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東洋哲学と経営者の言葉

2014年09月14日 | コンサルティング

「史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち 」飲茶 (著)、 板垣恵介(イラスト)、2012年、SUN MAGAZINE MOOKを、表紙に惹かれて読んでみました。大変面白い本なのでお勧めです。特に「まえがき」は一読の価値があります。

「まえがき」では、いきなり西洋哲学と東洋哲学の違いについて触れています。著者によれば、西洋哲学と東洋哲学は真理に対するアプローチが真逆だというのです。

西洋哲学は、論理(ロジック)を積み重ねることで「一歩一歩階段を登るように」神の真理に近づいていきます。一方、東洋哲学では神の真理は最初から分かっていて、それを人間の言葉に落とし込むときの解釈の違いがあるだけだというのです。

それを私なりに(勝手に)表現をするなら、西洋哲学は「下から」アプローチ、東洋哲学は「上から」アプローチということになります。そういえば、西洋の哲学者たちは皆が悩めるおじさんのような表情をしているし、東洋の哲学者たちは誰もが悟りきったおじいさんのような表情しているように見えます。

私たちが仕事をするときの「ビジネス・ルール」は西洋で生まれたものです。したがって、ビジネスの骨格には西洋哲学があります。私は、欧米の会社の人たちと仕事をすると、自分の考えがあいまいだったり論理的でなかったりすることに気付かされることがあります。

一方、これは私の思い込みかもしれませんが、日本の優良企業の経営者の発する言葉の多くは「東洋哲学的」だと思います「上から目線」とは、人を見下すことを意味していますが、優秀な経営者の発言や態度の多くは人を見下すものではありません。

優れた言葉に触れた時に「なにを偉そうに!」とか「上から目線で・・・」と思ってしまうのは、受け取る側の心が狭いからです。相手が「偉そう」なのではなく、聞く方が「幼稚」なだけなのです。

今までに一流の経営者の書いた本をたくさん読んできましたが、東洋哲学のアプローチを軸にしてもう一度読み返してみる価値がありそうです。

(人材育成社)