中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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影響力

2014年09月21日 | コンサルティング

「楽譜を写していた姿がとても印象に残ってる」「音楽のテストの時に琴を奏でた姿から影響を受けて・・・」「いつも歌を口ずさんでいたよね」

これらは、昨夜行われた私の高校時代のクラス会で交わされた会話です。

高校を卒業して早30年もの月日が経過しての再会。お互い体型の変化は否めないものの、顔はあの10代の頃とほぼ同じ?で、あらかじめ準備をしていた名札を付けるには及びませんでした。

会のはじめに、卒業後の約30年という長い時間の中で、それぞれどのような人生を歩んできたのか自己紹介をしたのですが、あらためて人のキャリアにはいろいろな形があって、それは他の誰も真似のできないオリジナルものであり、そこには優劣はないと感じたのでした。

そういう時間の中で私が最も強く感じたのは、当時のそれぞれの姿が少なからず今の状況に影響を及ぼしているということです。

冒頭の会話は、当時ブラスバンド部に入っていた友だちが暇さえあれば楽譜を写していた(当時コピーは高価だった)姿がとても印象に残っていて、やがて自分の子どもに楽器を習わせることになり、今ではオーケストラに入っている。

また、音楽のテストの時に友だちが琴を奏でた姿をとても素敵だと感じていて、自分も大人になってから琴を習い始めた。さらに、傍らでいつも歌を口ずさんでいた友人にいつの間にか影響を受けていたようで、自分も15年前に合唱団に入り、今では全国大会にまで出るほどの実力になった、などなどです。

当時は自分が影響を与えている、もしくは影響を受けているとは双方とも認識していなかったのに、それが後々にはっきりとした形となって顕在化する。本人が「やりたい」「やってみたい」ことが、実はあの時の影響によるものであったことに、何年もたってから気が付くことがあるのだということです。

「影響力」というものはすぐに及ぶことばかりでなく、このように何十年もたってからでも力を発揮することもあるということでしょう。

話は変わりますが、組織においては、リーダーはつい即効性のある影響力を部下に及ぼしたいと考えがちです。しかし必ずしもすぐに発揮されるものばかりではなく、部下が将来管理職になってから「あの時の指導がとても良かったから、自分も部下に同じような指導をしよう」とロールモデルにすることもあるのですから、焦ってはいけないということです。

ところで、紹介した事例は音楽に関するものばかりなのですが、それは私たちのクラスが音楽クラス(音楽、美術、書道の中から選択)だったからなのです。

残念ながら音楽的なセンスがほとんどなかった私は、音楽についての影響は受けることも与えることもできなかったわけですが、それ以外ではどういう影響があったのか、なかったのか・・・友人との会話の中で確認できて、おかしいやら、恥ずかしいやらのひと時でした。

さて、こらから先の私たちはそれぞれどんなキャリアを築くのでしょうか。「神のみぞ知る」ですね。

(人材育成社)