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IMジェイエスピー社員が綴る日替わりブログ

ら-+

2010-12-14 08:57:19 | 日記
 「ガソリンスタンドでレンタカーが、借りれちゃう」と書かれたチラシがポストに入っていた。チラシを見て、いよいよここまで来たか、と感じた。ガソリンスタンドでレンタカーが借りられる、ということに驚いているのではない。多くの人が見る広告チラシに「借りれちゃう」と書くところまで、来てしまったのか、という驚きというか、呆れ、というか、そんな気持ちが胸に迫る、と言うことである。
 本来「借りれちゃう」じゃなくて「借りられちゃう」である。「借りれちゃう」は「ら」抜き言葉なのである。しかし、私自身も、ここで「借りられちゃう」と「ら」を使うことに違和感を感じてしまう。では言い換えて「借りられる」ではまったくインパクトが無い。まだ「借りられます」としたほうが良い。だが、「借りれちゃう」の強さには全くかなわない。つまり、いよいよここまで来てしまったのである。

 少しずつ世間には平成生まれの社会人が生まれつつある。彼ら彼女らには、「ら」抜き言葉のほうが標準語なのだろう。と、思うと「ら」が挿入されてしまう表現というのもよく聞く。場所を示す表現だ。例えば「駅のぉ、真ん中らへんでぇ、待ってるからぁ」などと携帯電話に向かって大声で叫んでいる若い女の子を見かけることがある。「真ん中らへん」のへんは「辺」と言う漢字に直すことができるが、これは「そのあたり」を意味しており、「ら」とほぼ同じ意味だ。つまり「真ん中あたりあたり」とか「真ん中へんへん」とかそんな風に言っているのと同じ意味合いだが、きっと平成生まれの少年少女のみなさんは「真ん中らへん」のほうが親しみやすいのだろう。

 今年の流行語でツイッター用語として語尾に「なう」と言う言葉を付けるのが流行った、と報道された。本当なのだろうか。時代に遅れてはいけないと考えた若いともいえない年齢層の一部が一生懸命頑張ってみた、と言う感じがしないでもない。多くの若者はメールで十分で、ツイッターで「なうなう」言う必要性を感じていないように思えてならない。

 言葉は生活様式や生活習慣によって大きく変わって行かざるを得ない。誰も彼も携帯電話を持つようになって、使う言葉も携帯電話用の言葉になって行かざるを得ないだろう。例えば、先ほどの「真ん中らへん」である。携帯電話が発達する以前は、きっちり待ち合わせ場所を決め、しかるべき時間に集合したものである。ところが携帯電話が発達したおかげで、「らへん」で済む。平成生まれのみなさんと、携帯電話を持たない時代に生まれて育った昭和生まれの皆さんに同じ単位時間、例えば1分以内で場所を特定する説明をさせてみたらおもしろい結果が出るだろうと思う。おそらく携帯電話以前世代の方々のほうがうまく説明する。が、携帯電話以前世代の方々は、電子的な方法、例えば電子メールなどでそれを伝える術ですでに携帯電話世代に比べて表現力やツールの利用力が大きく劣っている。せっかく独自の表現力を持っていても音声か紙に筆記してしかそれが伝えられないから、結局携帯電話を持っている相手に電話してしまったほうが面倒がなくて良い、と言うことになる。携帯電話で電話して誘導するなら別に「らへん」でも結構なのである。
 
 とはいえ、先輩世代は若い世代に最近の歴史を教える義務がある。ずっと昔から日本人が「借りれちゃう」と話してきた、と思わせてはいけない。人前で「借りれちゃう」と話すと違和感を覚える大人も多いことを知っておいたほうが、きっと良い。


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株式会社ジェイエスピー
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