「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

大寒波の襲来~神様の思いやり~

2019年01月30日 | オーディオ談義

自分では「いい音」と思っていても、他人にとっては「拷問にも等しい音」になるのはよくある話である。

こういうときに「耳の悪い奴だ」と一方的に相手を決めつけるのは簡単だが、人それぞれに感性や耳の形も違うし仕方がないよねえと思うのが大人の対応と言うべきでしょう。

そもそも、他家のどんなに「いい音」を聴かせてもらっても落ち着く先は「やっぱり我が家の聴き慣れた音が一番いい。」。誰でもそうだと思いますよ(笑)。

そういう彼我の違いがどうしてもあるので、よほど親しい人でない限り「聴きに来ませんか」と持ちかけるのは遠慮しているし、それに遠方からなら交通費もバカにならないので無暗な出費をさせるのは申し訳ないという気持ちが先に立つ。

ただし、県内北部に住まわれているUさんだけは特別な存在のお方である。

一昨年(2017年)の6月にご訪問させていただいたときに聴かせていただいたヴァイタボックスの「CN191コーナーホーン」の鮮烈な音がいまだに脳裡に強く焼き付いている。

その時の画像がこれ。

         

 レコードプレイヤーが「927ST」(EMT)。「930ST」ならよく見かけるが1ランク上の「927ST」となると極めて珍しい。中古の相場をググってみると450万円なり。なにも高けりゃいいというものでもないが(笑)。

          

そして駆動しているアンプはプリアンプがマッキントッシュの「MC22」で、パワーアンプが「MC275」。もちろん、いずれもオリジナル。

           

およそ1年半前のことだったが、この時の音に大いに感銘を受けてから爾来、交流が始まりUさんが2回ほど我が家に試聴にお見えになったが、はっきりしたご感想を述べられなかった。

オーディオ評論家の「加銅鉄平」氏の著書によると「他家を訪問して音が悪いと口に出すのは、あなたの子供はバカですね、と言うのと一緒だ。」というくだりがあるが、
当方が想像するにどうも「バカですね」の類だった印象を受けた(笑)。

しかし、ようやく我が家のオーディオにも春が巡ってきた気がする。およそ長いオーディオの歴史を通じて今がベストの状態とは仲間でさえも認めるところで、自己採点では85点くらいは到達している気がする。

そこでUさんだけにはぜひこの音を聴いてほしいと、思い切ってお電話したところ、ご快諾を受けて試聴日が1月26日(土)の午後と決定した。

まるで入試を控えた受験生みたいな気分でこのところ事前調整に余念がなかった(笑)。

ところが・・・。

何と当日になって大寒波の襲来だった。早朝から今季初の雪が派手に舞っている。別府でこれだから、県北となるともっと激しいに違いない。

こりゃ無理だねえ、と思っていたところ1時ごろになってお電話があって「途中まで来ましたが交通渋滞でクルマが動きません。これから引き返しますので後日の訪問とさせていただきます。」

「そりゃ、大変ですね。いつでも結構ですよ~。どうかお気をつけてお帰りください。」

というわけで、仕切り直しとなった。

よりによってこの日に大雪が降るなんて~。しかも翌日からはカラッと晴れて通常の日和になったのだからどうも解せない。

まったく「オーディオの神様の嫌がらせ」としか思えない(笑)。

ただし、その後の展開によって試聴会の延期が逆に「いい方向」に転んでしまったのだからたまらない。

せっかくお見えになるお客さまにはもっと「いい音」で聴いてもらうに越したことはないが、現実にさらに「いい音」になったのである。

大寒波は「神様の嫌がらせ」どころか逆に「思いやり」だったのだ!(笑)。

次回以降で、その経緯について述べてみよう。

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魅惑のオーディオ実験~ピンチはチャンス・第2弾~

2019年01月28日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

とかくオーディオ機器につきまとう故障を出来るだけ前向きに受け止めて「ピンチはチャンス」とばかりに言い聞かせて、いろんな対策を講じているが、今回はその第2弾。

☆ SPユニット「スーパー12」(ワーフェデール)の故障

まったく信じられない故障だった。

突然ウェストミンスター(改)の右チャンネルからどうも歪んだ音が出てくるようになった。気になって仕方がない。

初めは入れ替えたばかりの「リチャードアレン」かと思ったが、スピーカーに近寄って耳をそばだててみると、内蔵しているウーファーの「スーパー12」(ワーフェデール:口径30センチ)からの歪み音だと判明した。

  

「スーパー12」は計4本持っている。静岡県のTさんから1ペアを購入したが、あまりの素晴らしさに「故障品でもいいですから」と無理を言って格安で追加の2本を譲ってもらったもので、その2本については昨年(2018年)8月に修繕したばかりだった。

画像をご覧のようにマグネットの裏に白い幅広のテープを張り付けて修理日と修理先を記載しているのですぐにわかるようにしているが、その1本が再度故障した模様だ。使いだしてから2か月余りなのでまさか!

2本のスペアがあるので、その点は安心だがウェストミンスターの裏蓋の16本ものネジをこじ開けて交換作業をするのを考えただけでも気が重くなってしまう。

しかし、このままの状態では聴けないので重い腰を上げざるばなるまいて。

しかし、転んでもただでは起きないぞ!

交換作業のついでにSPケーブルも代えてみようかと思いつくのは必然だった。このところSPケーブルの威力にはほとほと降参状態だからね~(笑)。

とはいえ、銀線ケーブルを今から注文するにしては日数がかかり過ぎるし、高価なのも難点なので、ふと思い出したのが「LANケーブル」だった。

「LANケーブル」を「SPケーブル」に使用する件はメル友の「I」さん(東海地方)から教えていただいたもので「LANケーブル → SPケーブル」(2017.6.27)という過去記事にも記載しているとおり。

今でも過去記事のランキングに時折登場する人気記事である。

さっそく近くの大型電気店に駆け込んで「LANケーブル」を物色したところ、ありました!

「カテゴリー7」と題し、「次世代の高精度・高速伝送を可能に」とある。

通常の「LANケーブル」(カテゴリー6)と比べるとお値段は倍近くするが何せ銀線ケーブルと比べるとはるかに「リーズナブル」なのでちょいと乗り気になった。

まあ実験だ、いっちょう試してみっかと「10m」仕様を購入してさっそく解体したところ「厚みのある撚り線」が束になって出てきたのには驚いた。高精度・高速伝送となると線材にも大いに気を配っているはずだと思いたくなるのが人情である。

   

いい音が出るかもしれないなあ(笑)。

まずは右チャンネルだけこのLANケーブルをネットワークから2.5m分を新しい「スーパー12」に半田付けして裏蓋を閉じた。

左チャンネルは従来通り銅の単線(0.8mm)である。

こうやって鳴らすとたちどころに左右の違いが判る仕組みだが、実際に聴いてみると意外にもあまり差がなかった。

強いて言えば、右チャンネルの方がやや明るくて溌溂感があるかなあという程度で、何も知らない他人がこの状態で聴くとまったく判別がつかないと思う。

銅の単線が大健闘だと言うべきだろう。まあ、「スーパー12」が受け持つ周波数が限定的な「~800ヘルツ」(-12db/oct)までというせいで違いが顕著に出ないのかもしれない。

いずれにしても、左チャンネルも「LANケーブル」に代えないと精神衛生上よろしくないので翌日になって交換作業をしたことだった。

これで波乱を呼んだ「ピンチはチャンス第2弾」はお仕舞い。

ちなみに、故障した「スーパー12」は修理元から「送ってください」とのことで、運動ジムの帰りに持ち帰り自由の「スーパーの段ボール置き場」から適当な大きさのものを失敬し梱包完了して送付した。

はたしてどこが故障したんだろう?

「三角帽子」(ファリャ)の低音を出し過ぎたのかもねえ(笑)。

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魅惑のオーディオ実験~ピンチはチャンス・第1弾~

2019年01月26日 | オーディオ談義

はじめにブログのタイトルについて一言。

以前から再々にわたって登場しているのがこの「ピンチはチャンス」という言葉。

長年オーディオをやっていると機器のトラブル(故障)はつきものだが、その都度、何かしらの代替策を講じてみると「以前よりもむしろ良くなった気がする。故障したのはチャンスの糸口だった。」ことが度々あるというのがタイトルの趣旨だ。

ただし、ホンネを言わせてもらうと愛用しているオーディオ機器の故障は愛好家にとって「ご飯が喉を通らなくなる」ほどのショッキングな出来事である。

それを少しでも和らげるために「ピンチはチャンス」とばかり、自己に希望的な暗示をかけようとする生体防御反応の一環であることを賢明な読者の方々ならおそらくお察しいただけると思っている。

つまり、強気の「ふり」をしているだけなのである(笑)。

こういう事情を背景にして、今回も急に二つのトラブルに見舞われたがどうやら無事切りぬけたつもりなので記録しておこう。

まずは、

☆ AXIOM80の故障

ウェストミンスター(改)の上に載せていた「AXIOM80」(復刻版)だが、一人でにんまりと悦に入っていたところとうとう天罰が下ってしまった(笑)。

裸の状況と聴き比べるために植木鉢のウッドホーンに収めて持ち上げようとしたところ、側板がはずれてドサッと床に落としてしまったのである。しまった!

極めてデリケートなスピーカーなので恐る恐る再生してみたところ、やっぱりノイズが発生。痛恨の大ポカだった。

さっそく馴染みの修理屋さんにメールで問い合わせてみると、次のような回答があった。

「AXIOM80 ビビり修理、承ります。このユニットは、羽ダンパー、羽エッジが複雑な関係を伴って居りこのバランスをいかに調整するかが問題となります。ボイスコイル、磁気回路スリットが開放されていますので異物の混入も懸念されますので、調整ポイント満載なユニットです。この機種の修理実績費用は、1ユニット¥2万円~¥3万円程度となっております。」

トホホ、新年早々にまた出費かあ!

仕方がない。腕はたしかなのでお任せするしかない。

修理期間は少なくとも2週間以上は見積もっていた方が無難なので代わりのユニットを見つけるしかない。

当然これまで使ってきた「175」(JBL)の再登板が考えられるが、これがどうもパッとしないのよねえ。

もちろん管楽器などの再生はいいけれどクラシック音楽の命とでもいうべきヴァイオリンの音色がどうもしっくりこないのである。

細かいことを言えば、ヴァイオリンの弓を当てたときの弦の響きと一拍おいて胴鳴りする時間差の微妙な表現が「金属のダイヤフラム+ホーン」では出来ない。

あのタンノイさんの同軸2ウェイの38センチユニットも比較的若い1000ヘルツ以上の周波数から「金属のダイヤフラム」になっているせいか弦の響きがとても硬く感じる。

その硬さをあの独特のホールトーンで誤魔化している気がするのがタンノイさんを敬遠する一番の理由である。

いずれにしろ「175」はこのまま直し込んで、クロス1200ヘルツのネットワークでそのうち再挑戦してみることにしよう。

そういうわけで、当面金属のダイヤフラムはなるべく使いたくないということで消去法で登場したのが長いこと倉庫に直し込んでいたリチャードアレンの「フルレンジユニット(イギリス:口径20センチ)である。

平面バッフルで聴くととてもバランスの取れたいい音がするが、このところグッドマン勢に押しまくられて出番がなかった。

そのうち「何方かに譲ろうか」と、思っていたのでまさかこの期(ご)に及んで登場するとは夢にも思わなかったユニットである。

800ヘルツから8000ヘルツまでの帯域を受け持たせてみようという算段だが、クラシック向きの音色というのはすでに把握しているので
心配なのはユニットの能率だけである。

97dbぐらいあれば十分いけそうだが、とにかくやってみなくちゃ分からん~。

   

単独では高音域不足を感じそうなのでツィーターの075はそのまま活用することにした。これは金属のダイヤフラムだが比較的高い8000ヘルツ以上(-6db/oct)を受け持つので許そう(笑)。

興味津々で聴いてみると、奥行き感の表現力が175とは雲泥の違いでクラシックを聴くのにはもってこいだし、075でやや派手な味付けをしているので「ぬるま湯的」な音でもない。

とてもグッドバランスである。むしろ
AXIOM80のときより上かもしれない!?

やっぱり「ピンチはチャンス」だったなあ(笑)。

さて、問題は次の二番目の故障でまったく想像を絶するほどの展開が待ち受けていた。

以下、続く。

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魅惑のオーディオ実験~銀線ケーブルの威力~

2019年01月24日 | オーディオ談義

このブログに頻繁に登場していただいている近隣のオーディオ仲間のYさん。

フルートの名手なので日頃から生の音に接しておられるせいか、音に対する感度がすこぶる高いし、歯に衣着せぬご指摘にも実に鋭いものがあって我が家のオーディオに大いに貢献してもらっている。

ちなみにモーツァルトの作品だけは演奏するときになぜか心がウキウキしてくるそうでまったく別格とのこと。

まだバリバリの現役なので我が家にお見えになるのは土曜、日曜のいずれかだが、「ちょっと聴いてもらえませんかね。」とお誘いすると気軽に「ハイ、いつもの時間ですね。」

その昔、プロ野球巨人に宮田というリリーフ投手がいたが、決まって8時半ごろに登場するので「8時半の男」と称されていたが、家内に言わせると「1時半のお方」だそうだ(笑)。

実はYさんがお見えになる理由の一つに「AXIOM80」への愛着があるのも事実で、いろんなスピーカーを聴いていただくのだが、最後は「AXIOM80」を所望され「やっぱり最後はこのスピーカーに尽きますね。」といつもウットリされている。

そのYさんが「AXIOM80に半田付けしている銅線を銀線に変えるともっといい音がすると思いますけどねえ。」と、ポツリと洩らされた。

現在のSPケーブルの状況はパワーアンプのSP端子からSPボックスのSP端子まで「PADのSPケーブル~3m~」が行き、それから先は銅線が1.2mぐらいの長さでAXIOM80の端子に半田付けしている。

この1.2mの長さの銅線を
「ぜひ銀線に変えましょうよ。」というご提案である。

銀線と銅線と音がどう違うのか問われても科学的に証明するのは困難なので、聴感上で判断するしかないが、とてもハイ・センシティブな持ち主のAXIOM80だから、きっとこの小さな変化にも如実に反応を示すことは容易に想像できるところ。

期待度100%のもと「善は急げ」とばかり、さっそく東京のショップに注文した。中高音域なら直径0.8mm1本でいいが、フルレンジとなると2本をより合わせた方が無難だろう。

したがって片チャンネル分のプラス線、マイナス線を合わせて換算すると、1.2m×2×2=4.8mだから両チャンネル分だと9.6mになる。銀線は高価なので結構なお値段になりますよ!(笑)

しかし、乗りかかった船なので初志貫徹といこう。ほどなく代引きで品物が到着。

さっそく所定の1.2mにカットしてAXIOM80に半田付け。「芯剥き」がたいへんな作業だった。端っこを100円ライターで炙って厚手のビニール製手袋で焼けた部分を引っこ抜くこと連続16回。



このAXIOM80は古色蒼然としているが希少な最初期版である。

銀線の被覆には2種類あって「透明」と「青」があるが、芯の剥き具合がよくわかるので「青」の方がGOOD。

作業は1時間ほどで終了した。丁度土曜日の午前中だったので音出しすることなく、Yさんに「AXIOM80に銀線を装着しましたよ。一緒に聴きませんか?」

「ハイ、わかりました。いつもの時間ですね。」(笑)。

結果から言えば「素晴らしい!」の一言だった。

「水も滴るようなヴァイオリンとはこのことですね。完璧です。これまで聴かせていただいた中でベストの音ですよ。」

流石はAXIOM80で、たった1.2mの銀線ケーブルへの変更にも見事に応えてくれた。

メデタシ、メデタシ。

ちなみに使用したアンプは「171Aプッシュプル」だった。これもPADのSPケーブルによって息を吹き返したアンプである。相性が抜群で低音域の力感には「!」だった。ナス管がズラッと8本並ぶ眺めは壮観。

右の片隅に見えるRCAケーブルは「PADのREV.B」を復活させた。

  

このアンプの電源を「100v」から「200Vから100Vへ降圧した」電源へ切り替えたところ、全体的に騒がしさが減って透明感が増したのには驚いた。

「前段管がメッシュプレートの227で出力管がとても素直な171A,出力トランスがピアレスでインターステージトランスがパーマロイコアですから悪い音の出ようはずがありませんよ。」とは、改造していただいた「北国の真空管博士」の弁である。

AXIOM80との組み合わせに限って言えば「WE300Bシングル」や「PX25シングル」よりも明らかにこのアンプの方が上位にランクできる。

しかし、こういう完璧な音を出されると、逆に「失いたくない」という不安が頭をもたげてくるので良し悪しですね~。

オーディオは、ほどほどがよろし(笑)。

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モーツァルトで免疫力を高めよう

2019年01月22日 | 音楽談義

このところ「お天気」続きで空気が乾燥しているせいか全国的にインフルエンザが大流行らしい。

かく言う自分も4日ほど前に微熱があるようで体がだるいし、深部体温が下がらないせいか睡眠の質も非常に良くなかった。

軽い風邪症状だったがこれ以上ひどくなったらたいへんだと、身構えていたところ幸い1日だけで運良く撃退できた。

これも日頃からモーツァルトを浴びるように聴いて免疫力を高めていたせいかもしれない(笑)。

パソコンオーディオを本格的に開始し「192KHz再生」によりインターネットラジオで「モーツァルト専門チャンネル」を聴きだしてからおよそ1か月あまり。

積極的に音楽を聴きにいく姿勢から、受け身として与えられる音楽に新鮮な驚きを覚える方が楽しくなるのは歳を取ったせいだろうか。身に覚えのある方はきっと多いはずだ(笑)。

何しろいきなり大好きな「ファゴット協奏曲」(第二楽章)が流れてきたりするのだからたまらない。

24時間ぶっ続けのモーツァルトとなると、これまで知らなかった曲目が続々と登場してくる。

リスナー席からパソコンまで3mほどあるのだが、「これはいい曲だなあ、タイトルは何?」と、にじり寄ること再々。

その都度、手帳に曲名とケッヘル番号を書き記している。

たとえば、いくつか挙げてみると「ハフナーセレナーデK250」「ピアノ協奏曲5番K175」「ピアノ協奏曲11番K387」「交響曲9番K73」「交響曲21番K134」

どちらかといえば10代~20代の頃に作曲された「ピアノ協奏曲」や「交響曲」に好きなものが多かった。

ものの解説本によるとモーツァルトのピアノ協奏曲は第20番(K466)以降から圧倒的な進化を見せたとあったのだが、ウソばっかり(笑)。

ずっと昔の10番台に凄くいいものがあるし、交響曲も例外ではない。解説書の鵜呑みはやっぱり禁物ですな。

なお、惜しむらくは形式も楽器の数もシンプルそのものの「ピアノソナタ」にこそモーツァルトの真骨頂があると思うのだが、出番が極端に少ない。いったいなぜだろう。

脚本家の「石堂叔郎」氏によると作曲家が生涯にわたって書き連ねたジャンルにこそ、その本質が具現化されていると喝破されていたが、
「ピアノソナタ全集」「ピアノ協奏曲全集」「交響曲全集」「オペラ」などの初期の作品には後期の作品には見受けられない独特の魅力がある。天才の天才たる所以でしょう。

さて、冒頭の話に戻って「なぜモーツァルトの音楽を聴くと免疫力が高まるのか。」

これには科学的な根拠があるみたいですよ。6年前の記事を一部改変して以下のとおり再掲させてもらいましょう。
 

音楽といってもいろんなジャンルがあるし、作曲家にしても様々だが、取り分け「モーツァルトの音楽」に、より高い健康効果が認められるというのが次の本。 

                                            


以下、本書を引用させてもらおう。

モーツァルトの名曲になぜより高い健康効果が認められるのか、それは次のように判明している。

人間の意志とは無関係に作動する自律神経の中でも身体をリラックス状態に導く副交感神経を刺激する音の特性が豊富にバランスよく含まれている。

その特性を具体的に挙げると次の3点。

 音の高い周波数(3500ヘルツ以上の高音)がよく含まれている

 自然の音と同じ一定のリズムを保ちながら「変化のある音=”ゆらぎ”」に満ち満ちていること

 倍音(音と音とがぶつかり合ってさらに高い周波数になる)と呼ばれる音の特性が交感神経(ストレスなどを喚起する)の働きにブレーキをかけること

の”ゆらぎ”については、さらに解説が必要と思う。

たとえば、夏のひんやりしたそよ風は強くなったり弱くなったりする不規則性が人間の生体リズムと一致して涼しく感じるが、扇風機の風は人工的で一定の強さしか吹かないため心地よく感じず「その違い」とのこと。


この3点を基軸として本書は展開されていくがこのうち、特に興味をひかれたのが次の点。
 

☆ 聴覚は心臓が停止した30分後まで残っている感覚

人間は外部からの刺激を聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚という五感でキャッチしているがその中で聴覚は最後まで生き残っている感覚で心臓が停止した後も30分間くらい働いている。したがって、意識のない病人の枕元で悪口を言ったりするのはとんでもないこと。(そんな人はいないだろうが・・・)

聴覚が休みなく働くことは(危機をいち早く察知するという点で)動物にとって極めて重要な機能で五感全体が脳に送っているエネルギーのうち85%以上が聴覚によるもの。
 

なお、モーツァルトの音楽以外ではバッハにも同様の効果が認められ、さらに「グレゴリオ聖歌」にも”ゆらぎ”が豊富とのこと。楽器では、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、オーボエなどがそうで、ピアノの場合には背骨にツボ刺激を与えるような響きを持っているそうだ。

最後に音楽療法の効果を高める曲目が具体的に10曲紹介してあったが、自分が勝手に推奨する「これぞ癒しのモーツァルト」は
ヴァイオリン協奏曲全曲、フルートとハープのための協奏曲、クラリネット五重奏曲、オペラ「魔笛」。

日頃からモーツァルトをたっぷり聴いて免疫力を高めておきましょうね~。
 

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魅惑のオーディオ実験~AXIOM80の復権~

2019年01月20日 | オーディオ談義

オーディオはたしかに理論も大切だけど、実際に実験してみないと分からないことの方が多いような気がする。

オーディオとは言い換えると機器同士をいかに組み合わせるかに尽きると思うが、相互の長所と短所を微妙に絡みあわせるところにこそ妙味があって、似た者同士よりも異質とされるものを組み合わせて良好な結果が得られたりすると心から快哉を叫びたくなる。

したがって、オーディオ機器を単独で良し悪しを判断するのはとても危険なので常に相性実験が必要となる。

まあ、そういう趣旨で昨年12月に発足させた新しいカテゴリーの「魅惑のオーディオ実験シリーズ」だが早くも14件目の登載となった。

今回は、このところ存在感が増すばかりのPADのSPケーブルがもたらした様々な「福音」(ふくいん)について述べてみよう。

まずは、

☆ 神経質なAXIOM80が見事に変身

これまでいろんなスピーカー遍歴を重ねてきたが、とうとう最後はグッドマンとワーフェデールに落ち着いた。この辺がおそらく終着駅かな・・。

やはりクラシックを主体に聴くとなると、どうしても「ブリティッシュサウンド」になる。

そういうわけで愛好しているグッドマンだが、我が家では頼もしい「3兄弟」が常に出番を競っている。

長男の「AXIOM150マークⅡ」(口径30センチ:同軸2ウェイ)は聴き疲れのしない音でクラシック専門に聴くのにはもってこいのスピーカーだが、多少のんびりしているところがある。「総領の甚六」かな(笑)。

次男の「トライアクショム」(口径30センチ:同軸3ウェイ)はなかなかのしっかり者で、あらゆる音楽ソースに柔軟に対応できるが、やや「八方美人」過ぎるところがあり、もう少し専門的に尖ったところが欲しい気もする。


そして問題は三男で末弟の「AXIOM80」(口径25センチ)だ。

三兄弟の中でも「白眉」(出典「三国志」:蜀の馬氏5人兄弟の中でもっとも優れていたのが馬良で、その眉毛に白毛が混じっていたことから同類の中で最も優れているものを白眉という。)ともいえる存在だが、その一方ではもう病的ともいえる繊細な神経の持ち主で、あらゆる変化に敏感に反応するが、ときにはあまりの気難しさにへきへきしたくなるほど(笑)。

このくらい個性的で「じゃじゃ馬」スピーカーも珍しいが、いったんツボにハマると特上の音を出してくれそうな気がするのでその辺が得体のしれない魅力の一つ。

何しろAXIOM80の一番のネックは「低音域」にある。音の姿は「ピラミッド」型にたとえられることが多いが、やはり底辺がしっかりと豊かに鳴ってくれないと全体が神経質かつ不安定になってしまう。

試行錯誤すること、もはや10年以上になって大いに勉強させてもらったが、ようやくこのAXIOM80から「まとも」ともいえる低音域が出てくれるようになったのはうれしい限り。

オーディオ仲間からも「PADのSPケーブルによってAXIOM80の神経質な面がすっかり払拭されましたね。」という「お墨付き」までいただいている。

「な~んだ、AXIOM80の低音不足を解決するカギはSPケーブルにあったのか」というわけだが「うれしさも 中くらいなり おらが80」。

実はエンクロージャーの工夫やアンプの改善などの正統的な手段で目的を果たしたかったので「うれしさ半分」というわけだ(笑)。

まあ、手段はどうであれ実際に良くなったのだからこれ以上欲を言うと罰が当たりそう。

これでようやく「AXIOM 80」が真価を発揮してくれて名誉挽回。「賢弟愚兄」の状況になりつつあるのかなあ(笑)。

ついでに調子に乗って・・・。

☆ 復刻版のAXIOM80の活用

SPケーブルの重要性にほとほと目覚めさせられたので、このほど調達したのが銀線のケーブルだ。口径は「0.8mm」で銀は銅よりも伝導率が高いというので試してみることにした。

   

使用目的はウェストミンスター(改)の上に載せていた
「175+075」コンビを外して復刻版の「AXIOM80」を活用することにある。

もちろん、やってみなくちゃ分からんという実験の一環である。ネットワークもJBLの「LX80」(クロス800ヘルツ)からテクニクス(クロス1200ヘルツ)へ交換。両方ともこのほどSP端子をバナナプラグ仕様に変更してもらったばかりである。

我が家では「LX80」がベストだが、付属の中高音域用のボリュームを最大限に上げてもAXIOM80が鳴ってくれないので仕方がない。

   

そもそも「AXIOM80」のスピードに合う「ウーファー」なんてまず存在しっこないし、ましてや口径38センチなんて反応が鈍くて論外だ。

やっと現用中の「スーパー12」(ワーフェデール)が口径30センチなので辛うじていけそうだし、肝心のマグネットは同じ「赤帯タイプ」である。

     

いずれにしても1200ヘルツ(-12db/oct)から「AXIOM80」を使おうというのだからたいへん珍しい。

たしか先年亡くなられた音楽評論家の「宇野功芳」さんのシステムが3ウェイで、低音域と高音域にワーフェデールのユニットを、中音域にはAXIOM80を使っておられたぐらいだ。

注意すべきは「箱無し」の状態で低域信号を入れたらこのユニットは一発で故障すること請け合い。実に苦い経験を持っている。  

ワクワクしながら聴いてみると、これはっと思わず絶句・・・。

   

「美は人を沈黙させる」(小林秀雄)という言葉はほんとうだねえ(笑)。

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魅惑のオーディオ実験~電線病(伝染病)~

2019年01月18日 | オーディオ談義

「電線病(伝染病)に感染させて申し訳ないです。」と、先日お見えになったときに苦笑されるオーディオ仲間のYさん。

そういえば、このところのSPケーブルへの「逆上(のぼ)せ」ぶりはYさんが購入した超高級な「純銀製ケーブル」を昨年末に試聴させてもらったことが「きっかけ」だった。

「いいえ~、ずっと昔のPADのケーブルを加工して活用しているだけですから別に大枚のお金をかけたわけでもないし、むしろ開眼させてもらって感謝しているほどですよ。」と模範解答をしておいた(笑)。

いずれにしても、このSPケーブルが我が家のオーディオ環境を一変させたのは間違いない。たかがSPケーブルごときにそんな資格があるのかと言いたいところだが現実にそうだから否応でも受け止めざるを得ない。

AXIOM80の大変身、「200V → 100V電源の目覚ましい効果」、強力マグネットの「ツィーター」復活、171Aプッシュプルアンプの躍進など枚挙にいとまなし。

これまで日陰にいた連中が堂々と「大手を振ってまかり通る」のだからたまらない(笑)。

        

この「シュトルム・ウント・ドラング」(疾風怒濤)については次回以降でみっちり詳述させてもらうことにして、今回は我が家だけでなく2軒のオーディオ仲間宅での武者修行でも実力をいかんなく発揮してくれた状況を述べておこう。

前々回のブログに述べたようにNさん宅の「アルテックA5」では期待にそぐわぬ活躍ぶりだったが、翌日のMさん宅での「クリプッシュホーン」スピーカーでも見事な活躍ぶりだった。

クラシック好きのMさんが例によって数台のレコードプレイヤーでカートリッジをとっかえひっかえしながらの再生に対してそれぞれの持ち味を十分に発揮させてくれた。

「どんなに気に入った音が出ても、いつも同じ音だと飽きてきますのでそういうときはカートリッジを変えて楽しんでいます。」と、Mさん。

「人間の脳はマンネリを嫌うと本に書いてありましたからね。変化を欲しがるのは基本的な本能だと思いますよ。カートリッジで音に変化をつけるのは手軽で面白そうですね。」と自分。

      

   

片方のスピーカーの「オートグラフ」でも試したかったが、SP端子が「バナナプラグ」仕様になっていなかったので不可能だった。

「端子部分を改造すればいいじゃないですか」とお奨めしたのだが、オリジナルにこだわられるMさんのお気持ちも十分お察しできるところだ(笑)。

これでSPケーブルの武者修行をひととおり終えたが、ただひとつ問題点がある。

画像をご覧のようにあまりにもケーブルが太いものだから鑑賞するときに丸見えになるのがネック。見ただけで興を削がれること間違いなし(笑)。

オーディオは見てくれも大いに影響するが、豪華なスピーカーやアンプだといかにも「いい音」が出そうで否が応でも説得力が増すものの、これがSPケーブルだと逆に嫌悪感が増すのが何だか不思議。もちろん自分だけのイメージかもしれないが。

「ケーブルにオーディオの神は宿らない。主役になってはいけない存在だ。」という気にさせるものが何かあるのだろう。

しかし、実際にこれほどの変化をもたらすとなると認識を改めざるを得ない。ケーブルはシステムの音質を大きく左右する大切な機器の一部だ!

たしか「論語」にも「過ちを犯してしまったら、ためらわずにすぐ悔い改めよ。」というのがありましたっけ(笑)。


それにしても、ただでさえ我が家のシステムの風景はどなたかのブログによると「とてもクラシックを聴ける雰囲気ではない」と酷評されている始末だが、それに加えてそれほど広くもないオーディオルーム(5m×6m)に合計8本(長さ3m)の蛇がのたうち回るのだから、できるだけ人目につかないように工夫しなければいけない。

唯一の対策は当面使っていない機器類を倉庫に移管してスペースを確保してうまく隠すしかない。

半日ほど本腰を入れて作業したところ随分すっきりした。

当面これ以上は道具を増やさないことを決意したが、はたしていつまで続くことやら。もちろん小道具は別ですよ~(笑)。

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モーツァルトの「アダージョとフーガ」 K546

2019年01月16日 | 音楽談義

以前のブログにも搭載したことがあるが、これまで10年間ほど加入していた「ボーダーレス・ミュージック・ランキング」がパソコンウィルスに感染して続行不能になったので、仕方なく昨年(2018年)の9月から「クラシック音楽・ランキング」に参加している。

実は加入にあたって「オーディオ部門」がないかと探したのだが見つからなかったので運営元に「オーディオ部門を創設してほしい。」と、要望を出しつつ、やむなく
「クラシック」部門を選んだ経緯がある。

したがって、いまだに「よそ者」という意識が頭の片隅にあってどうも居心地がよろしくない(笑)。「クラシック鑑賞には静謐感が必要」だから、騒がしい部外者が乱入して申し訳ないという気持ちも当然ある。


とはいえ、他のブログについても自分がイメージするクラシック部門にふさわしいかとなると少々疑問がつきまとう。

たとえば、個人的な意見を言わせてもらうと、「とても暗くて気が滅入ってしまう」ようなブログがあったり
、それかといえば「タイトルにわざわざ自分の名前を刻みこむ自己PR用」のブログがあったりで「クラシック音楽への愛情と造詣」からすると「?」かな~(笑)。

自分も含めてこれらのしっくりこないブログがランキングに溢れる中で光り輝く存在なのが「Ragdollの主題による変奏曲」さん。

正統派のホンモノのクラシック論が満載である。投稿は不定期だがこの方の過去記事にはいつも多大の敬意を払って読ませていただいている。タダで読ませてもらうのが申し訳ないほどだ(笑)。

その中で特に目を引いたのが「クレンペラーとモーツァルト」で、曲目は「アダージョとフーガ」(k546)の記事だった。

「モーツァルトの中でも筆者が好んで聴く作品・・・。円熟期にふさわしい深遠な楽想と対位技法の粋を凝らした名作中の名作。」とある。(無断引用ですからご指摘があればすぐに消去します。メルアドは自己紹介欄にあります。)

恥ずかしながらK546はまだ聴いたことがない。モーツァルトの何から何まで知らないと気が済まないタチなのでぜひ聴いてみたい気にさせられた。

オペラ魔笛がK620(35歳=死亡年齢)だから、K546となると30代の作品であることは間違いない。

自分が好きなモーツァルトの作品は「魔笛」は別格としても10台後半の頃のものに多く(K136、K165など)それ以降の作品となると円熟味が増す反面、いかにも彼らしい伸び伸びとした「天馬空を駆ける」趣が少なくなっていくのが不満。

はたしてK546はどうだろうか。

自分の場合、指揮のうまい下手はオペラの指揮を聴いてから判断することにしているが、クレンペラーの「魔笛」はとても良かったので今でも印象度Aランクに位置づけしている指揮者だ。

さっそく「HMV」にアクセスし1枚だけでは淋しいので「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」(K364)と抱き合わせで購入した。

    

結論から言えば「K546」は肌に合う曲目ではなかった。「正座して聴きなさい」といわんばかりの、まるで後期のベートヴェンを思わせるような印象を受けた。

晩年のモーツァルトの音楽は「親しみにくい」として聴衆からの人気を徐々に失っていったが、それと相通じるものを感じた。

しかしこの深い森を通り抜けた後に「突き抜けたような透明感」に溢れる「魔笛」が完成したのだから彼にとっては必然とされる道筋だったのだろう。

もう一枚のK364はヴァイオリン奏者がグリュミオーだったので購入してみたがパッとしなかった。

この曲目はヴァイオリンとヴィオラの押したり引いたりの「阿吽の呼吸」を愉しむ音楽だが、ヴィオラ奏者との息がいまひとつ合っておらず躍動感に欠けている。録音状態も悪い。

これに比べると「五嶋みどり」さんと「今井信子」さんのコンビの方がはるかに素晴らしい。両者とも世界に誇れる奏者であることを改めて確認した。

   

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凄いぞ!自作マランツ7型プリアンプ

2019年01月14日 | オーディオ談義

話が分かりやすいように、丁度1か月前の昨年(2018年)の12月12日に投稿した記事(一部)から入らせてもらおう。

(Nさん宅の)オーディオルームに入るなり「いつもお世話になってま~す。あれっ、いったい何やってんすか?」

Nさんが机の前で沈思黙考されている。

  

「実はねえ、この度Mさんがマランツ7Kを購入してねえ。試聴に行ったんだけど、これがもう素晴らしい音でねえ。大いに触発されて手持ちの部品で何とか作ってみたいものだと寄せ集めて(マランツ7の)回路図を研究しているところなんだ。」

以上のとおりの記事だったが、このプリアンプ「マランツ7」はおよそ60年前の製品なのにいまだに人気の衰えを知らず、逆にますます価値が高まってさえいる。有為転変の激しいオーディオ機器だが、こういうプリアンプもたいへん珍しい。

たとえばオークションで「プリアンプ」(真空管)で検索すると、いまだに「マランツ7型回路で作成」という記載をよく見かけるのがその証拠。

そのNさんから4日ほど前にお電話があった。

「あけましておめでとうございます。今年の正月はマランツ7型プリアンプの製作にかかりっきりでした。やっとどうにか完成したので聴きに来ませんか。」


「はい喜んでお伺いします。ついでにPADのSPケーブルが使えるようになりましたので持って行きたいのですがいかがでしょうか。」

「エッ、PAD!それは興味があるねえ。どうぞ持ってきてください。」

結論から言えば「Nさん自作のマランツ7」は素晴らしい音だった。「アルテックA5」が朗々と鳴って何ら不満を感じなかった。

    

よくお話を伺ってみると「マランツ7」型は感度が高いのでコンデンサーや抵抗の材質によって音が豹変するとのこと。

惜しいことに長期保管中だった「バンブルビー」のコンデンサーは容量が抜けたのが多くて2割程度しか使えず、その一方、抵抗の方はアレンブラッドリーが無事ですべて統一出来たとのこと。

当初はノイズが盛大に出て、3日間ほどコンデンサーをとっかえひっかえの調整の連続だったがようやく落ち着いたそうだ。

   

マランツ7型は我が家でも使っているが掛け値なしに「いい音」がすることを実感した。

詳しく伺うと、オーディオ界では「マランツ7党」として独自の世界が築かれており、程度のいいものから悪いものまでレストアされたものが専門店によって販売されていて、オリジナルに近い最高級品は350万円なり!

「マランツ7」じゃないと出ない音があるというのはよくわかります。

かって「ソウル・B・マランツ」氏(アメリカ)が個人用に製作したプリアンプが評判を呼び、その後広く普及したわけだが「採算を度外視した性能のいい製品を作り続けると会社が倒産する。」のは、マランツ社も例外ではなかった。

逆に言えばオーディオ業界で長持ちしている会社は「?」かもねえ(笑)。

最後に、本日の目的の一つだったSPケーブルをウェスタン製の単線からPADに切り替えて試聴させてもらった。

   

「凄いなあ!こんな音はアルテックA5から初めて聴いたよ。」と、感心することしきりのNさん。

何よりも低音域の重量感がすごかった。それかといって中高音域もとても澄んだ音が出る。

やっぱりPADのSPケーブルはどんなシステムにも通用する実力を発揮してくれたようだ。

さあ、PADの次の道場破りは「オートグラフ」と「クリプッシュホーン」を愛用されるMさん宅だ。

翌日、Mさんの了解を得てから訪問させてもらった。

以下、続く。

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魅惑のオーディオ実験~盲点だったSPケーブル~

2019年01月12日 | オーディオ談義

新年早々から「嬉しさ半分、口惜しさ半分」といったところかなあ。いきなりの話だが、何しろSPケーブルのことである。

通常、オーディオに対するイメージといえば音響を大きく左右する部屋の形状は別として、まずはスピーカーであり、次にアンプが来て最後に前段機器の出番というところだろう。

これらに比べると各機器を接続するケーブル類は「異質=異端者」のような気がしてこれまでほとんど無関心だった。

なぜなら細かい「工夫の余地」があまり無いし、高級品ともなると法外なお値段で贅沢趣味のイメージが付いて回るから。

ところが、オーディオ仲間が持参した「純銀製SPケーブル」の音に腰を抜かさんばかりに驚いたのが昨年末のこと。

それからはいつものように「のぼせもん」(博多弁)になって、まっしぐら(笑)。

否応なく開眼させてくれたオーディオ仲間には心から感謝している。

10年以上も倉庫に直し込んでいた「PURIST AUDIO DESIGN」(PAD)のSPケーブルがバナナプラグへの変更によって見事に蘇ったのだ。


  

何しろ低音域の力強さに驚いた。ずっと以前のこと、購入先のショップの担当が「PADは何と言っても低音の迫力です。」と言ってたが、そのとおり。それかといって、中高音域の独特の艶にも背筋がゾクゾクっと来るほどでまったく不満なし。

こればかりは実際に聴いてもらわないと実感できそうもないのがもどかしい(笑)。

自分で言うのも何だが、真空管アンプもスピーカーもかなりのハイレベルにあったところ、その能力の発揮を阻害していたのがほかならぬこれまでのSPケーブル(銅の単線)だったということになるのだろう。

逆に言えば、マイナス要素を最小限に食い止めるのが良いケーブルとしての役割かもしれない。

こんな優れものをよくもまあ10年以上も倉庫の中にほったらかしにて「馬鹿だなあ」と「口惜しさ半分」で自分の頭を小突いてやった(笑)。

それにしても「Yラグ端子」から「バナナプラグ端子」への交換作業を快く引き受けていただいたオーディオ仲間のKさん(大分市)には感謝の言葉しかない。

Kさんは現在真空管アンプ工房を開設されており、50年近いベテランだが、そのKさんにまたもや「あつかましい」お願いをした。

「我が家にはウェストミンスター用としてJBLのネットワークを使っていますがSP端子が実に貧弱なものが付いています。これをしっかりしたSPターミナルに交換できませんかね。するともう一組余ったPADのケーブルが使えるようになります。別府方面に来る用事がありましたら寄っていただけるとありがたいです。」

下記の画像がその見るからに古色蒼然としたJBLのネットワークだがご覧のようにまことに貧弱なSP端子が付いている。これらをすべて「ちゃんとしたターミナル」に変えようという算段である。
   
  

スペース的にみてちょっと無理かもしれないが「ダメでもともと」の話である。

とにかく一組余った「PADのSPケーブル」(4本)を使いたい一心で思いついたアイデアである。 

ところが、とても親切なKさんのこと、翌日になってわざわざお見えになっていただいたのでさっそく現物を検分してもらった。

「ああ、これなら出来そうですよ。以前にも取り扱ったことがあります。2日もあれば十分でしょう。」と持ち帰っていただいた。

あなうれし!

そして翌々日の9日(水)のこと、「完成したので持っていきます。」

   

見事な仕上がりで、これでバナナプラグ同士の抜き差しができる!

さっそく、PADのSPケーブルをパワーアンプ端子からネットワークの「INPUT端子」に繋いで試聴に移った。

パワーアンプは相性のいいPX25シングルにしてみた。スピーカーはもちろん「ウェストミンスター」(改)。

   

我が家に限ってのことだろうが、どうもJBL「175」だけだと高音不足を感じてしまうのでJBL「075」ツィーターをマイカコンデンサー(0.075μF×2)でローカットして繋いでいる。

ポイントは「175」をムンドルフの無抵抗コイル(0.15mh:画像の赤バンド)でハイカットしていることで、これがあるのとないのとではかなりの違いがある。

KさんともどもCD盤を数枚聴いてみたが、以前よりも音の密度というのか粒子が細かくなって音響空間が凄く豊かになっている。

これは素晴らしい!

何よりも「費用 対 効果」が抜群なのがビンボー人にはありがたい。

今年は幸先のいいスタートでメチャ運が良さそうだが「好事魔多し」という言葉もあるので用心しなくっちゃ~(笑)。

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凄いぞ!「土管スピーカー」

2019年01月10日 | オーディオ談義

迫力!「土管」スピーカー 「澄んだ低音」と満足と、元旦の地元の新聞に大きく取り上げられていたのが下記の御仁。

幸い、ネットにもそっくり新聞と同じ記事があったので紹介させてもらおう。

   土管を使ったスピーカーを製作した川上信行さん=竹田市会々

土管を使ったスピーカーを製作した〇〇さん=竹田市会々

 竹田市会々の〇〇さん(78)が土管を外枠に使ったスピーカーを完成させた。60年余り、自然な音を追求してステレオを自作しており「今までにない澄んだ低音が出る」と自信を見せる。

今春、豊後高田市の「昭和のまち」を訪れた人たちにレコードを楽しんでもらう企画で使う予定だ。


北九州市出身。高校時代に「ステレオが高すぎて買えないなら作ろう」と、古いラジオ2台を合体させた。間もなく「レコードを録音するときの人の声、楽器の音をありのまま出したい」と探究心に火がついた。
 
歯科技工士として働きながら、東京の秋葉原電気街に足を運んで真空管など希少な部品を買い求め、捨てられたステレオを分解して電子部品を流用。アンプを設計、製作した。

独創性にこだわり、音質を調整するつまみのケースにジャムの瓶を使うなど、身近な日用品で外装を整えてきた。


評判は口コミで広がり、過去に手掛けた49台が市内外の喫茶店などで活躍する。唯一、手元に残る50号機は「最高作」。約11平方メートルの自作ログハウスに置く。夜になり、真空管の優しい光を眺めながら音楽を聴くのが至福の時だ。

こだわりはスピーカーも同じ。ユニットを入れる外枠で音質が変わり、木箱やタイヤなどを試した。約30年前に「トンネルで大声を出すとよく響いた。土管ならかつてない音が奏でられるはず」と思いついた。

手頃なサイズがなかったが、知人宅で盆栽の台にしていた直径約50センチ、長さ約70センチの信楽焼の土管2本を発見。頼み込んで譲り受けた。

 
製作は約1カ月がかり。内部に吸音材を重ねて配線。裏側の空気を通す穴は塩化ビニール製パイプ、端を茶こしの網でふさぐ工夫を凝らした。


重量は約70キロ。大きすぎて部屋に入らず、納屋を新たな音楽ルームに改造する計画を立てる。「自作したステレオは長時間聴いても耳が疲れず、どんな高価なステレオセットもかなわない」と未開の音を求め続けている。

以上のような内容だった。「ドカン型」だからきっと「ドカ~ン」という低音が出ることだろう(笑)。

それは冗談としても、土管なら円形なので余計な定在波もないだろうし、背圧の処理の仕方にも興味を惹かれたので一度実際に聴かせてもらいたものだと、オーディオ仲間ともどもネットで調べて〇〇さん宅にお電話したところ「この電話は現在使われておりません。」に、ガッカリ。

自宅の電話番号を変えることはまずあり得ないので「聴かせてくれ」と殺到する電話にへきへきされて「不通」にされた可能性が高い(笑)。

竹田市といえば明治時代の国民的作曲家「滝 廉太郎」が多感な幼少期を過ごしたことで有名で、当時遊んでいた「岡城址」が「荒城の月」作曲につながったことはよく知られている。

熊本県との県境に位置し、別府からはクルマで2時間くらいかなあ。


それにしてもこの地元新聞社は熱心なオーディオ愛好家の記事をよく載せてくれる。

たとえば6年前にはこういう記事もあった(このブログにも掲載している)。
               

なぜこんな田舎の新聞にオーディオ関係記事がよく載せられているのだろうか。

思い当たる点が一つある。

実はこの新聞社のN社長さんは日本一のウェスタン製品の愛好家としてつとに有名な方なのである。

「ウェスタン」(アメリカ)といえば周知のとおりオーディオ機器の最高峰として「泣く子も黙る」ほどの老舗の銘ブランドである。今でも熱烈なファンが全国的に散在していることでも有名だし、お値段からしても一桁違っていて高嶺の花的な存在だ。

現役時代に東京へ出張した折に、ウェスタン製品専門ショップに立ち寄ったところ、「大分といえばN社長さんですね!」だったほどである。

新聞社専用の大きなビルの一角に「ありとあらゆるウェスタン製品」が厳重な湿度管理のもとに保管されているというまことしやかな噂がある。


そのN社長さんの影響もあってか、「上意下達」(じょういかたつ)の気風が浸透して記者さんたちが熱心なオーディオ愛好家を聞きつけるとすぐに記事にするのであるまいか、と秘かに睨んでいるがはたしてどうなんだろう。

いずれにしろ、そのうち万一にも自分に話が来たら柄じゃないので絶対にお断りするつもり(笑)~。

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年頭雑感

2019年01月09日 | 独り言

早いもので元旦からもう1週間以上が過ぎてしまったが、連発するオーディオ関係記事の間隙を縫って「年頭雑感」を4点ほど述べてみよう。

☆ 「働き方改革」の影響

今年の年末年始の日程は中途半端だった。何といっても平日の4日(金)が具合悪く挟まっているので長い連休にならないのが特徴。


しかし多くの組織体では本来なら4日(金)から「仕事はじめ」だろうが、ニュースなどによると単身赴任者などを考慮して7日(月)からの本格的始動が多かったみたいだ。

これに関して思い出すのが初めて就職した職場での出来事だった。もう40年以上も前の出来事なのに今でも鮮明に覚えている。

それはまさに今年の日程と同じで「魔の4日」が金曜日だったことに起因する。

当時、自分も含めて単身赴任の連中が「正月3が日」明けの4日(金)に休暇を取り次の土日と連携して3連休とし、翌週の7日(月)から出勤したところ「年頭の神聖な”仕事はじめの式”を休むとはなにごとか、姿勢の問題だ、自覚が足りない!」ということで怒り狂った所属長から該当者たちが呼びつけられて厳しく叱られてしまった。

当時はまだ22歳と初心(うぶ)だったこともあり、多大のショックを受けた!

ところが今ではすっかり意識が変わって「働き方改革」の影響もあり、わざわざ7日(月)を仕事始めにしている親切で優しい組織が多いときている。

まさに隔世の感がありますなあ。

我が家の娘も堂々と4日を年休にして任地へ旅立っていったが、親心まるだしで「大丈夫か」と念を押したところ、「うん、所属長も4日は年休を取ると言ってたよ。」で、まずはひと安心(笑)。


☆ 百合の花

   

玄関先に活けてあった百合の花。光線の具合だろうか、すっきりした写真が撮れなかった。残念。カメラが悪いせいかも(笑)。

この百合の花は家内が県北の「国東」(くにさき)というところで百合専門の栽培農家から購入してきたものだ。別府ではいいものが見つからなかったそうだ。

クルマで90分ほどの場所だがわざわざ行くのに1軒分ではもったいないので、大量に購入して日ごろお付き合いのあるご近所の方々数軒に配ったところ「正月用としてとても見映えがしました。」と、大喜びされたようだ。

以下、受け売りだが「百合の花」に関して述べてみよう。

「百合の名前の由来は、細い茎に大きな花を咲かせる花なので、風に吹かれると大きく揺れる。その揺れる様子から「揺すり」と呼ばれるようになり、それが変化して「ゆり」と呼ばれるようになったと言われている。」

「ゆり全般の花言葉は「純粋」「無垢」「威厳」。とても美しくて、誇り高い言葉が並んでいる。開花時期は6~8月だが現在は周年栽培によって冬にも出荷されている。」

まあ、イメージからするとスピーカーでいえばグッドマン「AXIOM80」といったところですかなあ(笑)。

☆ 麦焼酎「銀座のすずめ」(琥珀)

   

娘もいっぱしの社会人となって晩酌をするようになっている。日本酒は翌日になって「胃にもたれる」とのことで任地では専ら「芋焼酎」をコップに1/3ほど容れオンザロックで呑んでいるようだ。

ところが、この滞在中に自分がこのところ愛飲している「銀座のすずめ」(琥珀)を勧めたところ「お父さん、これおいしいね!麦焼酎を見直したわ。橙ととても合うよ。」と大好評。

夕方、近くの公園でランニングを終えて帰ってくると、専らこの焼酎ばっかりで、すっかり気に入ってしまい「任地先でこの焼酎を探してみるけど、無かったときは送ってね。よろしく~。」

まったく「泣く子と地頭には勝てませぬ」なあ(笑)。

☆ 心配な血糖値

正月休みはどうしても食べ過ぎてしまう。目の前に料理が並ぶと食い意地が張っているせいかつい食欲に負けてしまう。

おそらく持病の「血糖値」の状態が悪化していることだろう。

「高血糖」「高血圧」「動脈硬化」が三つそろうと「死の三重奏」と言われているが、後二者については今のところ何とか免れているので不幸中の幸いだ。

振り返ってみると、ウォーキングだけを当てにしていては血糖値が下がらないと運動ジムのエアロバイクに切り変えたのは昨年(2018年)の春のことだった。すると、見事に血糖値が降下してかかりつけのお医者が驚くほどだった。

すると、すっかりいい気になり食欲に若干負け気味になったところ昨年末の検査ではまた悪化していた。年から年中こういうことの繰り返しである(笑)。

そこで新たな対策として考えたのが朝からの本格的なトレーニングだ。

どうも朝食後の血糖値の上昇が一日中尾を引いている感じがするので、今年は「運動ジム」開館の4日(金)から午前10時前後の1時間ほどを充てて懸命に励んでいるが、今のところなかなか調子がいい。

次回の検査は3月頃だが、絶対にいい数値を出して医者を驚かしてやる~(笑)。

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魅惑の「オーディオ実験」~純銀製SPケーブル~

2019年01月07日 | オーディオ談義

元旦(2019年)に投稿した「今年の音楽&オーディオの展望」のアクセス数がいまだに落ちない。通常は投稿して2日も経てばガクッと減って見る影もなくなるのだが・・・。

「お米」の評価は「炊いてすぐよりも冷めた時に定まる。」というが、ブログもそうかもしれないなあ(笑)。

いずれにしても、きっと読者の興味を惹くことが書かれていたに違いない。もしかして「純銀製のSPケーブル」のことかな・・・。

やっと遅ればせながら「純銀製のSPケーブル」について記録しておきましょう。

昨年末のこと、「仕事中なのでゆっくり試聴できませんが」と、慌ただしくお見えになりすぐに去っていかれたオーディオ仲間のYさんが置いていかれたのが新品の「純銀製のSPケーブル~2m~」だった。

「100時間ほどエージングが必要とのことですが、試聴してみてください。」

      

左側が容れてあった箱で、右側が現物(片チャンネル分だけ撮影)。


アメリカからわざわざ取り寄せたというもので定価47万円を年末セールで2割引きで手に入れられたとのこと。おっと、「2割引き」は言わずもがなかな(笑)。

「へえ~、ケーブルにそんなに大枚のお金をつぎ込むなんて世の中にはもの好きがいるもんだねえ。」と、本心を押し隠して(笑)、試聴してみると驚いた。

中高音域に独特の艶というのか「あでやかさ」が出てきて、ことにヴァイオリンの音色が瑞々しくて振るいつきたくなるほど色気がある。

こんなに音が良くなるのなら「同じものを絶対買わねばと」思ったほどだが、1週間以上経った今日においてはやや衝撃が和らいできて「もっと安ければ購入するんだが」と、諦念に変わっていった(笑)。

そもそもアンプの出力端子からSPユニットの端子までがすべて銀線コードで統一できればいいのだが、SPユニットの端子(半田付け)から箱に付属したSPターミナルまでは銅の単線を使っているので単に部分的な効果に過ぎないことも一つの理由だ。

逆に言えば、部分的な接続にもかかわらず純銀製ケーブルの効果があったことを認めざるを得ないのも事実。

我が家のSPケーブルについてはこれまでは安物の「銅の単線」(直径0.8mm)を使っており、ついぞ不満を感じなかったものの、今回の純銀線ケーブルによって大いにショックを受けてしまった。

SPケーブルの効果恐るべし!

そこで少しジタバタ騒いでみることにした(笑)。

まずは10年以上も前に購入した「PADのSPケーブル」二組(計8本)を倉庫から引っ張り出した。

当時は結構な「お値段」だったんですよ~。

このSPケーブルは端子が「Yラグ」になっているので、改造前のウェストミンスターに使っていたのだが、改造後はすっかり縁がなくなりずっと使わずじまいだった。

今回の件でスパっと閃いたねえ!

「Yラグをバナナプラグに換えてくれませんか。」と、真空管工房を開設されているKさん(大分市)に泣きついた。

現物を持ち込んで検分してもらったところ(2日)、
「うん、何とかできそうですね。バナナプラグは常備していますから大丈夫です。」

そして、3日後の5日(土)に完了報告を受けて取りに行った。理想的な見事な出来栄えだった。完成品が次の画像。

   

今どきには珍しいプラス線、マイナス線の各1本づつで、これで片チャンネル分だが、見るからに線が太いでしょう!まるで蛇がとぐろを巻いているみたい。

何も線が太いから性能がいいとは限らないが、さっそく自宅で試聴してみた。スピーカーはグッドマンの「トライアクショム」だったが、アッと驚くほどの変わりようで情報量が段違いだし音の粒立ちも見事だった。何よりも音が瑞々しい。

従来の銅の単線(0.8mm)をはるかに凌駕しており、純銀製ケーブルにも負けず劣らずの勢いでまったくうれしい悲鳴(笑)。予想だにしない見事な復活だった。

実を言うと2ペア分のケーブル(8本)だったので1ペア分(4本)はオークションに出そうと思っていたが「こんなにいい音がするケーブルを出すのはもったいない。当面、使う当てはないが持っておくことにしよう。」とアッサリ心変わりして出さないことにした。

それに、まったく縁もゆかりもない赤の他人が「さしたる苦労」もせずにこのケーブルで「いい音」を出すのが癪に障るのも理由の一つ(笑)。

しかし、このいかにも「狭~い料簡」が後になって功を奏するとは、その時はまったく知る由もなかった。

さて、もう一つ忘れてはならないのが「純銀線」へのこだわりだ。


オークションで物色したところ恰好の獲物が見つかった。

「KIMBER KABLE 8AG 純銀線 スピーカーケーブル 2.0mペア」。

    

ネット画像がこれだが、定価47万円の純銀線ケーブルに比べると月とスッポンほどのお値段の開きがあったが(笑)、これも無事ゲットした(5日に落札)。

さあ、これでいよいよPADのケーブルとの一騎打ちの始まり始まり~。

と、ここまで書いたところで、本日(7日)現在まだ現物が到着していないので続きは次回へと持ち越し~。

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時の流れに~鳥になれ~

2019年01月05日 | 音楽談義

昨年(2018年)の大晦日のこと、夕方になって携帯に突然メールが飛び込んできた。

「年も押し迫りました。年越しに今「湯布院」に来ています。来年もよろしく。」

発信者の名前が見当たらない!いったい誰?

そこで「失礼ですがどちら様でしょうか?」

何しろパソコンと違って携帯でメールを発信するのは10年以上も前のことなので、おぼつかない手つきでようやく打ち終えた。

まあ、おおかたの想像はつく。肝心の名前を忘れるくらいだからおそらく自分の年齢以上の人間だ。この歳になると何をするにせよ、何か一つドジを踏むんだから~(笑)。

すると、さっそく返信があって、懐かしい高校時代の同級生「U」君(福岡市)だった。そもそも携帯の番号を登録していないからこういうことが起きた。

U君は「音楽&オーディオ」ファンで、これまでも福岡からたびたび我が家に試聴にやってきてくれている。

「せっかく湯布院に来ているのなら、別府まで足を延ばしたらどう?」と、水を向けてみると「自分たち夫婦と妹夫婦の4人で来ているので相談してみよう。」

そして、しばらくしてから「それなら2日(水)の午後お邪魔します。」

さあ、たいへん、さっそくオーディオルームの整理整頓にかかった。まあ、ちょうどいい機会でもある(笑)。

好天に恵まれた中、予定どおり2日の午後1時過ぎに一同お見えになった。我が家から歩いて1分ほどの「湯けむり展望台」に立ち寄ってこられたとのこと。

   

2005年にNHKが募集した「21世紀に残したい日本の風景」で「富士山」に次いで第2位に選ばれた「湯けむりの風景」が一望のもとに見渡せるのがこの展望台。

日本一の温泉湧出量を誇る別府ならではの風景である。

詳しく伺ってみると、湯布院のホテルの予約をとる(9月締め切り)のがたいへんで、受付開始早々の1時間半ほど根気よく電話をかけ続けてようやく成就したとのことで「粘り勝ち」。

ただし、肝心のホテルの居心地は日本語以外のお客さんたちが多くて傍若無人な振る舞いにたびたび眉を顰めたとのことだったが、「年越しの料理と温泉は最高でした。」。

初めに聴いていただいたのはパソコンオーディオによる「モーツァルト専門チャンネル」だった。

システムのラインアップは「パソコン → DAコンバーター(192KHz再生) → プリアンプ「マランツ7型」 → パワーアンプ「6A3シングル」 → スピーカー「トライアクショム」(同軸3ウェイ)

U君を除いてクラシック音楽には疎い方々のようにお見受けしたので、次にCDで「島田祐子」さんの歌声を、次いで「木村好夫」のムードギターを聴いていただいた。

「弦をつま弾く音が鮮明に聴こえてきますね。」と、驚かれたご様子。

すると、U君の妹さんが席を外されてクルマに戻られたかと思うと持参されたのが「五輪真弓」のCDだった。

   

「このCDの最後の曲が大好きなんです。早朝、この曲をカーステレオで流しながら由布岳を臨みました。」と妹さん。

曲目のタイトルは「時の流れに~鳥になれ~」。

「お正月にふさわしいタイトルですね。五輪真弓は私も好きな歌手の一人ですよ。」と雰囲気に融け込みながら(笑)、第10トラックを選定して再生。

「あれ~、これまで聴いたことがないような細かい音が聴こえてきました。」

無事再生が終わってから、「次は別のシステムで聴いてみましょうかね」と、「トライアクショム」から「ウェストミンスター(改)」に切り替えた。アンプも「6A3シングル」から「PX25シングル」へ。

   

左側が「PX25シングル」、右側が「6A3シングル」(WE300B 兼用)。

「凄く楽しみです!」との声を背に受けながら、いざ音出しへ。

4分ほどで聴き終えると「拍手」が沸き起こった!

「響きというのか、奥行き感が違いますね。最高のお正月になりました。」と、大喜びされた。

大好きなオーディオでこんなに喜んでくれる姿を拝見すると、こちらもついうれしくなる。

とても「幸先の良いスタート」がきれたので、今年は絶対に何かいいことがありそうだと思ったねえ(笑)。

「これから福岡へ帰ります。」とのことで、滞在わずか1時間ほどで辞去された。

段々と遠ざかるベンツを見送りながら「とても品が良くて素敵なご夫婦たちだったわね~。」と、感心する家内。

「そうだなあ、俺たちには無い物ねだりかもね~。」と自分(笑)。

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このミステリがすごい!~2019年版~

2019年01月03日 | 読書コーナー

正月休みで娘が帰省するたびに持って帰ってくる「このミステリがすごい!」。今年も国内編と海外編に分けて年間のベスト20までが紹介されている。

         

父娘そろって大のミステリファンなので、上位で紹介されたミステリをチェックして大いに参考にさせてもらっている。

ただし、やっぱり何ごとにも「当たりはずれ」があるので、わざわざ購入するのではなく図書館で見かけたら借りてくるというのが王道でしょう。

<国内編のベスト5>

1位 「それまでの明日」(原 寮)

2位 「ベルリンは晴れているか」(深緑 野分)

3位 「錆びた滑車」 (若竹七海)

4位 「沈黙のパレード」 (東野 圭吾)

5位 「宝島」 (真藤 順丈)

1位の「原 寮」さんは遅筆で有名な作家で、この作品も14年かかって仕上げられている。しかし、新作を出すたびに「このミステリ・・」で1位を取るのだから凄い。

「福岡高校~九大文学部」というご経歴だが、高校、大学と15年前に亡くなった次兄の後輩なので、原さんのお名前を拝見するたびに退職後すぐに61歳で病死した次兄の面影がつい浮かんできてしまう。

極めてハードな仕事だったのでおそらく疲労が蓄積していたのだろう。「楽しい余生が待っていて、これからというときに」と、それを味わえなかった次兄の無念さを想うと残念至極。弟がその分「倍返し」してあげるからね~。

2位の「ベルリンは晴れているか」はつい先日、図書館から何の気なしに借りてきたのだが、導入部がまどろこしくて途中で放棄して返却してしまったが、「栄えある2位ということなら最後まで読めばよかった。」と今になって臍(ほぞ)を噛んでいる(笑)。再度見かけたら今度こそ最後まで読もう。

4位の「沈黙のパレード」は昨年のブログで紹介したとおりでとても面白かった。それでも4位だから上位の水準がいかにハイレベルか思い知らされる。

次に<海外編のベスト5>

1位 「カササギ殺人事件(上下巻)」 アンソニー・ホロヴィッツ

2位 「そしてミランダを殺す」 ピーター・スワンソン

3位 「IQ」 ジョー・イデ

4位 「元年春之祭」 陸 秋さ(りく・しゅうさ)

5位 「ダ・フォース」 ドン・ウィンズロウ

1位の「カササギ・・」は娘が持って帰ってきて現在読破中。「とても面白い」そうだが、何しろ上下巻あるのでたいへんだ。任地へ戻るまでに何とか読破して2冊とも残していくように(娘に)連日発破を掛けている。

            

4位は中国発のミステリだが、(ミステリは)民主主義国家の特徴だと思っていたので意外。

            

なぜかといえば「イギリス病のすすめ」(2001年:講談社文庫)という本の中に「ミステリーとデモクラシー」と題して次のような箇所がある。


         

「ちょっと大げさに言うとミステリーとデモクラシーには相関性があるって言いますね。つまり、事件が起きたら証拠なしで怪しげなやつをひっつかまえてきて拷問して白状させるというような社会ではミステリーは発達しない。科学的に証拠を固めて、推理して・・・という過程を踏むような社会でこそ発達する。政治思想犯を有無を言わさず捕らえるなんて論外です。」 

したがって、ミステリー発展の根源を求めていくと「一人ひとりの人権を大切にする社会風土と警察の科学的な手法に突き当たる。」わけだから、こたびの中国発のミステリーには少々驚かされた。

一党独裁の共産主義国家「中国」にも少しは「ミステリーを生むゆとり」が出てきたのだろうか。

おっと、何だか話が難しそうな方向に行きそうなのでこの辺でお仕舞~(笑)。

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