体が春モードに勝手に入り込んでいる。そのために、雨が降って気温が下がるとやけに寒さが身にしみる。倒壊したビルの下で身動きが取れないままでいたら、寒さはいかばかりだろうか。
ビルの下から助け出された人たちのコメントは一様に仲間の安否を気遣うものだ。何で自分だけ助けられてしまったのだろうと、罪悪感に近い気持ちで夜も眠れない人ばかりだという。異国にいて家族のように暮らしていた仲間たちが、ついさっきまで同じテーブルを囲んで一緒に食事をしていた仲間たちが、まだ見つからない。自分は彼らの仲間では無かったのか?何で自分だけここにいるのだろう。
私が子供の頃はまだ第二次世界大戦、太平洋戦争を引きずっている人をテーマにしたドラマが多かった。その中で語られたのも、まさに今回と同じ、何で自分だけが生き残ってしまったのだろう、と言う罪悪感にも似た心の痛みだった。当時は、戦時中の教育のせいで生き残ったことを罪であるかのように感じるのだろうなどと思っていたものだったが、まさに今の教育を受けて育ってきた若者たちが、同じような気持ちになるところをみると、教育のせいではなかったのかもしれない。
普通に考えれば、「なぜ自分だけ」という言葉は、ひどい目にあった時に使いたくなる言葉だ。「なぜ自分だけ」こんな目に合うのか。こんなに運が悪いのか、と。ところが仲間意識が強いグループの中では、その逆が起きるようだ。誰かに運が良いことが起きれば、全員で喜び、誰かに運の悪いことが起きれば全員で残念がる。今回のように、グループの多くが運悪くまだ帰還していない状況では、同じ運の悪さを共有できていないことが運が悪いことであるかのように感じてしまうのだろう。何と心優しい連中だろう。仲間たちが帰って来た時に彼らの助けになるように、早く元気になれ。
今回のクライストチャーチCTVビルの崩壊は人災かもしれない、という報道があった。誰に悲しさや怒りをぶつければよいかわからないでいた人たちとっては、ぶつける相手が見えてきて崩れかけた自分をつなぎとめておくのに少しは役に立つかもしれない。しかし、天災が人災だからと言ってビルの下で動けないままになっている人たちにとっては大きな違いはない。早く救ってやって欲しい。ただ、地震発生からすでに1週間だ。NZ政府がそろそろ原因究明と対策の検討を始める時期であることは理解する。だがまだ望みはある。最後の望みが消えるまで、次の話に進んでほしくない。
ビルから救い出された若者たちの心の傷をいやすために、今回の災害は適正な処置さえ取られていれば起き得なかった人災だったと告げるほうが良いのだろうか、地震と言う自然の脅威の結果だとだけ伝えておけばよいのだろうか。私が親なら、おそらく子供が元気な顔を見せるようになるまで人災だったとは伝えられないに違いない。二度と同じようなことが起きないようにするために、と言う考え以前に、原因になった決定をした誰かを恨んでしまいそうな気がしてならない。病んだ心で誰かを恨んで欲しくない。
monipet
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株式会社ジェイエスピー
横浜に拠点を置くソフトウェア開発・システム開発・
製品開発(monipet)、それに農業も手がけるIT企業
ビルの下から助け出された人たちのコメントは一様に仲間の安否を気遣うものだ。何で自分だけ助けられてしまったのだろうと、罪悪感に近い気持ちで夜も眠れない人ばかりだという。異国にいて家族のように暮らしていた仲間たちが、ついさっきまで同じテーブルを囲んで一緒に食事をしていた仲間たちが、まだ見つからない。自分は彼らの仲間では無かったのか?何で自分だけここにいるのだろう。
私が子供の頃はまだ第二次世界大戦、太平洋戦争を引きずっている人をテーマにしたドラマが多かった。その中で語られたのも、まさに今回と同じ、何で自分だけが生き残ってしまったのだろう、と言う罪悪感にも似た心の痛みだった。当時は、戦時中の教育のせいで生き残ったことを罪であるかのように感じるのだろうなどと思っていたものだったが、まさに今の教育を受けて育ってきた若者たちが、同じような気持ちになるところをみると、教育のせいではなかったのかもしれない。
普通に考えれば、「なぜ自分だけ」という言葉は、ひどい目にあった時に使いたくなる言葉だ。「なぜ自分だけ」こんな目に合うのか。こんなに運が悪いのか、と。ところが仲間意識が強いグループの中では、その逆が起きるようだ。誰かに運が良いことが起きれば、全員で喜び、誰かに運の悪いことが起きれば全員で残念がる。今回のように、グループの多くが運悪くまだ帰還していない状況では、同じ運の悪さを共有できていないことが運が悪いことであるかのように感じてしまうのだろう。何と心優しい連中だろう。仲間たちが帰って来た時に彼らの助けになるように、早く元気になれ。
今回のクライストチャーチCTVビルの崩壊は人災かもしれない、という報道があった。誰に悲しさや怒りをぶつければよいかわからないでいた人たちとっては、ぶつける相手が見えてきて崩れかけた自分をつなぎとめておくのに少しは役に立つかもしれない。しかし、天災が人災だからと言ってビルの下で動けないままになっている人たちにとっては大きな違いはない。早く救ってやって欲しい。ただ、地震発生からすでに1週間だ。NZ政府がそろそろ原因究明と対策の検討を始める時期であることは理解する。だがまだ望みはある。最後の望みが消えるまで、次の話に進んでほしくない。
ビルから救い出された若者たちの心の傷をいやすために、今回の災害は適正な処置さえ取られていれば起き得なかった人災だったと告げるほうが良いのだろうか、地震と言う自然の脅威の結果だとだけ伝えておけばよいのだろうか。私が親なら、おそらく子供が元気な顔を見せるようになるまで人災だったとは伝えられないに違いない。二度と同じようなことが起きないようにするために、と言う考え以前に、原因になった決定をした誰かを恨んでしまいそうな気がしてならない。病んだ心で誰かを恨んで欲しくない。
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