中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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あなたの会社が一瞬で信用を失うとき

2017年12月24日 | コンサルティング

電車の中での出来事です。ある日、私の友人のA氏は東京郊外の駅から快速に乗りました。空いている席が1つあったのでなんとか座ることができました。A氏がふと隣に座っている人を見ると、30代くらいのスーツを着た男性がノートパソコンを開いてなにやら一所懸命キーを叩いていました。

その行為には特に興味もなかったのですが、次の瞬間、A氏はとても驚きました。その男性はカバンからプリントアウトしたパワーポイントの資料を取り出して、じっくりと読んではメールを書きはじめたからです。しかもその資料の表紙には、社名と提案書らしきタイトル、作成者の氏名、そして右上には赤い文字で「CONFIDENTIAL」と書いてあったのです。

A氏が電車から降りるまでの約20分、いやでもその資料のほとんどのページが目に入り、気になって仕方がなかったそうです。「それ、コンプライアンス違反ですよね!」とA氏は言ってやりたかったそうですが、自分には直接関係のないことです。黙ってその男性の「仕事ぶり」を観察していたそうです。

A氏は「電車の中でコンフィデンシャルな資料を広げるなんてアウトですよね。万が一、競合会社や提案先の会社の社員が座っていたらエライことになりますから。」と言いました。

私は「そんな会社とは即取引中止ですよね」と言ってから興味本位で「それで・・・その非常識な社員のいる会社の名前はわかったのですか?」と聞いてみました。

するとA氏は「はい。もちろん資料の表紙に社名がありましたから。○○○という会社でした。聞いたことがない会社ですが。」

○○○社と聞いて私は非常に驚きました。「もしかして、その提案書、XXXシステムのご提案とか書いてありませんでしたか?」私が聞いてみると、A氏は「そうです!なんかそのようなタイトルでした!なんでわかったんですか?」と言いました。

「その会社は、中小企業ですが業界では技術力のある会社で、私の顧客である某メーカーにシステムを提供しているんです。」と私が言うと、A氏は「そうでしたか。知識のある人が見ればすぐにわかってしまうのですね・・・」と驚いていました。

経営者、管理職の皆さん、あなたの部下・後輩がこのようなコンプライアンス違反をしているとは思いませんが、まかり間違ってもこのような行為をさせないよう、徹底的に指導してください。

万が一、電車の中であなたの会社の社員がこのような行為に及んだら、そして、たまたまお客様が隣に座っていたら、あなたの会社は簡単に取引停止、最悪はつぶれてしまいますよ!

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