適量なら空腹時に食べても血糖値が急激に上がることはない。これでとりあえず食欲を騙しておいてから食事をすると脂肪の蓄積や食べ過ぎを最小限に抑えられる。

5 ”空腹感”を鎮める 
”空腹感”という苦痛にどう対処するか。必要な栄養素の表をチェックしながら不足と思われるものを満たしていくといつの間にか食欲も収まるという。つまり身体が欲しているモノを摂っていれば”空腹感”もある程度は鎮まる。

6 お酒は薬になる程度に
日本人の約半数は遺伝的にアルコールを分解する力が弱い。お酒が百薬の長になるのはビールなら350ml、日本酒なら1合、ワインなら2~3杯まで。またお酒の合間にたっぷり水を飲む。

7 日常的な「動き」を増やす
運動をすると成長ホルモンHGHを分泌する遺伝子のスイッチがONとなり若さをキープしようと動き出す。免疫機能を司る遺伝子やガンを抑える遺伝子のスイッチもONになる。それでも運動がニガテとか時間が取れない人は日常じっとしている時間を減らしてなるべく体を動かす努力をする。

8 CRミメティックス(擬似的なカロリー制限)
カロリー制限をせずに同じ効果を得る方法があるという。たとえばポリフェノーリの一種「レスベラトロール」マイタケやタラコに多く含まれているナイアシン、糖尿病の治療薬であるメトフォルミンなどで現在でも開発競争が続いている。


9 アンチ・エイジングドックのススメ
カロリー制限や運動も正解や決まりはなくそれぞれの人に合ったやり方がある。自分の体の弱点をいち早く見つけ出してケアすることが必要。これまでの人間ドックの「病気を見つける」という目的に「加齢」という要素をプラスした”アンチエイジング・ドック”の検診を行うクリニックが増えている。

以上のとおり、”健康おたく”の方にとってはさほど新しいことでもないと思われるかもしれないが、今のところ適度な運動も含めてこれらが
「健康で長生きするためのベスト・アプローチ」といっていいと思う。

ただし、実行するかしないかは本人次第だし、そんなにまでして長生きはしたくないという人がいても当然。

自分は根が単純なので早速信じ込んで24時間断食(28日)をやってみたが、いざ覚悟を決めると意外と簡単だった。しかし、92歳になる母が心配して「水の替りにお酒でも呑んだら」としきりに言うのには参ってしまった。
 


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健康コーナー~適度なドキドキ長生きに~

2008年10月10日 | 健康コーナー

「脈は健康のバロメーター。血圧と同じように、日頃からチェックしておくといいですよ」とは杏林大の池田隆徳・准教授(循環器内科)。

2008年9月28日(日)付け朝日新聞の日曜版は、日陰者の存在だが人間の生命にとって欠くことのできない大切な「脈」についての特集だった。

取り分け「元気の秘訣~
適度なドキドキは長生きにつながる
~」とあったのが思わず興味を引いた。

これは、あくまでも素人考えだが心臓の鼓動は生涯を通じて打つ数が大体限られており恒常的にドキドキの機会が多ければ多いほど心臓にとって負担となり寿命に悪影響を及ぼす要因の一つになるのではとこれまで考えてきたところ。

根拠の一つとして挙げられるのがおよそ2年前のブログ(「健康コーナー」)で紹介した芥川賞受賞作家の玄侑宗久(僧侶:げんゆうそうきゅう)氏のエッセイで「僧侶が長生きする理由」。

同氏はその理由をいささか揶揄気味に4点ほど掲げてあって、そのうちの一つが僧侶の大事な日課となっているお経、座禅などでこれらは呼吸数が非常に少なくて済むため長生きしているというものだった。

これは中公新書「ゾウの時間 ネズミの時間」により
あらゆる動物は5億回の呼吸を終えると大体死んでしまうとの内容を踏まえたもの。

心拍数と呼吸数とではストレートに比較できないのはもちろんだが一般的に心拍数が高まるとそれに応じて呼吸も浅くしかも早くなり回数が増えるので相関関係があると思うのが自然だろう。

しかし、この朝日新聞の記事によると「一日のうちに程よく心拍数がドキドキと変化する生活は、刺激がない生活よりもむしろ長生きに影響するらしいことが医学的にも分かっている。ほどよいドキドキを積み重ねていくにはどんなコツがあるのだろうか。」と、むしろドキドキを肯定的に捉えている点が面白い。以下要約してみた。

心臓のポンプがドクンと血液を送り出したとき脈は生じる。脈拍数は心拍数と一緒。拍動のリズムは自律神経の影響を受けながら心臓が自立的に刻んでいる。健康な大人は平均で毎分50~100。

池田准教授によると「朝起きたとき脈が極端に早いなどいつもと違っていたらカゼのひき始めか、体調を崩しかけているのかもしれないので気をつけて欲しい」。

緊張したり運動したりした時など生理的にも心拍数は上がるが、毎日ほどよくドキドキするには運動が手っ取り早い。その健康的な心拍数の目安だが「じわっと汗をかき、無理なく続けられる強さの運動がいい。」

そもそも体に酸素を取り込む心肺の能力と健康には科学的にも関係が認められている。取り込み能力が高いほど持久力があり健康だといえる。「健康的な持久力を保つには最大酸素摂取量の50~75%の強さの運動を20分以上、週3回以上が目標。

そうした適切な負荷になるような目標心拍数について、スポーツ医学に詳しい順天堂大の河合祥雄教授(循環器内科)によると拍動の限界値は(最大心拍数)は「220マイナス年齢」で表わされる。

これと安静時の心拍数との差に目標とする酸素摂取量の係数をかけて算出すると
40歳代は120/1分間、以下50歳代は115、60歳代は110、70歳代は105が目安といったところ。

ただし、同じドキドキでも突然の動悸や不規則な脈を感じたら症状を記録して循環器の専門医を受診した方がいい。

記録のポイントは☆時間帯 ☆脈拍数 ☆持続時間 ☆冷や汗、めまいなど不快症状の有無などといったところ。

悪い場合の特徴としては☆息切れ、だるさ、めまい、冷や汗、痛みなどの不快症状が伴う☆急に始まり、急に終わる☆30秒以上続くといったものがあるという。

以上のような内容だったが、結局「ほどよいドキドキ」には運動が一番とのありふれた結論で「竜頭蛇尾」、そう目新しいものではなかった。

しかし、私見だが
「運動による”ドキドキ”」「緊張感に伴う”ハラハラドキドキ”」とでは同じ”ドキドキ”でもまったく違うように思える、後者はいきなり来ることがあるし持続時間も結構長いので心臓への負担は遥かに大きくこの二つは決して同列に論じられないと思うのだが。

いずれにしろ、自分の場合現在では後者とはまったく縁がない生活となっているが、これは裏返せば普段、いかに緊張と刺激のない生活を送っているかとも言えるのだが、「何だか淋しいようでもあり、懐かしいようでもある」というのが正直な感想で人間というものは何と勝手な生き物なんだろうか。

 


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健康コーナー~東大のがん治療医が癌になって~

2007年10月21日 | 健康コーナー

「東大のがん治療医が癌になって」(2007年5月、著者:加藤大基、中川恵一、(株)ロハスメディア刊)

この本は、表題どおり、東大付属病院で放射線治療に従事していたがん専門の治療医(34歳:東大医学部卒)が、突然原発性肺癌を宣告(2006年5月)された後、どうしてがん患者となり、どのような治療を受けたのかその経緯を詳細に追ったものである。

がんという誰もが恐れる病気をがん治療の専門医としての立場とがん患者としての立場との二つの視点から解説した内容が実に新鮮で目新しく医学についてまるっきりの素人にも分かりやすく語られ、興味津々で読み出したらもう止まらず一気に読み上げてしまった。

まず、生死の瀬戸際にあった己を題材にして冷静かつ客観的に分析して表現するのは常人にはなかなか及ばないことでその点で著者に対する畏敬の念を覚えてしまう。

著者(加藤氏)は、普通の健康な青年でタバコは1本も吸わず、家系もそれほどのがん家系ではない。幾多の患者を見てきた中でがんに関する知識も当然豊富であり、まったくがんには無縁の存在だったわけだが、一体なぜ罹患したのか自問自答するところが身につまされる。

思い当たるのは、小学校時の焼却炉でごみを燃やす作業(ダイオキシンの発生)にひんぱんに従事していたことぐらいで、これも決定的な要因とは断定できないが、現在でも私たちが日常的に行っている行動の中にも後の世になってみて改めて発がんなどの危険性が判明する可能性は十分あるとのこと。

「自分だけは大丈夫」と大多数の人が思っているガンは年齢を問わず誰にでも罹る可能性のある病気であり、この本の一節に「本書を読んでいる貴方にもひそかにがんの病変が忍び寄っているかもしれない」というくだりには実感がこもっている。

本書の構成は、

第1章   癌患者になる
第2章   がん治療医として考える
第3章   プロフィール
第4章   加藤君の闘いの意味(中川恵一:東大付属病院放射線科准教授)

第5章   苦難の勤務医生活
第6章   社会に戻って


第4章では、「がんとは」「がんの治療とは」「がんの転移とは」「がんの手術とは」「がんの放射線治療とは」について実際にがん治療に携わる第一線の医師からがんに関する最新の知識・情報が得られる。

第5章では医師としての職業の実態にも触れており、世間で思うほど高給かつ優雅な職業ではなく、額に汗しても報われない過酷な勤務の実態がこと細かく語られ、これから医師を志そうと考える人はよほどの気構えと体力が必要とのこと。

第6章では「運と運命」「死と向き合って」「患者の気持ち」「死を忘れるな」「自殺はもったいない」などの項目と並んで「検診のススメ」があり検診の重要性が語られている。著者の場合前年の胸部エックス線検査では異常が発見されなかったものの、翌年の検査で発見されたこともあり、検診は万能ではないが、是非受診することを勧めている。

エピローグに代えて、本書に対する著者の思いが次のように綴ってあった。

がん治療に携わる者ががんに罹ったときにどのような対応をして、どのように考えたかを社会に還元したい

国民の2人に1人は罹る「がん」という病気を、身近な問題として多くの人に考えてもらいたい

本来身近であるはずの自分の死を意識して生きることの必要性を医者としての経験に基づいて訴えたい

勤務医の劣悪な労働環境を知ってもらい、患者および患者予備軍であるすべての人に医療問題について真剣に考えてもらいたい

現在の医学にも限界があり、最善を尽くしてもどうにもならないことが少なからずある、世の中には抗(あがら)いがたい運命のようなものがあることを心得たい

なお、「がん」「癌」の表現の使い分けでは意味するところが微妙に異なる。前者は悪性疾患一般の総称であり、後者は肺癌、胃癌など上皮性の悪性腫瘍のみに限定して用いられるとのこと。

とにかく、本書は「明日は我が身」の可能性があるがん疾患について改めて身近に向き合う意味で誰もが読んでおきたい本だと思った。
                           

PS

後日(2016.11.2)このブログを読み返しながら、加藤大基氏のその後の経過を知りたいと思い名前をググってみたら、現時点で再発なしにご健在だった。ヨカッタ!






 

 


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健康コーナー~”不老不死”=”ナノ医療”の実現性~

2007年06月19日 | 健康コーナー

18世紀後半に始まった産業革命は人々の生活を一変させ、個人のレベルでは平均寿命が倍になり、国家のレベルではグローバルな文明社会が誕生した。そして、次代の技術の鍵を握るナノテクノロジーはそれに匹敵する規模に到達するのだろうか。

「ナノフューチャー」~21世紀の産業革命~(2007年3月、紀伊国屋書店刊)。

著者:J.ストーズ.ホールは大学卒業後、ナノテクノロジー(以下、ナノテクという)に黎明期から関り、多数の専門家の意見を聞ける立場からナノテクの現状と未来像を語るにふさわしい最も適したガイドとのこと。

まずナノテクとは何か。その定義はまだ完全に意見の一致を見ていない。

広義では、100ナノメートル以下(ナノは10億分の1の意味)のスケールでの材料や現象の研究・制御を指す。

狭義では、原子や分子を操作して微小な装置を組み立てる技術といわれており本書では、この立場をとっている。

ナノスケールでのもの作りの手段を初めて理論的に提唱したのがノーベル賞物理学者のリチャード・ファインマンで1959年のこと。

しかし、近年ナノテクの負の側面を訴える声が上がり始めており、反ナノテク運動も生まれている。本書の著者は危険性を認めながらも、研究を抑制することによる危険の方がより深刻だと主張している。例えば、ナノ医療など生死にかかる重要な技術まで阻害されてしまう悪弊を心配している。

本書で提示されるナノテクの未来像は下記のとおり想像もつかない驚きと希望に満ちている。
たとえば、
・「分子サイズ」のエンジンによって、自動車に沢山の足がつき、どんな路面でも軽々と滑っていく
・歯ブラシの毛の1本1本にモーターがつく
・超薄くて軽いナノスーツを着れば、アラスカの屋外でテニスができる
・各家庭に空を飛ぶ車が普及する
・ナノロボットはペンのサイズでポケットにそして自分の分身を使えば複数の場所で同時に仕事ができるなどなど

一番興味があるのはこれらが実現できる時期だが、著者によると、ひょっとしたら10年以内に、おそらくは25年以内に、そしてほぼ確実に21世紀中には訪れるとのなかなか微妙な表現である。(同書33頁)

さて、人類にとって最後の聖域”不老不死”の時代の到来をも予想させる
「ナノ医療」の実現性について紹介しておこう。

老年学の第一人者O.D.グレイは、老化につながる細胞レベルの主な問題として次の七点を挙げている。(要約)

①細胞が死に、代わりが生産されない
②脂肪細胞の暗躍
③DNA変異によるガン化
④ミトコンドリアDNAの変異
⑤長年の間に細胞内にゴミがたまる
⑥細胞の外にゴミがたまる。その一つがプラーク(斑)で動脈で形成されるとアテローム動脈硬化症 、脳ではアルツハイマー病になる。
⑦目の水晶体など物理的機能を担う細胞外のタンパク質が長期にわたり化学的な損傷を受ける。

このリストは発表以来20年以上変わっていないとのことだが、ナノテクにできることを七つの病変に対応させるとやや専門的になるが次のとおり。(要約)

①ナノマシンにより幹細胞がなくてもテロメアを長くして細胞分裂をさせる
②細胞をチェックしながら体内を巡るナノロボットが有効
③ナノマシンで細胞のP53システムやDNAを修復する
④いくつかの方法がある。たとえば修復、指定タンパク質の作成、機械製のものへの取替えなど
⑤細胞修復マシンの活用
⑥たまったゴミを物理的に掃除する大きめのマシンで十分
⑦大きめの組み立て・修復ナノロボットでの活用

以上に加えて専門家は、老化停止にとどまらず”デクロフィニケーション”(時計の針を戻すこと)つまり”若返り”というアイデアにまで踏み込んでいる。

①年に一度の細胞の大掃除
②染色体交換法
③恒久的な細胞組織の損傷を、修復デバイスを使って直す

このように、老化は謎に包まれてはおらず、理解できる現象の結果であり、戦う手立てがもうじき手に入りそうなのだ。あと数十年頑張れば、きっとはるかに長いこと生きていられるようになるだろう。(同書335頁)

最後に読後感想だが、これまで人間は死ぬことによって新しい可能性を次世代に託してきたが、”ナノ医療”によりこの大原則が崩れるとなると社会のあらゆる価値観がもう一度見直されることになる。果たしてこれは人類にとって幸福の扉なのか、それとも悪魔の扉なのか。 

                     



 



 





 


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健康コーナー~コレステロール対策~

2007年05月17日 | 健康コーナー

最近、パソコンとテレビの見過ぎのせいで目を酷使したようで、左目に違和感を伴うので、久しぶりに病院の門をくぐった。昨年10月の人間ドック受診以来のことである。

検診の結果、大事には至らないようで「疲れ目でしょう」ということで目薬をくれたが、これが実に良く効く目薬ですぐに症状が軽くなった。

ものはついでで、内科に立ち寄って血液検査をしたところ、こちらの方が大変だった。コレステロールの数値が基準値をはるかにオーバーしている。

昨年の7月以来、週6日は1時間以上の運動をしてきたので検診の数値には自信があったのだが、お医者さん曰く「運動習慣とコレステロ-ルの数値はあまり関係ありません」の一言でギャフン。

思い当たるのはどうやら運動習慣の過信のせいで、食べすぎ、飲みすぎ、肉の偏食をやりすぎたこと。

早速、数値を下げる薬をもらうと同時に食生活を見直すことにして、動物性タンパク質から植物性タンパク質への転換をはかることにした。食べる楽しみが減るが健康には代えられない。長生きして音楽をもっと楽しみたいのが偽らざる心境。つまり、音楽>食欲。

遺伝子の研究成果などの記事を見ると、コレステロールは長寿の鍵を握っているようで、コレステロールの悪影響を無害にする遺伝子があるだけで長生きできるとあった。(前回の健康コーナーに記載)

医学にはまったくの素人だが結局、「血管は年齢とともに老化していく」といわれるように、血管対策がキーワードのようで、良い生活習慣の目的は血管の弾力性をいかに保つかにあり、これが長寿の鍵を握っているといえそう。

そういえば、2ヶ月前の’07.3.6付け「エコノミスト」誌でタイミングよく「コレステロールは怖くない」との記事があった。内容は次のとおり。

血管の老化の敵役として筆頭に上がるのがコレステロールだが数奇な過去をたどっている。

コレステロール=心臓病の原因となる動脈硬化の元凶

       

コレステロールも善玉(HDL)と悪玉(LDL)の2種類がある

       

悪玉(LDL)もそれ自体が悪いものではなく酸化すると問題が起こる

       

活性酸素が血液中に増えるとLDLにくっついて酸化LDLをつくり、これが悪事を働く。マクロファージの処理が限界を超えて死がいが血管壁にくっついて動脈硬化を招く

       

そこで活性酸素を抑えるために、毎日赤ワイン(ポリフェノール)を1~2杯、ビタミンC、ビタミンE、βカロチンなどの抗酸化物摂取が有効。それと適切な運動習慣も。

なお、コレステロールは細胞にとって重要な役割を果たしており、低ければいいというものでもなく、(例えば低すぎるとガンになりやすいとの説あり。)あくまでも適正値が重要とのこと。

じぶんの場合、これから生活習慣の優先順位の1番を適正な食生活におき、2番を運動習慣にすることにしたが、それにしても自分のような”薄志弱行の徒”は、少なくとも3ヶ月に1度は病院に行って検査をせねばと肝に銘じた。

また、「健康診断でコレステロール値が高めの人が読む本」(2007年2月25日刊、幻冬舎)によると、おすすめの食品として

大豆:コレステロールを下げる成分を豊富に含んでいる
海藻類:表面のヌルヌル成分はコレステロール値を下げる水溶性の植物繊維
こんにゃく:食物繊維のグルコマンナンがコレステロールの合成を抑える
オリーブ油:LDLの低下にもっとも効果的なオレイン酸を豊富に含む
とあった。

さらに、運動習慣のタイミングと頻度にも言及している。
①開始のタイミング
食事をとって1~2時間後に中性脂肪が高くなるのでそれぐらいから開始。因みに朝食前の早朝の運動は厳禁。心臓に負担がかかりすぎて危険とのこと。

②運動時間
余分な脂肪を燃焼させるためには30分以上続ける。

③頻度
運動は毎日続けるのが理想的。1回30分以上の軽めの運動を日課にすること。最低でも週に4日は取り組むこと。

”健康は一日にして成らず、日々実行あるのみ!”

                   








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健康コーナー~寿命は遺伝子で決まる~

2007年03月18日 | 健康コーナー

「寿命は遺伝子で決まる」なんてことを聞くと、あまり信じたくないがこれは実際の研究データによって裏づけされるようだ。

通販専門の月刊誌「選択」’07年3月号でその興味深い記事が目を引いたので内容を要約してみた。

アメリカのニューヨークやボストンの大学医学部共同研究チームによると、100歳以上の長寿者とその兄弟姉妹308人を対象にゲノムの解析プロジェクトを実施した結果、第四染色体上に長寿に深く関っている遺伝子坐(当該遺伝子の存在する位置)が存在することを明らかにした。

この遺伝子座にはヒトの長寿をコントロールするマスター遺伝子が含まれている可能性が高いといわれ、現在そのメカニズムの解明が進められている。

これまでは多くの遺伝子の相互作用によって長寿効果が発揮されると見られていたのだが、以外にも特定できる個別の遺伝子が関っていたということで、ハーバード大のトーマス・ペリス助教授によると、この遺伝子は長寿用遺伝子ブースターと呼ばれ、これが存在していれば、一般人よりも平均20年間は長生きするという。

また、別個の研究でアルバート・アインシュタイン医科大学加齢研究所ニル・バジライ博士は高齢者の認知能力に関する最新研究を発表した。

東ヨーロッパ出身のアシュケナージ系ユダヤ人一族は世界的にも長寿の家系で有名だが、95歳以上の158人を対象に遺伝子を分析した。

その結果、これらの家系には「GETP VV gene」(以下、変異遺伝子と言う)と呼ばれる変異した遺伝子の割合が高いことが分った。100歳以上に限ると一般の人間よりも3倍以上も高いという。

この変異遺伝子の特徴は、コレステロール分子のサイズを大きくする働きがある。

コレステロールは分子のサイズが小さいほど血管壁に付着、蓄積しやすく血流を妨げ血栓などを引き起こすが、この変異遺伝子が多ければ、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中のリスクが低減し長寿をもたらす。おまけに、長寿にもかかわらず知能テストの結果も良好で脳の血流が良いため精神機能も明晰に保たれる。

バジライ博士によると、この変異遺伝子は次世代に継承されるとのことで、「長生きできるかどうかはその家系に長寿者がいるかどうかで決まる、ライフ・スタイルは必ずしも関係ない」とのことだ。

長寿願望の中でせめて良い生活習慣に活路を見出している人間には身も蓋もない話だが、続きがあって、この変異遺伝子に恵まれない人間は、「過度の喫煙と飲酒を慎み、ポリフェノール類を多く摂取し血圧を下げ、適度の運動によって身体機能を正常に維持しつつ高脂血症予防ロール値を下げる努力をするしかない」とのこと。

最後に、同博士らはこの変異遺伝子の効果を真似ることの出来る薬品の開発研究を進めており近いうちに”朗報”がもたらされるかもしれないとのことだった。




 



 

 


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健康コーナー~長寿の謎を解く~

2007年03月04日 | 健康コーナー

人間の「頭の良さ」とは一体何だろうかと時々思うことがある。

いい大学に入ることなのか、いい職業につくことなのか、お金持ちになることなのか・・・。

ところが、そんなこととは関係なく、究極の頭の良さというのは、「健康で幸せに生きていく能力をいう」と書いてあるのを何かの本で見たことがある。

これもワン・オブ・ゼムなのだろうが妙に納得させるものがある。

そこで健康と幸せについて。

ここでいう幸せとはおそらく「現状を素直に受け入れる安息の境地」を指しているのだろうが、これは心の修養の問題でどちらかといえば主観的な範疇に入る。

しかし、健康については客観的な指標があって、それは「元気で長生き」すること。大企業で一生懸命働いて偉くなってお金を貯めても健康を損ねて早死にしては元も子もないと思うがどうなんだろう。ま、ご本人さえよければそれでいいんだろうが(笑)。

健康の大切さはある程度認識されているようで、テレビでも健康情報番組は常に高い視聴率を維持している。しかし、「あるある大事典」のように行過ぎた番組も出てくるので誤った情報をうかつに信じられない。

その点、先日NHK12チャンネルで放映された「長寿の謎を解く」は京都大学の家森名誉教授が食生活の視点から健康に及ぼす影響を実際に住民の検診結果によって証明していたので説得力があった。

対象地域は南米アンデス山脈のビルカバンバで’80年代は世界的な長寿村として有名だったが、2000年には総じて10年ほど短命となり長寿村が崩壊してしまった。

長寿で有名となったため、アメリカを中心に各国から移住者が殺到し、道路整備とともに観光地となって文明化したことが背景となっている。

1986年と2000年の住民の検診結果を比較すると血圧、肥満値、コレステロールが軒並み上昇しており、主食が「ユッカ(いも)+とうもろこし+チーズ」から「ラード(豚脂)+パン、外米」などへと多様化したこと、それと文明化に伴い農作業が減ったことを主因として上げられていた。

そのほか、アフリカのマサイ族、オーストラリアのアボリジニーなどの検診結果を踏まえて、結論として、人間の長寿とは案外もろく崩れるもので、長寿の謎とは「民族の遺伝子に合った食生活習慣」と締めくくっておられた。

生活習慣病とはよくいったもので、悪い生活習慣の積み重ねが病を引き起こすのだが、この番組から分ることは食生活の習慣が病気予防の鍵を握っていることだ。

ただし、良い食生活習慣のためには食欲の抑制(過食、偏食)、嗜好品であるタバコ、アルコールなどの適正摂取など日常生活を通じて常に強固な意志を伴うものが多い。

結局、最後は自分との闘いに尽きるようだが、総じていえることは自分の体質に合った生活習慣が長寿の鍵を握っているといえそうだ。

                 

 


 

 

 

 

 


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健康コーナー~「生きがい」と死亡のリスク~

2007年02月13日 | 健康コーナー

「ボランティアとは究極のエゴイズム」なのだそうだ。

これを象徴するような記事が2007年2月12日付読売新聞朝刊の「生きがいがないと死亡のリスクが1.5倍」だった。

無料で奉仕して自分が社会の役に立っているという意識が自然に自己陶酔感を呼び起こし、それが健康や長寿につながっていって結局は自分のために一番役立っているとのこと。

記事の中身は東北大の大学院が1994年に約4万人の男女を対象に生きがいの有無などを調査したものを保存しておき7年後の2001年末までに死亡した約3千人についてその死因などを分析したものだ。

その結果、生きがいが「ない」とした人は「ある」と答えた人に比べ脳血管疾患で死亡した割合が2.1倍高く、肺炎も1.8倍高かった。がんについては生きがいの有無による影響は見られなかった。

こうした病気のほか、自殺などを含めて死亡した人の割合を全体で見ると生きがいがない人はある人に比べ1.5倍高かった。調査担当の教授によると「良好な感情を持つことは感染症を防ぐ免疫系に良い効果があるといわれている。定年後も、社会活動への参加などで生きがいを持ち続けることが大事だ」とのこと。

なかなか意義深い調査だと思うが、さて、「生きがい」もいろいろあって個人差があり定義が難しそうだが、広辞苑で意味を引いてみると「生きる張り合い、生きていて良かったと思えるようなこと」とある。これでより身近な語感になった。

必ずしも社会活動ではなくても生きていて良かったと思えることなら誰にでも結構あると思う。そういうものをこまめに見つけることが大切なのだろうが、少なくとも熱中できる趣味を何か見つけておけば死亡のリスクが低くなるということだ。

さて、長生きの実例が身近にいる。我が家の90歳になる母である。69才のときに心筋梗塞で死の淵をさまよったが大手術で奇跡的に息を吹き返して21年も経過した。

長生きの原因を生きがいという面から観察してみると、どうもかかりつけのお医者さんに恵まれたことに尽きるようだ。

近くの大学関連病院の経験豊富なS先生だが、実にいい先生なのである。どこがいいかというと、この先生は患者の毎月一回の検診結果の数値にまるでわが事のように一喜一憂してくれるのだ。

母はS先生のがっかりした顔を見たくないといって日ごろから食生活をはじめ軽い運動など実によく節制をしている。血糖値が高かった場合は甘いものをピタリと断つ。

「その年齢だからおいしいもの優先でいい」と言っても、感心なくらいS先生に義理立てする。S先生のがっかりした顔を見たくないというのがまるで生きがいになっているみたいだ。

おそらく想像するに、S先生の一喜一憂には多少なりともお芝居が入っていると思うのだが、自然な形で患者の自助努力を促すこのやり方が実に堂に入っていて、名医とはこういう先生を指すのだとつくづく感じ入っている。

      
           

 



 




 


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健康コーナー~十全大補湯~

2007年02月04日 | 健康コーナー

「十全大補湯」=「じゅうぜんだいほとう」と読む。人間の免疫力を高める薬として現在注目されている漢方薬の一種である。

1月12日にNHKハイビジョンで放映された番組「サイエンスロマン」でその効能が紹介されていた。要約してみると次のとおり。

・不老長寿は古来からの夢であるが、実はそのヒントが人の体の中に隠されていた。

人には、傷ついた細胞をひとりでに直す再生力が備わっており、その力をうまく生かせば日本人の三大死因である、心臓病、脳卒中、ガンを治療できる可能性が見えてきた。

その再生力とは、骨髄に含まれている特別な細胞「幹細胞で、体のあちこちで傷ついた細胞のところに駆けつけて修復し、さらに新たな細胞をつくるなど自然治癒力の源となっている。

ドイツ、韓国などで心臓病、脳梗塞などの患部に幹細胞を注入する人体実験がなされており、高い治癒率を示している。

従来、脳の神経細胞は再生不能といわれてきたが、この方法で再生の可能性がみえてきた。

中国医学では1000年以上も前からこの幹細胞に気づいており、この幹細胞を活性化して自然治癒力を高めるために漢方薬を処方してきた。

その漢方薬の代表的なものが、10種類の生薬を合わせた十全大補湯である。

関西医科大学の研究でこのエキスに骨髄の造血幹細胞を活発(実験結果では7倍増加)にするものが含まれていることが分った。

日本における実例として1歳の女の子が血液を造れない病気になり、西洋医学ではお手上げだったが、この十全大補湯3グラムを1年間処方したところすっかり元気になったことが紹介されていた。

ガンの撲滅にも幹細胞が大きく関っていることが、分かってきた。

テレビ放映の概要は、以上のとおりで天下のNHKだからあの「あるある大事典」の納豆ダイエットのねつ造のようなこともあるまいと思い、この漢方薬を早速試してみようかという気になって、またぞろ健康の虫が疼きだしたので、ネットで調べてみた。

その結果、十全大補湯は各種の貧血傾向の虚弱状態に用いる漢方処方で病院でも外科手術で体力が低下した状態を改善する場合に頻用されているようだ。漢方薬関連の各社からもいろんな種類が発売されている。

常用してもあまり危険はないようだが、それかといって副作用も全く無いワケでもないようだ。現在は毎日の運動習慣が功を奏して、それほど虚弱状態でもないのだが、予防も大切なのでウーンどうしようかと迷っているところである。

                       
          十全大補湯                    10種類の生薬












 


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