「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。
「部下がちゃんと報告をしないので困っています」
これは弊社が管理職研修を担当させていただく際に、「部下を育成する中で困っていること」として、必ずとっていいくらいに管理職から出される言葉です。
さて、あなたの部下は報告や連絡をタイミングよくできているでしょうか。
報告や連絡は、企業活動において生命線と言えるくらい大切なものです。しかし、過去の様々な企業の不祥事等を振り返ると、元を正せば報告や連絡がされなかった、あるいはうまくいかなかったことが原因で問題が起きているものが大半を占めているようです。
そのように考えると、報告や連絡がうまくいかないことを部下のせいばかりにして放置することはできないということです。
それでは、部下がきちんと上司に報告や連絡をすべきなのにもかかわらず、スムーズになされないのはなぜなのでしょうか。
以前、この質問を一般職の社員にしたところ、様々な理由が挙げられました。たとえば「過去に上司にマイナスの報告をした際に、いきなり叱られた」、「良かれと思って報告をしたことについて、余計なことに口出すなと言われた」また、「せっかく報告や連絡をしても上司から何のフィードバックがなかったこともあり、報告損や連絡損のような気持ちになった」などです。さらに、根本的な問題として「そもそも報告や連絡をすべきことが良くわからない」という人もいました。
報告や連絡に関しては、「バッドニュース・ファースト Bad News First/Fast」という言葉があります。「いいニュースは後でもよいから、トラブルなどの悪いニュースこそ、いち早く上司に伝える必要がある」という意味なのですが、これは口で言うほど簡単なことではないようです。
そもそも、悪いニュースを報告すること自体が気後れしてしまうことに加え、報告後に上司にきちんと対応してもらえるという安心感が担保できていないと、部下は報告をしなくなってしまいます。
そうすると、リスクを伴う情報が迅速に上司に伝わらないようになり、危機をより深刻化させてしまうことになりかねません。
これを避けるためには、報告や連絡すべきことを職場で意見交換してルール化し全員で共有すること、そしていざ問題が起こった場合には誠実に対応することです。さらにはただ問題視するだけでなく、今後同じようなことが起こらないようにするにはどうすれば良いかを未来志向で考え、前向きに対応する姿勢を企業文化や風土として定着させていくことが必要なのです。
もし、あなたが「部下からタイミングよく報告や連絡を得られない」と思っているのであれば、普段部下の報告や連絡を受けるときにどういう対応をしているのか、一度わが身を振り返ってみる必要がありそうです。