☆ 白石一郎さんの「海狼伝」(文春文庫)を読んだ。「海洋冒険時代小説」と銘打たれているが、まさに海に生きる若者の大河小説だった。
☆ 織田信長が諸国の戦国大名を打ち破り、本能寺と戦っていた時代。瀬戸内海では村上海賊が覇権を握っていた。
☆ 舞台は対馬から始まる。海女たちの舟をこぐ少年・笛太郎。名だたる武将の子息だというが、今は母親とひっそり暮らしている。そんなとき、かつて倭寇として対馬海峡で名を知らしめ、その後朝鮮で高官に取り立てられた「将軍」と呼ばれる男が帰ってくる。彼は笛太郎の祖父だというが。
☆ 笛太郎は、気性の荒い「将軍」に面会、奴隷のような仕事に就かされる。やがて海賊船に乗り込むが、あるとき商船を護衛する村上海賊との戦いに敗れる。九死に一生を得た笛太郎は明出身の三郎とともに村上海賊の幹部に列する能島小金吾に拾われ、行動を共にする。やっとの思いで大型船を手に入れた彼らは、商才のある小金吾を船大将に仰ぎ、琉球、ルソン、明との交易に乗り出すのだが・・・。
☆ 海戦の様子に熱中した。笛太郎はまだ20代前半、いよいよ彼の物語が始まるって感じだった。
☆ 今からおよそ500年近く前の人々が濃密に生き生きと描かれている。作者の途方もないイマジネーションに圧倒される。
☆ 織田信長が諸国の戦国大名を打ち破り、本能寺と戦っていた時代。瀬戸内海では村上海賊が覇権を握っていた。
☆ 舞台は対馬から始まる。海女たちの舟をこぐ少年・笛太郎。名だたる武将の子息だというが、今は母親とひっそり暮らしている。そんなとき、かつて倭寇として対馬海峡で名を知らしめ、その後朝鮮で高官に取り立てられた「将軍」と呼ばれる男が帰ってくる。彼は笛太郎の祖父だというが。
☆ 笛太郎は、気性の荒い「将軍」に面会、奴隷のような仕事に就かされる。やがて海賊船に乗り込むが、あるとき商船を護衛する村上海賊との戦いに敗れる。九死に一生を得た笛太郎は明出身の三郎とともに村上海賊の幹部に列する能島小金吾に拾われ、行動を共にする。やっとの思いで大型船を手に入れた彼らは、商才のある小金吾を船大将に仰ぎ、琉球、ルソン、明との交易に乗り出すのだが・・・。
☆ 海戦の様子に熱中した。笛太郎はまだ20代前半、いよいよ彼の物語が始まるって感じだった。
☆ 今からおよそ500年近く前の人々が濃密に生き生きと描かれている。作者の途方もないイマジネーションに圧倒される。