中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,220話 アイディアが思い浮かぶタイミングとは

2024年06月19日 | 仕事

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「ウォーキングをしていると、研究の新たな視点やアイディアが思い浮かぶことが多いので、毎日必ず歩くようにしているんです。」

これは、先日放射線によるがん治療の研究をしているある研究者が話していた言葉です。学術的な研究をしている人に限らず、多くのビジネスパーソンも仕事とは全く異なる場所やタイミングに、ちょっとしたきっかけで良いアイディアが浮かんできたなどという経験をもっているのではないでしょうか。たとえば、家のお風呂で湯船に浸かっているときや、寝床に入ってうとうとしているときなどに、突然具体的な発想やアイディアが浮かんでくるということがあります。私自身はこのひらめきのような感覚を、「目の前にアイディアが下りてくる」といった感じでとらえています。

古今東西、同じような経験をしている人の話はよく聞きますが、このように仕事から少し離れたタイミングで良いアイディアなどに恵まれるということがあるというのは、どうしてなのでしょうか。

医学的にどこまで解明されているものなのかはわかりませんが、これに関して私が思っているのは、仕事から少し距離を置くことでストレスやプレッシャーから解放され、リラックスした状態になれているということが理由の一つにあるのではないかということです。

仕事に集中し続けてこそこうしたひらめきが生まれると思いがちですが、実際には私たちはそうなるとかえって集中力が低下したり、思考が固定化されてしまったりすることが多いように感じます。

逆に、前述のような仕事を離れてリラックスできている状態では、自由にさまざまな発想を働かせることができるようになり、脳が無意識のうちに様々な情報を処理し、関連性のある情報を結びつけ「ひらめき」につながることが起こるのではないでしょうか。その意味では、この一連のプロセスは意識的にひたすら物事を考えつづけるよりも効率的であるといえるのかもしれません。

「いつでもどこでもアイディアが湯水のように沸き続ける」という人はそうそう多くはないかと思いますが、仕事に追われ余裕がないときほど、逆に意識的にいったん仕事を離れて休息を取るようにすることが必要なのかもしれません。そうすることにより、脳がリフレッシュされて集中力が回復し、再び仕事に戻ったときに新鮮な視点で課題に取り組むことができるようになります。その結果、自分でも思いがけないような新しいアイディアが目の前に現れるということになるのではないでしょうか。

しかしそうは言っても、ただ単にリフレッシュ・リラックスすれば誰でもすぐによいアイディアが浮かぶというものではないのは明らかです。もともと持っていた様々な情報が、それまではばらばらになっていたものが、あるきっかけで一つに結びつきそれが新しいアイディアになっていくわけです。そうなるための前提としては日ごろから一見仕事に直接結びつかないと思えるような情報であっても積極的にストックし、整理するなどの備えをしておくことも必要なのだと思います。

私たちビジネスパーソンは、仕事中はそれに集中することはもちろん重要なのですが、何事にもメリハリは必要です。日ごろ、物事に追われてしまい気が付いたら余裕がない状態になっていたということになりがちですが、だからこそ忙しい中でも意識的にメリハリをつけ、少しの余裕をもって物事にあたれるように心がけていきたいと考えています。

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