1分で読める小さなお寺の法話集

子育て、人材育成に関する法話を実話と歴史から紐解いて書いております。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】忘れちゃならんもの(恩、失敗など)は、忘れちゃならん。大事にしなきゃならんもの(自分の命の支え)は、大事にせにゃならん。

2022-12-26 23:53:49 | 法話
檀家の92歳の婆様が一昨日、他界を。糖尿病で足の切断話が出たすぐあと、バイ菌が元で急死を。枕経に伺うと、斎場の社長さんが「住職。申し訳ありませんが、ご遺体の横に、別のご遺体が」「どうしたの」「この仕事を長年しておりますと、どんどん家族の絆が希薄になってきたを肌で感じます。この仏さん(別のご遺体、老婆)も、家族に置きっぱなしにされ、お寺さんも来ません。頼んでない様で。お寺もお寺で昨今は、お布施の額が少ないと、来ないお寺も。この国はどうなってしまったんでしょうね。この別のご遺体ですが、ここに安置させてもらっていて、大丈夫ですか」と。「大丈夫だよ。それじゃ、一緒に供養してあげようかね。これも縁だから」と。何か、可哀想だね。

この斎場の社長さんは、お金のないご家族の葬儀を、時折拙僧に依頼を。この依頼で過去に、1000円で葬儀をさせてもらった事が、数回あります。ご遺族には「阿弥陀さんのただ使いは、あかんよ。故人も恐らく『申し訳ない』と肩身が狭いはず。百円でもいい、千円でもいいから、お布施をしなさいや」と。このご遺族の方々、必ず数年後に「あの時は、お世話になりました」と、1万円(精一杯の気持ちなんでしょうね)を包んでお寺に。忘れていない気持ちが、有り難いですよね。

贅沢三昧な生活、ギャンブルなどして、その時(葬儀)になってお金がないという人。慎ましく生活をされて、その時(葬儀)になって『お寺に迷惑を掛けない様に』ときちんとされる人。檀家の中にも様々おります。それが子孫の姿に見事に出ておりますね。親の後ろ姿で子供は育っていきますので。因みに、生活保護受給者の葬儀は、国からの援助があるので、よく調べてみて下さい。

さて、この他界された92歳婆様の孫の話をここで。この孫達が11歳、9歳、5歳の時、道路拡張で家が立退に。その時、父親が立退料数千万円を持って逃走。その後、母親と3人の子供は、農家の道具入れ小屋で生活を。不憫に思った母親は、子供達を孤児院に。母親だけがその小屋に戻って生活を。その小屋で糖尿病が悪化し、母親は他界を。

その11歳の長女が、16歳になった時にお寺へ。「高校は」と尋ねると「行きませんでした。今、働いています」「そうか、大変だな」「大人の世界(社会)に入って、1つ感じた事があります」「なんだい」「文句や不平不満を言える人達は、まだ余裕があるんなんだな、と。私には、不満を言う余裕などありません。弟と妹に辛い思いをさせたくないし、上の学校にも行かせたいので」と。この長女さん、その後、弟と妹を高校に行かせ、2人の結婚の助力(費用も含)までも。自分は独身のままで。

その長女が、この度の婆様(母親側の母)の葬式に、懐妊姿で参列を。約5年振りの再会。思わず、拙僧「おっ、そうか。よかったな」と声を掛けると「この人が夫です」と、えろう優しそうな男性を拙僧に紹介してくれました。苦労してきた甲斐があったかな。






【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 危機管理能力の欠乏は、この国(日本)の最も大事な問題(課題)の1つかな。危機管理に目を向ける必要のない国だもんね、日本は。

2022-12-23 11:24:20 | 法話
【 危機管理能力の欠乏は、この国の最も大事な問題の1つかな。平和だもんね、この国(日本)は。危機管理に目を向ける必要のない環境だもんね、今現在においては 】

読者の若者が「近年は大雨で多くの被害が。大半は、不可抗力。が、我が家の昨年の大雨被害は、ほぼ人災。数年前から父に『ブロックの土留めは危険だから、今なら型枠組んで、コンクリ流す程度で終わるからやろうよ。土砂崩れしたら、土木工事に、下手したら賠償と、何倍もの費用が。このブロック土留めは、将来(危険)が見えてるんだから、今、動こうや』と随分言ったんですが。その数ヶ月後、現実(工事代750万円)を突き付けられて父は、大変に後悔を。災害前だったら、150万円ほどで済んだのに。問題意識を持たんは、あかん。日本も危機管理能力はないですもんね。事が起こった後からでは、遅いのに」と。

更に、この若者が「父親も父親だが、母親も母親なんですよね、わが家は。妹は、非常に可哀想な事をしました。母は常に『娘は、幼い頃から物静かで、親に1度も反抗した事がないんですよ』と方々で自慢を。その妹が17歳の時に自ら命を。『逆らわないのは、親に気を遣って生活してるからだよ。何故、それがわからんのや』と随分注意したんですが。遂に、限界まで追い込んで。こんな悲しい事例、恐らく世の中には沢山。住職の法話にこの話を載せて下さい。少しは考えを改める人が」と悔しそうに。「わが寺の檀家さんの中でも、中高生の自死が10人近く。自死理由は、いじめ、友人関係、ではなく、わが寺の檀家さんに限っては、大半が親子関係の不和。『親の主観(正論)を押し付け過ぎると、優しさが欠けますよ』と、随分注意をしたんですがね。事が起こって初めて親は、自分の非を認める事に。これもまた、危機管理能力の欠乏かな。『自分のとこ(家庭、国など)は、大丈夫』と、根拠なき自信が」と。









【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 座っての仕事が増加の今日、わずか30分の運動をするか、しないかで、癌発症のリスクが。健康は、自分で確保を。

2022-12-22 17:02:41 | 法話
【 適当な運動もせず、座りっぱなしの作業をしている人は、癌発症のリスクが高くなると、米国、日本で昨今、専門家が発表(詳細はググッて下さい)を。こうした発表は、その都度、その都度、変わってくるが、運動不足が体に悪いは、共通した見解かな。そう言えば、以前、30分のウォーキングするより、風呂掃除30分の方が運動消費量(100カロリー消費)は大きいと。在宅ワークを強いられている現在、風呂掃除は運動不足も解消、加えて、母ちゃんも喜ぶ、と、一石二鳥かな 】

檀家若者が「座り過ぎ(仕事、ゲーム、テレビなど)で、癌になる確率が高くなるというデーターが出てるを、住職は知ってるか」と。「拙僧を心配してくれてるんだろ。住職は、読経、相談受け、などの座り仕事だから。大丈夫だよ。毎日、朝5時から2時間、境内の掃除をして、それから本業務。月に5千キロ、車の運転を。立ったり、座ったり、歩いたりと。運動は出来てるから」「それなら、いいや。安心した」と。

続けて若者が「世界20ヵ国を対象の調査では、1日平均の座する時間が、世界の平均が5時間に対し、日本人は7時間だって。2020年発表の米国医学論文でも、座っている時間の長い人は、癌になる確率がかなり高いと。日本の癌治療に携わる医師も、癌になった人は、ならなかった人よりも、平均35分長く座っているとの研究結果を出してるよね。この僅か30分を運動に変えるだけで、癌発症のリスクが下がるんだって。具体的には、ウオーキングなど軽度の運動で8%減、サイクリングなど中等度の運動で、31%減になるんだって」と。

対し、拙僧「癌のリスクは、遺伝、感染を除き、喫煙、飲酒、食生活、運動不足、適正体重の管理不足だってね。でもさ、檀家の中には、90歳を超えて老衰で死ぬまで、毎日、煙草30本、飲酒5合、という爺さんを含め、不摂生者が何人かいたんだよな。『チマチマ生きていて、何が楽しいんや。ストレスが溜まって、余計に体を悪くするわい』が、口癖だったな。ネガティブな話ばっかりでは、恐怖を煽るだけだもんね。まあ、こんな人もいる、という話も、時にはいいかな。でも、運動はやっぱり大切だよね。座ってる時間の30分だけでも、立って運動に切り替えるだけで、癌(病気)のリスクが減るんなら、やった方がいいよね。拙僧の息子は、1日10時間以上、パソコンに向かって統計、設計の仕事をしているが、小さなウォーキングマシーンを踏みながら、立って仕事をしてるよ。ダイエットという訳でもなさそうだし、この癌リスクの情報を、どこかで仕入れたのかな。情報通だからね」「私もパソコンに向かいながら、息子さんと同じ事をしています」と、この檀家の若者が。

【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】師走には、各地の神社仏閣へ、必ず御礼報謝の参拝を。何度でも言いますが、信仰は特別な物ではない。特別な物にしている者がいるだけ。

2022-12-21 18:23:42 | 法話
一昨日、1年納めの御礼報謝で、宮崎県の生目神社へ参詣に。現在、ロンドンから来ている妻妹の息子(21歳)君も、拙僧夫婦と一緒に。彼が「英照(拙僧の僧名)、御礼報謝は、絶対に行くんですか。夢が叶った時だけ、行くんですか」と。「願い事が叶わなかった、としても行くよ」「何故、叶わなかったのに、御礼報謝に行くんですか」「お願いをしたんでしょ。なら、礼儀として行かなきゃ。叶わなかった事も、報告に行かなきゃ。頼みっぱなしで、知らん顔は、あかんでしょ。頼んだんだから。『有難うございました。今年は駄目でしたが、来年、また頑張りますので、見守っていて下さい』とね。これは、神さんだけに限らず、人に対しても、そうでなきゃ」「こういう事(御礼報謝)を日本人は皆、やってるの」「やってる人も、やらない人も、多いだろうね。やらない人が駄目、という事ではないよ。先に生まれた人達に、教えてもらってないから、やらないだけ、なんだから」と。

更に、拙僧「もうすぐ正月だが、コロナ前は、正月三ヶ日は毎年、お寺でお節料理を振る舞っていたんだが、家で食べられない人達がわんさか、食べに来られていたよ。特に子供達が『お寺に行ったら、雑煮や紅白なますが、食べられる』と言って、喜んでたよね」「食べられんって、自分の家では作ってない、という事なの」「まあ、そういう事かな。日本もどんどん伝統が、失われていってる感じかな。悲しいけど」「それぞれの家庭でも作りなさい、と英照は指導をしないの」と、妻妹の息子(英国人)が。「その先にどうするかは、それぞれの家庭の事(事情も含め)。そこまで介入は、しないよ」「そうなんだ。言ってやれば、いいのに」と。

【余談】因みに、神社の参詣作法は、トップの伊勢神宮が、2礼8拍手1礼。少し遠慮して出雲大社、明治神宮、宇佐神宮などが、2礼4拍手1礼。その他は、更に遠慮して、2礼2拍手1礼。拍手するは「神さん、来たよ」と、音を出して知らせる為。賽銭もそれに同じ。音を出して参詣したを、神さんに知らせる為。よって、お札ではなく、小銭を。
この事に対し、拙僧の娘が学生の時「お父さんは、柏手はせずに合掌してるじゃん。小銭ではなく、お札を入れてるじゃん。何でよ」と。「恥ずかしいやんか。わざわざ神さんに、来たを知らせるは。お礼参りに来ただけだから、コソッと帰る」と。




【住職の法話。考え方を少し変えるだけで、苦しい人生が、楽しい人生に】 何度でも言いますが、天からもらった最高のプレゼントは、わが女房殿にて。

2022-12-17 20:22:40 | 法話
【 結婚問題は今、日本の頭の痛い事案に。デートをした事がない若者も、彼氏、彼女がいた事がない若者も、少なからずと。わが寺の檀家さんの中でも、40代、50代の未婚者は、男女を問わず、結構におらっしゃる。様々な事情(結婚出来ない)は聞いてはいるが、何かしらの方策、後押しが必要かな。人を重視された信玄公の言葉「人は城、人は石垣、人は堀」は真理にて 】

檀家の女子高生が「先日、番組で『プロポーズ』の話が。殆どが、サプライズプロポーズの話。住職が以前『サプライズ好きで、長続きしたカップルを見た事がないかな。前のサプライズを超えにゃならんから、身も心も内容も行き詰まって、破綻状態に』と法話で。私もそう思うし、そもそもサプライズは鬱陶しい。サプライズをする人って、サプライズをしている自分に酔ってるだけなんだよね。『あなた、それは、言い過ぎ』と反論が出そうだけど」と。

この女子高生が「ところで住職は、奥様へのプロポーズは、どうだったの」と。「プロポーズは、やった覚えはないな」「えっ、なら、どうやって、奥様の了解を取ったの」と。「家内が20歳の時、拙僧が24歳の時に、付き合いが始まって、その半年後に家内の了解も得ず、結婚式場(美空ひばりさんが、最期のコンサートを開かれた会場)と、日程を決めて、家内が勤めていた会社に迎えに行き、その事を告げた」「とんでもない人だね。何よ、それって、完全にサプライズじゃん。それで奥様は、何と言ったの」と。「あっけに取られて『まだ、両親に付き合ってる事さえ、話してないのに』と。対し『これから、話すったい』と。ご両親に承諾を得たは、その半年後の結婚式3ヶ月前。いや〜、焦ったよ」「それって、犯罪じゃん」「子供達にも、同じ事を言われたが『何を言っとる。父さんの即断即決(電光石火)があったから、君らはこの世に来れたんじゃろ』と」「そりゃ、そうだけど。で、住職の事だから、何か、意図があったんでしょ」「意図、って言うほどでもないが、ただ、当時、家内は20歳。考える暇(時間)を与えなかった。後に家内が『気付いたら、結婚させられていた。あの時、もし25歳を超えてたら、そう簡単には了承してなかったんじゃないかな』と言ってた」「その流れ、とても褒められた話じゃないけど、将来、私に彼氏が出来て、結婚決断にウジウジしてたら、この法話を見せよ、っと。まあ、しかし、世の中、色んな人がおるもんだ」と、この女子高生が呆れた顔で、拙僧をガン見してました。

【おまけ】読者若者が「昨今、タイムパフォーマンス(費やした時間に対する満足度)なる言葉が。映像を倍速で見る人が増加と。これって、どう思いますか、住職」と。「時間の使い方は、人それぞれだから、何とも思わないが、ただ、昔のCMの『狭い日本、そんなに急いでどこへ行く』という言葉を思い出した。その頃、拙僧は『回遊魚(止まったら死ぬ)』と呼ばれていて、ご老人達から『生き急ぐなよ』と言われていたな」「ところで、住職の投稿法話ですが、少し長いですよね。時折『長いです』とメールが来ているようですが、あれって、どう思ってるの」「別に何とも。時短を好む人、長文が嫌いな人は、無視して頂ければ。時短を好まない人、長い文が苦にならない人、長い文が好きな人だけ、読んで頂ければ」と。


家内と、伏見稲荷へ。