釈尊の主治医が若い頃、名医の門を叩き、弟子入りを懇願。名医はその時「自分で10キロ四方の土地を決め、薬にならない草花を見つけてこい」と。が、探せど、探せど、これは根が、茎が、葉が、花が、種が、薬に。数年後、落胆して戻ると名医が「弟子になるを許す」と。これぞ正しくプロの育成。経験に勝る物なし。
【追伸】
父(先代)の3回忌(17年前)の時、当時16歳の息子が「爺ちゃんが手術台で、内臓を出された状態を見た時、父さんはどう思ったか」と。そう聞かれ、当時の事が脳裏を。「癌は、大腸、小腸、膀胱、腹膜、肝臓、肺にまで転移を。主治医が『見える所は切除しますが、2ヶ月後にはまた癌があちこちに顔を』と。檀家さんの中には『私達が住職を使い殺した』と言われた人がいた。父さんもそれ(苦労を掛けた事)を1番に思ったかな」と息子に。今年で20回忌。生きておれば、92歳。人間は2度死ぬ。1度目は、この肉体が滅ぶ時。2度目は、故人(私)を覚えている人達(伴侶、子供、知人など)が死ぬ時、一緒に。1度目の死までは、自分の力で何とでも修正が出来る。が、1度目の死から2度目の死までは、生き様しか残らない。拙僧の父(先代)は、私の子供達(父の孫達)に素晴らしい生き様を残してくれております。よく「人間、死んだら終わりよ」という人がいるが、いやいや、そうではないよね。