中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,158話 指示待ち人間から脱出するためには

2023年03月15日 | キャリア

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「指示待ち人間が多くて困っています」

これは先日、弊社がある企業の新入社員フォロー研修を担当させていただく前の打ち合わせの時に、研修のご担当者から聞いた言葉です。

皆さんはご存知だと思いますが、「指示待ち人間」とは、他者から指図されない限り自分から何も行動を起こさない、主体性に欠ける人を指す言葉です。この言葉がいつから、そしてどういうことをきっかけに使われるようになったのかはわかりませんが、少なくとも私が人材育成の仕事を始めた30年前には使われていました。そのように考えると、いつの時代にも新入社員に限らず、指示がなければ自らは行動を起こさない「指示待ち」の人が多かれ少なかれいるのだと思います。

さて、先日、昨秋現役を引退したスピードスケートのオリンピック金メダリストの小平奈緒さんがテレビ朝日「徹子の部屋」に出演されていたのを見る機会がありました。

小平さんは、ソチオリンピック後にオランダに2年間留学した際に、「自ら考えて未来を描き、自分を育てることを意識的に行った」との話をされていました。その中で、オランダで暮らしている際にある程度はオランダ語を理解できるようになった後も、言葉はわかるけれども(自らの)言葉が出てこないということを体験したそうです。

それは、オランダ語に精通していないからということではなく、「私の中に意見がなかった。日本で暮らしていると、何でもかんでも指示されることに対して応えるということが多かった。」「『奈緒はどうしたい?』という問いに対して、『私はどうしたい、私はこういう未来を描きたい』ということを言葉はわかるけれども、意見を言えなかった。」のだそうです。そして、その体験を踏まえ、「自分はこうしたい。という自分を育てていこうと思った。」そして、「1人で何とかしないといけない状況に身を追い込んだことで自分という人間が育った。自分を持てるようになっていった。」とおっしゃっていたのが印象的でした。

マスコミなどを通して私が持っていた小平さんのイメージは、「ストイックに試合に挑戦し、話をする際は自分の言葉で話し、自身に対して責任を持つ人」というものでした。しかし、それらのイメージからする小平さんの姿は、決して天性のものではなく、意識的にそういう生き方、考え方を選択してきた結果であることが、ゆっくりと言葉を選びながら丁寧に話をする姿から伝わってきました。

私たちも、仕事などで自分にあまり自信が持てなかったり、周囲の反応を気にしすぎてしまったりすると、主体的に動くよりもつい指示を待ってそれに応えて動くという選択をしたくなることが多いと思います。しかし、自分はどうしたいのか、その結果、どういう行動を選択するのかということを自ら考えることによってこそ、自分自身を育て、ありたい自分に近づいていけるということなのだと思いました。

小平さんには以前から「いろいろな意味でとても強い人」というイメージを持っていましたが、ご本人の話を聞いてその理由の一端が分かった気がしたとともに、あらためて自分もそれに向けて頑張らねばと思いを新たにしました。

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