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研修の際のドレスコード

2018年03月14日 | コンサルティング

「厳しく指導してください」

弊社が新入社員研修を担当させていただく際、企業の研修の担当者から度々言われる言葉です。

新年度まであと半月ほどになりました。間もなく新入社員が入社し、それと同時に様々な企業で一斉に新入社員研修がスタートします。弊社でも4月の前半は様々な企業の新入社員研修を担当させていただくことになりますので、我々にとっても新入社員研修はもはや春の季語のようにすら感じます。

新入社員研修の中では、社会人として必要となるマナーを必ず練習していただきます。中でも、身だしなみの項目は基本中の基本と言えますので、頭の先からつま先まで全身を確認し、まずは見た目から「社会人になっていただく」ことからはじめています。

しかし、最近ではこれに関してちょっと気になることがあります。それは、いわゆるクリエイティブな業界などは除いた話になりますが、新入社員研修で厳しく社会人としてのあるべき服装を求めながら、一方で入社した後に行う研修では、とてもカジュアルな服装を認めている会社が少なからずあるということです。

特に、社屋とは別の会場を使って研修をしたり、宿泊を伴う研修をしたりする場合の服装はカジュアルOKと案内している会社が多いです。そして、そのカジュアル度合いが時にちょっとびっくりしてしまうような服装もあるのです。

以前担当させていただいたある製造業の中堅社員研修では、開催時期が真夏だったということもあり、1人の男性がバミューダパンツにサンダル履きだったのです。その研修ではスピーチ訓練も行ったのですが、プレゼンテーションをする際には当然膝から下が丸見え状態で、何とも締まらないのです。

一応、その際にもプレゼンテーション時に求められる服装については触れたのですが、そんなこともあって、最近では改めて研修受講時のドレスコードの重要性を感じています。

そもそも、研修は仕事の一環で行っているはずですが、それを敢えてカジュアルもOKとする意味は何なのでしょうか?

もちろん理由は様々あるのでしょう。たとえば、カジュアルな服装にすることによって、普段とは違う堅苦しくない雰囲気を作ったり、それにより会社ではなかなか出ないような柔軟な発想をしてもらったり、受講者同士が打ち解けやすいようにするなどが考えられます。

しかし、もしカジュアルな服装でなければ良い発想が出なかったり、親睦がはかれなかったりということであるならば、そもそもそれ自体が別の問題ということです。

では、一般的に研修受講時に許されるドレスコードとは、どのようなものでしょうか。私は、キーワードは「オフィスカジュアル」だと考えています。オフィスカジュアルとは、スーツから少し着崩した服装でスーツほどの「きちっと感」はないけれども、仕事着として違和感のない服装です。

この場合のポイントは、あくまでも「仕事着としてどうか」ということですが、一般的には男性に比べて女性の方が範囲が広くなる場合が多いでしょうから、なかなか線引きが難しいところです。

逆に、仕事をする姿勢が感じられないなど避けた方が無難なものは、たとえばジーンズやパーカー、ノースリーブ、ビーチサンダルなどでしょう。前述のバミューダパンツもやはり避けるべきでしょう。

研修に限らず就業時のドレスコードについては、組織としてのあるべき姿をきちんと考え、共有しておく必要があります。

そして、これは何も服装に限った話ではありません。新入社員が研修時に事細かに社会人としての様々なルール(挨拶や言葉遣い、電話応対など)を教えられたのに、いざ配属されてみると上司や先輩のやっていることが研修で聞いていたのとは全く違ったというのもよく聞く話です。

いずれにしても、新人が配属後に違和感を持つことがないように、組織としてきちんとあるべき姿を定めて、全員で共有しておくことが肝心です。

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