オークションをよく利用される方ならご存知だと思うが、落札した商品のネット(「マイオークション」)での表示期間は120日となっており、それが過ぎると自動的に削除されていく。
そこで、この120日間の落札商品を惜別の思いとともに振り返ってみると、全体で35件となっていた。1か月あたりになおすとおよそ9件、1週間あたりでは2件となる。多いか少ないかの判断は読者にお任せするとして、すべて音楽・オーディオ関連なので比較的熱心に利用しているといっていいだろう。
なにぶんにも顔の見えない相手との取引なので、たぶんに博打的要素が強いオークションだが、35件ともすべてトラブル無しというか、ハズレがなかったのは「運が良かった」の一言に尽きる。裏返すと、音楽&オーディオは極めてマイナーな分野なので「ワル」がはびこるゆとりがないのかもしれない(笑)。
35件の内訳は真空管が15件、ケーブル類が8件、その他はCDやトランスなどが12件といったところ。
価格順からいくとDAコンバーターの「エルガー プラス」が筆頭で、次いでグ~ンと落ちて真空管「71Aプッシュプルアンプ」、SPユニット「フィリップスの口径30センチのダブルコーン」(2ペア)などが続く。
これらは過去のブログですべて触れているので、今回は陽の目を見なかった小物類にスポットライトを浴びせてみよう。
☆ SAEC サエク DB-a/6n デジタルケーブル
この10月26日(月)に到着したばかりのほやほやのケーブルである。
左側がこれまで使っていたフツーのケーブルで、右側が今回の該当のケーブル。ともに長さ1m。ご覧のとおりプラグ端子の両端に金属の加工物が取りつけてあり、何となくいい音がしそうだとピ~ンとくるものがあった。20年近くオークションをやってると、カンの方もバカにならない。それに、だいいちお値段が手頃だったのでまるでダボハゼみたいに飛び付いてしまった(笑)。
このケーブルをどこに使うかといえば、「USBメモリ」を聴くときの専用として同じDAコンバーター同士のマランツの「NA11-S1」とdCSの「エルガー プラス」との間を繋ぐ役目を持っている。
アナログとは違って、デジタル機器同士を繋ぐときはデジタル専用のケーブル1本で済むが、たかがケーブルごときで音が千変万化するのはどなたも経験済みだと思う。
昨日(28日)、さっそくヒヤリングテストを行った。ソースはもちろんUSBメモリで寺島靖国さん監修のジャズが入っている。目の覚めるような低音が入っていて、ときどき耳の洗濯に使っている愛聴USB(笑)。
システムの流れを記載すると、「NA11-S1(USB)」 → 「エルガー プラス」 → 「真空管式プリアンプ」(E80CC:ヴァルボ2本) → 「真空管式パワーアンプ」(PP5/400シングル) → 「フィリップス」(口径30センチ:ウェストミンスターの箱入り)
低音が欲しいときは必ず「ウェストミンスター」の箱の出番となるのが我が家のしきたりである(笑)。
やっぱり、違いますねえ!ケーブルの差が如実に感じ取れた。何といっても音のとげとげしさが無くなり、伸び伸びとして柔らかくなる。我が家の場合に限ってだろうが、これは明らかに音が良くなった時のいつもの兆候である。これなら長時間聴いても疲れることはない。
まあ、これも比較して分かることで旧ケーブルを単体で聴いているときは違和感を感じないのだから世話はない。その程度の耳の持ち主だ(笑)。
次に移ろう。
☆ ゴールデンドラゴン GD 4-300B LX チタンプレート
つべこべ言う前に手っ取り早く出品されたオークションの解説を載せておこう。
「一本切れてしまい、1本のみの出品です。同じ球を持ってる方、補修用にいかがでしょうか?手持ちの300Bアンプに挿して、音が出ることは確認してあります。」
そうなんですよねえ!中国製の球を使っているとおよそ3年以内ぐらいに必ずといっていいほどペアのうちの1本がイカレテしまう。いわば生存率50%で、少なくとも我が家のケースでは2ペアともそうだった。
したがって現在、残っているのは片割れが1本づつだが型番は同じでもソケットの色が白と黒なので視覚的に違和感がつきまとってしかたがない。オーディオは見た目も若干あるしねえ(笑)。
そこで今回の落札となったわけだが、いまさら中国製でもないんだけど、最近のブログに登載したように「エルガー プラス」の導入のおかげで、中国製の球が息を吹き返したのでコスパ(コストパフォーマンス:費用と効果の対比)の一環としての有効活用にあたる。
テレビの音を聴くのならこの真空管で十分でお釣りが来るくらい(笑)。
最後に次に移ろう。
☆ MAZDA AC/HL(MH4)2本 中古良品
電圧増幅管のAC/HLはとても使いやすくて愛用している真空管。それも英国MAZDA(マツダ)ブランドとくれば、その筋では垂涎の的になる真空管である。その真空管が何とも格安で出品されているではないか!まずもって、あってはならない価格に驚いた(笑)。
「可哀想に」という想いが先に立ってしまった。世が世なら華々しくスポットライトを浴びるものを、こんな晒し者になって
・・・。
AC/HLを使っているアンプは「WE300Bシングル」(モノ×2台)と「71Aシングル」の2台だが、スペアを現在2セット(ナス管)持っており、そんなに消耗する球でもないのでおそらく存命中は大丈夫だと思うが、つい右手が勝手に動いて入札欄をポチッ。無事落札(笑)。
到着後にテストしてみると無事立派な音が出た。同じ規格とはいいながら一般的にST管仕様はナス管仕様に比べると「μ=増幅率」がやや高めのようなので元気なことこの上ない。その代わり、人生の翳りといった雰囲気を表現するのは苦手で一長一短あるところ。しかし、もともと自分は内向的な音が好みなのでこのST管の出番は永久に巡ってこないかもしれない・・。
もう要らないと分かっているのに銘管が格安で出品されていると黙ってみていられなくなる、これこそ真空管マニアの悲しい性ではなかろうか(笑)。