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栗くり坊主

 近所から栗をもらった。


 しかし、妻は「こんなに沢山の栗の皮を剥くのはイヤだ」と言った。「茹でてから剥きゃすこしは楽だろう」と私がいい加減なことを言うと、「栗ご飯にするには生の栗じゃなきゃいけない」と宣う。ならば、「オレが剥いてやる!」と生まれて初めて栗むきに挑戦することにした。
 だが、すぐに音を上げた。鬼皮の固いのは十分分かっていたから大して苦にならなかたが、その下にある渋皮を取るのが大変で、包丁を使い慣れていない私には大変な労苦だった・・。

  

 30分近くかかっても6個しか剥けなかった・・。それなのに栗を持つ左手と包丁を持つ右手が痛くなってきた。「これじゃあ、とても全部剥き切れないなあ・・」と一気に意気阻喪してしまった、もうやめようかな・・。
 しかし、妻に大見得を切った手前、弱音を吐くのは慎まねばならない。そこで、「栗の皮むき器ってのは売ってないの?」と訊いてみた。「売ってるけど、結構高いよ」と妻が苦笑しながら答えた。「でもなあ、このままじゃ、やたら時間がかかっちまう。いくらする物か知らないけど、ともかく探しに行ってみようよ」


 さすがに栗の時期だけあって、市内のショッピングセンターすぐに見つかった。その名も栗くり坊主、2600円。確かに高いが、これを使えば栗が坊主刈りの子どものように「栗くり坊主」になってしまうのかと思えば、安い買い物かもしれない。買おう!!
 家に戻って、期待に胸を膨らませながら、さっそく試してみた。
 
 まずは下の固い部分から切る。

  
 
 そこから上に向かって横の皮を剥いていく。少し深いと思うくらいじゃないと、渋皮までは剥けない。そのあたりの要領が難しいが、幾つか剥いていくうちに次第に勘が養われてきて、くるりと皮を一周剥き取ることも、薄く渋皮を剥くこともできるようになった。驚くことに、ほとんど力がいらない。はさみを使う感覚でOKだ。

 

 調子に乗って、1個剥き終わるまでの時間をストップウオッチで計ってたみたら、1分10秒!!ひょっとしたら結構速いかも・・。

結局いくつ剥いたんだろう・・。


 この「栗くり坊主」、まさに「文明の利器」と呼ぶにふさしい優れ物だった。

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