文系

日本人の８割以上は文系人間だと言われます。
（ちなみに文系・理系という分類は日本だけで欧米や世界では存在しないそうです）

確かに最近の大学受験動向を見ても、実学的教養（経済学部・情報学部・外語学部等）が人気であり、それを裏付けていると言えます。
テレビを見ていてもバラエティーや雑学的情報番組が多く、特に専門的や技術的な知識が無くても観られるし楽しめるものばかりです。
（更に現在ではインターネットからweb・twitter・facebook等々、沢山の情報を集めることも可能なわけですね）

一方で私たちはテクノロジーに囲まれて暮らしています。
公共交通機関・電化製品はもちろんのこと、２０００年以降はパソコン・ケータイ・スマートフォンも既に必需品となっています。
これら日常的に利用しているモノたちのお陰で私たちは便利に暮らしています。
しかし私たちは、これら便利なモノについて果たしていったいどれだけの人が仕組みを知っているのでしょうか。
自分も含めて利用しているモノの仕組みを知らないまま、何となく使っている人が殆どであると思います。
もちろん仕組みを殆ど理解していなくても使いこなせれば良いだけのことで、何の問題もないと思ってしまいがちです。

しかし、今年の東日本大震災で考え直さなければならない”原発事故”という問題が発生しました。
日本人の８割以上はそれまで原発がどうやって発電しているのかさえ知らなかったそうです。
今となってはですが、これは非常に恐ろしいことだと再認識しました。

５月に菅総理が東海地震の震源域にある浜岡原発の停止を要請、直後に浜岡原発は停止されました。
その後、各マスコミから”ひとまず安心”といった内容の報道がされていました。

しかし原発は一度臨界が始まると途中でやめることが出来ないシステムであり、熱が放出され続けるので冷却させる必要があり、冷却システムに電力供給を継続しないと再臨界してしまうので非常に危険であり、発電して各企業や家庭に電力供給できないのにも関わらず冷却システムを稼動させ続けなければいけないと。

仮に今のまま日本の原発を全て停止した場合、電気料金が5～10倍になる可能性もあるそう。
しかも日本では濃縮度の低いウランを燃料にしているとはいえ、放射線量が半分以下となる半減期が来るまで2万年以上かかると言われます。
電気料金が5倍になったとしても命の安全を考えたら原発を停止・撤廃させたいと考えるのも共感できるし、電気料金は据え置きで少々被爆リスクも容認しても安全性を向上させ原発を再稼動させたいと考える人もいる筈です。
そういう案が出てこないし、議論がされないのこと自体がそもそもおかしな話であると。

今まで私たちは、国が提唱してきた原発安全神話を疑いもせず無条件に信じ、放ったらかしてきた気がします。
文系の私たちでもそれに対し、議論可能な理系の情報を持っておく必要があると強く感じました。

”文系でも最低限の理系知識を”

これからの私たちにとって、大事なテーマではないでしょうか。（城）


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