復興

仕事で震災後初めて陸前高田へ行ってきた。一ノ関まで新幹線で行き、レンタカーを借りて車で片道約2時間弱。大雪の後で山道が危険な状態であったため、かなり時間がかかってしまったがなんとか陸前高田にたどり着いた。

仕事の目的は、システムのメンテナンスである。震災後、塩害で作物が育たなくなった土地で、水耕栽培のビニールハウスを建てて野菜を育てるプロジェクトが行われている。我々はそのビニールハウスのシステムの一部に関わっている。
そのプロジェクトによって、安全な野菜の生産が可能になり、現地で雇用が生まれている。震災復興に一役買っているというわけだ。

システムのメンテナンス作業が終わり、少し寄り道をして海沿いを通って帰ってきた。震災は3月だったが、今は同じような季節で私が訪れた日は風か強くかなり寒かった。工事車両が頻繁に行き交い復興工事は着々と進んでいるようだが、海沿いではまだ瓦礫の山や取り壊されないまま残された建物がたくさんあった。仕事で訪れたビニールハウスのすぐ横にも取り壊されないまま残っている建物が数件並んでいる状況であった。海から少し離れた場所でも仮設のお店がたくさん並んでいて、まだ完全復興まではほど遠い印象を受けた。




震災からもうすぐ2年が経過しようとしている。私が住む神奈川県では、震災の傷跡はほとんど見られなくなり、私たちの記憶も薄れかけている気がする。行き帰りの車で聴いたFMラジオでは復興や災害対策に関する情報が頻繁に放送されていた。未だ2700名以上の方が行方不明のままであるが、海沿いに立って当時のことを想像したら少し怖さを感じた。



電気や水など生活に必要なものについては、ほぼ回復しているようで不自由はないようだったが、放射能の問題や廃棄物の撤去など、解決できていない問題も多い。復興予算の使い方については、いろいろと難しい問題もあるようだが、必要な場所に迅速に利用されていないのは残念なばかりである。一刻も早い復興を願わずにはいられない。

(岳)

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