★ 2005年のアカデミー賞作品賞&脚本賞を受賞した「クラッシュ」を観た。
★ 1つの交通事故から始まる人と人との絡み合い。人種のサラダボールと言われるアメリカの多様性と闇を見せてくれる。
★ 分かりあいたいのに分かり合えない人間の性。不信が恐怖を生み、それが攻撃、暴力となること。逆に信頼しあえば、人は幸福になれること。幸、不幸は結局は心の持ちようだと思えた。
★ 因果の連鎖の描き方は実に綿密で素晴らしい。モノゴトはすべて結びついているという描き方は「バベル」にも継承されている。
★ 人種差別論者の警官が自らセクハラをした黒人女性を救出するところ、黒人の自動車盗が同じく黒人の演出家にたしなめられる場面が印象に残っている。「おまえの行いは私を貶め、自分自身を貶めている」というセリフ。
★ 偏見(恐怖)から殺人を犯してしまった若い警官は、これからどうするのだろうか。ペルシャ人の店主が筋違いな復讐をするところ。空砲のカラクリには一瞬ホッとする。しかし、実際に銃を撃ったことには違いない。
★ 見どころが満載の映画だ。さすがは「アカデミー賞」受賞作だ。