1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に。2403話目】 20年前、全身癌で余命僅かの父(先代)が拙僧に「親の死よりも檀家が優先だ。親が死んだくらいで、仕事に支障は」と。

2022-08-26 19:49:54 | 法話
釈尊の主治医が若い頃、名医の門を叩き、弟子入りを懇願。名医はその時「自分で10キロ四方の土地を決め、薬にならない草花を見つけてこい」と。が、探せど、探せど、これは根が、茎が、葉が、花が、種が、薬に。数年後、落胆して戻ると名医が「弟子になるを許す」と。これぞ正しくプロの育成。経験に勝る物なし。

【追伸】
父(先代)の3回忌(17年前)の時、当時16歳の息子が「爺ちゃんが手術台で、内臓を出された状態を見た時、父さんはどう思ったか」と。そう聞かれ、当時の事が脳裏を。「癌は、大腸、小腸、膀胱、腹膜、肝臓、肺にまで転移を。主治医が『見える所は切除しますが、2ヶ月後にはまた癌があちこちに顔を』と。檀家さんの中には『私達が住職を使い殺した』と言われた人がいた。父さんもそれ(苦労を掛けた事)を1番に思ったかな」と息子に。今年で20回忌。生きておれば、92歳。人間は2度死ぬ。1度目は、この肉体が滅ぶ時。2度目は、故人(私)を覚えている人達(伴侶、子供、知人など)が死ぬ時、一緒に。1度目の死までは、自分の力で何とでも修正が出来る。が、1度目の死から2度目の死までは、生き様しか残らない。拙僧の父(先代)は、私の子供達(父の孫達)に素晴らしい生き様を残してくれております。よく「人間、死んだら終わりよ」という人がいるが、いやいや、そうではないよね。








【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に。2402話目】 子育ては、親の主観をどれだけ抑える事が出来るかが、鍵。子供は、親の所有物に非ず。1人の人格者として対応を。

2022-08-26 19:04:14 | 法話
檀家の母親が「私なりに懸命に子育てを。なのに」と。対し拙僧「一生懸命の方向が間違っていたのでは」「では、どうすればいいですか」「子供の為、と思ってやってきた貴女のやり方の真逆をやってごらんなさい。不本意であろうと」と。半年後、結果は好転を。親の主観の押し付けは、子供にとっては負担でしかない。

【追伸】
この話には前項が。実はこの母親の子供、中学2年になる娘さんから「このままだったら、大好きな母親が嫌いになりそう。嫌いになりたくない」と事前に相談を受けていた。その後に母親が拙僧のところへ。最後にこの母親に「子育ては『ヤドカリ方式』にて。突けば、突くほど、中に入って行きよる。ほっといてごらん、出てきよるから。但し、出てきた場所が子供にとって、安らげる場所ならですよ。親は子供が安らげる場所さえ、構築しとけば、それでよか」と。